軍隊調理法
2019年06月11日
前回、肉饂飩というのを作ったのですが、調味料の量がいまいち分からず、いまいちな出来栄えでした。ところで、軍隊調理法には重複する様なメニューが乗っていたりするもので、例えば、牛肉佃煮と肉飯なんかもそうなんですが、今回挑戦した肉うどん汁も、肉饂飩と重複する様なメニューです。
今回も使うのは人参と玉ねぎ
うどんの具としては珍しい具材です
今回の肉は豚肉です
こちらがレシピ
■作り方
まず、たっぷりのお湯で干うどんを湯がき、ザルで湯を越して冷水で締めます。次に飯盒で油を熱して、肉と人参を炒めます。次に水を入れるのですが、今回は水の分量が書いてありました。一人分270ミリリットルです。続いて玉ねぎを投入し、調味料として醤油30ミリリットル、砂糖2グラムを入れます。砂糖は好みによって入れると書いてありました。この様にちゃんと分量が書いてあると、手探りで味つけしなくても良いので、より正確に当時の味を再現する事が出来ます。
今回は2人前でしたので、麺の量も多く熱かったです
豚肉と人参を炒めます
人参を先に炒めるのは、火がなかなか通らないからです
豚肉と人参に火が通ったら、水を入れます
今回は2人前なので540mlです
続いて玉ねぎを投入
そして醤油。ちょっと薄味かも?
砂糖は入れても入れなくても良い様です
■仕上がり
玉ねぎと調味料を入れたあと、しばし煮込みます。玉ねぎが透き通るくらいまでで良いので、8分ほど強火で煮込みました。
いい感じに玉ねぎに火が通ったら、茹でたうどんを飯盒に入れてかき混ぜ、ちょっと煮込んだら出来上がりです。前回の肉饂飩と比べると、今回は玉ねぎと醤油の甘辛い香りがして、食欲をそそられます。
玉ねぎに火が通るまで、強火で煮込みます
玉ねぎが透き通ってしんなりしました
先ほどのうどんを投入し、よく具とかき混ぜます
いい感じに煮込んで出来上がり
■感想
今度の肉うどん汁は、具こそ玉ねぎだの人参だのですが、今のうどんに近いものが出来ました。肉饂飩もそうですが、軍隊調理法では出汁の入った麺つゆを使わないのが特徴ですが、これはこれで十分美味しく感じました。
ちょっとご飯ほしくなりましたねぇ
2019年04月08日
前回、干鱈を使って鱈時雨を作りましたが、とても塩辛いものでした。一応、軍隊調理法では、棒鱈や干鱈を水で戻して生鱈の代用とする、と書かれているのですが、塩抜きに関しては何も書いていません。ともあれ、塩辛くて食べるにつらい、というのでは料理として不合格ですので、今回は生鱈でリベンジする事にしました。
鱈も色々売っているのですが、今回は骨のないムニエル用
まぁ、一番干鱈に近い形してますしね
一応、レシピ載せておきます
■生鱈
さて、生の鱈を使う訳ですが、一口に生の鱈と言っても色々ありまして、塩をしてあるのからしてないのまで、果てはムニエル用までありまして、一体どの鱈を使ったら良いのか、見当もつきません。前回、塩辛いのでえらい目にあったので、今回は塩をしてないのを買おうと思ったのですが、そこで目についたのが、皮も骨も取ってあるムニエル用の鱈。これなら皮取る手間もないし、骨もないから食べやすいだろうし、形も干鱈に似ているのでいい感じに思えました。
問題はどれだけの量を買えば良いのか。レシピでは、鱈の量は150グラムと書かれているのですが、これは乾燥した棒鱈や干鱈の重さだと思うのです。ところが生の鱈となると水分を含んでいる事から、150グラムでは少ないのではないか。しかしまぁ、よく分からないのでとりあえず150グラム買ってきました。
生姜10グラムを刻み、鱈を半分に切って胴切りにします
今回は水で戻さないので、すぐに調理できます
飯盒に鱈と生姜、醤油30mlと砂糖15gを入れてザッと煮ます
今回は水を下の水量線の半分にしました
一煮立ちすると灰汁が出ますので捨てます
灰汁を捨てたら、鱈を引き上げます
あまりひつこく煮ていると、身がボロボロになります
■水の量
前回、一番困ったのは水の量です。レシピには何ミリリットル使えといった指示はありません。使う水の量によって、煮詰める時間も変わってきますし、鱈を煮込む時間が長ければ身がボロボロになってしまいかねません。前回は150グラムの干鱈に対して、下の水量線まで水を入れましたが、今回は下の水量線の半分までとしました。
ざっと鱈を煮たあと、鱈を引き上げて煮汁を煮詰めますが、今回は中火で10分煮詰めました。その頃には、水はさらに減って1/4くらいになっていました。そこで先ほどの鱈を入れて、中火で10分煮詰めました。煮汁はほとんど無くなってしまいましたが、焦げ付く前に火を止めて冷やしました。
火力が強いと泡立った感じになるので
中火でゆっくり煮詰めていきます
煮汁が半分くらいになったところで、鱈を再投入します
ゆっくりコトコトと煮詰めていきます
汁が完全になくなる前に火を止めます
■おそらく完成
さて、冷めた後に試食してみました。今回は無煙の鱈ですので、純粋に醤油と砂糖と生姜だけで味をつけてあります。身が厚いところは味が薄い感じでしたが、前回の様に塩辛くはなく、美味しく仕上がりました。
ただ、やっぱり生鱈で150グラムは少なかった様で、仕上がり量は前回の干鱈の半分ほどになってしまいました。しかし、倍の300グラムだともっと薄味になる様な気がします。作り方としては生鱈を使う様な感じですが、調味料の量は棒鱈を使うのではないのか。調べてみたら、棒鱈は塩を使わず干すそうですから、干鱈よりは塩味が少ないのかもしれません。
いずれにせよ、生鱈の場合、作る手間は非常に少なく簡単に作れました。確かに弁当のおかずに向いてそうです。
2019年02月16日
飯盒はご飯を炊く炊事道具ですが、麺を煮るのも得意です。そこで今回はウドンを作る事にしました。軍隊調理法の第三の煮物に収められている一五の肉饂飩です。檸檬と同様に饂飩も書けと言われたら書きにくいですよね。ウドンって麺類ですけど、軍隊調理法では煮物に分類されています。さらには「温食給養」と書かれています。寒い時に給与されるみたいです。
これで一人分
兵式飯盒なら二人分くらいが作りやすいです
こちらがレシピ
今回は牛肉でやりましたが、豚肉でもOKです
■ウドンを茹でる
ウドンはレシピでは乾麺ですが、生麺でもOKとの事です。この場合は80グラム使います。今回は乾麺ですので50グラムです。ちなみに、乾麺は茹でるのが当然ですが、生麺の場合はどうこうしろとは書いてありませんでした。生麺の場合は、さっと水で解す程度で良いのかもしれません。
まず、たっぷりの湯でウドンを湯がきます
あとで煮込む事を考えて、やや硬めにしました
ウドンはザルに空けて、水で締めます
■具材の用意
特徴的なのは具で、牛肉はともかく、人参と玉ねぎを使うのはウドンとしては珍しいと思います。肉と人参は炒め、玉ねぎは煮ます。さらに珍しいのは、小麦粉とラードで油粉捏(ルウ)を作る事です。カレー汁の場合と異なり、ここでは小麦粉を炒めず、小麦粉をラードで捏ねて粘土状にします。
肉は細切りにします
人参と玉ねぎはレシピ通りに切りましたが
熱が素早く通り易い様にやや薄切りにしました
まず飯盒にラードを煮立てます
牛肉と人参を炒めます
■レシピに書いてない分量
牛肉と人参を炒めたあと、水を入れて煮るのですが、この水の量が書いてありません。軍隊調理法の特徴であると思うのですが、意外と水の量が書いてないレシピが多いのです。あまり入れすぎたら薄くなるでしょうし、少なめだと汁気が足りなくなります。良い感じにやれという事でしょうか。
さらにこの後、砂糖と塩で調味せよ、と書かれているのですが、この分量が書いてありません。砂糖と塩で味をつけるというのも珍しいやり方ですが、濃すぎたら元には戻せないので薄味にして、あとで好みに合わせて味付けした方が良いと思いました。
次に水を入れて煮るのですが、例によって量が書いてありません
入れすぎると薄くなるので、下の水量線までとしました
灰汁を取ります
玉ねぎを入れて煮ます
ここで砂糖と塩で味を整えるのですが
これまた分量が書いてありません
とりあえず、砂糖も塩もひとつまみにしました
良い感じに玉ねぎが透き通ったらウドンを入れます
ここで油粉捏に汁をいれて溶いて、投入します
油粉捏を入れたことでトロミがつきました
ちょっと煮込んで完成です
■薄味の出来栄え
このウドン、麺つゆを使ってないので、その意味ではウドンらしくありません。おそらく砂糖と塩の量が少なかったのだと思いますが、牛肉の味が全面に出た味でした。ウドンというよりは、塩炒めの野菜炒めにウドンを入れてトロミのある汁を入れて煮た感じです。
温食給養用とあって、結構トロミのあるウドンですので、体が温まると思います。
調味料が砂糖と塩なので、とてもプレーンな味です
2019年02月03日
軍隊調理法の第十の其の一は、携行食、いわゆる弁当のおかずになるものが収蔵されているのですが、大抵は汁がこぼれない煮詰める系のおかずです。今回はその中から、第十の其の一の一二、鱈時雨にチャレンジしてみました。
今回は干鱈を使用。棒鱈でも構わないとの事
いずれも生鱈の代用で、生の鱈を使うのが本ちゃんの様です
干鱈といえば、塩辛くて、軽く炙ってお茶漬けにしたりますが
一晩水につけて塩抜きして、甘露煮などにもします
■準備
レシピによると、鱈は150gとの事ですが、含水量の違いから、棒鱈、干鱈、生鱈おのおので重さが違って然るべきだと思うのですが、その事については何も書かれていません。もしかしたら、棒鱈を使う前提なのかもしれません。今回は干鱈ですが、かっきり150gで売ってました。とりあえず、干鱈は尻尾を切って一晩、水に漬けました。
翌朝、水から引き上げ、レシピに書かれているとおり、筒切(というかぶつ切り)にし、生生姜も細かく刻んで、いざ調理開始です。
こちらがレシピ
一晩水に浸けます
柔らかくする他、塩を抜く意味もあります
一晩漬けた干鱈を引き上げ、筒切にします
生姜も皮むいて細かくしました
■水の量は書いてない
さて、いよいよ調理に入るのですが、ここでレシピを見てみると、「鱈に醤油、砂糖、生姜を入れざつと鱈を煮上げて笊にとり」と書いてあります。その醤油と砂糖というのは、醤油が30ミリリットル、砂糖が15グラムと極めて少量です。ざっと煮上げもなにも、あっという間に焦げ付きそうです。文章の通りにするならそうするしかないのですが、いくらなんでもそれはないだろうと思い、とりあえず飯盒に鱈を入れ、下の水量線まで水を入れて沸かし、醤油と砂糖と生姜を入れて「ざっと」煮上げました。
次に「其の汁を煮詰めたる」と書いてあるのですが、何分煮ろとは書いてありません。元のレシピに従うなら、煮詰める間もなく焦げそうな気がしますが、既に水を使っているので言葉の通りにはいかんだろうと思い、とりあえず10分ほど煮てから「前の鱈を入れて煮詰め」と書いてあるので、其の通りにしました。
今度は煮詰めるまで煮続けるのですが、強火だとあっという間に吹いてしまうので、中火以下にしてコトコト煮る事にしました。ところが、思いの外早く煮詰まってしまい、20分もしたら汁がなくなりそうになりました。レシピではこれで完成という事になります。
調味料だけでは焦げそうなので水を入れて煮ました
調味料を入れて、10分ほど煮ました
汁だけを別の飯盒に移し、汁だけ10分ほど煮ました
その後、再び鱈を投入し、煮ます
火力が強いと、煮汁が吹きこぼれますので
吹きこぼれない程度の火力に落とします
15分ほどでこんな感じになりました
■煮直し
さて、出来た鱈時雨を食べてみたのですが、とにかく塩辛い。塩抜きで一晩浸けたのですが、全然塩が抜けてない感じです。生の鱈だったらこうはならなかったと思うのですが、棒鱈の場合はどうなんでしょう。とにかく塩辛いです。ついでにいうと、骨は小骨も固いままです。まぁ、圧力鍋を使った訳でもなく、15分程度煮たくらいでは、骨は柔らかくなる訳がありません。
そこで、足し水をしてさらにゆっくりと煮込む事にしました。煮込む事、小一時間、またも煮詰まって来たのですが、さらに足し水して煮込むと、いよいよ鱈の身が粉々になってしまいそうなので、ここで煮込むのを中止しました。
改めて試食してみたところ、塩辛さは相変わらずですが(まぁ、汁を捨てて水で薄めた訳ではないので)、骨は大分柔らかくなっていました。ご飯と一緒なら辛うじて食べれますが、やはり塩辛さが相当に勝っていて、美味しいというには程遠い。これはやはり使った干鱈に問題があったと思います。おそらく、生鱈を使い、圧力鍋で作ったら美味しいのが出来たと思います。
このままでは成功とは言い難いので、機会を改めて再チャレンジしたいと思いますが、その前に棒鱈は塩辛くないのか、調べてみたいと思います。
足し水をして再び煮詰めました
大分身が崩れて来たので、ここで煮詰め終了
本ちゃんの鱈時雨はこんな塩辛くないと思います
2019年01月30日
去年、ジャガイモに続いてトマト、きゅうりと活躍した庭の家庭菜園、冬場は休耕という事で放置してあったのですが、台風シーズンを乗り切った大根が地面からニョッキリと顔を出してました。一体どうするのかと思っていたのですが、ようやく嫁さんが食う気になったので、今回は久々に軍隊調理法をやる事にしました。
軍隊調理法、第一の五「大根飯」です。
今まさに引っこ抜かれた大根
素人農法にしては、立派に出来ました
■用意するもの
大根飯は、その名の通り、大根がメインのおかずです。軍隊調理法によると、野外調理兼用と書かれているのですが、つまり兵営の炊事だけじゃなくて、演習や野戦といった状況でも作れる、言って見れば簡単な料理という事です。実際にめっさ簡単です。
レシピによりますと、大根200g、牛缶50g、醤油30mlとあります。一般的な和風の煮物だと、醤油以外に砂糖も使うのですが、軍隊調理法では砂糖は使わない様です。また、牛缶は「部隊用の牛水煮缶をさす」と書かれているのですが、牛肉の水煮缶なんて売ってるのを見た事がありません。その場合は、普通に牛肉を使えば良いのでしょうが、賞味期限が迫っていて誕生日に開けるつもりで取っておいた牛肉の大和煮缶を代用する事にしました。
レシピによりますと、大根200g、牛缶50g、醤油30mlとあります。一般的な和風の煮物だと、醤油以外に砂糖も使うのですが、軍隊調理法では砂糖は使わない様です。また、牛缶は「部隊用の牛水煮缶をさす」と書かれているのですが、牛肉の水煮缶なんて売ってるのを見た事がありません。その場合は、普通に牛肉を使えば良いのでしょうが、賞味期限が迫っていて誕生日に開けるつもりで取っておいた牛肉の大和煮缶を代用する事にしました。
醤油は一応、大根200gに対して30mlという事になっているのですが、まぁ、この辺りは好みで増やしても良いかと思います。味を見て薄いなと思ったら、ちょっとずつ足す感じです。
このまま、汁が底に残る程度まで煮詰めて行くのですが、具材に味が染み込んで行くのは、実は火を止めて冷めて行く過程で染みますので、時間に余裕があるのなら、煮立てたあと一旦火を止めて、冷ましてから再び火に掛けると、いい感じに味が染みます。
■喫食
いい感じに出来上がったら、ご飯に混ぜて食べます。砂糖は使っていないものの、大根から甘みが出るせいでしょうか、いい感じに和風の煮物っぽくなっております。
今回は牛肉の大和煮缶を使ったのですが、煮込んだ後は、なんかカスカスした感じになっており、そのまま食べたときよりもそれほど美味しくはなくなってました。牛肉の大和煮缶、結構良い値段しますしね、それなら普通に牛肉使った方が良いな、と思いました。