製菓系
2021年03月04日
前回挑戦したタルト・タタン。嫁さんから渡されたケーキ型が底の抜けるタイプで、そこから汁が全漏れになって、ただのリンゴのコンポートのパイ生地乗せになってしまいました。で、その嫁さんから、またも食いたいとリクエストがありましたので、間を空けず再挑戦しました。
左がパイ生地、右がタルトの、それぞれの材料です
■材料と作り方のおさらい
使う材料、作り方は、前回とまったく同様です。といっても、前の記事にわざわざ見に行くのは面倒なので、反復になりますが、こちらにも記載します。
《タルト・タタンの材料》生地リンゴ
- 薄力粉100g
- 無塩バター50g
- 塩ひとつまみ(有塩バター使用の際は省略)
- 卵黄1個
- 水20g
- グラニュー糖60g(キャラメル用)
- 水少々
- 無塩バター50g
- りんご6個 紅玉、ふじ、つがるなど
- グラニュー糖60g
《作り方》
- 薄力粉と冷たいバターを粉状にする
- 卵黄と水をまぜ、ボウルに加え練らないように生地をまとめ、ラップをし冷蔵庫で休ませる
- りんごの皮をむき、4等分にし芯を取り除く
- グラニュー糖と水少々を火にかけキャラメルを作る
- キャラメルがいい色になったら火を止めバターを入れる
- バターが溶けたらりんごを加えキャラメルと絡める
- クッキングシートで落し蓋をして弱火で1時間煮る。途中に何度かりんごの位置を変え均等に色つくようにする
- 生地を型の大きさより大きく伸ばし、型の大きさに切り抜く
- 型にりんごを隙間なく詰め、生地を被せ200度のオーブンで30分焼く
- タルトを常温まで冷ましその後冷蔵庫で一晩しっかりと冷やす。
型をあたためてタルトを取り出す。
■パイ生地
前回同様、今回もまずはパイ生地から。粉に冷えたバターを入れて、手で捏ねてポロポロになるまで混ぜます。粉とバターだけの時はポロポロしてますが、卵黄を入れて混ぜると、しっかり生地がまとまります。まとまった生地を手のひらで押して平らにして、ラップにくるんで冷蔵庫で小一時間冷やします。
ところで、全然関係ない話しですが、前にショートブレッドを作った時、バターを練って砂糖を混ぜてから粉を振るってまとめる、というやり方をしたのですが、どうもそれはクッキーの作り方で、ショートブレッドはこのパイ生地と同じ様に、粉にバターを混ぜてポロポロにしてから砂糖を混ぜ込むやり方だそうです。(となると、動画サイトに載ってるショートブレッドのつく方は、大半間違っている事になる)
なんにしても、このパイ生地はしっかりまとまり、例のショートブレッドの方はなかなかまとまりせん。次回、ショートブレッドに再チャレンジする時は、この生地を参考にしてみようかと思います。
薄力粉にバターを冷えたまま入れます
十分混ぜます。この時点ではポロポロしてます
そこへ卵黄を落とし、混ぜます
卵黄を混ぜたとたん、いい感じにまとまります
ラップに包んで、冷蔵庫で冷やします
■カラメル作り
カラメルを作る前に、リンゴの芯を取って皮を剥いて、4等分にします。カラメルを作ってからリンゴを処置したのでは、カラメルが固まってしまいます。カラメルが暖かい内にリンゴに絡めてしまうので、先にリンゴをやっつけておく必要があるのです。
リンゴをやっつけたら、カラメル作りです。カラメルは砂糖を水で溶いたのを煮詰めて作るのですが、どの程度の水を入れたら良いのか分かりません。そこで砂糖と同じ分量の水を入れたのですが、これだと多すぎるみたいで、煮詰まるまでかなり時間がかかりました。カラメルを作るなら、水の量は砂糖の半分くらいで良いみたいです。
あと、どの程度煮詰めたら良いのかも分かりません。まぁ、多少色が着いたらで良いと思うのですが、今回みたいに三温糖を使うと、最初から色が着いているので分かりにくいです。この辺りは、経験と好みなんだろうと思います。まぁ、焦がすよりは薄い方がまだマシかもしれません
リンゴも6個となると、結構な作業です
カラメル作るなら、色のついた砂糖は使わない方が吉です
泡が出るので、煮詰まり具合が分かりにくいです
■リンゴを煮る
カラメルが出来たら、弱火にしてリンゴを入れて、まずはリンゴにカラメルを絡めます。つづいて砂糖を入れて、満遍なく絡めていきます。ちなみに、このレシピ通りだと嫁さんは甘すぎて脳天にくると文句言ってましたので、同じ様に感じる人はこの時に入れる砂糖の量を加減してください。
これが済んだら、キッチンペーパーを落し蓋にして1時間煮込みます。リンゴから汁が出るのですが、15〜20分おきにリンゴをひっくり返して、満遍なく煮える様にします。たあd、この時、火加減が強すぎると、汁が飛んでしまい、挙句にリンゴが焦げてしまいます。リンゴが焦げるほど煮詰めてしまうと、後述する様にリンゴを固める汁が足りなくなるので、注意しましょう。
弱火にして、リンゴ全体にカラメルを絡めます
砂糖を追加して、全体に絡めます
落し蓋をし、時々リンゴをひっくり返しながら、1時間煮ます
■型に詰めて焼く
煮込み時間終了10分前くらいになったら、冷蔵庫からパイ生地を取り出し、麺棒で伸ばして、ケーキ型の形に切り出します。
そして煮終わったリンゴを型にきっちり詰めていきます。また、煮汁も全部型に入れます。その際、できる限り隙間ができない様に、ぎっちり気味に詰めていき、かつパイ生地を乗せる天辺の部分も、できる限り凸凹が出来ない様に平らに均します。
それが出来たら、パイ生地をかぶせ、包丁で空気抜きの切れ目をいくつか入れ、200度に余熱したオーブンで30分焼きます。ちなみに、オーブンの余熱を待ってると、リンゴの熱でパイ生地がフニャフニャになるので、できればリンゴを詰めている時にオーブンの余熱をしておき、余熱が完了したら即座に型をオーブンに放り込めるよう、良い感じに段取りした方が良いでしょう。
前回の反省を踏まえ
ちゃんとした18cmのケーキ型を買ってきました
あちゃー、ちょっと焦げてしまいました、、
型にリンゴを詰めます
パイ生地をかぶせ、包丁で切れ目を入れます
200度のオーブンで30分焼きます
焼きあがった直後
■出来上がり
粗熱が取れたら、冷蔵庫で一晩冷やします。焼きあがった直後は、パイ生地がケーキ型の上の方まで上がってたのが、完全に冷えると結構下の方に下がります。
このままではケーキ型からタルトを出せないので、ガスバーナーで軽く炙ったり、温めた濡れタオルなどを被せて、型を外しやすくします。というのは、煮汁にはリンゴから出たペクチンが含まれて、それが冷える事で、ゼリー状の塊になるからです。
ところが、今回の出来栄えは、一応、大部分のリンゴはケーキ状に固まってたのですが、煮詰めすぎて汁が少なかったのか、リンゴの隙間に十分行き渡らなかったせいか、ゼリー状に固まるとまではいかず、若干崩れてしまいました。いいとこまで行ったのに、惜しい!という感じ。
反省点としては、焦げるほど煮詰めてはダメな事と、もっときっちりリンゴを詰めた方が良かった事。あと、パイ生地が分厚くて切るにちょっと難儀した事、などなど。前回よりは前進した、という事で、また作る機会があれば、今度はいい感じのタルト・タタンにしたいと思います。(つか、しばらくリンゴはご馳走さま)
冷蔵庫で一晩冷やした状態
ガスバーナーでケーキ型を軽く炙ります
ちょーっと緩かった!
まぁ、お味の方はそれなりに美味しかったです
レモン果汁いれても良いかもしれません
2021年02月16日
盛岡から送られてきたリンゴシリーズ、ファイナルです。色々リクエストがあったのですが、大トリはタルト・タタンに挑戦する事にしました。実のところ、タルト・タタンというのは今回初めて知ったのですが、見た目が良いのと、そう難しそうでもないので、出来ると踏んでのチャレンジです。
■材料
《タルト・タタンの材料》生地リンゴ
- 薄力粉100g
- 無塩バター50g
- 塩ひとつまみ(有塩バター使用の際は省略)
- 卵黄1個
- 水20g
- グラニュー糖60g(キャラメル用)
- 水少々
- 無塩バター50g
- りんご6個 紅玉、ふじ、つがるなど
- グラニュー糖60g
今回はリンゴを6つも使用します
■作り方
- 薄力粉と冷たいバターを粉状にする
-
卵黄と水をまぜ、ボウルに加え練らないように生地をまとめ、ラップをし冷蔵庫で休ませる
- りんごの皮をむき、4等分にし芯を取り除く
- グラニュー糖と水少々を火にかけキャラメルを作る
-
キャラメルがいい色になったら火を止めバターを入れる
- バターが溶けたらりんごを加えキャラメルと絡める
- クッキングシートで落し蓋をして弱火で1時間煮る。途中に何度かりんごの位置を変え均等に色つくようにする
-
生地を型の大きさより大きく伸ばし、型の大きさに切り抜く
- 型にりんごを隙間なく詰め、生地を被せ200度のオーブンで30分焼く
- タルトを常温まで冷ましその後冷蔵庫で一晩しっかりと冷やす。
型をあたためてタルトを取り出す。
前回、ショートブレッドを作った時は、レシピ通りのバターの量だと生地が全然まとまらなかったのですが、今回は冷えたままのバターを使った割には、案外いい感じにまとまりました。まぁ、ショートブレッドとは違うのでしょうけど、パイ生地の方が作り易いな、と感じました。
バターは冷えたまま使います
満遍なくバターを薄力粉に混ぜます
この段階で、まだボソボソしてます
そこに卵黄を入れ、混ぜます
いい感じにまとまりました
ちょっと伸ばして、ラップして、冷蔵庫に入れます
■初めてのカラメル
続いて、リンゴの皮を剥いて、芯を取って、4等分にします。今回、初めてリンゴの芯抜き器を使いました。キレイに種の部分が抜けるのかと思ったら、刺す位置によっては種が残ってしまい、結局包丁で削らねばなりませんでした。
リンゴの皮を剥いたら、先にカラメルを作ります。今回、初めてカラメルを作ったのですが、レシピには水の量が「少々」としか書いてなく、まぁ、バシャバシャにならない程度なら良いのだろうと、砂糖が頭を見せない程度に水を入れて熱しました。最初はビビって弱火だったのですが、それではいつまで経っても煮詰まる感じにならないので、とりあえず沸騰するまでは中火にして、沸騰したら弱火に切り替えました。
どの程度、色がつけば良いかも分からなかったのですが(その上、沸騰の泡が出るので余計わかりにくい)、焦がしては元も子もないので、ある程度で止め、バターを入れて煮立てたところ、いい感じのカラメルになりました。出だしは順調でした。
今回初投入のダイソーの芯抜き器
ちょっと細いのか?
一部、熟しすぎてるのがありますが
まぁ、煮ちゃうんで使いました
砂糖に適当に水入れて煮立てました
鍋ではリンゴを混ぜにくそうだったので
フライパンに変更w
火を止めて、バターを投入
いい感じのカラメルになりました
■リンゴを煮込む
出来たカラメルに、先ほどのリンゴを全量入れて、リンゴ全体にカラメルが絡まる様に炒めて、さらに追加の砂糖を入れて炒めます。砂糖を全部カラメルにしないのは、甘みを出すためだそうです。フライパンの熱と砂糖の浸透圧でリンゴから水分が出て、意外と焦げたりしません。
十分絡まったら、キッチンペーパーで落し蓋をして、弱火で1時間煮込みます。15分おきくらいにリンゴをひっくり返して、満遍なくリンゴが煮れる様にします。45分くらいしたら、結構シナっとした感じになってきます。
そこで、さっき冷蔵庫に入れた生地を取り出し、麺棒で広げます。大体ケーキ型が収まる範囲。あまり伸ばしすぎても、薄くなって端切れの部分が増えるだけなので、そこそこの範囲まで伸ばします。そして型に合わせて包丁で切り出します。
弱火でリンゴ全体にカラメルが絡まる様に炒めます
追加の砂糖を入れ、絡める様に炒めます
落し蓋をして1時間煮ます
冷蔵庫から生地を出し、麺棒で伸ばします
伸ばしすぎたので、一部折り返しています
■型に入れて冷やす
リンゴが煮えたら、型に入れていきます。一応、1時間という事になっていますが、もっと時間をかけて色をつけていく人もいるそうです。
今回の分量は、18cmのケーキ型の分量なのですが、家にあったのは21cmでしたので、それを使いました。出来る限り隙間が空かない様に、リンゴを詰めていきます。リンゴも煮詰まって柔らかくなっているので、上から押せばギュギュッと詰まっていきます。そして生地を乗せる天辺(型から抜いたら底の部分になる)もできる限り平らにします。
そしてリンゴの上に生地をかぶせ、包丁で空気穴を開けます。オーブンを200度に余熱したあと、30分焼きます。
1時間煮込んだリンゴ
リンゴを型に敷き詰めます
生地に穴をあけ、200度のオーブンで焼きます
■型のせいで大失敗
ここまでは順調だったのですが、問題はうちにあったケーキ型が、なんと底が抜けるタイプ。焼きあがったケーキが抜けやすくなっているタイプです。底が抜けるかどうか試しましたが、ロックが掛かっている状態だと、簡単にな抜けないっぽかったので、そのまま使う事にしました。
ところが、いざオーブンに入れようとすると、ちょっと底からリンゴの汁が漏れてるっぽい。このままではオーブンの中板を汚しそうでしたので、アルミホイルを被せてからオーブンに入れました。
さて、30分経ってオーブンから出してみると、汁がかなり出ていたみたいで、アルミホイルからも溢れて、結局中板まで垂れていました。今さらどうする事も出来ないので、そのまま冷蔵庫に入れて、一晩冷やしました。
翌日、型から取り出したのですが(底板が取れる型なので、外すのは楽だった)、汁が全漏れになったせいか、全然ゼリー状に固まっておらず、パイ生地の上に乗ったリンゴのコンポート状態でした。まぁ、リンゴも生地もよく出来て、それなりに美味しく食べれたのですが、タルト・タタンとしては失敗。いつか、ちゃんとしたケーキ型を買って、再挑戦したいと思います。
お漏らしした時点で、ちょっと嫌な予感が
焼きあがった直後
いい感じにパイ生地が焼けています
コンポートのパイ生地のせが完成しました(爆)
2021年02月13日
実はワタクシ、ショートブレッドが好きなんですが、買えば結構いい値段しますので、なかなか買えません(貧乏性)。
ところが、作り方を調べてみると、案外簡単そうです。ぶっちゃけ、パウンドケーキ作るよりもはるかに簡単そうです。となれば、作って食えば良い様なもんです。
という訳で、今回はショートブレッドに挑戦してみました。
一応食えるけど、成功したとは言い難い
■ただ単に作るのは面白くない
ショートブレッドの作り方は、下の方で書きますが、どうみても簡単そうなので、それを作ったのでは芸がない。そこで、まだいっぱいあるリンゴを使って、一工夫してみる事にしました。すなわち、リンゴ入りショートブレッドです。
この話しには前段があって、粗製コミスブロートを作る際に、リンゴを絞って汁をとった訳ですが、その搾りかすを上手いこと利用できないか、と考えました。搾りかすのケーキなどあったのですが、自分が考えたのは、搾りかすを乾燥させて粉末化ないし細分化し、パンだのケーキだのにする、というものです(粉末化しないで作ったライ麦パンの話はこちら)。ところが、乾燥までは上手いこと言ったのですが、それを粉砕するのが、手持ちの道具だけではうまくいかず、そのうち、リンゴ絞ってライ麦パン作る話しもなくなり、搾りかすの話は立ち消えになりました。
しかし、搾りかすではなく、本ちゃんのリンゴをドライにして記事に混ぜ込む話しを思いつき、今回の企画に至った訳です。調べてみると、オーブンを使ってリンゴチップスを作るレシピが出てきました。早速やってみたのですが、スライサーで厚み1mmくらいにしてやると、全部焦げてしまって失敗しました。
そこで、包丁で厚み2mmくらいに切って、170度で40分ほど焼くと、まぁ大体いい感じ。ちょっと焦げたり、あるいはちょっと湿気ったのもありましたが、まぁ、どうにかチップスになりました。
それを包丁で根気よく細切れにしたのですが、やっぱりちょっと湿気ってるのがベタついて、パラパラする感じにはなりません。そこで、細切れにしたのをお椀にまとめ、冷凍庫に放り込みました。カチコチ冷えると同時に、冷蔵庫の中で水分を発散させようという腹です。
6等分したリンゴをスライサーにかけて
170度のオーブンで40分焼いたら…
ものの見事に焦げました(爆)
厚み2mmで再チャレンジ
今度はどうにかなりました
■材料
調べてみて分かったのは、ショートブレッドの材料は、極めてシンプルです。卵もベーキングパウダーも不要です。パウンドケーキに挑戦する前に、どうしてこっちを先にしないのか、と思ったくらいでした。
《ショートブレッドの材料》
- バター 50g
- 砂糖 50g
- 薄力粉 150g
今回はリンゴ1個分の粉砕ドライリンゴを混ぜ込みます
■作り方
- バターはかき混ぜれる程度に柔らかくしておく。
- 泡立て器でバターをかき混ぜる。
- バターに砂糖を入れて、白っぽくなるまでかき混ぜる。
- 薄力粉半分をふるいにかけ、粉気がなくなるまで混ぜる。
- 残りの薄力粉もふるいにかけ混ぜる。
- 最初はゴムベラ等で混ぜるが、最後の方は手でまとめる。
- 麺棒で暑さ20mmくらいに伸ばす。その際、できる限り四角い形にする。
- 冷蔵庫で1時間寝かす。
- 幅20mm、長さ50mmくらいに切り、竹串で穴を開ける。
- オーブンを170度に余熱し、25〜30分焼く
文章で書くと結構な作業の様に思えますが、バターと粉を混ぜる作業は、パウンドケーキの時より遥かに簡単です。膨らませる食べ物でないので、ベーキングパウダーを使わないのは、ハードタックの時と同様です。
今回は、乾燥リンゴを入れたのですが、薄力粉を全部入れた後ではまず混ざりませので、最初の薄力粉を入れる時に、一緒に入れました。
この季節、バターを柔らかくするのは結構難しい上に
手動だとめちゃ大変
最近、砂糖もちゃんとふるって使う様になりました
本来なら、もっと白くなるまで混ぜねばなりませんが
手動だと疲れて途中で嫌になります
薄力粉もダマにならない様にふるいます
■混ざらねぇ…
さて、当初、実に楽勝と思ってたのですが、蓋を開けたら大間違いでした。バターを室温に戻して砂糖を混ぜて白くなるところまで混ぜる、というのはパウンドケーキでも良くやっている作業ですが、量が少なかったのでいつものハンドミキサーでなく、泡立て器でやったのが失敗の第一。しかも、思ったほどバターが柔らかくなくて、バター自体をかき混ぜるのが大変。砂糖を投入して白くなるまでかき混ぜるのも大変で、ストーブの前でやってどうにかなった感じ。それでもかき混ぜは足りなかったかもしれません。
続いて、薄力粉75gくらいをふるい、同時に乾燥リンゴ25gも入れてさっくり混ぜ、さらに残りの薄力粉も入れて、手でまとめようとしたのですが、全然まとまりません。いつまで経ってもボロボロした感じで、明らかに水分不足です。どうにかするか悩んだ結果、リンゴ無し版を作るつもりで用意してたバター50gも混ぜ込む事で、どうにかまとめる事が出来ました。
まずはさっくり混ぜます
ところが、残りの粉を入れて、まとめようとしても
全然まとまりません
諦めて、バター50gを追加
(結果としては、バターが多すぎ)
■平らの具合が今ひとつ
出来た生地を今度は伸ばして平らにせねばなりません。これはラップで包んでやる方法と、ジプロックの袋に入れてやる方法があったのですが、今回は後者の方法でやりました。ところが、どのくらいの厚みにすべきなのか、今ひとつわかりません。レシピによっては、20mmくらいの厚みで、なんて書いてあるのですが、売ってるショートブレッドって、そんなに分厚かったかな。
とりあえず、15mmくらいの厚みでやろうと思ったのですが、これが麺棒転がしてるだけだと、なかなか均等になってくれない。それこそ、治具でもあれば簡単なんでしょうが、目見当だと凸凹になってあまり美しく出来ません。作例の動画だと、さも簡単そうにやっているのですが、案外難しいと知りました。
ともあれ、平らにした生地を冷蔵庫に入れて、小一時間ほど寝かせます。そうすると、それなりに生地は固くなります。ジプロックを破って生地を出し、幅20mmくらいで切るのですが、サクっと切れる感じです。ただ、袋の端の方をカードで整形して直角にしようとしましたが、生地が固くで出来なかったので、袋の形のまま焼く事にしました。
ジプロックにいれて、麺棒とカードで形を整えます
このやり方だと、うまい具合に平らにならない事がわかりました
小一時間もすると、それなりに固まります
横幅20mmというより
30mmくらいになってしまいました
■出来上がり
生地に竹串で穴を開けてから、160度に余熱したオーブンで35分焼きました。で、出てきたものを見た時、どうにもこうにも、自分が普段見慣れてて、かつ作例の動画で見た様な、きちっとした長方形のが出てきたのでなく、なんとなくちょっとデロっと溶けかけたところで焼き固まり、かつ表面にヒビの入ったのが出てきました。
しかも、色目はなんとなく黄色っぽくて、かつリンゴの粉砕しのは茶色に焦げていて、どう見ても美味しそうでない。さらには、触ってみると、ブニっと凹む感じに柔らかい。これは焼きが足りないのかも?と思い、さらに10分焼きましたが、見た目も触った感じも変化なく、こりゃ〜失敗したかなー、と諦めて、そのまま冷ましました。
翌朝、意を決して食べてみましたが、柔らかかったのがしっかり固まっていて、それなりに不味くはなかったのには、ちょっと驚きました。しかし、やっぱり「美味い!」と思えるほどの味ではなく、ましてや人には出せない出来栄えなので、改善の余地は大ありと感じました。
竹串で穴を開けますが、フォークとかでも大丈夫
普通、ちょっといい匂いがしてくるものですが
今回は「大丈夫?」みたいな臭いでした
■敗因
とにかく、レシピと動画を見た時、「こいつは楽勝だw」と舐めてかかったのが失敗の原因です。乾燥リンゴを混ぜ込むなどというチャレンジングな事やる前に、とにかくレシピ通りに作るべきでした。生地が定量のバターで混ざらなかったのは、この乾燥リンゴのせいかもしれません。
また、ある程度の厚みのある、それでいて均一な厚みにせねばならない時は、麺棒で手加減するなんて芸当は出来ないのですから、何か治具を使った方が良いと感じました。それこそ、本でも蒲鉾板でも良いから、使った方が綺麗な仕事ができると思います。
とにかく基本に忠実、かつ失敗も練習と考えて、きっちりやる事が大事だな、と改めて感じました。
焼き上がり直後の状態
黄ばんだ感じになっているのは
バターが多いせいか、リンゴ入ってるせいか?
2021年02月11日
ライ麦パン用に送ってもらったリンゴですが、結局、リンゴを使う作り方は誤りである事に気がつき、リンゴが沢山余る事になりました。リンゴといえば、これまでは皮むいてそのまま食べるくらいの事しかしてこなかったのですが、せっかく炊事部用に送ってもらったリンゴですから、リンゴを使った料理に使おうと思います。今回はその第一号、ガトー・インビシブルです。
このリンゴが無くなるまで、リンゴ系料理が続きます
■ガトー・インビシブルとは?
ガトーといえば、アナベル・ガトーかガトー・ショコラくらいしかイメージがないのですが、もっとイメージがないのがインビシブルという言葉です。最初はイギリスの空母のインドミタブルと見間違えたくらいです。調べて見たところ、「目に見えないさま。不可視的」という意味だそうです。
で、ガトー・インビシブルですが、これはフランスで大人気のケーキだそうです。フランス語では「ガトー・アンビジブル」と発音するそうです。何がインビジブルなのかというと、リンゴが不可視なのです。自分も写真を見た時は、ミルフィーユかと思いました。ちなみに自分は、ミルフィーユを一枚ずつ剥がして食うほど好きです(もったいないから、ガバッと食えない)。
作り方を調べてみると、さほど難しいもんでもなさそうです。ただ、生地が緩そうなので、前に作ったヨーグルトケーキみたいに、冷めたらいじけた格好になるんじゃないかな、と感じました。まぁ、作って見ない事には分かりませんが。
■材料
主力であるリンゴはいうに及ばずですが、今回はケーキですので薄力粉を使います。最近、パンも作るので強力粉も用意してるのですが、このあたり、どっちでも使える粉だったら便利だと思うのですが、わざわざ分けてあるのは、やっぱり用途が全然違うからでしょう。まぁ、強力粉は置いてない家の方が多いとは思いますが。
今回はリンゴを薄切りにする必要もあるので、材料だけでなく、スライサーも用意した方が良いと思います。包丁でも薄切りできますが、結構大変です。
《ガトー・インビシブルの材料》
- リンゴ 2個
- 卵 2個
- 砂糖 50g
- 無塩バター 50g(有塩でも可)
- 薄力粉 80g
- 牛乳 80cc
- 塩 ひとつまみ(有塩バターの場合はなし)
これで将校用飯盒ひとつ分
(パウンドケーキ型なら17cm)
■作り方
- 卵2個を泡だてない様にかき混ぜる。
- 溶いた卵に砂糖と塩をいれ、混ぜる。
- 薄力粉をふるって、ダマがなくなるまで混ぜる。
- 牛乳を3〜4回に分けつつ、混ぜる。
- リンゴの皮をむき、芯を取って、スライサーで1mmくらいの厚みでスライスする。
- バターを溶かしバターにして、生地に混ぜる。
- 型にクッキングシートをセットする。
- スライスしたリンゴを生地にくぐらせ、型に並べていく。
- 最後に残った生地も型に流し込み、2〜3回軽くテーブルに落として、空気を抜く。
- 170度で余熱したオーブンで50分焼く。
- 焼きあがったら、粗熱を取り、型のまま冷蔵庫で3時間ほど冷やす。
- しっかり冷えたら、型から出して、出来上がり。
作例によっては、バニラエッセンスを入れたり、スライスしたリンゴを生地に全部つけて、ドバッと型に入れたりと様々ですが、自分は見栄えを良くしたかったので、キレイにならべるやり方にしました。また、型はいつもの空豆型の兵式飯盒でなく、パウンドケーキっぽく見える将校用飯盒を使いました。結果論ですが、上記の材料の分量は、その将校用飯盒にズバコンの分量でした。
今回は泡だちゃダメなので、箸で卵を混ぜました
(それでもちょっと泡出てますが)
きっちり砂糖を振るって、塊が入らない様にしてます
砂糖であれ塩であれ、混ざると卵液が透き通ります
薄力粉もふるいます
■根気の要る作業
今回の料理で、リンゴを生地に漬けて一枚ずつ並べるという作業が、結構大変でした。一体スライスしたリンゴが何枚あったのか数えてませんが、箸でつまんで漬けては並べ、並べるのも出来ればきちっと並べ、隙間や端っこには端切れを埋めて、みたいなちまちました作業です。
作例によっては、スライスしたリンゴを生地に漬けて混ぜて、右も左も関係なく型に流し込むというのもあったのですが、どうせ作るならミルフィーユっぽい仕上がりにしたかったので、ここは我慢一徹で並べていきました。
ただ、最初はきっちりリンゴを生地に漬けて並べていたのですが、その調子でやっていくと、最後の方には生地がなくなってしまうんじゃないか、という感じになってきましたので、途中からリンゴの片面だけ生地をつける様に変えました。まぁ、生地→リンゴ→生地→リンゴ、と層になっていきますので、問題ありません。
リンゴ2個の皮と芯を取り、6分割します
全部スライスします
厚みは1mmくらいが良いので、スライサー使った方が良いです
溶かしバターを生地に混ぜます
リンゴに生地をつけて、型に並べていきます
残った生地は、上からかけてしまいます
■仕上がり
全部並べ終わったら、170度のオーブンで50分焼きます。蓋はせずの焼くのですが、焦げ目が付きすぎる様なら、途中からアルミホイルを載せるなどして下さい。
焼きあがったら粗熱を取るのですが、意外にもあまり縮みませんでした。まぁ、リンゴがぎっしり詰まってますので、それが骨材になって収縮を防いでいるのかもしれません。粗熱が取れたら、型に入れたまま、冷蔵庫で3時間ほど冷やします。
よく冷えたら、型から出すのですが、案外しっかり固まっています。この分だと、フッ素加工のパウンドケーキ型でも出来そうな気がするのですが、生地の感じは締まったプリンみたいな感じですので、フッ素加工といえども、へばりついて抜けてくれないかもしれません。
しかし、仕上がったものを見て、ちょっと感動しました。型崩れもなく、おしゃれな出来栄えです。試しに切ってみましたが、すっと切れる感じで、断面が実にミルフィーユです。起きてきた嫁さんがこれをみて、作り方が分からなかったくらいインビシブルな見た目です。
気になるお味の方は、これまた美味。控えめな甘さで、紅茶が似合いそうです。アレンジとして、レモン汁を少々入れたり、粉糖を天辺にふりかけても良かったかも。これなら自信持ってお客さんに出せます。
焼きあがった直後
粗熱取った後。それほど縮んでいません
冷蔵庫で3時間ほど冷やします
堂々の完成
なるほど、おフランスで大人気なはずですw
2021年01月25日
コロナ自粛の巣篭もり需要で、ホットケーキミックスだのスパゲティだのの売り上げが伸びているそうです。まぁ、他にすることがないから、なんか作ろうかってところなんでしょう。かくいう自分も、ブログ書く上でネタの幅を少しでも増やそうと「炊事部」を立ち上げた訳ですが、今回は嫁さんからのリクエストで、ヨーグルトケーキに挑戦してみました。
見た目も今ひとつなら、味も個人的には今ひとつ
■ヨーグルトケーキとはなんぞや?
ヨーグルトケーキといっても、作り方なぞ知りませんので聞いてみたら、下記のレシピが送られてきました。140字以内に収まる程度のレシピですので、それほど難しいもんではなさそうです。問題は、フッ素加工の飯盒を使っても、パウンドケーキみたいに抜けてはくれなさそうな事です。おそらく、固めの出来栄えではなく、むしろ半ナマに近い格好になるでしょうから、飯盒の内側にへばりついて出てこない可能性があります。まぁ、フッ素加工の飯盒を使う前は、自分もクッキングシートを使ってましたし、それで対処するしかなさそうです。
大容量パック使い切り!ヨーグルトケーキ
— Tasty Japan (@TastyJapan) January 16, 2021
ボウルにヨーグルト400g、砂糖100g、薄力粉50g、卵2個、サラダ油大2、ベーキングパウダー小1を入れて混ぜ、クッキングシートをしいた型に流し入れ、180℃に予熱したオーブンで30〜40分焼く。冷蔵庫で3時間ほど冷やし、仕上げに粉糖を振り、切り分けて、完成! pic.twitter.com/uCj4quSdzi
■いざ、挑戦
まずは、クッキングシートを飯盒の型に合わせて切り出します。兵式飯盒は例のそら豆型の格好をしていますので、底の部分と胴体の部分の2箇所を組み合わせる格好で、クッキングシートをセットします。
続いて、材料をボールにまとめて入れて、ハンドミキサーでかき混ぜます。今回はサラダ油の代わりに、余ってたバター30gを溶かしバターにして使いました。パウンドケーキの時は、温度とか混ぜ方とか、それなりに気を遣うのですが、今回は気の使いようもないほど、ばっさりと混ぜました。というか、どんな風に混ぜても、たこ焼き粉を溶いた様な感じにしかなりません。
完全に材料が混ざったら、飯盒の中に流し込みます。この時、クッキングシートの反りをしっかり伸ばしておかないと、タネが流動体だけに、クッキングシートの裏に流れ込んだりと、ちょっと面倒な事になります。
あとは、180度に余熱したオーブンに、蓋なしで飯盒を入れて、40分焼くだけです。特徴的なのは、焼きあがったあと、冷めてくると急激に収縮してくる事で、冷蔵庫に入れる前に粗熱取っただけで、結構いじけた感じになります。その後、約3時間冷蔵庫で冷やして完成です。
形が形だけに、クッキングシートを敷くのも、ちょっと面倒
材料一覧
今回はサラダ油の代わりにバターを使いました
全部ボールにぶち込んで、ミキサーで混ぜます
バターは溶かしバターにしました
飯盒に流し込みます
クッキングシートの裏に流れ込んだりして
ちょっと厄介でした
180度に余熱したオーブンで40分焼きます
焼きあがった直後は、それなりにいい感じです
3時間ほど冷蔵庫で冷やします
■1回目の感想
まず、見た目の感想ですが、上で述べた様に、冷え始めると急激に収縮するので、あまり綺麗な形になりません。見本では、それなりに整った形をしてるのですが、そら豆型の飯盒が良くなかったのかもしれません。あと、この分量では、兵式飯盒では大きすぎます。まぁ、そら豆型が好きなのですが、この分量でしたら、長方形の将校用の飯盒の方が良いでしょう。
出来栄えは、蓋なしで焼いたからか、天辺は焼けて皮みたいに少々硬くなっているものの、中はういろうを若干柔らかく水っぽくした感じです。色は卵を入れたからか、プリンみたいな色になっています。薄力粉とベーキングパウダーは、ヨーグルトのつなぎとして使う意味があったのでしょう。全般的に水っぽく、柔らかいケーキです。
肝心のお味の方ですが、ヨーグルトっぽくもあり、プリンっぽくもあり、甘みも控えめというか少なく、ぶっちゃけパンチが足りない。個人的には、もうちょっと固めで甘みがあった方が好みです。どうせなら、ケーキらしくしようとしないで、ココットなどに入れてプリンっぽくした方が、ピンとくるかもしれません。
う〜〜ん、今ひとつピンとこない味
■再チャレンジ
個人的には、改めて作って食おうという気持ちはなかったのですが、一応は嫁さんからのリクエストですし、誕生日ケーキの代わりでもあるので、もちっとマシなものは出来ないかと、再チャレンジしてみました。
改善点としては、型を兵式飯盒から将校飯盒に変えた事。これでクッキングシートのセットが楽になりました。また、パンチの足りない味をどうにかするために、ラム酒とレモン汁を少々使いました。油に関しては、合っても無くても良さそうな気がしたので、今回は使いませんでした。
材料、作り方は、1回目とまったく同様です。個人的には、薄力粉や砂糖ともっと使いたいところですが、あくまで嫁さん用ですので、嫁さんが持ってきたレシピに従いました。
久々に登場の将校用飯盒
分量は基本的に前回と同じです
味を引き締めるために、ラム酒を少々
風味を出すために、レモン汁も少々
ハンドミキサーでなくても、このかき混ぜは楽だと思います
背が低いので、流し込みは楽です
焼き上がり直後
あっという間に収縮します
■2回目の感想
やっぱり見た目がアレな感じです。以前、嫁さんがガトーショコラを作った時、フジツボと散々バカにしたのですが、それに勝るとも劣らないいじけた出来栄えです。もし、自分がこれを誕生日ケーキと言われて出されたら激怒すると思うのですが、そもそもふっくら仕上がるケーキじゃないと思います。
味の方ですが、レモン汁を入れたせいか、ちょっとカルピスっぽい味になりました。ラム酒もそれに一役買っているかもしれません。まぁ、流動体のタネですので、この辺りは添加物の影響が結構前面に出るのかもしれません。それにしても、やっぱり甘さがちょっと足りない。400gの無糖ヨーグルトに100gも砂糖いれたら、それなりに甘くなると思うのですが、不思議なもんです。
まぁ、作るのは非常に簡単なので、もし次リクエストされた時は、もちっとマシな形になるよう研究してみたいと思います。
なんだかなー、という出来栄え
今回はちゃんと粉糖を使いました
ほんのちょっとカルピス味になりましたw