日本飯盒協会

2019年10月18日

 自分がサバイバルフーズの存在を知ったのは、確か高校生の頃、サバイバルマガジンか何かで見たのが初めてだったと記憶するのですが、缶詰がせいぜい3年くらいしか賞味期限がないのに、25年も保つというので、それはそれは夢の様な保存食の様に感じた事を覚えています。もちろん値段も結構してて、バイト禁止の高校生の身分では手が届かない。その意味でも夢の非常食でした。
 ところがこの度、職場の防災担当(今年自分から交代した)が、「3年とか5年で入れ替えるのメンドクセー」という事で、このサバイバルフーズを提案しました。そして、実に知ってから33年目にして、サバイバルフーズにお目見えする事が出来ました。


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とりあえず試食用に
クラッカー、チキンシチュー、野菜スープの小缶セットを調達




■概況

 昨今多発する自然災害に対して、防災用品を備えようという考えは、自分が高校生の時よりも強くなっているのですが、問題なのは、腐ったり変質したりしないものはともかく、食料品は足が速いので入れ替えが大変だという事です。これは家庭においても事業所や自治体においても変わりません。金額もさる事ながら、入れ替えの作業(放出、調達)の手間が大変なのです。その意味で、サバイバルフーズの様な、人生的なスパンの保存期間を持った非常食というのは、単価だけ見れば高く見えても、超長期的見れば、結果として手間とコストが相当省ける事は明らかです。そして、これは多くの人数を抱えている団体であれば、なお顕著であろうと思います。
 ところで、このサバイバルフーズ、自分の記憶が正しければ、アメリカのオレゴンフリーズドライ社の製品だと思っていたのですが、今は日本製、あの永谷園が作っている様です。一体どんな経緯があってこうなったのか分かりませんが、値段も高く、海の彼方から取り寄せなければならない、手の届かないイメージだったのが、急に身近なものになった気がします。もっとも、お値段はいざ買うとなると今でも結構いい値段です。職場が買ってくれるというのでなければ、試食用でもなかなか買う気になれなかったでしょう。

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各缶とも、樹脂のキャップ付き
その下にやや大きめの折り畳みの缶切り(栓抜き付き)が入っています

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缶底には賞味期限がプリントされています
2044〜2045年まで

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チキンシチューの内容説明

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野菜スープの内容説明

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クラッカーの内容説明


■開缶

 今回取り寄せたのは試食用で、これで美味ければ本採用という運びです。これまでにネットに上げられているレビューで酷評されているものはほとんど見かけないのですが、自分はともかく、他の職員はサバイバルフーズのサの字も知らない人達ですから、まずはその人らの口を納得させなければなりません。
 このサバイバルフーズ、ご丁寧に各缶に缶切りが付属していて、しかも切り口で指を切るななどの注意書きも書いてあるのですが、職場のボスから「パッカンじゃないのか」とのご意見。最近の缶詰で缶切り使うタイプってのはホント少なくなっていますし、そのせいか、若い子では缶切りの使い方も知らない子が居たりします。しかし、自衛隊の缶飯などもそうですが、放り投げたり長期に保存したりといった缶詰は、今でも缶切りを使うスパルタン仕様です。サバイバルフーズもその路線なのでしょう。付属の缶切りで開けてみると、結構手応えがある。やっぱり頑丈に作ってある様です。

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色々丁寧な説明が書いてありますが
缶切りの使い方のイラストも
その内、載せる必要が出てくるかも知れません

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折り畳みの缶切りとしては大きめですが
それもそのはず
それなりにハードシェルな缶詰でした

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中身はご覧の通り
クラッカー以外は見事にフリーズドライです


■試食

 チキンシチューと野菜スープはフリーズドライですので、お湯を注げば食べれますし、何ならそのまま口に入れても構わない様なものですが、缶の横の作り方の説明書きには、随分仰々しい事が書いてありました。まぁ、この通りに鍋に入れて煮込めばもっと美味いのかも知れませんが、非常時にそんな悠長な事は出来っこない、という想定で、テキトーな食べ方をしてみました。
 まず、そのまま食べてみる。実はこれが食えん事もない。フリーズドライのミックスベジタブル(これはチキンシチューも野菜スープも同じものが入っている)は、簡単に噛めますし、唾液でシュッと柔らかくなる。欠点としては、直ぐに口の中が辛くなってしまう事と、チキンシチューと野菜スープの違いが分からんという事。そもそもチキンシチューにチキンの姿が無いんですよね。
 次に、ポットのお湯を注いでみました。こちらも些かの問題もなく、かつ美味しく食べれました。ただ、湯の量が少ないと野菜スープもシチューっぽくなりますし、逆に多いとチキンシチューもスープっぽくなります。まぁ、一応は定量が決まっているのでしょうが、この辺りはお好みでも良いのかな、と思います。
 さて、湯が沸かせない状態だと水を使う事になりそうですが、こちらも全く問題ないどころか、お湯の時と同じ速度で戻りました。寒い季節には冷たい物を食べるのは苦痛かも知れませんが、戻さず食べるのとどっちが良いか。そんな事よりも、水で戻したからと言って、風味が悪くなるという事が無いのが驚きでした。

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作り方の説明
別にこの通りでなくても大丈夫
何なら、脱酸素材を抜いて、缶にお湯注いでもOKかと

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まずはオーソドックスにお湯を入れてみました

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味の方は結構イケます
チキンシチューなのにチキンが入ってないのがちょっと残念

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今度は水でチャレンジ

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水の量が少なくて、野菜スープがシチューっぽく
でも全然美味しかったです


 クラッカーは内容量が書いてあるだけで、何枚入っているか分からなかったのですが、直径65mm、厚み7mmの物が17枚入っていました。これで2.5食分という事なのですが、1食6.8枚という微妙な数字なので、分配には注意です。
 それはともかく、このクラッカーはこれまで食べたこの手合いの物の中で、頂好の甲の部類でかなり美味しい。甘味はあまり無いものの、如何にも小麦粉っぽい味でもなく、プレーンクラッカーをビスケットにした様な味わい。そして特筆すべきは、結構腹に溜まる事で、2枚も食べれば、結構腹が膨れます。

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このクラッカーがなかなか美味しい
25年持たなくて良いから、市販して欲しいです


■総評

 心配していた味に関しては、数ある非常食の中でトップクラスの美味さと言えます。値段を考えたら普段使いには使えませんが、それでも月に2〜3回なら食べても良いくらいに美味い。非常食というと、「食えるだけ有り難いと思え」的なところがありますが、やっぱり美味いというのは重要だと思います。
 保存期間、美味さ、そうした優秀性を踏まえた上で、問題となりそうな点を考察しました。
  • 分配方法
     サバイバルフーズは、小缶で2.5食分、大缶で10食分となっているのですが、上に書いた様にクラッカーは各々17枚、68枚入りで、1食6.8枚という微妙な数字です。この点は割り切れる数字にしてくれれば良かったのにと思うのですが、それ以上に問題なのは、シチューやスープの方で、流石にきっちり計れるお玉までは付属していません。ついでに言えば、分配する為の皿やスプーンと言ったものも付属していません。家族であれ事業所であれ、分けて食べる事を考えたら、お玉や皿の用意はしておく必要があると思います。
  • メニューの少なさ
     サバイバルフーズ自体は美味しいのですが、メニューが、クラッカー、チキンシチュー、野菜スープ、とり雑炊、えび雑炊の5種類しかありません。最低3日分揃えるにしても、3日目にはかなり飽きてるんじゃ無いかと思います。米軍のMREレーションでも24種類はある訳で、もし可能ならメニューを増やして欲しいと思います。
  • 甘味、酸っぱ味がない
     サバイバルフーズは、主食系を指向していると思うのですが、被災時によく聞く声は、「甘い物とか時たま酸っぱい物が食べたい」というものです。例えば、米軍のMREレーションには、必ずチョコレートだのケーキだのと言った甘味が付属していて、中にはフリーズドライのフルーツが入っていたりします。ナマ物を25年も持たせるのは無理でしょうから、フリーズドライ化した甘味や酸い物を検討して欲しいものです
 個人的にも欲しいところですが、あと25年経ったら何歳になっているか考えたら、ちょっと気が遠くなった気分になりましたw 洋風ばかりでなく、高菜の油炒めとか、沢庵とか、そう言った年寄り向けのラインナップもあれば良いのにな、なんて考えてしまいましたw

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開缶後もキャップをしておけば
しばらく持たせる事が出来るでしょう







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tanisi_corp at 23:00コメント(0)

2019年07月27日

 今年は3月末の勝沼戦から、連続してWEXイーストに参戦しているのですが、その度に前夜祭を催し、飯盒炊飯も実施してきました。今回の爺ヶ岳戦は、今年の前半戦の締めくくりになるレースで、しかも前日の27日は土用の丑の日という事もあって、いつも以上に贅沢ゴージャスな内容を展開しました。

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テントもバイクも準備が終わって
ダラダラタイムを楽しむエンデューロ部隊員






 WEXでは前日にセクションスクールという試走があるのですが、これに出るのかどうなのかが、毎回エンデューロ部隊員のダラけた課題になります。ダラだけに本心では面倒くさくて出る気があまり無いのですが、人から言われて仕方なく出る事もあります。が、今回は誰も行く気が無かったので、即座にダラタイムに突入。と行っても、前日受付は1600時からでまだまだ時間がある。そこで先に買い出しに行くベー、という事で、近所の西友に繰り込みました。
 さて、ここ最近、自分が口酸っぱくして主張するのは、「この歳になったらエエもん食わないかん」という事。同じ肉でも、アンガス牛とかじゃなく、倍の値段をしても霜降り和牛を食った方が、満足感が倍以上なのです。もしかしたら、明日はレースで大怪我するかもしれないし、美味いもの食って鋭気を養うのは大事な事なのです。すると、隊員たちも心得てきたのか、3000円もするたっかい牛肉を買っているでは無いですか。結構な事です。
 そんな事より、我々の目を惹き付けて離さなかったのが、うなぎの蒲焼。もちろん安くて皮の硬い中国産ではなく、宮崎産の1匹1700円もするやつ。今日は土用なんだから、やっぱりウナギ食わないかんやろ、という事で、全員1匹ずつ購入。タレも買って、飯盒で温めて食う事にしました。

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4人だと3合くらいがお残し無しで丁度良いです

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今回もプリムスIP-2243で炊飯
これはトランポに常備してるガスストーブです

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パーフェクトな理想値で炊き上がり


 ここんとこ好評の飯盒メシは、今回は3合の無洗米を用意。メシ以外にも色々食うので、4人くらいだと3合で丁度良い分量なのです。温泉に行く時にコメを水に浸しておいたので、小一時間は水に浸けてありました。
 爺ヶ岳は地表より標高の高いところにありますが、暖かい季節でもあり、ガスの気化も良く、理想値の強火4分ほどで沸騰、そのまま強火を1分続け、弱火に切り替え3分半で炊飯完了。焦げ付きもなく、実に見事に炊けました。
 メシを蒸らしている間に、うなぎの蒲焼の準備。買ってきた時は冷凍されてたのか硬かったのですが、まずこれをハサミで半分に切り、飯盒の中に入れてタレを入れ、弱火で5分ほど温めました。

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うなぎの蒲焼は半分にして飯盒へ
3匹入れたら、飯盒半分くらいになりました

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メシを炊いてる間、他の隊員は和牛ファイヤー!


 結果は大好評! これまでの前夜祭では、肉焼いて食うというのがメインでしたが、今回初めてご飯が活きる副食に当たりました。というか、こんな贅沢なもん、普段は食べてないので、もう、盆と正月が一緒に来た様な感じで大満足。やっぱりエエもんは食わんといかんなぁ、と思いました。

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メシもうなぎもいい感じに出来ました

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やっぱり、飯盒直食いは飯盒使いのロマンだと思うのです







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tanisi_corp at 20:00コメント(0)

2019年07月10日

 先日作った缶詰カレーが今ひとつだったので、コンビーフ使った料理で簡単そうなのは無いかと探したところ、蒸すだけでOKのいい感じのがありましたので、早速チャレンジしてみました。レースの前夜は、何だかんだで忙しいので、簡単に出来るのは有り難く便利です。


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キャベツ1/4個、エノキ1つをいい感じに切っておきます




■作り方

 極めて簡単です。用意するのは、コンビーフ1缶(100g)、キャベツ大1/4、エノキダケ、水50cc、固形スープ1個、塩コショウ。キャベツは芯を取り、ザク切りにします。エノキは下の部分を切り落とし、半分くらいに切っておきます。
 飯盒にキャベツとエノキを入れ、固形スープを入れて、水を入れ、蓋をして約7分蒸します。野菜が蒸せたら、コンビーフを入れてかき混ぜ、塩コショウで味を整えて、出来上がりです。
 道具も飯盒意外に必要なく、極めて簡単です。もし一手間加えるとしたら、キャベツは一枚ずつ剥がして、太い筋を取って葉だけ入れると、もっと柔らかく仕上げる事が出来ます。

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刻んだキャベツとエノキ、固形スープ、水を入れます
結構てんこ盛りになりました

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蓋をして中火で7分蒸します

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7分蒸したら、嵩が大分減りました

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おもむろにコンビーフを入れます
レシピではこの段階でコンビーフを混ぜてましたが
キャベツにまだ芯が残ってたので、2分蒸しました

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蒸し方完了
コンビーフは解してから入れた方が良かったです

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コンビーフを混ぜて出来上がり


■食べてみた感想

 味付けは固形スープだけですが、コンビーフ自体がコンビーフ味(当たり前ですが)ですので、実にコンビーフ風味の仕上がりになりました。コンビーフ好きにはたまらんと思いますが、逆にコンビーフが苦手な人には向かないかも。もっともコンビーフ嫌いな人は作らないでしょうが。。
 個人的には、今ひとつでした。これならコンビーフに塩振って、そのまま食べた方が美味いと思いますし、絶対ご飯に合うと思います。コンビーフって、それそのものがある意味完成品ですから、それをさらにどうにかすると、元の持ち味が死んでしまう傾向のある食べ物だと思うのですが、この料理もその一つだなぁ、と感じました。

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むしろ、コンビーフは混ぜない方が良かったかも?

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やっぱり、そのまま食べた方が美味しいです










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tanisi_corp at 00:00コメント(0)

2019年07月01日

 「飯盒でご飯を炊く」というと、結構難しい印象がある様です。 電気炊飯器みたいに、スイッチ一つで炊飯から保温までやってくれる訳ではないので、その意味では難しいのは確かです。しかし、実際にやってみて慣れてくると、その難しさというのは、火加減とか火力といった部分で、それさえ感覚的に理解出来ていれば、整った環境ならそれほど難しいものではありません。
 ここでは、飯盒を使った基本的なご飯の炊き方と、難しいと思われる状況、環境を解説したいと思います。



 
家庭用ガスコンロを使った飯盒炊飯
動画は4合炊きの場合
寒い季節なので、沸騰に時間がかかりました





■飯盒の解説

 今、市販されている飯盒は、旧日本軍が開発した兵隊用のものを踏襲したもので、基本的な使い方は当時と変わりありません。この飯盒では、最大で4合のご飯を炊く事が出来ますが、2合ないし3合でも炊く事が出来ます。ただし、1合は火加減の関係で上手に炊けない事が多いです。
 蓋と掛子(中蓋)は米の計量器の代わりで、各々すりきり一杯で蓋は3合、掛子は2合図る事が出来ます。飯盒本体には上下二箇所に水量線が打刻してあって、下は2合の時の、上は4合の時の、水を入れる位置です。3合の場合はその中間まで入れます。
 飯盒はもともとは焚き火に吊り下げて使うのを前提としているので、釣り手が付いています。もっとも、現代家屋やキャンプであっても、飯盒を吊り下げて使う機会というのは滅多になく、コンロに直接置いて使う事が多いです。本稿でもその様な使い方で紹介します。
 革通というのは、もともと飯盒は背嚢に縛着して運搬するのを前提として作られており、この革通に背嚢の革のストラップを通して使ったのですが、その名残です。ただ、最近出回っている中国製の飯盒にはこの革通が省略されていて、これの有無が日本製の見分け方の一つになっています。(→どこで(どこの)飯盒を買えば良いか

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■炊く準備

 ご飯を炊く準備というのは、米を研ぐ事です。そもそも米を研ぐというのは、昔は精米技術がまだ未熟で、精米した米に糠の粉が残っていたりして、そのままで炊くと糠臭い飯になってしまうので、しっかり研いで炊いたという事に由来します。現在市販されている精米は、そこまで気合入れて研がなくても臭い飯になったりしませんが、精米機などで自家精米する人は、ちゃんと研いだ方が良い場合もあります。逆に、無洗米はその名の通り、洗わなくてもそのまま使える米(糠層が完全に除去されている)なので、研ぎません。
 米の研ぎ方は人によって様々ですが、一般的なのは、一旦米に水を入れて、水を切ったあと、米に手を入れて「の」の字を書く様に4〜5回かき回し、水を入れてとぎ汁を捨て、また「の」の字を書いて、というのを2〜3回繰り返した後、水を入れては捨てを水が澄むまで繰り返して、最後に入れた米の分の水量線まで水を入れる、というやり方だと思います。
 変わった研ぎ方としては、米と水を飯盒に入れて、掛子をかけて、飯盒を上下にシャッフルする、というやり方。シャッフルした後、飯盒に水を入れて、掛子をして、掛子と飯盒の隙間から水を漉して流し、またシャッフルします。このやり方だと、手を米に入れずに済むので、手が多少汚れていても米を洗う事が出来ます。アウトドアで応用できるやり方です。
 米を洗い終わり、水をセットしたら、しばらく米を水に浸けておきます。これは米に水を吸わせる行程で、これをやらないと固い飯になってしまいます。夏場なら30分、冬場なら60分浸けます。

 
お米の研ぎ方

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米はよく濯がないと、糠くさいご飯になったりします


■ご飯の炊き方(炊き干し法)

 ここからが本題です。よくご飯の炊き方で「はじめチョロチョロ中パッパ、ジュウジュウ吹いたら火を引いて、ひと握りのわら燃やし、赤子泣いてもふた取るな」というのがありますが、あれはカマドで羽釜などを使って炊く時の要領です。飯盒で炊く場合、特にガスコンロで炊く場合は、「はじめチョロチョロ」は必要なく、いきなり強火で炊きます。
  1. 強火に飯盒をかけ、沸騰させる(大体4〜6分)
  2. 4合の場合は2分、3合の場合は1分、強火のまま炊く
  3. 上記の時間が過ぎたら弱火にする。2合の場合は沸騰したら弱火にする
  4. 弱火で3分3秒かけたら、火から下ろす
  5. 10〜15分蒸らして出来上がり
 いきなり強火で炊くと焦げてしまうのでは?と思われるかもしれませんが、水が沸騰して米が対流している間は焦げません。むしろ、強い火力でしっかり沸騰させないと、美味しいご飯になりません。4
4合や3合の時に、強火のまま延長して炊くのは、量が多いのでしっかり対流させて熱を上の方まで伝えるのと、噴きこぼす事で余分な水分を排出する為です。2合では量が少ないので沸騰したら弱火にして水分を米に吸わせます。
 ご飯が焦げるのは、むしろ弱火に落とした時で、米が水分を吸って膨らみ、対流が落ちてきた時に底にいつまでも火が当たっているから焦げるのであって、焦げる前に火から降ろせば焦げないか、焦げても少々です。
 この炊き方は、「炊き干し法」と言って、飯盒に限らず、土鍋や文化鍋で炊く場合も一般的にこの方法がとられています。電気炊飯器での炊き方もこの方法によるものです。


ファイヤーボックスを使った飯盒炊爨
基本的なやり方は、ガスがガソリンなどのストーブでも同じです



■環境の違いによる難しさ

 飯盒に限った事ではありませんが、直火でご飯を炊く際の難しさは、環境が良くない時にあります。具体的には、風がある時と気温が低い時です。
 屋内で炊く時はまず風の影響を受けませんが、屋外で炊く時は風がきついと風に火が煽られて消えたり、風で熱が飛ばされて火力が低くなります。風のある時は、風避けを用意して出来るだけ風を防ぐ必要があります。
 気温が低すぎる場合も、沸騰までに時間がかかり、上手に炊けないどころか、炊飯自体が無理な場合があります。具体的には、沸騰に時間がかかり、8分超えても沸騰せず、気がついたら低温の湯で米が膨らんでふやけてしまい、それでいて底が焦げている、というパターンです。あるいは、極低温だと米さえ膨らまず、芯の残ったまま半煮え飯になってしまいます。
 これら環境が整わない場合には、上記の炊き干し法による炊飯は実質的には無理で、他の方法を取らねばなりません。

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屋外では風の影響はモロに受けます
風除けをするとしなとでは大違いです

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あまりに寒いと、ガスストーブは言うに及ばず
ガソリンストーブでもちゃんと炊けない時があります

■湯立て法

 湯立て法とは、沸騰した湯に米を入れて強火で炊き上げる方法で、旧日本陸軍の軍隊調理法にも掲載されている炊き方です。この湯立て法、今でこそマイナーな炊き方になりましたが、江戸時代くらいまではポピュラーな炊き方でした。
 具体的には、
  1. 洗った米をザルにあけておき
  2. 4合なら860ミリリットル、2合ならその半分の水を飯盒で沸かし
  3. 沸いた湯に洗った米を入れて蓋をして強火のまま炊いて再び沸騰させ
  4. 4〜5分経ったら火から下ろして、15分蒸らす
 というやり方をします。手順からわかる様に、火力の調整が要らないやり方です。その代わり、洗った米を別に取り分けて、後から入れるという面倒があります。この炊き方は、本来は羽釜や平釜といった、大きめの釜で大量の米を炊くのに適したやり方ですが、飯盒でも応用可能です。
 ご飯の出来栄えの比較としては、やはり炊き干し法の方が美味しいと思います。しかし、湯を沸騰させてから米を入れるやり方ですので、気温の低い時や火力の弱い熱源を使う時に行う事が多いです。例えば、アルコールストーブや缶入り固形燃料で炊飯する場合です。
 もっとも、いくら湯が沸騰していても、気温が低くて米が冷えている、あるいは火力が弱い時は、米を入れた後の再沸騰までに時間がかかり、美味く炊けない事もあります。

 
缶入り固形燃料を使った湯立て法による炊飯


■ハイゼックス炊飯法

 旧日本陸軍主計少将の川島四郎博士が開発した飯袋(セロファン筒)というのがあって、これは、
    一、最モ簡易ニ炊事(焦付カズ、半煮ナシ)シ得
    二、濁水ヲ以テ炊事シ得
    三、乾固又ハ凍結後ノ再温再生可能
    四、容易ニ變敗セズ
    五、携帯及分配容易ニシテ投擲ニモ耐ユ
    六、肉野菜類等ヲモ合炊シ得
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川島四郎著『炊飯の科学』より


 という優れた炊飯用品だったのですが、これはハイゼックス炊飯袋という名称で今日も発売されており、もっぱら防災用品として扱われています。
 これは袋の中に米1合と規定の水(袋に線が書いてある)を入れ、口を括って、熱湯に入れ30分間湯がいたら出来上がり、という至極簡単なものです。寒くてなかなか沸騰してくれなさそうな時でも、気兼ねなく炊ける利便性があります。これも本来は大釜で大量にやるやり方ですが、飯盒だと2つほど同時に炊く事が出来ます。
 湯がくのに使った湯は再利用が可能であるほか、投擲以外は上に書かれた効能そのものですので(もっとも、肉や野菜を一緒に炊いた事ないですが)、いよいよ飯盒炊飯が難しい時は、こういったやり方があるのを知っておき、予め予備として炊飯袋を用意しておくのも智恵の一つだと思います。

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これがハイゼックス炊飯袋

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規定の量の米と水を入れて、輪ゴムで袋の口を括ります

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沸かした湯に入れ、30分間煮沸します

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これが出来上がり
焚き火で炊いたご飯には及びませんが、普通に食べれるご飯です









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tanisi_corp at 22:00コメント(0)

2019年06月22日

 レースの前夜祭では、飯盒でメシを炊くのが定番となってきました。今回のWEX神立戦でも飯盒メシを投入。今回は5人参加という事で、3合炊く事にしました。
 今回は、隊員の一人が中華製のガスストーブを持ってきました。2000円くらいで売ってるやつで、五徳が大きくしっかりしてるのが特徴です。ただし、バーナーが小さめなので、飯盒炊飯という観点では、熱の回りにやや難があるのですが、せっかく持って来たのだし、今回はこれで炊飯しました。(自分のプリムスIP-2243を出したり片付けたりするのが面倒だったのもあるw)

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コンパクトなのかそうで無いのか、イマイチ分からんストーブ
おそらく、デカい鍋やヤカンを乗せる用






 飯の炊き方は、いつも通り。3合の米を研いで水に漬け、温泉行ってる間に吸水させ(一時間以上は吸ってたはず)、帰ってきてから中華ガスストにて炊飯開始。6月下旬という事もあって気温はそこそこあり、カセットガスのただのブタンガスでも結構な火力が得れて、5分で沸騰、1分強火を続け、弱火3分半ではまだ水分が多く残ってそうだったので、4分半まで弱火にかけました。
 仕上がりは、ふっくら炊けて、底も焦げ付かず、いい感じの出来栄えで、みんな喜んでくれました。今回は自分を含めて5人居たのですが、BBQもやってた事もあって、3合で十分足りました。

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火力全開で炊飯中

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いい感じに炊けて、みんな大喜び

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ラップタイムを取り損ねてラップ1が長いですが
沸騰までの時間と強火の延長時間を含んでいます


 最近のTOYZ Racing エンデューロ部では、日本飯盒協会の影響が徐々に浸透してきており、飯盒メシに合う野外向けの副食は何か、というトライアルがよく行われます。また、それまでオイルサーディンやコンビーフを苦手としていた隊員が、改めてチャレンジして、意外にもそれらが「食える」ものである事を再認識したりする事もまま行われています。

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キングオスカーのオイルサーディンと野崎のコンビーフ
どちらも飯盒メシに合う副食です

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アルペンザルツなどかけて食べるとサイコー!






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