爺ヶ岳
2020年07月05日
緊急事態宣言だの東京アラートだのが解除されて以降、コロナの感染者が毎日100人を超えてますが、そんなもんお構い無しに次のレースです。JNCCの聖地、爺ヶ岳スキー場で開催されるWEXイースト第四戦に参加してきました。
降ったり止んだりの曇天の下のTOYZ Racing本営
結構まとまった雨が降り、明日の覚悟は固まりました
一応、セクションスクールはあったみたいですが
誰一人行きませんでしたw
■雨でも何でも来い
爺ヶ岳スキー場では、過去6回レースを走っていますが、その内4回は前の晩に雨が降る最悪コンディションでした。今回も間違いなく雨になろう事は予想出来たのですが、どうにか出来るのはタイヤくらいなもんです。
タイヤはフロントが絶対の信頼を寄せているミシュラン・エンデューロミディアム。リアはIRCのVE33Sです。あのクソ重くなるゲレンデの土には、ミシュラン・エンデューロよりもVE33Sの方が向いていると踏んでの事ですが、タイヤ交換するのが面倒くさかったので、前回のGAIAに引き続いての使用です。空気圧は前が0.5、後ろは0.3に合わせました。
ぶっちゃけ、バイクの準備というか対策は、塩ビ管フレームガードにカーボンシート貼ったくらいで、何もしていません。まぁ、それだけBETA X-Trainerには厚い信頼を寄せています。
そんな事よりも、雨間違い無しなので、嫁さんの長靴(結婚した当時に買ったのは、サイズアウトして履けなくなった。というか、履けるのを探すのが大変だった)や、いよいよボロになったゴールドウインのレインウェアを処分して、ワークマンで新しいレインコート(と言うほど立派なものではない)を調達したりと、雨対策を充実させました。
ジモティーで手に入れたとか言うホットプレートが最近大活躍
お昼はお好み焼きでしたw
晩飯にいつもの様に飯盒メシ
2本炊けば良かったかな?
ホットプレートで蒸したウナギの蒲焼き
猛烈に美味かったです
■戦闘力喪失
明けて翌朝。予報では5日は雨が降らない事になっていたのですが、予報通り、雨は降ってませんでした。降っては無くても前の晩までに盛大に降っていたので、コースの方はゲレンデからグチャグチャの予想をしていました。ライダーズミーティングでは、ウッズが滑るとの事。滑ろうがどうしようが、90分走るしかないし、大体どんな目に遭うかはこれまでに何度も経験済みなので、昔ほど慄きもしません。
いつもの様に日章旗が振り下ろされ、いつもの様にスタート。最初の1周は下見ラップと心得ているので、他の人に遅れない程度に着いて行くだけで、そんなに気張りません。コースの方は、あんだけ雨が降った割には、それほど走り難くなく、土も重苦しくもない。ゲレンデなんか、むしろよくグリップして走り易く感じました。数年前に比べると、土質が変わったのかもしれません。
そのままゲレンデを走り抜け、いよいよウッズコース。滑るとは聞いてましたが、確かに良く滑る。そこここでコケる人続出です。その中を慎重に下って行ったのですが、目の前でコケた人がいて、それに巻き込まれる格好で自分も転倒。そこまでは予想してたので、綺麗にコケたつもりだったのですが、地面に右足の太ももが着地した途端、猛烈な激痛が走りました。大体こういう時、自分は大抵は悪態を付くのですが、もう痛くて痛くて声も出ない。一体何が起こったんだと地面を見てみたら、人の頭ほどの尖った石が地面から生えていて、その上に倒れこんだ様です。
ともかく痛くてしばらく立てずに居たのですが、90ミニッツ最後列あたりのとある人が心配してくれて、バイクを起こしてくれました。一応、バイクに跨りはしたものの、太もも(と言うか大腿骨の付け根の関節のあたり)が痛くて痛くて、全然踏ん張れません。間が悪いと言うか運が悪いと言うか、とてもレースやる気になれません。かと行って、ウッズの中でずっと居る訳にも行きません。ともかく、ウッズを抜けない事にはならんのです。
今回、唯一写ってた公式フォト(右端)
戦闘力を喪失した瞬間のシーン
痛くて声も出ませんでした
休んでたら、XR230“パンツァーファウスト号”を引き継いだ隊員が
「前ブレーキ効かなくなっちゃった」
■おそらく、一番優しいコース割
とりあえず再発進したのですが、滑るのを堪えたり、地面のデコボコがあったりすると、右足が痛い。地面に着いても痛い。足垂らしてても痛い。まさか折れてたりはしないと思うけど、痛いもんは痛い。しかし、このままリタイアするのは余りにも格好悪い。去年はバイク動かなくなったから仕方ないけど、バイクが壊れてない以上は、せめて1周はしない事には格好がつかない。
と言う訳で、ハードエンデューロでもないのに「魂の一周」をする羽目になりました。上のウッズからは基本的には下り中心のコースになるのですが、この下りがしんどい。もともと下りは苦手ですが、片足が踏ん張れないと言うのは、実に乗りにくいもんだな、と感じました。ともかく、頑張れるだけ頑張って、休める所で休んで、と言うのを繰り返しながら、少しずつ駒を進めていきました。
走りながら感じたのは、今回のコースはこれまで走ってきた爺ヶ岳のレースの中では、結構優しいコースだな、と言う事。FUNガレもありませんし、ロックンロールリバーの源流も随分均されているし、ロックンロールリバーの入り口もないし、足が元気だったら、結構楽しんで走れたんじゃないかな、と思います。実際には、他の人の邪魔にならない様に休み休み進んでいたのですが、残念な事でした。
その後、転倒したのは一度だけ。バイクを起こす時はやっぱり右足が痛く、「やっぱ今日はダメだな」と感じました。そんなこんなで、1周に役75分ほどかけて、やっとチェックポイントに帰還。自分が帰ってきた時、L1が出されましたが、そんなもんは無視してそのままピットイン。そのままレース終了となりました。
今回、大活躍するはずだったクロストレーナー
純正の外装でレースに臨むのは、今回で最後です
■総括
帰還後、嫁さんからは「90でビリケツだった」と非難された訳ですが、それはもう面目次第もない事で、まさかコケた先にあんな石があるとは思わなかったもんで、こればっかりは運が悪かったとしかいい様がないかな、と思います。ま、こう言うこともあると言う事です。
走行に関しては、いくつか思い当たる点がありました。まず、爺ヶ岳のゲレンデの土質が変わったのか、あれだけ雨が降ってもゲレンデの石の少ないところは土がネトつく様な感じでなく、むしろパサパサしていた事。VE33Sよりミシュラン・エンデューロでも良かったかもしれません。下りに関しては、ミシュラン・エンデューロミディアムのフロントタイヤは、やはり絶対的信頼感がありました。
Beta X-Trainerはエンジンの回転が落ちた低速時でも強力なトルクを発揮するバイクですが、上り坂でエンジンの回転がピークパワーに達せず落ちて行った時、クラッチレバーを瞬発的に握ってエンジンの回転を上げてやり、クラッチをパッと繋ぐと言うやり方で、失速したりエンストしたりする事なく、最後まで登り切る、と言う場面がいくつかありました。エンジンの回転を上げ切らない乗り方をしている訳で、余り多用すると流石にクラッチが壊れると思うのですが、こう言う使い方も出来るのだ、と驚きました。
前回のGAIA戦では、やたらとバテたのですが、今回は事前にアミノボンバーだけでなく、アリナミンも飲んでからレースに臨みました。体感的な感想ですが、アミノボンバーは瞬発的な体力に効果があり、アリナミンは恒常的な体力に効果がある様な、そんな気がします。
2019年07月28日
今年のWEXイーストは、バイクや身体、その他に支障がなく、第一戦から今回の第五戦まで、連続して参加する事が出来ました。今回の爺ヶ岳戦は、本年度前半戦の締めくくりのレースとなります。また、第一戦には間に合わなかったものの、第二戦以降、CRF450RX“ゲイレルル号”が安定的に連続して投入されてきた事もあり、マシン的な意味でも中間報告的なレースになるはずでした。
朝一番に乗り込んで、準備を進めます
■事前の準備
前々回の戸狩(この時は試走のみ)、前回の神立で感じた事は、「2速で走るには遅く、3速に上げるにはトルクが足りない」という、「ちょっと何か足らん感」でした。そこでスプロケのセットを見直す事にし、リアが51丁だったのを52丁に変更する事にしました。もっとも、7月上旬に注文したところ、「入荷までに3週間ほどかかる見込み」との返事があり、運が良ければ爺ヶ岳に間に合うという感じだったのですが、今回は運が良くて直前に物が届きました。
そもそもCRF250R(X)“モルゲンシュテルン号”では前13丁、後52丁にしてたのを、どうして51丁にしたのか、今となっては思い出せないのですが、なんとなく「モトクロッサーの2丁増やし」みたいなイメージを持っていて、CRF450Rは49丁なので2丁増やしの51丁にしたのかもしれません。ちょびっと足らん感じは、この1丁分だったのだと思います。幸い、増えたのが1丁分でしたので、チェーンは116コマのママで足り、アジャスターだけ調整し直しました。
さて、現地に持ち込んで、パドックで少しだけ動かしてみましたが、発進が実にスムーズ。450らしいガックン来る感じは全くなく、す〜っと動き出す。恐らく、450乗った事ない人でも安心して動かせそうです。これなら大丈夫、という事で、安心して前夜祭に突入しました。
手前が51丁、奥が52丁
このちょっとの差が、ちょっと足りんとこを埋めます
このちょっとの差が、ちょっと足りんとこを埋めます
1丁増えても、チェーン116Lのままで
タイヤとスイングアームの隙間に問題なし
仲間外れしてるからではありませんw
■出だしから失敗
昨夜は結構な大雨で、夜中9時にはタープテントの地面が浸水するほどだったのですが、雨は夜半過ぎには上がり、翌朝は雲間から青空が見えていました。しかし、こんな雨降った時の爺ヶ岳は、大概エライ事になるもので、過去にも何度もDNFした事があります。ガレ場は滑るし、ゲレンデはコネコネになるしで、とにかくタイヤとパワーが頼りのレースです。その点では、450にミシュランエンデューロですから、問題はないはずでした。ちなみにタイヤの空気圧は、前回の神立戦で前6後5でちょっと食いつきが足りない感じでしたので、今回は前5後4にしました。
いつもの様にクエン酸水とアミノボンバーを摂取してから、早々にスタート地点に集合。するとどうでしょう、今回は90Cの最前列、しかもインベタ。目の前20メートルほどに第一コーナーが見えます。「これはもしかして、人生初ホールショット?!?!」と俄然やる気が出てきました。もう、ホールショット取れたら、あとはどうでも良いくらい、今回はホールショット狙いでいく決心をしました。
前のクラスが発進したあと、スタートラインまで前進し、ギアを2速に入れてクラッチロックレバーを入れ、ヘルメットタッチして、日章旗が振り下ろされると同時に、クラッチレバー握って(ロックレバーが外れる)、アクセルオン!
前のクラスが発進したあと、スタートラインまで前進し、ギアを2速に入れてクラッチロックレバーを入れ、ヘルメットタッチして、日章旗が振り下ろされると同時に、クラッチレバー握って(ロックレバーが外れる)、アクセルオン!
「うぉぉ〜〜ん!!」
バイクが前に進まんやないかーい!自分の身体だけ前のめりになってしまいました。2速に入れてたつもりが、ニュートラルに入ってたみたいです。泡食って2速に上げて発進したものの、エンジンが唸るばっかで前に進む感が乏しい。今から思えば、この時点でクラッチ滑ってた様ですが、この時は取れるはずのホールショットが取れなくて、もうドッチラケの気分でした。
夜2100時頃には、地面が水浸しになるほどの雨でした
早々にトランポに引っ込んで就寝
早々にトランポに引っ込んで就寝
ところが、翌朝は雨が上がり、雲間から青空が覗いてました
去年の10月に走った時より、熟成が進んだゲイレルル号
どんな走りになるか、楽しみでした(この時点では)
曇らないと定番のゴーグルですが
良し悪しを体感する間も無くDNF
■ギア入れたらエンストでDNF
がっかりした気分を切り替えて、大渋滞の1コーナーを抜け、転けてる人らに巻き込まれない様に、取り敢えず巡航。5コーナーを抜けて、やはり渋滞してる6コーナーをどうにかパスして抜けようとしたら、6コーナーと7コーナーの間が雨でズルズルになってて突破に難儀し、ここで初めて「クラッチやばいかも〜」という気分になりました。
そのあとはひたすら登りなのですが、雨で表土が流れたのか石がゴロゴロむき出して、転けたら痛そうな坂を、どうにも車速が乗らないバイクのアクセルを開けてトロトロ登り、雨のせいでカットになったファンウッズの入り口を横目にさらに直登。ところが、ファンウッズ出口を過ぎた辺りから傾斜がきつくなったのか車速が落ち始めて、ついに15コーナー付近で失速転倒。こんなところで止まると、降りてやり直すのも大変だし、そこから再スタートするのも大変だし、嫌な感じでした。結局、そこから再発進したのですが、この時点でクラッチは相当滑ってて、スタートに何度か失敗してようやく再発進したもの、1速で相当開けててもなかなか前に進まず、こりゃラジエターがヤバそうという事で、17コーナー手前の傾斜が緩くなった所で一旦止まって、バイクを冷やす事にしました。
そのあとはひたすら登りなのですが、雨で表土が流れたのか石がゴロゴロむき出して、転けたら痛そうな坂を、どうにも車速が乗らないバイクのアクセルを開けてトロトロ登り、雨のせいでカットになったファンウッズの入り口を横目にさらに直登。ところが、ファンウッズ出口を過ぎた辺りから傾斜がきつくなったのか車速が落ち始めて、ついに15コーナー付近で失速転倒。こんなところで止まると、降りてやり直すのも大変だし、そこから再スタートするのも大変だし、嫌な感じでした。結局、そこから再発進したのですが、この時点でクラッチは相当滑ってて、スタートに何度か失敗してようやく再発進したもの、1速で相当開けててもなかなか前に進まず、こりゃラジエターがヤバそうという事で、17コーナー手前の傾斜が緩くなった所で一旦止まって、バイクを冷やす事にしました。
この時、水温計は108度くらい。リザーバータンクはブックブクに沸騰していて、取り敢えずファンが止まる85度以下になるまで休む事にしました。休憩中、坂の途中で転ける人を見物したり、17コーナーが渋滞するのは何でかと観察したり、それなりに目を楽しませる事が出来ました。
さて、水温も下がったので、そろそろ行くかー、とクラッチレバーを握ってセルスイッチを入れてみると、エンスト。あれれ?おかしいと再度やってみると、やっぱりエンスト。クラッチ切ってるのにいきなりギアが繋がってしまいます。そこでニュートラルに入れてエンジン掛けてから、クラッチレバーを握ってギアを入れてみると、やっぱりエンスト。これまで、クラッチが滑ってクラッチ繋いでもエンジンが回ってるというのは何度も経験しましたが、その逆パターンは初めてです。
どうにか動かそうとしましたが、どうにも動かないので、こりゃ今日はダメだな、という事でその場でDNF決定。爺ヶ岳という所は、走れる時は走れるけど、走れない時は走れないなぁ、とか思いながら、レース中の人らをボケっと見物してました。
今回のコース図
結論から言うと、雨の影響はあまり無かった様に感じました
(走った範囲だけの感想ですが)
8周走った他の二人とは
明らかに汚れ方が軽いゲイレルル号
痒くなったのは、ウチに帰ってからでした
■DNFの後の体験
しばらくその場でボケっとしてたのですが、そこは生憎日陰がないところで、マーシャルさん(珍しく女性だった)から17コーナー降りた先に日陰があるので、そこで休んで下さいと言われました。と言っても、バイクは動かんし、その17コーナーはみんな滑ったり転けたりで、どうもちょっと難しいっぽい。つまり、エンジン掛からん状態で突破できる自信がありませんでした。
ところが、途中で声かけてくれた人(この人もCRF450RXだった)から、「セルが生きてるならセルスイッチ押しながら前に進めますよ」と言われ、その人に後ろを押して貰いながらチャレンジしてみました。キュルキュルと情けなさそうな音を立てながらも、バイクはちょっとちょっと前に進み、掘れて進みにくくなった17コーナーの左のラインもどうにか突破。そこの急な下りコーナーから先は、18コーナーの木陰まで、石ころが転がった下り坂です。ギアをニュートラルに入れ、車速ついたらブレーキ当てて速度を抑えつつ下っていったのですが、リアブレーキ使う足が結構疲れました。
さて、木陰で涼しい顔してレースを見物したあと、レース終了後の撤収。自分はエンジン掛からないので、コースなりに帰る事が出来ないため、マーシャルさんに先導して貰って、ショートカットして帰る事になりました。基本的に下りなのですが、120ミニッツの2コーナー、90ミニッツの25、45コーナーの辺りが上りになっていて、そこを登りきるためにブレーキは一切かけずに一気に下って登り切ってください、との事でした。
途中で止まっても困るので言われた通りにしたのですが、ここは120ミニッツで使うくらいですから、結構ガレています。そこをノーブレーキで降り、しかも結構な車速だったのですが、ビビリはしたものの、案外スムーズに下れました。実は前日、セクションスクールに出た友人から、「ファンガレはクラッチ切ってエンブレかけずに降りた方がスムーズに下れるって、コーチの人が言ってたよ」と聞いていて、それを聞いた時は、「そんなもん、車速ついてぶっ飛んだらどうするねん?」と思っていたのですが、奇しくもそれと同じ様な事をやったのでした。どうも、それは正解の様です。
途中で止まっても困るので言われた通りにしたのですが、ここは120ミニッツで使うくらいですから、結構ガレています。そこをノーブレーキで降り、しかも結構な車速だったのですが、ビビリはしたものの、案外スムーズに下れました。実は前日、セクションスクールに出た友人から、「ファンガレはクラッチ切ってエンブレかけずに降りた方がスムーズに下れるって、コーチの人が言ってたよ」と聞いていて、それを聞いた時は、「そんなもん、車速ついてぶっ飛んだらどうするねん?」と思っていたのですが、奇しくもそれと同じ様な事をやったのでした。どうも、それは正解の様です。
これまで、あんな車速でガレを下った事はありませんし、またブレーキかけてゆっくり降りてくるから、いつもフラフラしてたのですが、むしろある程度車速あった方が安定して走れるのかもな、と体感できる機会になりました。
大した汚れではないですが
手洗いするよりケルヒャー使った方が全然楽です
次戦に期待です
■後々の課題
今回のバイクの不調については、若干の心当たりがあります。というのは、CRF450RXのクラッチレバーがあまりに重く、左手の操作が30分持たない事から、クラッチスプリングを半分に減らして対処しているのですが、必然的にクラッチを引っ張る力は半分になるため、クラッチの消耗が早いという事です。
第二戦のGAIAで100分、第三戦の戸狩で40分(セクションスクールのみ)、第四戦の神立で100分と、爺ヶ岳に来るまでにエンジン稼働時間は約240分だったのですが、クラッチおよびスプリングの耐久時間を超えていた様です。爺ヶ岳戦の後にクラッチを交換する事にしていたのですが、前倒ししていれば、もっと走れていたかも知れません。
CRF450RXのクラッチに関しては、別項で改めて考察しようと思うのですが、個人的には、「操作性を優先する為に機械的な犠牲が生じるのであれば、限界に達する前に部品を交換して性能を維持する」というやり方には異論も違和感もありません。これは軍用機などでもしばしば行われてる対策ですので、元ミリオタの自分としては、むしろ親近感のある対策です。
もっとも、マメな交換という事になれば、それだけお金もかかる訳ですし、出来れば耐用時間が伸びるに越した事はありません。もし、他の方法で対策できるならそれも試してみたいと思います。自分が乗っているゲイレルル号は、こうした事情があるのだという事を知って頂ければ幸いです。
2018年10月14日
今年度は通算8戦出るつもりで、去年から綿々と準備を進めてきたのですが、3月の誕生日以降、どうにも詰まらん不運が連続し、その極めつけは5月に蜂窩織炎で入院(通称「盛岡の風土病事件」)で完全に出鼻を挫かれて、グダグダになってしまいました。その後、なかなか足は治らんわ、練習行こうと思ったら天気悪いわ、公私ともに色々具合が悪いわで、もはやバイクどころで無くなってしまいました。
その様な訳で、秋のWEX爺ヶ岳にエントリーしたものの、3日ほどまで色々あってレースモードにならず、もちろん練習もなく、何もかもグダグダのまま、どうにかこうにか参戦する事になりました。
■とりあえず下見
タイトルにもある様に、秋のWEX爺ヶ岳は今年で最後になるようです。詳しい事情は知りませんが、なんでもコース保全のためとか。まぁ、だったら梅雨が開けてないか、あるいは開けてしまったかの7月の方を中止にした方がWEXの本意に沿うんじゃないの?と思う訳ですが、そうもいかん様です。
いつもは開場は1000時からという事で、そのつもりで0600時に出発するつもりをしてたのですが、案内を見ると、なんと0800時から開場との事。午前午後で2回セクションスクールを行うためらしいのですが、そげな早い時間に開場されたら場所取りが大変です。それでも0415時には出発したのですが、現着したのは0830時頃。早くも場所取りしてる人らが来てました。もっとも自分は幸いにもツイッターでお知り合いになった方々に場所を取って貰ってました。
さて、そんなに早く着いても、やる事と言えば、バイク下ろして荷室の掃除して、バイクにゼッケン貼ったり、エアクリ交換してチェーンに油やって、その程度です。今回、タイヤはフロントがVE35で0.6、リアはVE33sで0.5。これ以外のタイヤは持って来てないので、コースの中がどうなってても、これで走るより他ありません。
他の皆さんは、午前のセクションスクールに参加されるという事で、いそいそ着替えて向かわれましたが、自分はいつもの様に歩いて下見です。どうしてセクションスクールに出ないのかというと、前日にバイク乗ってしまうと疲れて翌日の本番で走る気にならないのと、JNCCやWEXでは洗車出来ないからです(洗車できるレースでは走ったりする)。
今回、重点的に下見したのは、ウッズとロックンロールリバー源流でした。ウッズは今回は下りで使うという事で、実際に歩いてみたのですが、外のゲレンデが乾いているのに対して、ウッズの方はラインがそれなりに湿っている。天気予報では翌日朝方に雨が降るとの事でしたので、降ったら難儀しそうだー、という印象を持ちました。ロックンロールリバー源流は、下流に比べたらそんなにガレてはいないのですが、それでも転けたら痛そうな地面で、しかもここもシケシケしてて苦手な路面です。どちらも警戒を厳に要するといった感じでした。
その他のコースは、乾いているので概ね開けて行けば大丈夫。今回カットされたFUNガレ周辺のややガレた所も、注意して行けば何とかなるだろう、という感じでした。難易度としては、梅雨時期のWEX爺ヶ岳よりも楽そうに感じました。
■1周目はまさかの27分
夜はツイッターの皆さんと歓談してたのですが、自分は0400時から起きっぱなしだったので、早めに寝ました。今回は地面が斜めってても良い様にカースロープを装備し、荷室の水平を出せる様にしておいたので、比較的安眠する事が出来ました(お陰で30分寝坊)。
受付やトランスポンダの取り付け、ハイドレーションの準備やGoProのヘルメットへの取り付けなど、準備は前の日に全部済ませてあるので後は着替えるだけですが、大事なのは着替える前の用便で、これが滞るとレースにも影響します。幸いに快便だったのですが、快便過ぎて3回もトイレに行きました(最後の1回は出走直前)。
心配されていた天気は、幸いにも雲が切れて晴れ間が見え、この調子で行けば雨はなさそうです。雨さえ降ってなければ爺ヶ岳は走り易いコースという認識なので、幸先良いレース復帰になりました。
90ミニッツは0800時頃集合、0815時スタートです。自分はCクラスなので、大体真ん中辺りが位置です。スタートはインは混雑するので、アウト側から悠々と攻め上って行く作戦で行きました。以前なら緊張もしてたのですが、最近は慣れたというか、どうにかなる感があって余り緊張しません。日章旗が振られると同時にスタートです。
最初はひたすらゲレンデを上ったり下ったり。以前はウッドチップがあったのですが、最近はなくなった様です。CRF450RX“ゲイレルル号”の性能、特にその出力は優秀で、下りからコーナー、そして立ち上がって上りといった、低速からエンジン回転を上げて行かなければならない状況で、以前ならパワー不足を感じていたのが、今回は450の極大パワーと低速でも粘るエンジン改装により、全くもたつく事なく、スムーズに加速していけて、楽に走る事が出来ました。
ともあれ、順調かつマイペースに走っていたのですが、22コーナーから23コーナーに向かうガレた上り坂で、うっかりアクセルが緩んでそのままラインから外れてしまい停止。リカバーも失敗して転けてしまいました。登りの途中でありしかもガレた路面なので、再発進は難儀する状況ですが、セル始動が幸いしてどうにかラインまで押し出し、マーシャルさんの手助けで再発進する事が出来ました。もっとも、これで相当に息が上がってしまい、23コーナーでしばし休憩。
23コーナーの坂を下ると直ぐにFUNウッズですが、これはもう、慎重に下って対処。時間をかけてFUNウッズを抜けた後は、今度はロックンロールリバー源流ですが、これはもう自分にとっては恐怖体験そのもので、滑って転けて痛い目遭わない様に、時々止まりながら、怖々下って行くより他なく、ロックンロールリバー源流から出てきた時は、一息つけないと次に進めない感じでした。
ここから先はダラダラとした下りなのですが、既に息が上がってヘロヘロな自分はヘロヘロな走りしか出来ませんでした。というか、他の人はどうか知りませんが、自分は下りで疲れてしまうのです。そんな訳で、ロックンロールリバー下流にちょこっと入る30コーナーで、うっかりインに入ってガレに足回りを取られてしまい、停止から転倒してしまい、よりにもよって装甲のない左の上腕を石でヒットして痛い思いしました。その痛いのから回復する為にまたまた休憩。結局、一周27分も掛かってしまう酷い出来映えになってしまいました。
■2〜3周目
既に1周目でかなりヘロってしまったのですが、それでもまだ60分残ってますので、2周目に突入。1周目で大体具合の悪い所が分かったので、そこを気をつけて走りました。やっぱり難儀するのは上部の石ころがゴロゴロしてる所で、2周目にはおおよそラインが出来てて、そこに沿って走ればまず問題ないのですが、何せそれなりに傾斜があるので、アクセルが緩んだらアウトです。登りではとにかくアクセル緩めないのが肝要でした。2周目も、気張って走った後は休む、という感じでとりあえずクリア。
さて、3周目に入る時点での残り時間は40分。いい加減疲れてるし、今日の感じからすると、これ以上は頑張れないと思うし、のんびりゆっくり走って、いい感じに時間潰して、最後に余計な1周走らされない様にしよう、てな事を考えながら3周目に入りました。
上り坂で転けてリカバーするのは、難儀なだけでなく相当に体力も食うので注意していたのですが、21コーナーの前のガレた上り坂でアクセルが緩んでしまってラインアウト。石ころゴロゴロの上り坂で止まって転けてしまいました。さぁ、困った。あとちょっとで登りきる所で、下に下ろすのも大変(下っても上り坂)、上の押し上げるのも難しい。さぁどうしよ、と荒い息をゼーハーさせながら考えていたら、マーシャルさんが来てくれて、上り坂を横切る格好でガレてない所まで押して行き、どうにかリカバー出来ました。
このミスで相当に体力を使ってしまい、その後は元気に走る事よりも、安全と安心を第一とする走りになってしまいました。自分の場合、どういう訳かやたら下りで体力を消耗する訳ですが、これ以上の体力の消耗を避けるために、シートに腰かけて真っ直ぐ降下する時は、あえてニーグリップして肩の負担を減らすなどの工夫もしました。(ベストテクの生徒としては失格ですが)
苦手なウッズも、さらに苦手(を通り越して怖い)なロックンロールリバーも通過し、チェックポイントが見える地点まで戻ってきました。残り時間は約5分。今から行けばL1には間に合いますが、今から行って周回がカウントされるとも思えず、チェッカーフラッグが振られたらイの一番にゴールするつもりで、そこで待機する事にしました。
■まさかのおまけ1周
待ってる5分というのは結構長いもので、自分の横をバンバン抜かして行くライダー達を見送りながら、早いとこチェッカーフラッグが振られるのを待っていたのですが、なかなか振られません。その内、トラブルと間違われてギャラリーから声を掛けられたりもしました。そしてようやくチェッカーフラッグが出てきたので、これ幸いにゴールに向かいました。
が、チェックポイントに行ってみると、まだL1が掲げられている。びっくりしながら、さりとてここで待ちますとも言えず、信じられない心境で4周目に突入。こうなったら、可及的速やかに走破してゴールしないと、この周回はノーカンになってしまいます。というか、どうせ走らなきゃならないなら、休んでないでサッサと走っときゃ良かったと思いました。
とにかく、ミスったり転けたりしてたのでは間に合わないので、開ける所は開ける、慎重を期す所は慎重に、怖い所は怖くても止まらず走る、という具合で、おそらくベストラップで走り抜けたと思うのですが、帰ってきた時にはチェッカーフラッグではなく、なぜかブルーフラッグが振られてました(モトクロスでは青旗は、「周回遅れは譲れ」の意味)。
■反省点
今回のレースは、5月の蜂窩織炎以降、中断してたバイク活動の再開という事もあり、ともあれ無理せずやるという方針で臨んだのですが、練習もなく、モチベーションも十分でなく、何度か走った爺ヶ岳で、しかも晴れだから、という「なんとなく」の自信だけで走ったレースでした。
しかし、あとになって一番問題と感じたのは、タイムアップの5分前に日和見を決め込んだ事でした。確かに、残り5分で最後の周回に行ってもノーカンになってしまう可能性は高かったのですが、それでも結果的には走る羽目になったのであるし、だとするなら出来るだけ早めに次の周回に入っておけば、それだけカウントされる可能性は高かった訳です。しかも、最後の1周はそれまでの周回よりもスムーズで、おそらくベストラップであった可能性が高く(公式記録もなく、GoProの動画も最後のファイルは壊れていたので確かめようがない)、それだけに5分早くチェックを受けていれば、公式で4周だったかもしれません。リザルト的にも、結果的に3周しかカウントされなかったとしても、早くチェックを受けていれば、同じ3周しか走ってない人の中でも上の方にいっていた訳で、これは敢闘精神に大いに悖るところがあったと感じる次第です。
もっとも、最後の周回が比較的スムーズで速かったのは、5分もたっぷり休んでいたから、という事もあります。全ては結果論ですから、やはりこの場合、間に合わないと思っても、全力で走るというのが、ライダーとしての基本精神であるな、と改めて反省しました。
■評価点
CRF450RX“ゲイレルル号”は、これまでの爺ヶ岳戦を踏まえ、こうしたゲレンデ戦で活躍するのを期待して作ったバイクですが、その期待を裏切らぬ走りをしました。450であるので、パワーは申し分なく、それでいて低速からの立ち上がりで、もたつく事も飛び出す事もなく、実に操作性の良い動きをしてくれました。今回、「ここは速度落ちたら死ぬ」と言えるガレの登りがいくつかありましたが、そうしたコースでもアクセルさえ開いていれば、間違いなく登って行く安心感がありました。
また、ゲレンデのコースにありがちな、「ダラダラ下って、回って、登って」といったセクションでも、非常に旋回性が良く、先に述べた操作性とパワーで、苦労する事なく走る事が出来ました。450というと、その猛烈パワーを扱いかねるという人が多いのですが、従来の450ならそういう事もありましたが、2017年以降のCRF450RXはそうしたゴツさがなく、自分のレベルに合わせたセッティングが出来ていれば、250までしか乗った事ない人でも乗れるのでは?と感じています。
その一方で、CRF450RXはもともと足付き性に問題があり、これまでも何度も改良を加えてきたのですが、今回は若干の不安を感じる結果となりました。前のCRF250R“モルゲンシュテルン号”はソフロスプリングを組んでX化した時に、両足がかかとまでべったり着いていたのですが、ゲイレルル号は現状でまだ土踏まずくらいまでで、この差が2年前の爺ヶ岳と今回の走りの差、いうならば安心感とそれに担保された勇気の出方に、違いが現れたと感じました。
その様な訳で、秋のWEX爺ヶ岳にエントリーしたものの、3日ほどまで色々あってレースモードにならず、もちろん練習もなく、何もかもグダグダのまま、どうにかこうにか参戦する事になりました。
■とりあえず下見
タイトルにもある様に、秋のWEX爺ヶ岳は今年で最後になるようです。詳しい事情は知りませんが、なんでもコース保全のためとか。まぁ、だったら梅雨が開けてないか、あるいは開けてしまったかの7月の方を中止にした方がWEXの本意に沿うんじゃないの?と思う訳ですが、そうもいかん様です。
いつもは開場は1000時からという事で、そのつもりで0600時に出発するつもりをしてたのですが、案内を見ると、なんと0800時から開場との事。午前午後で2回セクションスクールを行うためらしいのですが、そげな早い時間に開場されたら場所取りが大変です。それでも0415時には出発したのですが、現着したのは0830時頃。早くも場所取りしてる人らが来てました。もっとも自分は幸いにもツイッターでお知り合いになった方々に場所を取って貰ってました。
さて、そんなに早く着いても、やる事と言えば、バイク下ろして荷室の掃除して、バイクにゼッケン貼ったり、エアクリ交換してチェーンに油やって、その程度です。今回、タイヤはフロントがVE35で0.6、リアはVE33sで0.5。これ以外のタイヤは持って来てないので、コースの中がどうなってても、これで走るより他ありません。
他の皆さんは、午前のセクションスクールに参加されるという事で、いそいそ着替えて向かわれましたが、自分はいつもの様に歩いて下見です。どうしてセクションスクールに出ないのかというと、前日にバイク乗ってしまうと疲れて翌日の本番で走る気にならないのと、JNCCやWEXでは洗車出来ないからです(洗車できるレースでは走ったりする)。
今回、重点的に下見したのは、ウッズとロックンロールリバー源流でした。ウッズは今回は下りで使うという事で、実際に歩いてみたのですが、外のゲレンデが乾いているのに対して、ウッズの方はラインがそれなりに湿っている。天気予報では翌日朝方に雨が降るとの事でしたので、降ったら難儀しそうだー、という印象を持ちました。ロックンロールリバー源流は、下流に比べたらそんなにガレてはいないのですが、それでも転けたら痛そうな地面で、しかもここもシケシケしてて苦手な路面です。どちらも警戒を厳に要するといった感じでした。
その他のコースは、乾いているので概ね開けて行けば大丈夫。今回カットされたFUNガレ周辺のややガレた所も、注意して行けば何とかなるだろう、という感じでした。難易度としては、梅雨時期のWEX爺ヶ岳よりも楽そうに感じました。
■1周目はまさかの27分
夜はツイッターの皆さんと歓談してたのですが、自分は0400時から起きっぱなしだったので、早めに寝ました。今回は地面が斜めってても良い様にカースロープを装備し、荷室の水平を出せる様にしておいたので、比較的安眠する事が出来ました(お陰で30分寝坊)。
受付やトランスポンダの取り付け、ハイドレーションの準備やGoProのヘルメットへの取り付けなど、準備は前の日に全部済ませてあるので後は着替えるだけですが、大事なのは着替える前の用便で、これが滞るとレースにも影響します。幸いに快便だったのですが、快便過ぎて3回もトイレに行きました(最後の1回は出走直前)。
心配されていた天気は、幸いにも雲が切れて晴れ間が見え、この調子で行けば雨はなさそうです。雨さえ降ってなければ爺ヶ岳は走り易いコースという認識なので、幸先良いレース復帰になりました。
90ミニッツは0800時頃集合、0815時スタートです。自分はCクラスなので、大体真ん中辺りが位置です。スタートはインは混雑するので、アウト側から悠々と攻め上って行く作戦で行きました。以前なら緊張もしてたのですが、最近は慣れたというか、どうにかなる感があって余り緊張しません。日章旗が振られると同時にスタートです。
最初はひたすらゲレンデを上ったり下ったり。以前はウッドチップがあったのですが、最近はなくなった様です。CRF450RX“ゲイレルル号”の性能、特にその出力は優秀で、下りからコーナー、そして立ち上がって上りといった、低速からエンジン回転を上げて行かなければならない状況で、以前ならパワー不足を感じていたのが、今回は450の極大パワーと低速でも粘るエンジン改装により、全くもたつく事なく、スムーズに加速していけて、楽に走る事が出来ました。
ともあれ、順調かつマイペースに走っていたのですが、22コーナーから23コーナーに向かうガレた上り坂で、うっかりアクセルが緩んでそのままラインから外れてしまい停止。リカバーも失敗して転けてしまいました。登りの途中でありしかもガレた路面なので、再発進は難儀する状況ですが、セル始動が幸いしてどうにかラインまで押し出し、マーシャルさんの手助けで再発進する事が出来ました。もっとも、これで相当に息が上がってしまい、23コーナーでしばし休憩。
23コーナーの坂を下ると直ぐにFUNウッズですが、これはもう、慎重に下って対処。時間をかけてFUNウッズを抜けた後は、今度はロックンロールリバー源流ですが、これはもう自分にとっては恐怖体験そのもので、滑って転けて痛い目遭わない様に、時々止まりながら、怖々下って行くより他なく、ロックンロールリバー源流から出てきた時は、一息つけないと次に進めない感じでした。
ここから先はダラダラとした下りなのですが、既に息が上がってヘロヘロな自分はヘロヘロな走りしか出来ませんでした。というか、他の人はどうか知りませんが、自分は下りで疲れてしまうのです。そんな訳で、ロックンロールリバー下流にちょこっと入る30コーナーで、うっかりインに入ってガレに足回りを取られてしまい、停止から転倒してしまい、よりにもよって装甲のない左の上腕を石でヒットして痛い思いしました。その痛いのから回復する為にまたまた休憩。結局、一周27分も掛かってしまう酷い出来映えになってしまいました。
■2〜3周目
既に1周目でかなりヘロってしまったのですが、それでもまだ60分残ってますので、2周目に突入。1周目で大体具合の悪い所が分かったので、そこを気をつけて走りました。やっぱり難儀するのは上部の石ころがゴロゴロしてる所で、2周目にはおおよそラインが出来てて、そこに沿って走ればまず問題ないのですが、何せそれなりに傾斜があるので、アクセルが緩んだらアウトです。登りではとにかくアクセル緩めないのが肝要でした。2周目も、気張って走った後は休む、という感じでとりあえずクリア。
さて、3周目に入る時点での残り時間は40分。いい加減疲れてるし、今日の感じからすると、これ以上は頑張れないと思うし、のんびりゆっくり走って、いい感じに時間潰して、最後に余計な1周走らされない様にしよう、てな事を考えながら3周目に入りました。
上り坂で転けてリカバーするのは、難儀なだけでなく相当に体力も食うので注意していたのですが、21コーナーの前のガレた上り坂でアクセルが緩んでしまってラインアウト。石ころゴロゴロの上り坂で止まって転けてしまいました。さぁ、困った。あとちょっとで登りきる所で、下に下ろすのも大変(下っても上り坂)、上の押し上げるのも難しい。さぁどうしよ、と荒い息をゼーハーさせながら考えていたら、マーシャルさんが来てくれて、上り坂を横切る格好でガレてない所まで押して行き、どうにかリカバー出来ました。
このミスで相当に体力を使ってしまい、その後は元気に走る事よりも、安全と安心を第一とする走りになってしまいました。自分の場合、どういう訳かやたら下りで体力を消耗する訳ですが、これ以上の体力の消耗を避けるために、シートに腰かけて真っ直ぐ降下する時は、あえてニーグリップして肩の負担を減らすなどの工夫もしました。(ベストテクの生徒としては失格ですが)
苦手なウッズも、さらに苦手(を通り越して怖い)なロックンロールリバーも通過し、チェックポイントが見える地点まで戻ってきました。残り時間は約5分。今から行けばL1には間に合いますが、今から行って周回がカウントされるとも思えず、チェッカーフラッグが振られたらイの一番にゴールするつもりで、そこで待機する事にしました。
■まさかのおまけ1周
待ってる5分というのは結構長いもので、自分の横をバンバン抜かして行くライダー達を見送りながら、早いとこチェッカーフラッグが振られるのを待っていたのですが、なかなか振られません。その内、トラブルと間違われてギャラリーから声を掛けられたりもしました。そしてようやくチェッカーフラッグが出てきたので、これ幸いにゴールに向かいました。
が、チェックポイントに行ってみると、まだL1が掲げられている。びっくりしながら、さりとてここで待ちますとも言えず、信じられない心境で4周目に突入。こうなったら、可及的速やかに走破してゴールしないと、この周回はノーカンになってしまいます。というか、どうせ走らなきゃならないなら、休んでないでサッサと走っときゃ良かったと思いました。
とにかく、ミスったり転けたりしてたのでは間に合わないので、開ける所は開ける、慎重を期す所は慎重に、怖い所は怖くても止まらず走る、という具合で、おそらくベストラップで走り抜けたと思うのですが、帰ってきた時にはチェッカーフラッグではなく、なぜかブルーフラッグが振られてました(モトクロスでは青旗は、「周回遅れは譲れ」の意味)。
■反省点
今回のレースは、5月の蜂窩織炎以降、中断してたバイク活動の再開という事もあり、ともあれ無理せずやるという方針で臨んだのですが、練習もなく、モチベーションも十分でなく、何度か走った爺ヶ岳で、しかも晴れだから、という「なんとなく」の自信だけで走ったレースでした。
しかし、あとになって一番問題と感じたのは、タイムアップの5分前に日和見を決め込んだ事でした。確かに、残り5分で最後の周回に行ってもノーカンになってしまう可能性は高かったのですが、それでも結果的には走る羽目になったのであるし、だとするなら出来るだけ早めに次の周回に入っておけば、それだけカウントされる可能性は高かった訳です。しかも、最後の1周はそれまでの周回よりもスムーズで、おそらくベストラップであった可能性が高く(公式記録もなく、GoProの動画も最後のファイルは壊れていたので確かめようがない)、それだけに5分早くチェックを受けていれば、公式で4周だったかもしれません。リザルト的にも、結果的に3周しかカウントされなかったとしても、早くチェックを受けていれば、同じ3周しか走ってない人の中でも上の方にいっていた訳で、これは敢闘精神に大いに悖るところがあったと感じる次第です。
もっとも、最後の周回が比較的スムーズで速かったのは、5分もたっぷり休んでいたから、という事もあります。全ては結果論ですから、やはりこの場合、間に合わないと思っても、全力で走るというのが、ライダーとしての基本精神であるな、と改めて反省しました。
■評価点
CRF450RX“ゲイレルル号”は、これまでの爺ヶ岳戦を踏まえ、こうしたゲレンデ戦で活躍するのを期待して作ったバイクですが、その期待を裏切らぬ走りをしました。450であるので、パワーは申し分なく、それでいて低速からの立ち上がりで、もたつく事も飛び出す事もなく、実に操作性の良い動きをしてくれました。今回、「ここは速度落ちたら死ぬ」と言えるガレの登りがいくつかありましたが、そうしたコースでもアクセルさえ開いていれば、間違いなく登って行く安心感がありました。
また、ゲレンデのコースにありがちな、「ダラダラ下って、回って、登って」といったセクションでも、非常に旋回性が良く、先に述べた操作性とパワーで、苦労する事なく走る事が出来ました。450というと、その猛烈パワーを扱いかねるという人が多いのですが、従来の450ならそういう事もありましたが、2017年以降のCRF450RXはそうしたゴツさがなく、自分のレベルに合わせたセッティングが出来ていれば、250までしか乗った事ない人でも乗れるのでは?と感じています。
その一方で、CRF450RXはもともと足付き性に問題があり、これまでも何度も改良を加えてきたのですが、今回は若干の不安を感じる結果となりました。前のCRF250R“モルゲンシュテルン号”はソフロスプリングを組んでX化した時に、両足がかかとまでべったり着いていたのですが、ゲイレルル号は現状でまだ土踏まずくらいまでで、この差が2年前の爺ヶ岳と今回の走りの差、いうならば安心感とそれに担保された勇気の出方に、違いが現れたと感じました。
2016年05月22日
今年のレース活動は糸魚川と爺ヶ岳の2ヶ所を中心に展開する予定ですが、前回WEX糸魚川から僅か2週間後に、今度はJNCC第3戦として爺ヶ岳です。爺ヶ岳にはこれまで何回か来た事がありますが、その度に大概な目に遭ってます。ぶっちゃけ、あまり良い思い出がないのですが、それだけに攻略目標であります。XR230“パンツァーファウスト号”からCRF250RX“モルゲンシュテルン号”に至る連綿たる改装は、まさに対爺ヶ岳戦を想定したものであった訳です。
■下見とチューブ交換
今回も乗機はCRF250RX“モルゲンシュテルン号”ですが、装備は糸魚川と同じですし、オイルはまだ使用可能時間以内。ただ、タイヤはやっぱり新品の方が良いだろう、という事で、洗車したあと、半年おちではありますが、新品のAT81に前後とも交換しました。事前の準備はこれだけです。
当日は0400時起床、0500時出発、現地には0920時頃到着しました。朝食食べたり、なんのかんので4.5時間は掛かる訳ですが、糸魚川よりは早く着いた感じです。既にパドック取りで早々着いている人が居ましたが、自分も出来る限り平らな地面の所を確保しました。ちょっとでも傾斜ついていると、寝る時に結構気になるものなのです。
AA選手による下見ツアーは1030時からスタート、という事だったのですが、自分のペースで歩きたかったので、早々に出発しました。今回はJNCC爺ヶ岳初の逆回りという事で、今までとは明らかに勝手が違うはずです。COMPクラスに比べて、FUNクラスは相当難所がカットされているというものの、それでもウッズの登りと、FUNガレ前後の上り下りは、(自分にとっては)相当に厳しい事が予想されます。
今回の天気は、実に気持ちいい日本晴れ。大体、爺ヶ岳というと、雨降って地面がグチャグチャというのが多いのですが、今回は結構なドライです。今回は忘れず水筒持参で登ったのですが、休み休み水飲まないと、熱中症になりそうな雰囲気でした。
下見は、まず、本来ならロックンロールリバーの出口になる所から進入して、ガレ場を右に回ってゲレンデに出るセクションから見物しました。デカめの石がゴロゴロしてる中を右旋回ですから、ここはスタックポイントになるだろうな、と感じました。ショートカットする方法もありますが、その場合は急なアップダウンがあり、下手すればハマります。急がば回れが利口そうに感じました。
ひたすらゲレンデを登って、次はウッズ。いつもはツルツルしてて苦手なセクションですが、今回は地面が結構しまっていて、かつラインというかコースがはっきりしているので、迷い様がない感じ。迷子になりようがないし、アクセル開けて行けば登って行けそうで、意外にも難所っぽくは感じませんでした。
続いてFUNガレの前後を見ようと、コースを横切って行ったのですが、辿り着いたのは、信じられんほど長いガレガレの上り坂で、明日はこれを下る格好になる。歩いて登るだけでも結構大変なのですが、これをバイクで降りるとなると、大変どころの騒ぎではない。自分の技量ではまずまず無理です。といっても、降りろと言われたら降りるしかない訳で、とりあえず頂上を目指したのですが、行けども行けども頂上に着かない。いい加減くたびれてしまって、途中で降りて来てしまいました。後で分ったのですが、自分が歩いた所はCOMPクラスのコースで、FUNガレはその一個奥の方にあった様です。
下界まで降りて来た頃には時間は1300時前。少々腹も減ってきたので、爺ヶ岳名物のGカレーライス食べて(実は朝もカツカレーだったw)、汗がひいてから、整体屋さんが来てたので、肩や背中、腰を解してもらう事に。何でも、背中が木の板みたいにガッチガチに固くて、「これじゃ寝てても熟睡できないでしょう?」との事。前から特に左肩の肩甲骨周りが痛怠かったのですが、前回の糸魚川戦ではまったく身体が柔軟に動かない感じでした。30分みっちり解して、肩回りのストレッチもやって貰ったのですが、お陰で少しは柔軟に身体が動く様になりました。
さて、もうやる事もないので、受付が始まるまで昼寝でもしたろかー、と思い、先にタイヤの空気圧だけ見とくかー、とチェックしたところ、パンパンに空気が入ってるはずなので、フロントの空気圧がゼロ。あれ〜?まさかー?と思い、改めて空気を入れたのですが、暫くしたらまたゼロ。どうやら新品タイヤを組んだ時にチューブを噛んでしまった様です。あいにく、予備のチューブの持ち合わせが無かったのですが、JNCCでもWEXでも爺ヶ岳は出店がたくさんで、パーツ関係の店も多く、首尾よくハードチューブを買う事が出来、昼寝無しでチューブ交換しました。
そうこうしているウチに受付時間が始まり、自分はCクラスなので車検もなく、トランスポンダを付けるだけで本日の作業は全て完了しました。
■1周目
当日朝は、糸魚川戦と同じく、雲一つない晴天。こんなに天気のいい爺ヶ岳はホント初めてで、今日はどんな結果になろうとも、気分よく走れそうな予感がしました。
自分が参加するFUN GPは、集合が0845時という事で、朝はのんびりする事が出来ました。食事は昨日の晩に炊いた飯盒メシの残りがあったのですが、出走前に食べると腹ぱっつんで動きが悪いどころか、下手したらゲロってしまう可能性もあるので、ビスケット2枚だけにしておきました。どっちみち、昼前には何もかも終わって、好き放題食べれますしね。その分、水分は多めに摂っておきました。
0830時に出撃。自分が出るCクラスは、スタート位置も後ろの方なのですが、何事も早め早めです。以前なら、この待ち時間は結構緊張してたのですが、最近は慣れて来たのか、あまり緊張しません。どっちみち、走り出したら最後まで走るか、途中で止めるかのどっちかしかありません。ケガだけはしない様、注意するだけです。
スタート位置は、例によって例の如く、坂道発進です。でも、別に一列目でもないですし、旗が振り下ろされたら、クラッチレバー握ってローギアに蹴り込んで、アクセル開けてスタートするだけです。以前なら、大体スタートでギア入らなかったり、エンストしたりで、前に進むはずが後ろに下がったりしてたのですが、そんな事もなくスムーズにスタート。ただし、自分がスタートする事には、前は大勢のライダーが団子状態になったり転けかけたりしてるので、どうしても安全マージンとって車間をとると、どんどん引き離されておいてけぼり食う感じになります。
ともあれ、ゲレンデをグバーっと上がって、ドドーっと下って、一等最初の難所であるロックンロールリバー下流に進入。すると、ガレ場の右コーナーで大勢のライダーが止まったりスタックしたり転けたりして、渋滞になっていました。今までの自分なら、その場が空くまで待機してそうなものですが、今年はちょっとずつでも前に出て、ちょっとでも人より先んじようとしました。有り難い事に、X化したCRF250R“モルゲンシュテルン号”は、このちょっとした動作もハチャメチャにならず言う事を聞いてくれる様になっており、やや難儀したものの、この難所を突破。ゲレンデに復帰しました。
この頃辺りから、2速でなく3速を使う様になりました。その理由は、3速の方が加減速Gが少なく楽だからですが、驚くべきは、下りからコーナーを経て登りに差し掛かる様な車速が決定的に落ちるポイントで、これまでの通念でいけば2速でだって上がって行くのに難儀しそうな車速でも、バリバリと3速のままで登って行った事でした。これは相当な強心臓なバイクです。
今度は登りのウッズ。ここでもアチコチでスタックしてる車両が目立ちました。一旦立ち止まったからには、2速で走り続けるのは無理と判断して、1速でアクセル開けて登って行こうとしたのですが、これがまた物凄い腰の強いトルクでバリバリと上がって行く。アクセルが開いている限り登る、ラインを変えるほんの少しの速度低下も物ともせず上がって行く。そして、思いのほか楽にウッズを突破してしまいました。
さて、再びゲレンデを降りたり横切ったり登ったりウッズ下ったりして、いよいよ今回の個人的最大難所のFUNガレ。まずは登りですが、すでにそこここで止まっている人がいました。ここは止まったらアカン所なので、弾かれない程度に、かつよろけない程度の、微妙な車速を選んで、ただただ止まらない事だけを念じて登って行きました。そして、今度は下り。ここはもう、怖い一心でひたすら恐怖心と闘いながら降りて来ました。やっとこ石ころがない所に来た時には、疲労困憊して元気がありません。それでも走りながら休めるのは、バイクの性能がそれだけ自分にとって向上した証拠だと感じました。
■2周目
これまでの爺ヶ岳のレースでは、1周目でたいていエライ目に遭って、2周目に行くのには相当葛藤があったのですが、今回はそんな事もなく元気に2周目に突入しました。曲がりなりにも全線走破し、かつ去年みたいにセクション越える度に10分休むといった統制前進でもなく、遅かろうがなんだろうが、とにかく前に出続けている事が自信に繋がっているんだと思います。
ともあれ、チェックポイントを過ぎたら、直ぐにロックンロールリバー下流のガレ場の右コーナーなのですが、2周目には止まってる車両もまばらになり、自分のベストラインも空いているので、時間は掛かりはしても問題なくクリア。続いてウッズ。ここではそこそこスタックして難儀してる人が居ましたが、かつて5年ほど前の自分の姿を横目で見る様にして通過。
ゲレンデと下りウッズは、ずっと3速のままで。下りではそこそこの速度になるのですが、ブレーキパッドをRKのメガアロイにしたせいか、速度をコントロールするのがとても楽で、自信をもって下って行く事が出来ました。そして、コーナーでどんなに車速が落ちようとも、アクセルを開ければそのまま坂を上って行く。いちいちギアチェンジをしなくても良いので、これまたかなり楽です。
そして、いよいよFUNガレ前の登り。転けん様にアクセル開けて行ったつもりが、いきなりフロントが石を拾ってそのまま転倒。大して車速が出てなかった事あって、ただ単に痛いだけだったのですが、問題は再発進。ガレている上に上り坂です。そこからの再発進は骨が折れるどころか無理な場合も多く、実際、他にも転けてた人は下まで下がって行く人が何人もいました。
しかし、ここから下に下って再発進というのも、骨が折れるというか、しんどい話しです。そこで、物は試しで、そこで再始動して、ローギアで上がってみました。まぁ、確かに難儀にした事は確かなのですが、それでもその場から発進して、レースに復帰できたのは驚きました。これが以前のCRFだったら、ちょっと出来ない芸当です。
どうにか登って、今度は下りなのですが、やっぱり怖いもんは怖い。ましてや転けた後だけに余計怖い。怖い怖い言いながらどうにか降りて来たものの、疲れがドドーっと出て来てアクセルが開けられません。この後は、普通のゲレンデが続くのですが、休みつつ走る、という感じになりました。
安全運転を心がけていても、この有様
ガレ場で転けると痛いんですよw
■3〜4周目
去年までだと、こうしたエライ目に遭った後は、しばらく立ち止まって休憩しないと次に進めませんでしたし、チェックポイントを過ぎて次の周回に行くには、それまでの労苦を思うとなかなか気が進まなかったものです。ところが今回は、シンドイにはシンドイけど、次の周回に行く元気が多いにありました。爺ヶ岳で、こうした士気をキープし続けているのは、自分としては驚くべき事でした。
3周目も概して1周2周目と、路面の状態も疲労度も大差がなく、ただただ、ウッズとガレ場だけに注力する感じでした。ゲレンデの上り下りは、かなり楽をしているはずなのですが、だったらもっと頑張れたかというと話しは別で、抜かれようが追いまくられ様が、その時のアクセルの開け具合、車速の出具合が、その時々の精一杯という感じでした。時には、後方でミスって追い抜いた人に後から追い抜かれる、という場面も多々あったのですが、今日はその人と競争しに来ているのではなくて、去年の自分と競争しにきてるんだ、と自分に言い聞かせて、自分の走りに徹しました。
続いて4周目。チェックポイントのタイマーは、確か1時間20分くらいを示していましたので、おそらくこの周回が最終ラップだろうと見当をつけました。この頃には流石に疲れていたのですが、あと1周と思えば、シンドイのも我慢できる様なもので、極力ミスしない様に頑張って走りました。
この頃になると、ウッズの中は、結構ワダチが掘れていたりして、それにハマる人もそこここで見受けられました。自分もかつてハマり込んでエライ目に遭って来たのですが、重トルク化したモルゲンシュテルン号は、こんなセクションでもウンショと簡単に乗り越える事が出来るので、疲労度が全然違います。正味のところ、今回のレースではウッズはまったく難所ではありませんでした。
ガレの登りはアクセルを開けて行くしかないのですが、下りは勝手に降りて行くので、元気のあるウチはともかく、4周目ともなると元気がなくて、暴れるバイクをどうにかするのに難儀しました。下りでエンストするなんてのは、明らかに車速が落ちて、かつクラッチレバーの操作がおかしくなってるのですが、疲れてて怖いセクションでは、どうする事も出来ませんでした。まぁ、頑張れない所では頑張らない。時間が掛かっても安全に通過するのが大事という訳です。
■おまけの5周
さて、レースも終盤、他の速いライダーが目を三角にしてラストスパートをかける頃、自分はのんびりと「やれやれ終わりかなー」とチェックポイントに戻って来ました。ところが、タイマーはまだ5分前で、L1のプラカードが掲げられていました。この残り時間では、仮に行ってもチェッカーフラッグを受けられない可能性も高く、行き損になってしまう事が考えられましたが、だからといって、5分もの間、ゲートの前で衆目に晒されながら待機ってのも格好悪い話しです。それに、この時点ではやる気も元気もまだ残っていました。そこで勇躍、5周目に突入しました。
チェックポイント過ぎて直ぐのロックンロールリバー下流のガレ場。これまでもそれなりに疲れるポイントでしたが、ミスなく通過したものの、これまでと違って結構疲れました。そして、その上のウッズの登り。そこここでハマってる車両があり、ラインを変えたら自分がハマったり、ハマってる前の車両に土浴びせられたり、うっかりアクセル緩んで止まってしまったり。とにかく、これまでにないほど疲れました。とにかくシンドイのです。
こんなシンドイ時にFUNガレで失敗したら目も当てられないので、とにかく登りは登り切ったのですが、下りの怖いのにはもはや耐えられませんでした。で、エンストしてストップ。再発進に猛烈に疲れました。その後は、もう、いつも通りの自分の走りで、シンドイだのもうええだの、文句ばっかり言いながらトロトロ走る感じ。しかも、これまでミスった事ない所で転けてみたり、そこで止まりますか的なところでエンストしたり。もうボロボロです。しかし、これでも爺ヶ岳初の5周ですので、その気持ちだけで駒を進めました。
結局、敗残兵みたいになってチェックポイントに戻って来た時には、案の定、チェッカーフラッグはなく、タイマーもゼロに戻ってて、フィニッシャーズロードも解散。自分だけが這々の体で戻って来た格好になりました。それでも、曲がりなりにも5周走れたのは、自分としては良かったかな、と感じました。
4周で終わりと思っていたので
5周目は気力体力使い果たして、いつも通りの有様w

今回デビュー戦だった、シャークティース・タニーヘルム
ガレで転けて、早速傷入りました(T_T)

ヘニョヘニョに疲れましたが、ともあれ5周走りました!
■所見と反省
今回は爺ヶ岳初の逆回りという事でしたが、毎回が挑戦の自分にとっては、順だろうが逆だろうが難易度はさほどの差を感じませんでした。というより、こんなドライな爺ヶ岳を走るのは初めてな事で、むしろ走り易かったと感じました。
今回もX化したCRF250RX“モルゲンシュテルン号”の威力は遺憾なく発揮されたと思います。XR230“パンツァーファウスト号”との違いは身体が感じる疲労度の違いで、XRの場合はちょっとしたセクションでも、そこを乗り切るのに気力体力を大幅に消耗して、立ち止まって休まないと次に進めない感じでしたが、今回はそうした事はほぼありませんでした。さすがにおまけの5周目では、そうした場面が多々出ましたが、そもそも5周目行こうかという気になるのが、これまでの自分と比較して大した事だと思います。ともあれ、次の周回に行くのに、いささかのためらいもなかったのです。これはバイクが相当楽させてくれていたからだと思います。
今回、楽を顕著に感じたのは、ゲレンデでの3速で、下りからターンして登りになる時に、これまでの通念で行けば2速でだって登りに移るのが大変な車速まで落ちても、3速でズズーっと上がっていけ、かつアクセルを開けて行けば上の方では結構伸びるので楽でした。また、ウッズでは1速を多用してたのですが、突っかかる様な掘れたセクションでもあまりアクセルを開けずとも乗り越えられ、エンストしそうな時も開け直せばついてくる感じで、非常に楽でした。これはカムシステムによる重ロースロの恩恵が大であったと思います。
逆に下りに関しては、相変わらず苦手で、本来なら車速に乗せて走れるはずが、そこで走り負けする事が多かったです。降下する時の姿勢、ブレーキの使い方、その他なにか気が付いてない事など、その辺りで登りほど満足できる走りが出来ていませんでした。
とはいえ総じて楽しく走れたのですが、あとになって自分の走りをじっくり見てみると、そこまで楽出来てたんだったら、ゲレンデなどはもっと開けられんもんか、とか思ったりもするのですが、その反面でとても安全運転に徹してるなー、という風にも感じました。特に人と迫っている時などは、譲ってでも安全を確保するのを優先してる様に見える。疲れてたり若干怖かったり、ともかくうっかり転けたりしないのを優先した走り方をしてる様に感じました。まぁ、蛮勇を奮えるほどの技量はまだない、という事なんだと思います。
成績はいつもの様に、したから4分の1辺り。勝てる走りでなかった事は結果から如実に現れてますが、これまでそのだけでなく、何しに来たのか分らんくらい怖かったり楽しくなかったりしてたのが、今回は楽しく走れたのですから、それが今年の進歩だと自己評価しています。
2015年07月19日
昨年、恥辱の1周リタイアに果てたWEX爺ヶ岳ですが、この一年はそのリベンジに全力を費やした、といっても過言ではありませんでした。表彰台に上がりたいとか、そういった大それた事ではありません。「前に進んで当たり前のバイクがちゃんと前に進んで欲しい」「爺ヶ岳では一度も完走してないから、ともあれ完走」こういった些細な目標を掲げて、大改装したXR230“パンツァーファウスト号”で乗り込んだのでした。
■事前の健康状態
去年のWEX爺ヶ岳は、群発痛風直後のレースで、それが為に下見にも行けず、結果としては惨敗の要因となりました。しかし、それはその後におとずれる高血圧症の前触れみたいなもので、9月に高血圧と目眩で倒れ、以後、薬を飲みながら運動を続けてきました。まぁ、痩せはしないまでも、レースで息の上がらない身体を作る、というのが目的で、それはおおよそ実現されていました。
そんな訳で、今年は健康的にはあまり不安を持っていなかったのですが、本番3週間前に、一時不停止の自転車と衝突し、左手小指の剥離骨折を始めとして、少なからずダメージを受けてしまいました。むろん、バイクの練習もオミット。まぁ、時期的に梅雨に突入したので、どのみちバイクには乗れませんでしたが、小指が治ってくれるか、ちょっと心配でした。
結果としては、事故処理が有利に進められると同じくして、剥離骨折の方も大した事ない事が判明しました。そして、XR230“パンツァーファウスト号”のタイヤをAT81に替え、伸び伸びになっていたフロントフォークのオーバーホール、前後ブレーキのフールド交換と、パッドをRKに換装の作業に出し、今年は早めに出発して前日に下見をするつもりが、バイクがなかなか帰って来ず、結局、出発時間を遅らせても2時間くらいしか寝てる時間がない、という厳しい状況でのスタートとなりました。
■下見と想定
そんな訳で、現地には0730時頃到着。気になる雨はずっと降っている感じで、パドックのそこここに大きな水たまりが出来てました。今回、こんなに早く出て来たのは、なんと総勢12台分のトランポをまとめて駐車させるスペースを確保する必要があったからでした。早いもの勝ちなので朝駆けでやってきたのですが、同じ事を考える人はいるもんで、既に何台もの参加者が場所取りしてました。
しかし、雨が降ってる間はトランポからバイク下ろす気にもならず、さりとて他にする事もなく、だからといって寝てる訳にもいかず、ダラダラと喋ってるうちに雨が上がったり小雨になりました。やる気のある人は、セクションスクールに行ったりしてましたが、バイク汚したくない自分は、バイク下ろして準備するだけにしました。まぁ、事前に乗ろうが乗らまいが、本番では大した差はありません。むしろ、コースを見に行った方がよほど身になる事が多い訳です。
さて、夕方にようやく下見に行ったのですが、自分の足でゲレンデ上がったのでは、それだけで体力使い果たしてしまうと考えて、星野さん御自ら運転のカートに乗って、ファンガレの上まで運んで貰いました(振り落とされそうになりましたw)。そこから、ゲレンデはショートカットして、主にガレ場とウッズを歩いたのですが、とにかく転けたら痛そうです。ファンガレは登るの無理と考えて、エスケープを使う事にしたのですが、そのエスケープ自体も結構ガレてて処置無しです。ウッズは、去年みたいに好きに走れという感じでなく、中が段だらに区切られていて、登ったり下ったり。それでも去年みたいに迷子にならなさそうな分、ガレよりはマシに感じました。
ともかく、歩いて帰って来た時には、ぶかぶかの長靴の中で足の裏に2つほどマメが出来ていました。正味、初心者向きのコースレイアウトではないと感じましたが、来てしまった以上は仕方ありません。疲れないように、転けないように、自分なりの走りが崩れないように、恥も外聞もなく、とにかく帰還を果たす、というのを第一としました。
■ファンガレまでは無問題
夜のウチに若干雨が降ったそうですが、自分は泥の様に寝ていたので気が付きませんでした。幸いにも05300時に目が覚めた時には、雨が上がっていました。雨降りで出走準備をやるのは、やはり気が萎えてしまうものです。90ミニッツは0800時頃集合、0815時出走という事になっていますので、あまりダラダラはしてられません。バイクの準備はサイドスタンドを外す以外は終わってましたし、忘れがちなキャメルバッグの準備は済ませたし、あまり食欲ももないので(普段ならまだ寝てる時間)、バームクーヘンの切れ端食べて準備完了。颯爽、と言いたいところですが、実際にエライ目に遭う覚悟を固めて集合場所に向かいました。
今回のWEXは総勢500台、90ミニッツ全体でも200台近いそうで、そりゃもう、大盛況です。どこでどうスッ転んでても、とりあえず誰か見つけてくれる事は間違いありません。ともかく、ケガだけは避けたいところです。ケガをするのは大抵転けた時ですが、転けるのは疲れて危険回避が出来ない場合に多いので、疲れる前に休む、エライ状況を突破したら取りあえず休む、というのが今回の作戦です。結果、1周であってもチェッカーを受ければ完走な訳です。
スタートはいつもの様に、上り坂でのヘルメットタッチスタート。いつもなら1速に入らずスタートでモタモタするところですが、今回は一発で入りました。その後はしばらく登りのゲレンデを巡航。早くもそこここでスタックしている人がいましたが、自分はお構い無しに前進です。途中、下りの下でいきなり止まった前走車にオカマほって思いっきり転けたりもしましたが、何たって今年は「上手くいかなくて当たり前」って頭で走ってましたので、特段頭に来る事もなく、さらに先に駒を進め、皆さんが引っかかってるとこも、よくラインを見定めて突破し、ファンガレにまで辿り着きました。
■ウッズ、そしてRRR
当初、ファンガレはエスケープする予定でいたのですが、前の人に付いてったら、気が付いたらエスケープの入り口を見落としてました。そのままファンガレを強行突破。とにかく止まったら死ぬと思い、全力で上がりました。一応、ラインらしきものが出来ていましたので、その通りに進み、頂上付近では左のラインは既にスタック車両で埋まってましたので、右側のラインから登頂し、辛うじて登り切りました。
しかし、ここでバッテリー切れ。とりあえずエンジン止めて呼吸を整えて、筋肉疲労を散らします。ここで強行しようにも、次はガレ下りですので、うっかり転けたらダメージが大きいです。ようやく再スタートしましたが、この後は転けたら休む、疲れたら休むの連続となります。いわゆる「統制前進」というやり方で、非常に消極的な前進方法ですが、難易度が高いと思われる今回のレースで、早々に気力体力を消耗し尽くさないためには、やむを得ないやり方でした。
そして、いよいよウッズに突入。昨日の下見でも、にゅるにゅるしてよく滑ったのですが、今日も全く同様です。とにかく、慎重運転を心がけるより他ありません。そこそこシンドイとこもあり、休み休みの前進とならざるを得ませんでした。それでもゆっくり下れば危なくはありませんでしたし、登りでは力強く登ってくれたので、結局ノーミスでウッズを突破する事が出来ました。
とはいえ、この時点で相当筋力は消耗しており、ロックンロールリーバーで頑張る元気はありません。しかも今年は上流から下ろされるという事で(これでもコースが一部ショートカットされて楽になった)、去年よりは長めです。ともあれ、行かない訳にはいかないので、のろのろと前進。疲れたら休むを繰り返し、ようやくなんとか突破できました。
■2周目
さて、1周目に費やした時間は、65分。非常に微妙な残り時間です。のこり15分なら、チェッカーの前で待機って手もあるのですが、さすがに25分もあったのでは、その手はみっともなくて使えません。さりとて2周目行ったとして、残り時間は25分と20分です。1周に65分も掛けてたのでは、せっかく2周目走っても、カウントされない可能性が大です。となれば、行くとなれば、最低でも40分くらいで帰って来なければなりません。
しかしまぁ、どうあれ1周走って来たのは大きな勇気となりました。せっかくですから、もう1周行く事にしました。難儀するのは、ファンガレとその後のガレ下り、ウッズ前のモコモコ坂、ウッズ、RRR、この辺りです。あと、ウッズ以降のアップダウンは結構デコボコで突破に難儀しますが、ともかく疲れてたら休む、その他は統制前進をやめて突進に切り替える事にしました。
前半のゲレンデに関しては、突進するのに何ら問題がありませんでした。去年よりもコンディションが良い様で、気持ちよく全開で走れました。難所と難所の間を繋ぐコースも、難しくない所は出来る限り突進しました。しかし、難所系となるとそうはいかず、身体も相当に疲れてますし、疲労回復するのに時間が掛かります。それでもある程度は突進しなければならないので、さらに輪をかけて疲れが貯まって行く訳です。
最後のRRRでは、もう完全に息があがり「しんどいんじゃーー!!」と大声で文句を垂れる始末。それでもあと少しでゴールなのですから、頑張りに頑張って、とうとうチェッカーフラッグを受けました。たった2周ではありますが、挑戦3回目にして、やっと完走する事が出来ました。
■所見
今回のリザルトは、90Cで78/97位、90総合で138/167位でした。去年の成績は90総合で145/178位でしたから、リザルト的には大して進歩しておりません。去年は嫌気がさして1周リタイア、今年は頑張って2周完走、この差をどう評価するかによって、今回の大会の見方が変わると思います。
個人的には、2周走ったのは収穫あったと思います。今までは、ただ単に苦行、ただ単に嫌な体験、それくらいの経験しか積めませんでしたが、今回はどこをどう走れば良いか、コース全体を通じて理解を深める事が出来ました。1周目は確かに統制前進で、必要以上に時間が掛かりましたが、これにしても2周目以降は突進すべき箇所を掴むのに必要でしたし、今後の大会においても有用な情報を得れたと思います。
統制前進で多くの休みを取らねばならなかったのは、ガレ場やウッズといった難所ですが、リザルトの良い人はこういった所での走破性が非常に高い。その点は自分も大いに見習わなければならないところです。ようやく、その位置に自分が立った気がします。
その統制前進ですが、これはバイク乗る上での筋力が急激に消耗して、次のセクションに立ち向かえないから行ったものですが、心肺機能的な疲労感というのはあまりありませんでした。以前の用に、レースの後、青色吐息で立ち上がれない、という感じでなかったのです。これは普段のグループセンタジーやグループキック、水泳といった運動が効果を発揮していると思います。
バイクに関しては、今回は威力絶大であったと思います。懸案であったクラッチは、ほぼ問題になりませんでした。1周目は出来るだけクラッチを使わない乗り方を心がけた事もあって、レバーが張ってくる感じもありませんでした。2周目は時間もなく突進に切り替えたため、操作がラフになり半クラも多用したため、ゴール直前にはレバーがかなり張っていましたが、それでも調整で何とかなるレベルでした。去年との決定的な違いは、キャブが負圧式からスリングショット式に替えたこと、マフラーをレーサーの物に替えたことから、体感的にパワーアップし、かつクイックな操作が出来る様になり、ゲレンデ登坂に大きな威力を発揮しました。
タイヤに関しては、今回はダンロップのAT81を投入しましたが、ウッズやガレ場で威力を発揮し、かなりのグリップ感を得ることが出来ました。恐らく、今回完走出来たのは、バイクや装備面でこの一年間、研究や改良を繰り返してきた結果だと思います。主観的な感想としては、これだけ乗り易いバイクならば、自分以上のライダーが乗れば、十分表彰圏内に入れたと思います。となれば、あとは乗り手たる自分の頑張り次第です。
■事前の健康状態
去年のWEX爺ヶ岳は、群発痛風直後のレースで、それが為に下見にも行けず、結果としては惨敗の要因となりました。しかし、それはその後におとずれる高血圧症の前触れみたいなもので、9月に高血圧と目眩で倒れ、以後、薬を飲みながら運動を続けてきました。まぁ、痩せはしないまでも、レースで息の上がらない身体を作る、というのが目的で、それはおおよそ実現されていました。
そんな訳で、今年は健康的にはあまり不安を持っていなかったのですが、本番3週間前に、一時不停止の自転車と衝突し、左手小指の剥離骨折を始めとして、少なからずダメージを受けてしまいました。むろん、バイクの練習もオミット。まぁ、時期的に梅雨に突入したので、どのみちバイクには乗れませんでしたが、小指が治ってくれるか、ちょっと心配でした。
結果としては、事故処理が有利に進められると同じくして、剥離骨折の方も大した事ない事が判明しました。そして、XR230“パンツァーファウスト号”のタイヤをAT81に替え、伸び伸びになっていたフロントフォークのオーバーホール、前後ブレーキのフールド交換と、パッドをRKに換装の作業に出し、今年は早めに出発して前日に下見をするつもりが、バイクがなかなか帰って来ず、結局、出発時間を遅らせても2時間くらいしか寝てる時間がない、という厳しい状況でのスタートとなりました。
■下見と想定
そんな訳で、現地には0730時頃到着。気になる雨はずっと降っている感じで、パドックのそこここに大きな水たまりが出来てました。今回、こんなに早く出て来たのは、なんと総勢12台分のトランポをまとめて駐車させるスペースを確保する必要があったからでした。早いもの勝ちなので朝駆けでやってきたのですが、同じ事を考える人はいるもんで、既に何台もの参加者が場所取りしてました。
しかし、雨が降ってる間はトランポからバイク下ろす気にもならず、さりとて他にする事もなく、だからといって寝てる訳にもいかず、ダラダラと喋ってるうちに雨が上がったり小雨になりました。やる気のある人は、セクションスクールに行ったりしてましたが、バイク汚したくない自分は、バイク下ろして準備するだけにしました。まぁ、事前に乗ろうが乗らまいが、本番では大した差はありません。むしろ、コースを見に行った方がよほど身になる事が多い訳です。
さて、夕方にようやく下見に行ったのですが、自分の足でゲレンデ上がったのでは、それだけで体力使い果たしてしまうと考えて、星野さん御自ら運転のカートに乗って、ファンガレの上まで運んで貰いました(振り落とされそうになりましたw)。そこから、ゲレンデはショートカットして、主にガレ場とウッズを歩いたのですが、とにかく転けたら痛そうです。ファンガレは登るの無理と考えて、エスケープを使う事にしたのですが、そのエスケープ自体も結構ガレてて処置無しです。ウッズは、去年みたいに好きに走れという感じでなく、中が段だらに区切られていて、登ったり下ったり。それでも去年みたいに迷子にならなさそうな分、ガレよりはマシに感じました。
ともかく、歩いて帰って来た時には、ぶかぶかの長靴の中で足の裏に2つほどマメが出来ていました。正味、初心者向きのコースレイアウトではないと感じましたが、来てしまった以上は仕方ありません。疲れないように、転けないように、自分なりの走りが崩れないように、恥も外聞もなく、とにかく帰還を果たす、というのを第一としました。
■ファンガレまでは無問題
夜のウチに若干雨が降ったそうですが、自分は泥の様に寝ていたので気が付きませんでした。幸いにも05300時に目が覚めた時には、雨が上がっていました。雨降りで出走準備をやるのは、やはり気が萎えてしまうものです。90ミニッツは0800時頃集合、0815時出走という事になっていますので、あまりダラダラはしてられません。バイクの準備はサイドスタンドを外す以外は終わってましたし、忘れがちなキャメルバッグの準備は済ませたし、あまり食欲ももないので(普段ならまだ寝てる時間)、バームクーヘンの切れ端食べて準備完了。颯爽、と言いたいところですが、実際にエライ目に遭う覚悟を固めて集合場所に向かいました。
今回のWEXは総勢500台、90ミニッツ全体でも200台近いそうで、そりゃもう、大盛況です。どこでどうスッ転んでても、とりあえず誰か見つけてくれる事は間違いありません。ともかく、ケガだけは避けたいところです。ケガをするのは大抵転けた時ですが、転けるのは疲れて危険回避が出来ない場合に多いので、疲れる前に休む、エライ状況を突破したら取りあえず休む、というのが今回の作戦です。結果、1周であってもチェッカーを受ければ完走な訳です。
スタートはいつもの様に、上り坂でのヘルメットタッチスタート。いつもなら1速に入らずスタートでモタモタするところですが、今回は一発で入りました。その後はしばらく登りのゲレンデを巡航。早くもそこここでスタックしている人がいましたが、自分はお構い無しに前進です。途中、下りの下でいきなり止まった前走車にオカマほって思いっきり転けたりもしましたが、何たって今年は「上手くいかなくて当たり前」って頭で走ってましたので、特段頭に来る事もなく、さらに先に駒を進め、皆さんが引っかかってるとこも、よくラインを見定めて突破し、ファンガレにまで辿り着きました。
■ウッズ、そしてRRR
当初、ファンガレはエスケープする予定でいたのですが、前の人に付いてったら、気が付いたらエスケープの入り口を見落としてました。そのままファンガレを強行突破。とにかく止まったら死ぬと思い、全力で上がりました。一応、ラインらしきものが出来ていましたので、その通りに進み、頂上付近では左のラインは既にスタック車両で埋まってましたので、右側のラインから登頂し、辛うじて登り切りました。
しかし、ここでバッテリー切れ。とりあえずエンジン止めて呼吸を整えて、筋肉疲労を散らします。ここで強行しようにも、次はガレ下りですので、うっかり転けたらダメージが大きいです。ようやく再スタートしましたが、この後は転けたら休む、疲れたら休むの連続となります。いわゆる「統制前進」というやり方で、非常に消極的な前進方法ですが、難易度が高いと思われる今回のレースで、早々に気力体力を消耗し尽くさないためには、やむを得ないやり方でした。
そして、いよいよウッズに突入。昨日の下見でも、にゅるにゅるしてよく滑ったのですが、今日も全く同様です。とにかく、慎重運転を心がけるより他ありません。そこそこシンドイとこもあり、休み休みの前進とならざるを得ませんでした。それでもゆっくり下れば危なくはありませんでしたし、登りでは力強く登ってくれたので、結局ノーミスでウッズを突破する事が出来ました。
とはいえ、この時点で相当筋力は消耗しており、ロックンロールリーバーで頑張る元気はありません。しかも今年は上流から下ろされるという事で(これでもコースが一部ショートカットされて楽になった)、去年よりは長めです。ともあれ、行かない訳にはいかないので、のろのろと前進。疲れたら休むを繰り返し、ようやくなんとか突破できました。
■2周目
さて、1周目に費やした時間は、65分。非常に微妙な残り時間です。のこり15分なら、チェッカーの前で待機って手もあるのですが、さすがに25分もあったのでは、その手はみっともなくて使えません。さりとて2周目行ったとして、残り時間は25分と20分です。1周に65分も掛けてたのでは、せっかく2周目走っても、カウントされない可能性が大です。となれば、行くとなれば、最低でも40分くらいで帰って来なければなりません。
しかしまぁ、どうあれ1周走って来たのは大きな勇気となりました。せっかくですから、もう1周行く事にしました。難儀するのは、ファンガレとその後のガレ下り、ウッズ前のモコモコ坂、ウッズ、RRR、この辺りです。あと、ウッズ以降のアップダウンは結構デコボコで突破に難儀しますが、ともかく疲れてたら休む、その他は統制前進をやめて突進に切り替える事にしました。
前半のゲレンデに関しては、突進するのに何ら問題がありませんでした。去年よりもコンディションが良い様で、気持ちよく全開で走れました。難所と難所の間を繋ぐコースも、難しくない所は出来る限り突進しました。しかし、難所系となるとそうはいかず、身体も相当に疲れてますし、疲労回復するのに時間が掛かります。それでもある程度は突進しなければならないので、さらに輪をかけて疲れが貯まって行く訳です。
最後のRRRでは、もう完全に息があがり「しんどいんじゃーー!!」と大声で文句を垂れる始末。それでもあと少しでゴールなのですから、頑張りに頑張って、とうとうチェッカーフラッグを受けました。たった2周ではありますが、挑戦3回目にして、やっと完走する事が出来ました。
■所見
今回のリザルトは、90Cで78/97位、90総合で138/167位でした。去年の成績は90総合で145/178位でしたから、リザルト的には大して進歩しておりません。去年は嫌気がさして1周リタイア、今年は頑張って2周完走、この差をどう評価するかによって、今回の大会の見方が変わると思います。
個人的には、2周走ったのは収穫あったと思います。今までは、ただ単に苦行、ただ単に嫌な体験、それくらいの経験しか積めませんでしたが、今回はどこをどう走れば良いか、コース全体を通じて理解を深める事が出来ました。1周目は確かに統制前進で、必要以上に時間が掛かりましたが、これにしても2周目以降は突進すべき箇所を掴むのに必要でしたし、今後の大会においても有用な情報を得れたと思います。
統制前進で多くの休みを取らねばならなかったのは、ガレ場やウッズといった難所ですが、リザルトの良い人はこういった所での走破性が非常に高い。その点は自分も大いに見習わなければならないところです。ようやく、その位置に自分が立った気がします。
その統制前進ですが、これはバイク乗る上での筋力が急激に消耗して、次のセクションに立ち向かえないから行ったものですが、心肺機能的な疲労感というのはあまりありませんでした。以前の用に、レースの後、青色吐息で立ち上がれない、という感じでなかったのです。これは普段のグループセンタジーやグループキック、水泳といった運動が効果を発揮していると思います。
バイクに関しては、今回は威力絶大であったと思います。懸案であったクラッチは、ほぼ問題になりませんでした。1周目は出来るだけクラッチを使わない乗り方を心がけた事もあって、レバーが張ってくる感じもありませんでした。2周目は時間もなく突進に切り替えたため、操作がラフになり半クラも多用したため、ゴール直前にはレバーがかなり張っていましたが、それでも調整で何とかなるレベルでした。去年との決定的な違いは、キャブが負圧式からスリングショット式に替えたこと、マフラーをレーサーの物に替えたことから、体感的にパワーアップし、かつクイックな操作が出来る様になり、ゲレンデ登坂に大きな威力を発揮しました。
タイヤに関しては、今回はダンロップのAT81を投入しましたが、ウッズやガレ場で威力を発揮し、かなりのグリップ感を得ることが出来ました。恐らく、今回完走出来たのは、バイクや装備面でこの一年間、研究や改良を繰り返してきた結果だと思います。主観的な感想としては、これだけ乗り易いバイクならば、自分以上のライダーが乗れば、十分表彰圏内に入れたと思います。となれば、あとは乗り手たる自分の頑張り次第です。