X-Trainer

2020年07月12日

 これまで、CRF250R(X)“モルゲンシュテルン号”XR230“パンツァーファウスト号”CRF450RX“ゲイレルル号”と、歴代バイクを黒外装にし、シュラウドにシャークティースを入れたウランコアデザインス謹製TRデカールを貼ってきたのですが、この度、ようやくBeta X-Trainerにもデカールが上がってきました。
 既に他の艤装作業は終わっていますので、今回はデカールを貼る作業だけです。


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4台目になるウランコアデザインス謹製の
TRデカール“シャークティース仕様”
ウランさんの大変さが伝わる出来栄えでした




■外装、赤から黒へ

 先週がWEX爺ヶ岳だったのですが、本番で右の大腿骨の付け根を石でヒットしてしまい、痛くて全然洗車が出来ませんでした。やっとこ一週間後にケルヒャーで徹底的に洗いましたが、本当は外装を全部バラして洗いたいところ。それをしなかったのは、どうにもクロトレはボルト外すのは出来ても、入れる時に斜めに入れてしまいそうな感じで、自分で元どおりにするのが怖かったからです。そんな訳で、外装の付け替えはMotoshop TOYZのマックさんにお願い。昔はリンクやステムのグリスアップも自分でやってたのですが、最近は惰弱になって、お店で頼む用事が多くなりました。
 黒の外装は、クロトレをオーダーした時に、一緒にポリスポーツのを頼んでいました。ただ、セットで頼んだのではなく、リアフェンダーはMY16のRR2T250のを頼みました。と言うのも、クロトレのリアフェンダーは、ゼッケンベースのところが狭いのですが、昔のRR2Tのは広くて、自分がこれまで見慣れたCRFのに近いからです。今回、ウランさんの方には、まだクロトレのデカールの型は無かったとの事で、外装全部を送って型を取ってもらいました。
 さて、バリバリと外装を黒に変えてもらったのですが、もうこの時点で、我がクロトレは、そこらで見かけるクロトレとは別モンになりました。と言うのも、自分が見るクロカンの範疇では、Betaに限らず、外車の外装を変えている人はあまりおらず、黒の外装のクロトレも見た事がないからです。黒くした事で、ようやく自分のバイクらしくなってきました。

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この純正外装も、本日で終了

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外装を全部外した所
とてもスリムな外観です

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黒外装をつけた図
引き締まった外観になりました


■相変わらず貼り易い

 今回、手伝いで嫁さんを同行させたにも関わらず、貼ってる最中の写真を撮り忘れました。なので、文章力だけでウランコアデザインスのデカールの貼り易さを表現せねばなりません。
 昔、ONEのデカールを貼った時は、湯船にお湯張って、その中に外装を入れて、湯でデカールを温めながら伸ばして貼る、と言うやり方をしていました。それ以外に綺麗に貼る方法が無かったからです。一方、ウランさんのデカールは外装を車体に取り付けてから貼ります。水を霧吹きで吹いたりもしません。パーツクリーナーで脱脂して、位置合わせをして、いきなり貼ります。これが出来るのは、貼り始めは剥がして貼り直しが出来るからです。
 また、各パーツの分割が非常に貼り易くされており、無理なく貼れる様になっているのも特徴です。今回、一番難しかったのが、フロントフェンダー中央のV時になっている所でしたが、Vの底の方が浮いたり、気泡が入っても、気が付く度にやり直しが出来るので、最後には綺麗に貼る事が出来ました。
 車体に外装を組んだ状態で貼る事の利点は、外装の継ぎ目の部分のデカールが、もしズレていても直ぐに分かる事です。言い換えれば、ズレない様に位置を合わせて貼れるので、外装をバラして個別に貼るより、ズレがありません。ちなみに、ウランさんのデカールは、外装の内側2ミリくらいの所に合わせて貼る様に設計されています。
 いつもなら、サイドカバーの曲面にエライ苦労させられるのですが、今回はサイドカバー(と言うかリアフェンダーと一体ですが)は曲面が少なく、ドライヤーなしで貼れました。ドライヤーは最終局面、全部のデカールを貼り終わり、デカールの縁にドライヤー当てて、伸ばして綺麗に貼る時に使いました。こうする事で、ピシッと決まります。

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「たにしさんのバイク」を
如実に顕わすシュラウドのシャークティース
この狭いシュラウドにサメの口入れるのは
大変だったと思います

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シートカバーはENJOYのリブ付き
これでケツのフォールドもバッチリです

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ライトカウルにもサメの目が入りました
めっちゃメンチ切ってますw



■スタンドに下駄履かせる

 デカールを貼り終わった後、サイドスタンドに接地面を増やす「下駄」を履かせて貰いました。MY19までのBetaの車両のサイドスタンドは、接地面が少なく、柔らかい地面だとめり込んでしまいます。なので、そんな時は大きめの石などを探す必要があったのですが、MY20からは接地面を増やすプラパーツが取り付けられています。この「下駄」はパーツでも取り寄せ可能でしたので、MY19の車両に乗ってる人は順次つけて行っています。
 取り付けは、サイドスタンドにドリルで穴を開け、タップでネジを切る必要があるので、自分では大変なので、お店で頼みました。ちなみに、サイドスタンドを止めているボルトが抜けかけてたのをこの時見つけて貰いました。ナットで共締めでなく、サイドスタンドにボルトを止める形式なので、動かしている内に緩んでくるとの事でした。

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下駄は平頭の六角ボルトで止まってます

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接地面が増えたので、地面にめり込む事はなくなるはず?


■完成

 ようやく仕上がったX-Trainer250“レギンレイヴ号”、全くBeta感がなくなりましたw まぁ、この色のBetaを見た事がないので、どうしてもCRFっぽい感じです。どんな風になるかと色々想像していましたが、想像以上の格好良さです。自分らしさと言いましょうか、こうした見栄は大事だと自分は思っています。
 ウランコアデザインスのデカールはとても丈夫で、今から3年前に貼ったXR230のデカールも、今だに破れる事もなく現役で使われています。ONEのが2年もしない内にボロちくなったのを考えると、ウランさんのはむしろコスパの良いデカールだと思います。今回、自分のでクロトレの型が出来ましたので(ノーマルのリアフェンダーの型もあります)、クロトレ乗りの皆さんもどうぞ!

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フレームの赤色も、外装のカラーリングと一体になって
めちゃくちゃカッコいいです!






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tanisi_corp at 22:00コメント(0)

2020年06月21日

 X-Trainerのタンクはとてもスリムなのに容量が8.6リットルもあって、秀逸かつ美麗という事で自分は大絶賛してるのですが、そのスリムさもあってシュラウド周りも結構スリムです。それは結構な事ですが、フレームが剥き出しになっているのがちょっと気になる。しかも塗装してある部分です。石とかゴロゴロしてるところでコケたら、もれなく傷が入りそう。実際に入るそうです。となれば、傷つく前にガードをつけたくなるのが心情です。という訳で、今回は人生初のヒートガン作業のお話しです。


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チェンバーガードがカーボンだったので
フレームガードもカーボン柄にしたかったんですよね〜




■むき出しのフレーム

 クロトレのタンクはRRに比べるとスリムなのが特徴です。それでいてタンク容量は8.6リットルもあるのですから、驚異的です。この容量はCRF450RXに匹敵するのですが、そのタンク周りのボリュームの差は歴然としていて、圧倒的にクロストレイナーの方が細く、見るからに軽い印象があります。
 その一方で、タンクをのせるフレームは上の方までむき出しになっています。フレームの幅ギリギリまでタンクを細くした結果ですが、問題は、横にコケた時、地面に岩などがあった場合、フレームを傷つけてしまう可能性がある事です。クロトレのフレームは鉄で、美しい赤の塗装が施されています。オフロードバイクですから、傷が入るのは宿命としても、外装の様に交換が利く部分ならともかく、フレームに傷が入るのはなるべくなら避けたいところです。
 そんな折、カイダックという素材でフレームガードを作っている人の写真を見かけました。カイダックというのを初めて聞いたのですが、ドライヤーとかヒートガンなる道具で温めて作る様です。厚みが薄ければドライヤーでも良いそうですが、装甲となると2〜3mmは欲しいところで、となるとドライヤーのもっと強力版であるヒートガンが必要との事でした。

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大容量にしてスリムなX-Trainerのタンク


■ヒートガンとは

 実はヒートガンなる物も今回初めて聞いた道具で、上にも書いた様に、要するにドライヤーのもっと強力なやつです。用途としては、プラスチック素材を曲げるのに使ったり、車に貼ったステッカーを剥がしたり、食材の解凍と言った用途にも使える様です。
 問題はどれを買えば良いか、という事で、名の通ったメーカーのだと7〜8,000円ほどします。流石にちょっと手が出ません。しかし、名の通ってないメーカーのだと、2,500円くらいからあります。多くは中国製で、怪しい製品が多いっぽい感じだったので、フォロワーさんに勧められた物を書いました。
 使い方は至って簡単で、電気コードをコンセントに繋いでスイッチを入れるだけ。あとは温度を調整するダイヤルを回したりするだけです。熱風を当てる面積を調整する為のノズルも各種ついていますが、今回の用途にはあまり必要なさそうです。

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今回調達したヒートガン。Amazonで2,880円でした

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熱した塩ビ管は素手で触るには熱いので
革手袋を用意した方が良いでしょう


■塩ビ管をつかう

 次にカイダックですが、これは調べてみると結構いいお値段する。1000mmx500mmx厚さ3mmで5,300円ほど。しかも、そこらのホームセンターでは扱っていなくて、ネット経由でしか手に入らない(送料がかかる)。そして一番困ったのが、本番であるWEX GAIAに間に合わない、という事でした。
 どうしたもんかと思ってた時、とあるフォロワーさんから塩ビ管を使う事を勧められました。塩ビ管を切り出して、熱して使えという事です。塩ビ管は水道工事などで、ガスコンロの火などで炙って曲げて使ったりしますので、ヒートガンでも熱して柔らかくする事が出来る、という事です。
 あまり細いのは使えませんし、太いのは切るのが大変です。そこで目見当でVU75のサイズの塩ビ管を買って帰り、フレームの長さを測り(35cm)、必要な幅も養生テープで測り(60mm)、ピラニアソーで35cmに切断した上で、Pカッターを使って60mm幅に切り出しました。一人でやるのは結構たいへんだったので、嫁さんに定規を固定するのを手伝って貰い、いい感じにPカッターでけがいてから切り出しました。

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昔、サバゲー時代に
ペットボトルロケット砲を作るのに愛用した塩ビ管
こんな形で再び使う事になるとは

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輪切りにするのは、それほど難しくありません

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むしろ縦切りにするのが大変
すぐに脱線したり、グニャリます

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どうせやるなら、ピシッと真っ直ぐやりたいものです



■レッツチャレンジ

 初めて使うヒートガン、最初は恐々でした。クロトレのフレームは微妙に湾曲し、また溶接部分もあるので、それらの形に合わせて塩ビ管を成形せねばならないのですが、どんな具合にヒートガンで熱すれば良いのか勝手が分かりません。なので最初はちょっとずつ温めて、塩ビ管が曲がりそうになったらフレームに押し付けて形を作る、というのを繰り返しました。
 当然、手間も掛かるし、場所によっては指の形がボコボコ出るし、思ってた以上に難儀です。実は大量生産してウチのクロトレ乗りに売りつけてやろうとか思ってたのですが、とてもそんな事やろうと言う気になれない手間のかかり具合でした。それでもどうにか、フレームにピシッと着くのが出来ました。
 失敗しても予備の部材があるので、右側はもっと大胆にやってみようと思いました。ヒートガンで塩ビの部材全体を温める様にし、かつフニャ〜っと曲がってくるまで温めました。そしてフニャってきたところでフレームに押し当て、革手袋で撫でる様に擦りました。細かいところは、再度温めて修正しました。左側をやった時よりも手間が減り、仕上がりも良くなりました。

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長さはシュラウドに当たらない様にしましたが
最終的に上の部分を斜めに切りました

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フニャーとなるまで温めます
1/3ずつやると楽でした

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左側は試行錯誤の跡が見て取れます


■仕上げ・固定方法

 完成した塩ビ管フレームガード、そのままでは付きません。接着などしようものなら、外す時に塗装が剥げたりする可能性もあるので、ここはタイラップ留めを採用する他ありませんでした。もっとも、塩ビ管を直接フレームに付けたのでは、振動や衝撃などで、フレームが擦れてしまう可能性もあります。そこでガードの裏に隙間テープを貼る事でクッション代わりにしました。
 実際にレースでも使ってみましたが、実用上は全くの問題がない事が分かりました。分かりましたが、全く評価されませんでした。と言うのも、やっぱり見た目が塩ビ管そのもので、見栄えがしないからです。お金のある人はカイダックで作った方が良いかと思います。カイダックは色も選べるので、赤が好きな人は赤色にする事も出来ます。
 ただ、カイダックであろうが塩ビであろうが、作り方も昨日もさほどの差がないので、自分としては塩ビ推しです。確かに見栄えは塩ビなので、上からカーボンシートを貼る事にしました。個人的には結構イケてると思うのですが、如何でしょうか?

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角はヒートガンで温めながら
いい感じにカーボンシートを貼りました

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裏は泥が入らない様に、念入りに隙間テープを貼りました

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固定はタイラップ3本で
いい感じに仕上がりましたw





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tanisi_corp at 18:36コメント(0)

2020年05月23日

 せっかく投入したBETA X-Trainer250も、コロナ自粛のお陰で2ヶ月乗ってません。その代わり、このクロトレというバイクを、これまで乗ってきたバイクとじっくり比較する時間が持てました。乗り味等のインプレに関しては、プロのライダーの方々始め、多くの方が書いていますので、自分はあえて経済的な面でのインプレを書いて見ます。


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BETA X-Trainer250(2019年モデル)




■X-Trainer250のお値段

 BETAのクロストレーナー250は、本体価格が876,000円。消費税10%と配送料12,000円を入れると、975,600円。納車整備に大体40,000円くらいであるから、101万5,600円で買えるバイクである。
 国産の、例えば、CRF250RXは863,500万円、CRF450RXは1,012,000円、CRF250Lは507,100円(いずれも税込価格)である。単純に値段の比較で言うなら、クロトレはCRF450RX相当の値段という事になる。4st450ccと2st250ccはクラス的には同クラスなので、値段相応という事になる。
 これらを踏まえた上で、X-Trainer250は非常にお買い得な「安い」バイクであると断言出来る。その理由は、思いつくままに書くと、こんな感じである。
  • 2stでありながら低速トルクがあり、2st慣れしてない人でも直ぐ乗れ慣れる
  • かつ2st250ccのパワルフさを兼ね備えている
  • 軽量で無駄なGがなく体に負担が少なく、操作性、旋回性に優れている
  • サスが柔らかくよく動き、走破性に優れている
  • 総じて乗りやすく、後付けで改装せねばならない部分が少ない
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初めてクロトレに乗った時の印象


 XR230は乗り易いバイクであったけど、パワー不足や弱いクラッチ、車格の不足などから、それらを補う為、改装に次ぐ改装で、相当な費用を投じた。CRF250RはRX化する事によってエンデューロマシンとして相当に使い易いマシンになったが、そうする為に追加の料金を必要とした。CRF450RXは自分が参加するエンデューロレースにはむしろオーバースペックで、自分に合わせる為の加工を必要とし、やはり相当な金額を追加で投入する必要があった。クロトレは、こうした「追加料金」を必要とせず、買ってきたままでも、これら加工を施したバイクよりも遥かに乗り易く、使い易いのである

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手前はMY18 CRF450RX
自分には明らかにオーバースペックでした


■バイクは乗り易く「作る」もの

 ここでポイントなのは、「バイクを改装するかどうか」という事である。かつての自分は、バイクをカスタムしてくれる店に恵まれなかった事もあって、買ってきたバイクをそのまま使う以外に発想がなかった。仮に使い難いと感じたとしても、それはライテクと練習で補うべきであり、またそうするしかないと思っていたのである。既にKTMなど外車で乗り易いと評判のバイクが次々登場してたにも関わらず、そちらの方に大して関心を向けなかったのは、高い外車に乗っても本質的な部分、つまり「ライテクと練習で補うべき」という部分には変わりがない、と思っていたからです。
 ところで、外車というのは、輸入に掛かる経費や関税などによって、国産車よりも割高なのが普通です。KTMに例と取ると、250SX-Fが1,065,000円、250EXCが1,089,000円、250EXC-F SIX DAYSが1,289,000円といった具合です。今回の考察のテーマに沿って言えば、国産車を買っても後で色々改装する事を考えれば、既に乗り易くなった状態で改装費を積んだ金額を先に払うのと同じ、という事になるのですが、改装する必要性を認識してなければ、ちょっと出せない金額だと感じてました。

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RR2TやRR4Tは無理でも
クロトレならCRF450RXを下取りに出して
余裕で手がとどく
クロトレによる新しい世界を垣間見えるワタクシ


■オフロードレーサーの「のり弁」

 それから、「バイクというのは、乗り易く改装できるのだ」という事が分かってから、惜しみなく改装に費用を掛けてきたのですが、その果てに巡り合ったのが、このX-Trainer250でした。驚異的なのは、これまで自分が求めてきた物が揃った状態で、101万円ちょいで買えてしまうという事です。この金額は、これまで自分が外車に感じていた割高感を、完全に払拭する金額です。自分がクロトレに飛びついたのは、その乗り易さもさる事ながら、その性能の割には「安かった事」が一番の決め手だったのです。
 「のり弁」という弁当がありますが、その言葉の意味通りで行くなら、のり弁はご飯の上に海苔が掛けてあるだけの弁当で良いはずです。ところが実際には、白身魚フライとかちくわ天が乗っていたりします。よしんば文字通りののり弁であったとしても、おかずが足りなくて別個に買う事になるでしょうが、そのおかずが付いているのです。それでいて、あの値段なのです。クロストレーナー250は、言って見ればオフロードバイクにおけるのり弁である、と自分は自身をもって断言できます。

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Motoshop TOYZはこの時
クロトレラッシュでした(自分で3台目)




■車両価格以外に使った経費

 乗り出しに必要な経費が少ないクロトレですので、改装に回すはずの資金は、レースに必要な装備に当てる事が出来ます。具体的には、ガード類、操作系部品、外装関係です。自分は以下の装備を施しました。
  • ACERBIS:X-FACTORY ハンドガード(16,500円)
  • ENDURO ENGINEERING:ラジエターブレース(16,500円)
  • Boano:チャンバーガード(19,800円)
  • Wise:Fディスクカバーマウント(4,950
  • ACERBIS:Fディスクカバー(5,500
  • Wise:ケースセイバーKit(9,790円)
  • ENDURO ENGINEERING:スキッドプレート(17,600
  • ENDURO ENGINEERING:リンケージガード(7,150
  • Polisport:クラッチカバープロテクター(7,040円)
  • Polisport:イグニッションカバープロテクター(6,710円)
  • Polisport:スイングアームプロテクター(8,690円)
 ガード類が120,230円。これらはなくても走れますし、転けさえしなければコース走行も可能ですが、これまでの経験に照らし合わせて、必要と思われる装備を施しました。これらは「乗り易くする為の改装費」というより、クロスカントリーレースを走るに必要な装備です。ないと酷い傷が入ったり、場合によっては壊れたりして、修復にとてもお金が掛かったりします。ハードエンデューロの場合は、もっとごっつい装備をつける事もあり、当然お金も嵩みますが、転ばぬ先の杖として必要です。

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ハード用でないリンケージガードを選択

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ラジエータファンも最初から付いてて
後付けのお金が要りません
  • G2スロットル・カムシステム(14,520円)
  • ARC:コンポジット クラッチレバー(8,800円)
  • ARC:コンポジット ブレーキレバー(8,800円)
  • Wise:リターンスプリング(462円)
  • Enjoy MFG:シートカバー(15,950円)
 操作系は48,532円。この辺りは、いわゆる「乗り易くする装備」になります。スロットルがマイルドになったり、レバーが軽くなったり、より乗り易くなるアイテムです。無くても良いですが、自分は金に物を言わせる性格なので、惜しみなくつぎ込みました。言い換えれば、乗り出し価格が安いからこそ出来た訳です。

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スロットルカムシステムは、格段にスロットルワークが楽になります

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ハンドガードがあるので可倒式である必要はないんですが
タッチがとても楽なのです
  • Wise:ヘッドライトカバー(8,140円)
  • ACERBIS:アタックベルト(3,850円)
  • Wise:Rホイルスペーサー(5,500円)
 最後の外装系は17,490円。この辺りはあってもなくても良い様なものですが、あれば便利といったものです。実は、ポリスポーツの黒の外装とウランコアデザインス謹製のシャークティースTRデカールもあるのですが、そっちは完全に見栄のための物で、走りそのものには何の影響もないので、金額に入れていません。
 自分はバイクを買う時は、車体価格+装備費用+改装費用を準備するのですが、今回は急な話しだったにも関わらず、費用が用立て出来たのは、装備費用の分がそっくり必要なかったからです。上記の装備以外に、エンジンのフルWPC/DLC加工も施してますので、実はもっとお金掛けているのですが、それでも余裕をもって間に合わせる事が出来たのは、X-Trainer250そのものが安かったからに他ありません。

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ホイールスペーサー
これは走りに関係ありませんが、ホイールはめるのが楽になります


■クロトレの拡張性

 クロストレーナー250ももう一つの魅力、これは経済的側面からも魅力だと思うのですが、拡張性が高いという点です。一般に、国産レーサーは公道を走れる様にナンバーを取る事が出来ません。まぁ、登録をやってくれるバイク屋さんもありますが、保安部品は別個に取り付けねばなりません。ところが、X-Trainer250には最初から保安部品が付いています。もちろん、特別な加工をしなくても取り付けられます。登録料を払えば、ナンバーつけて陸運局から乗って帰る事が可能です。
 自分は当面、クロトレで公道を走る予定はないのですが、走れないのと走らないのの違いは大きいです。ちなみに、BETAの車両はクロトレに限らず登録が可能な様ですが、X-Trainer250には他のBETA車にない強みがあります。それは、「ぎりぎり、トレール扱い」という事です。これは出光イーハートーブトライアルの事務局に問い合わせて分かった事ですが、「Bata X-trainerは条件付きで可能」だが「RRは不可」という答えが返ってきたのです。条件とは、トライアルタイヤを履くという事です。
 国内のエンデューロレースでは、大抵はクローズドレースですので、公道区間を走る事はなく、故にナンバーは必要ないのですが、日高ツーデイズエンデューロなどもあり、出れる出れないはともかく、車両的に可能性が広いのは有難い事です。普通なら、高いお金かけて公道仕様にするか、もう一台公道走れるバイクを買う事を考えたら、経済的だと思います。
 もう一つ、自分が拡張性と考えている事は、クロストレーナー250は「あくまで250である」という事。実は300というのがあるのですが、こっちはナンバー登録が出来ません。しかし、違いは何かというと、シリンダー径が違うだけで、シリンダーを300のにしちゃえば、登録上は250のまま300になります(一応、違法なんでしょうか)。また、RRに比べてX-Trainerが廉価なのは、パーツ類を廉価なものを使っているからだと言われています。つまり、上等なのに置き換えれば、当然上等仕様になる訳です。つまり、現状のクロストレーナー250で物足りなくなってきたら、拡張していけるという訳です。(まぁ、乗り換えられない人向きのアドバイスですが)

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三者三様のクロトレ
真ん中のが公道仕様です


■見慣れたら好きになる

 この様な具合で、トレール車からレーサーに乗り換えを検討している人で、取り立ててこのメーカーでなくちゃダメ、というのがない人には、BETA X-Trainer250をお勧めします。最後に、MY10〜12のCRF250RやMY17のCRF450RXが好きだった自分は、当初、クロトレの見た目はそんなに好きではありませんでした。ところが、今は気にならないどころか、ちょっと好きになっています。ちょうど、MY08のCRF250RがMY10のデザインになった時と同じ様に、最初はちょっと抵抗感あったものの、結局は好きになり足掛け8年乗りました。見た目が気にならない人は、是非とも!

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この性能でこのお値段は、ほんとお買い得です






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tanisi_corp at 21:09コメント(0)

2020年05月17日

 今さら、オイル交換のことで1本レポート書く様な事もないと思うのですが、緊急事態宣言で全然バイク乗ってませんし、バイクのネタも全然ないのです。もっとも、既に主要都府県以外の39県では宣言が解除されており、残りもおそらく月明けには解除される事が予想されますので、活動再開に向けて、エンジン始動、オイル交換、装備の積み込みなど、準備を致しました。


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トランポは装備を下ろして荷役任務に就いてました




■クロトレのミッションオイル交換時期

 ところで、クロストレーナー250のミッションオイルの交換時期ですが、BETAから出ているオーナーズマニュアルには、「30時間おきに交換」と書かれています。まぁ、4ストみたいにピストンも一緒に潤滑してる訳ではないので、CRFの時の様に180分で交換みたいな、頻繁にやらんでも良いのかな、と思ってました。しかし、それにしても30時間ってのは長いなと思ったので、ツイッターでペロっと質問してました。すると、


 オー!ジーザス! エンジンのフルDPC/WLC加工から、かれこれ4時間も乗ってます。知らんかったら本当に30時間まで乗ってるところでした。tacさん、有り難うあります)
 自分はスポーツライディングに使うバイクのオイルは全くケチるつもりがないので、そうと分かったら次に乗りに行く前に交換です。使うオイルですが、今まで4ストのXRやCRFに使っていたシルコリンPro4をそのまま継続しようします。


■暖気のこと

 自分が2ストのレーサーを乗るのは、このX-Trainer250が初めてで、納車の際に暖気の仕方も習いました。まず、4ストと違って(まぁ、本質的には4ストも同じですが)暖気は十分行う事。具体的にはラジエターがほんのり温まってくる程度。これ、冬場は結構時間かけて行わねばならず、たっぷり5分くらい暖気してたりします。
 また、2ストの暖気というと、アクセル開けてワンワンやるイメージがあるのですが、そうじゃなくて、軽くアクセルを開けて、パラ、パラ、という感じで断続的に暖気するとの事。エンジン回転が安定してくるまで、これを続けます。まぁ、ワンワンやってると隣近所に迷惑ですしね。
 この暖気をやっている間に、オイルタンクからオイルインジェクションにちゃんとオイルが圧送されているか確認します。確認の仕方は、オイルチューブの中の気泡が、1ミリずつほどピコ、ピコと動いているかどうかを見ます。
 冬場はしばらくチョーク引いてなければいけませんが、流石に夏なみに暑い今日は、エンジンが掛かったらチョーク戻さないと、回転が猛烈に上がって煩くて近所迷惑でした。というか、ワンワン言わせなくても、やっぱり2ストのエンジン音は4ストよりもデカくて、あまりウチの前では暖気したくないなー、という感じでした。

エンジンかけたばかりの時は、こまめにアクセルを開けないと
こんな具合でエンストします

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矢印のところがオイルチューブの気泡
大抵、朝一番のエンジン始動の時は、気泡が入ってます


■クロトレオイル交換

 さて、いよいよオイル交換です。交換の手順そのものは、国産車と同じですが、クロストレーナーの(というか、BETA車全般?)はブレーキペダルの向こう側にドレンボルトがあります。まぁ、ブレーキペダルを思いっきり下まで下げればソケットが入りますが、どうしてこんなトコにドレン設けたんでしょうね。
 もっと困るが、ドレンから出てくるオイルが、フレームから出てるステップの支柱に直撃する事。この辺りの設計、日本人だともうちょっと考えてくれそうなところですが、イタリア人的には「後で拭けば良いんじゃね?」とこなんですかね。
 国産車でもそうですが、オイル交換の時はスキッドプレートを外して、と結構面倒な作業になります。エンジンの下にドレンがあるタイプで、スキッドプレートに穴が開けてあっても、大抵はスキッドプレートの中にオイルが垂れるので外す訳です。クロトレでもその様にマニュアルに書いてありました。ところが、世の中、賢い人がいるもので、2リットルのペットボトルを切って、エンジンとスキッドプレートの間に切った一辺を押し込むと、スキッドプレートを外さないでもオイルで汚れない、ってのを教えてくれた人がいました。やってみると、確かにフレームにも垂れない。エンジンの横にドレンがあるからこそ出来る芸当ですが、なかなか良いアイデアです。
 ところで、X-Trainerのドレンボルトは、なんとマグネット付きです。芸が細かいというか、性能の割には安いバイクなのに、こういう所にも金かけてるんかー、と驚きました。

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どうしてこんな所にドレンを設けるのか
隠したかったのか?

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お茶とかの柔らかいペットボトルの方が
切ったり曲げたりが楽です

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マグネット付きドレンボルト
いっぱい鉄粉ついてました
しかし、ワッシャーじゃなくて、ゴムのOリングなのね



■やっぱりアドバイスには従おう

 そのドレンボルトの磁石、取り出した時は写真の通り、鉄粉だらけで黒い磁石が付いてるのかと思ったくらいでした。オイルの方も色的にはまだまだ行けそうな感じでしたが、よく見ると、鉄粉らしきものが結構混じっている。まぁ、フルDLC/WPC加工後の最初のオイル交換ですので、「アタリ」の部分の粉が出たのかもしれませんが、やっぱりアドバイス通りに、マメに交換した方が良さそうです。
 自分が使っているシルコリンPro4(10W-40)というオイルは、リッター3,300円くらいする高いオイルですが、性能はリッター1,000円くらいのホンダG1と比べて、体感で出力15%増しくらいに感じる良いオイルです。以前は、乗る度に(60分程度)交換してましたが、シルコリンに変えてから120〜150分くらいで替えています。そのくらいは持つという意味です。交換頻度が減った事で、手間も減り、手入れに使うパーツクリーナーやキッチンペーパーも節約でき、結果としてリーズナブルです。(この辺りの講釈は「オイルにまつわる諸考察」を参照ください)

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鉄粉キラキラ
まぁ、オイル交換はこれまで通りのスパンでやります

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この百均の漏斗を教えてもらってから
オイル入れるのが凄く楽になりましたw


■TT-R125もオイル交換

 嫁さんのTT-R125“ドライジーネ号”のオイル交換もやりました。ドライジーネ号にはアワーメーターを付けてないのですが、乗り手が乗り手だけに「10時間くらいで替えたら良いんじゃない?」と言われていたのですが、5時間乗った時点でどんな感じに見てみたかったのです。
 出て来たオイルは、水みたいにバッシャバシャになってました。いくら嫁さんと言えども、成田の大坂なんかじゃフルスロットルにしてますし、やっぱりスポーツライディングとなると、ツーリング以上に消耗するみたいです。少なくとも150分くらいで交換した方が無難そうです。
 ちなみに、オイル交換が終わったと、ちょっと家の前で走らせてみたのですが(ナンバー付いてないので本来は違法)、シフトが入り易くなって、エンジンが軽くなり、とても乗り易くなりました。前に入ってたオイルが何だったのか分かりませんが、やっぱり上等なオイルは性能が良いのと、オイルが劣化するとシフト入りにくくなるんだな、と感じました。

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TT-R125のドレンボルトもエンジンの横にあります
これはマグネット付きではありませんでした

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クロトレ同様にペットボトル使いました
オイルは真っ黒のバッシャバシャ

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作業始める前は面倒臭い感じですが
作業終わるとさっぱりした気分になります


■今年の展望

 今年は新型コロナウイルスで、レースやイベントも軒並み中止になっています。6月からはぼちぼち開催される様ですが、これを書いてる現時点では、自分はどうなるか。世の中と職場の状況次第です。再開するにしても、いきなりレースってのもなんですし、やっぱりぼちぼち練習に行って、秋口くらいから残りのレースに出る、という感じになりますかね。
 「バイクも2週間乗ってないと、別にバイクなくてもいいやー、みたいな感じなる」と昔、誰かが言ってましたが、乗ってないと確かにそんな風になります。でも、ちょこっと乗ると、やっぱり楽しいんですよね。家の前の道を、ちょろっと転がしただけで、「ああ楽しいな」と。本当はやっちゃダメなんですけどね、人も車も全然通らないので、1〜2分ほど転がしました。クロトレもTT-Rもよく曲がるんで、ほんと楽しいんです。早く自粛が解除されると良いですね。

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装備積み込み完了
いつでも走りに行けます








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tanisi_corp at 20:23コメント(4)

2020年02月26日

 XR230をかわぎりに、CRF250R(X)CRF450RXと、自分が乗るバイクは、エンジン内部にWPC/DLC/モリショット加工を施す事が慣いになっています。この加工を施す事で、アクセルを開けた時に重々しさがなくなり、レスポンス良く回転が上がり、操作性が向上する為です。もちろん、BATA X-Trainerでもそれを施します。


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X-Trainer250のエンジン
RR2T 250エンジンと基本的には同じだけど
セッティングとかがあっちはレーシー

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エンジン下ろす時に、フレームが傷付かない様
ガムテで目張り(仕事丁寧)




■BETAのバイクのエンジンの中身

 作業はいつもの様にMotoshop TOYZでお願い。本来なら、全くのド新車の状態でエンジン降ろして取り掛るところですが(つまり、エンジンの中のパーツもド新品)、今回はクロトレがいきなりやって来た事、走り納めなどなどのイベントも立て込んでいた事などもあって、慣らしが終わったくらいでの開始となりました。
 さて、例によって、エンジンの中身の事はあまりよく分からないのですが、送られて来た写真と説明から、BETAのバイクの驚異の作り込みが判明しました。ザックリ言うと、削り出しのパーツが多いと言う事。シリンダーヘッドやらカムシフトやら、クラッチバスケットなんか、芸術的とも言って良い削り込みです。「手ぇ込んでるなぁ」と率直に思いました。
 特筆すべきは、クラッチの作り。これまで見た物とはかなり違っていて、クラッチ板やフリクション板をクラッチボスに組み込む部分が歯車状ではなく、丸っこい形になっています。そしてクラッチボスの方はと言うと、組み込む部分にステンレスのスリーブが設けられていて、見るからに動きがスムーズそうです。プレートプッシャーやバスケットも、極限まで肉抜きがなされており、これがBETAのクラッチの軽さの本質的なところではないか、と感じました。
 ここまで作り込んでおきながら、クランクシャフトに薄っすら錆が浮いてたりするので、この辺りがイタリア人のよう分からん所ですが、ルネサンス以来の北イタリアの技術の高さを垣間見ました。

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肉抜きされたプレートプッシャー
芸が細かいです

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クラッチ板とフリクション板はこんな感じで収まってます

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プレートの内側がこうなってるのは
国産車では見た事がありません

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プレートが収まる部分は、ステンレスのスリーブが
ハウジングには、大胆なオイル潤滑用の穴
これも削り出しです

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ここまで肉抜きされたバスケットも初めてです
でも、おそらく強度が出る様、計算されているんでしょう

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ここまで来ると、芸術作品です


■イタリアと最近の日本のバイクの物作りの考え方の違い(推論)

 これまで自分は国産主義者で、世界に冠たる技術立国たる日本製(のホンダ車)のバイクに全面的な信頼を置いていて、それ以外のバイクに乗ろうとも思わなかったのですが、今回、クロトレに触れてその頑なな信条が崩れたのは、見ての通りです。
 しかし、素人目に見て、イタリア人にこうした物が作れて、日本人に作れないのは、どう見たっておかしいと思うのです。作ろうと思ったら作れるかもしれんけど、何かの理由や事情で作れてない、そんな気がします。BETAの部品の作り込みとか設計とか、「これ金掛かってんだろうなぁ」と言う気がします。それに対して、2017年に乗ったCRF450RXは、それまでのホンダ車では考えられない様な「金ケチった感」がチラホラするバイクでした。無論、エンジン内部の一部にWPC施すなど、先進的な部分もあるのですが、その分のコストカットがあちこちにある訳です。
 ぶっちゃけた話し、BETAの方は、金掛けて開発して良いもん作って、バンバン売りまくろう!と言う経営方針なんじゃないでしょうか。それに対して日本のは、性能は出来る限り下げちゃダメ、でもコストはもっと下げて、と言った感じ。それはそれで、技術者の皆さんの零戦開発にも匹敵する様な努力があるのだとは思いますが、結果としては自分はBETAに乗り換えました。ワタクシごときポンコツライダー一人くらい離れたところで、大した事は無いと思いますが、確実に日本車の客は減った訳です。
 外車と言うと、国産車よりも30万円くらい高くて、それが理由で国産車を選んでいた面もあるのですが、このクロトレは税込で100万円切ります。さらには、買ってから40万ほど掛けて、今回同様のエンジン内部や足回りの改装をやってましたが、それ無しでも十分素晴らしい乗り心地です。イタリアにこれが出来て、どうして日本にこれが出来ないのか、非常に不思議に思います。

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シリンダーヘッドを外したところ
予め施されていたモリブデンコーティングが
初動のカジリで禿げています

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2stのこの辺りの構造は簡単で良いですね

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ヘッドカバーも削り出しw



■BETAのバイクで本件の加工をする事(事前の不安)

 ところで、今回も頼んだ本件のですが、これを頼んだのはクロトレが届く前、つまり本車が到着したら「当たり前」の事として加工するつもりで、予算もそれで計上しました。その時、自分が想定していたのは、CRF450RX並みのエンジンのスムーズさでした。この時点で、MY19のクロトレには試乗していたのですが、慣れない2stと言う事もあって、CRF450RX並みと感じていました。
 しかし、実際に慣れ始めると、意外と結構軽いエンジンである事に気がつきました。そして、決定的だったのが、JEC大試乗会でBETAのRR4T 350に乗った事。このエンジンが、WPC/DLC/モリショットをフル加工したCRF450RXと同じ様に、非常に軽いエンジンであったのです。つまり、BETAは「そうした加工」をしなくても、そう言うエンジンだったのです。
 そこでちょっと不安になりました。何もせんでも軽いエンジンを、さらに軽くする加工をしたらどうなるか。大昔、Mac OS8に漢字Talk7.5のポインタの動きを早くする機能拡張を入れたら、ポインタが目に止まらぬ速さになって、機能拡張を外すのさえ難儀したってのがありましたが、そんな鋭敏なエンジンになったらどないしよう。自分に扱える代物なのか。
 しかしまぁ、もう頼んでしまってるし、その為の工具も買ったと言われたし、今さら「やっぱ辞めときます」とも言えません。BETAのクロトレでWPC/DLC/モリショットのフル加工をしたと言う話しは、今んとこ聞きませんから、自分が本邦初のはずです。不安より、その興味の方が日増しに強くなりました。

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これも削り出し。とても綺麗です

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なのに、どうしてこう言う所は錆が浮いてるのかなー

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本件加工で、ここら辺の動きがどうなるか?


■手業で精度

 作業に出して約1ヶ月後、エンジン内部の各パーツにWPC加工とDLC、錫、モリブデンの加工が施されて帰って来ました。2stのエンジンはヘッドにバルブが付いてたりしないので、4stに比べると組むのが楽との事でしたが、イタリア人が作ったエンジンは良く出来たエンジンだったとの事。今回、その良く出来たエンジンに日本の技術を組み合わせて、最高のエンジンにした訳です。
 今回の作業の話しで面白かったのは、クランクシャフトの精度を測って、BETA組み立て時で0.3ミリだったのを0.001ミリまで擦り合わせたとの事。そんな微細な擦り合わせ、一体どうやってやったのかと聞いてみたら、銅ハンマーでシバいて精度出したとの事。すごい手業と言うか、そこまでやってくれるバイク屋は早々ありません。
 仕上がった後、マックさんから聞いたのは、とにかく「やばい」の一言。物凄く素晴らしく仕上がった様です。特に凄いのが、シフトチェンジのストレスが無い。エンジン掛けてない状態で、1速から6速まで入れれるとの事。確かにこれは凄い事です。

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加工の済んだ各パーツ、手触り最高ですw

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純正ではコーティングでしたが
こちらは皮膜が作られています

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シリンダー内部もスベスベ処理

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神がかった手業で精度を出したクランクシャフト


■評価試験

 完成したBeta X-Trainer250“レギンレイヴ号”、石戸谷スクールで評価試験しました。第一印象は、確かにシフトが軽い、と言う事。クロトレはややシフトが硬いと言うか、シフトペダルがCRFなどに比べると内側に入り込んだ格好になっているせいか、ちょっとシフトアップがしにくい感じがあったのですが、それがスコンスコンと入る。非常にやり易くなりました。低速が粘るバイクなので、下手したら3速オートマ走法とかやってしまって、あまりシフトチェンジしなかったりもするのですが、軽さは武器だなぁと感じました。
 一通り乗ってみて、うむうむと満足した後、同型同年式で、かつ運転時間もあまり違わない他の隊員のクロトレに乗った時、自分のバイクが信じられないくらい軽いものになっている事に気がつきました。無加工のエンジンは、全く同じ乗り方してるのに、とても重いのです。回転の吹け上がりだけでなく、スロットルワイヤーも注油した方が良いんじゃないか、と思えるほど重い。ついこないだまで、CRFと比べて、その軽さで乗り換えを即決した同じバイクが、WPC加工の前後でこうも違うとは。
 それだけでなく、今回はクランクシャフトの精度も出しています。走りながら、昔見たとある番組の一節を思い出しました。
 ドイツの魚雷艇エンジンは、三菱の丸子工場に運ばれました。工場の技術者達は、同じエンジンを製造する為に部品の工作精度を調べ、夜を徹して研究を続けました。〜〜エンジンの調査が進むにつれ、真似の出来ない技術の高さに驚かされました。〜〜日本の技術では、ドイツのエンジンを模倣する事すら出来ませんでした。この魚雷艇エンジンは、20ものピストンの動きを精密に組み合わせ、スクリューを1秒間に27回転させる高速エンジンです。シリンダーには高度な溶接技術が必要でした。1万分の1ミリの精度を求めるクランクシャフトの製造も困難でした。金属を叩いて形を作る鍛造技術、溶かした金属を金型に流し込む鋳造技術、寸分の狂いもないネジ切りの技、物作りの基本が日本には育っていませんでした。
「精度はね、±0.0001ミリ単位だったのには驚きました。全磨きで、総磨きで。こりゃ作れないなぁと思いました。ドイツの技術は凄いなぁと思いました」
(NHKスペシャル「消えた潜水艦 イ52号」)
 まさにこれだなぁ、と。まさに目には見えない、数値化されない戦力。イタリアと日本の高い技術が、この乗りやすいバイクを作ったんだなぁと。上に書いた通り、当初はちょっと不安だった部分もあったのですが、そんな不安は何処へやら、とても扱い易く、信頼性の高いバイクになって帰って来ました。これまでのバイクでも、WPC/DLC/モリショット加工は素晴らしい乗り心地を提供してくれましたが、クロストレーナーではその効果は更に絶大です。もし予算に余裕がある人は、是非試して欲しいと思います。

このカスタムのご用命はこちらまで
(たにしさんのブログ見ました、と言えば話しが早いです)
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toyz_dogawa
Motoshop TOYZ

〒132-0022 東京都江戸川区大杉2-2-11-101/TEL.03-6314-4691
営業時間10:00~19:00/定休日 月曜日、レース開催日






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