軍用系

2019年03月06日

 米飯全般の大敵は寒さで、寒いとすぐに飯が冷えてしまいますし、寒すぎると凍結してしまいます。まぁ、そんな時に飯盒で飯など炊かなくても良さそうなも のですが、それでも炊かなきゃならないと自覚したのが、先日のクロスミッションAVDでの前夜。結局、マイナス4度の早朝に炊く事になり、失敗したのです が、あの時に初めて飯盒覆の必要性を感じました。
 そこで今回、オークションに出ていた陸上自衛隊の飯盒覆を入手しました。



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こちらが飯ごう覆
雪国で使う用なのか、白色です



■自分が小学校4年生の時の物

 旧日本陸軍は極寒の満州で活動する関係で飯盒覆を使っていたのですが、陸上自衛隊でも防寒用の飯盒カバーを制定されていました。正式名称は「防寒用飯ごう覆」というもので、明確に防寒用と称しています。もっぱら北方の部隊に配布されてた様ですが、飯盒の仕様変更にともない、平成14年3月31日に廃止されています。かれこれ17年も前には、厳冬期でも飯を凍らせないか、別の物を食べる方針になった、という事です。
 届いたものは、昭和53年度納入のものらしいのですが、若干のシミがある程度でとても奇麗なものでした。全然使ってないのか、それとも性根入れて洗濯したのか分かりませんが、一応、名前が書いてあったらしいので、部隊に配布されたものなのでしょう。納入会社は丸紅との事。昭和53年といえば、かのロッキード事件の2年後で、自分も子供ながらに丸紅ルートなどの言葉を聞いた事があるのですが、その丸紅がこんなものを作ってたのは意外でした。
 飯ごう覆の内側はキルティングが縫い合わせてあり、いかにも防寒用っぽい感じです。

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投じは防衛庁でしたね
消費税もまだなかった時代でした

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蓋はホック留めです
若干シミがある以外はキレイです


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中はキルティングです
中もとてもキレイでした。全然使ってないのかも


■使用感

 陸上自衛隊の飯ごう1型は、釣り手がスライドして飯ごう本体に沿う形で収納できるスタイルをしています。その為、釣り手が邪魔にならず飯ごう覆に入れる事が出来ます。もっとも、覆いの口は若干タイトに作ってあるのか、釣り手の耳金の部分が引っかかる感じですので、いい感じに寄せて引っ張って入れます。入れると中はそれなりに余裕があります。覆いの蓋はホックで止めます。覆いの背の部分に革通しが設けてあるのですが、おそらく背嚢の物入れに入れず、外に縛着する為のものでしょう。
 さて、自分は旧軍の飯盒、すなわち兵式飯盒が好きなのですが、こちらは釣り手がスライドしないので、この手の覆いに入れる時は、間違いなく釣り手が邪魔になりそうです。もしかしたら入らないかも?と思ったのですが、入れてみたら案外すんなり入ってしまい、しかも中が余裕があるお陰で、パッツンパッツンにもならず、いい感じです。

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飯ごう1型は釣り手が邪魔になりません

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当たり前ですが、いい感じにすっぽり入ります

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兵式飯ごうの釣り手は
こういうのに入れる時は結構邪魔です


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しかし、いい感じに入りました


■保温性能

 この飯盒覆、保温用として使えるのか気になっていました。幸い、飯盒入れても余裕があるので、ハクキンカイロを入れて試してみました。飯盒に炊きたてのご飯2合分を入れ、底と上にハクキンカイロをセットし、気温9度(といっても体感的にはもっと寒く感じましたが)の玄関に一晩置きました。想像というか、朝になってもせめてほんのり温かい飯が出てくるのを期待してました。
 結果は、すっかり冷や飯。しかも、ハクキンカイロはまだまだ温かいはずなのに、ちょっと冷たい。燃料が切れたとかではなく、冷えた飯盒に冷やされた格好です。しばらく手の中に入れてたら、また温かくなってきました。一応はキルティングがしつらえてあるものの、それは長時間にわたる寒気の中では保温性を発揮ないし維持は出来ない様です。
 自分が期待した様な保温性が必要なら、やっぱり保温保冷バッグの様な物の方が良さそうです。

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内部に余裕があるので、ハクキンカイロを入れる事が出来ます
底、背面、上の3カ所に入れれます


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さっそく実験開始
底と上にハクキンカイロを仕込みました


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玄関に一晩置いて、どの程度飯が冷めるか、、

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物の見事に冷や飯になってましたw


■「防寒用」の意味

 ここで改めて考察。この飯ごう覆は、「防寒用」であって「保温用」とは書いていません。しかし、防寒とは実際にはどういう事を意味するのか。飯盒自体が寒がる訳ではないので、飯盒が寒くなっては困る人が防寒の為に使う、という事です。とはいえ、上記の実験の様に、さしたる保温性はないので、これに温食を入れても、直ぐに冷めてしまうのは明らかです。
 そこで自衛隊関係の人が教えてくれたのは、迷彩のためと、温食を給与されて食べる間に冷めないため、という事でした。なるほど、そういう意味での「防寒用」だった訳です。つまり、自分が期待してた様な「保温性」はそもそも想定されてなかった訳です。
 もっとも、保温は出来なくても、凍結しなければ、それはそれで立派な事です。既に一番寒い季節は過ぎてしまいましたので、次の冬に一晩外に放置して、どういう風になるか試してみようと思います。

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これらも消え行く「昭和」の遺物になるんでしょうね









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tanisi_corp at 00:00コメント(0)

2019年01月15日

 自衛隊の飯ごう2型は結構人気があるようです。ようです、というのは、当協会の中の人自身はあまり高い評価を与えてないので、あまり気に留めてなかったからです。逆に、ニュートップの3合飯盒には高い評価を与えているのですが、今回は大きさの似たこの二つの飯盒の比較をし、かつ、こうして欲しかったといった点を論じてみようと思います。

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大きさはほぼ同じ
故に、ソロクッカーとして人気のある飯盒です


相当人気があるようで、市場在庫は払底
再販のめどもない感じらしいです


■容量の比較
 各々の飯盒のインプレは個別の記事を参照してもらうとして、今回は各種見地からの比較を行います。
 まず、容量。飯ごう2型も3合飯盒も、4合炊きのフルサイズの兵式飯盒と比較すると、パッキングサイズは2/3ほどです。しかし、飯盒本体となると違いがあって、飯ごう2型は2合炊きなのに対して、3合飯盒はその名の通り3合炊きですので、3合飯盒の方が高さがあります。
 ソロクッカーとして考えた時、一度にご飯を2合も3合も炊く人はあまりいないと思うので、1〜1.5合くらいで炊くと思うのですが、ご飯を炊くとなると、1合であれ2合であれ、底の深い方が炊き易いので(特に吹きこぼれの点など)、その意味では3合飯盒の方が使い勝手が良い、という風に自分は見ておりました。ついでに言うと、インスタントラーメンも飯ごう型より3合飯盒の方が煮易いのですが、これも飯盒本体の高さに由来する使い勝手の差です。

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本体の違い
飯ごう2型の方は、もはや食器といった方が良さそう
3合飯盒の方は、煮炊きと食器のギリギリの線を狙った感じ



■蓋と掛子
 飯ごう2型の大きな特徴は、ドイツ軍の飯盒に範を取ったと思われる蓋のハンドル。ちゃんと掛子を引っ掛けて使う事が出来ます。個人的には、ただのワイヤーでなく、もちっとしっかりしたのを付けて欲しかったところで、実際に持ってみると、なんかスカっと落としそうな気がしてならない。文句言うより慣れた方が良いのかもしれませんが、飯を炊く時に蓋のハンドルが邪魔でしょうがなく感じる自分としては、別に無くても良かったかなという風に感じています。この辺り、食器として使うか調理器具として使うか、考え方の分かれるところだと思います。
 対する3合飯盒の方は、脱着式のハンドルです。脱着式のハンドルの飯盒は他にもありますが、3合飯盒の物は実にしっかりしてて使い勝手が良い。飯盒の蓋だけでなく、中鍋にも使えるのですが、察するに、飯盒で飯炊いたあと、中鍋でラーメンでも煮て食う時に、使い易くするために付けたのでしょう。飯盒をソロキャンプで使う人が、その使い易さを追求しまくったのが、ニュートップの3合飯盒だと感じています。
 このハンドル、初代の3合飯盒を捨てたあとも、中鍋と一緒に長い間使っていたのですが、何度目かの引っ越しのドサクサにまぎれてどこかに行ってしまいました。部品点数が多い、脱着部分が多いというのは、紛失の原因にもなりますし、その意味で飯ごう2型が脱着式のハンドルを採用しなかったのは、十分理由のある事であると思います。

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蓋の違い
3合飯盒は普通の兵式飯盒の厚み
飯ごう2型の方は、少々厚みがあります

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飯ごう2型の方は蓋のハンドルで掛子が連結できます
3合飯盒は中鍋にもハンドルが使えます

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ドイツ軍では配食の際にこうして飯盒持ってましたが
飯ごう2型のワイヤーハンドルだと
なんか落としそうで不安があります


■釣り手の問題
 自分が飯ごう2型で一番問題にしているのは、あの無駄に長い釣り手。前回のレポートでも、吊り下げた時に、レギュラーの兵式飯盒と底の位置が同じくらいの高さになる様にするためか?と推測したのですが、本当のそうらしいです。しかし、ほぼほぼ食器としての機能を追求したのであれば、この点は思い切りが足りなかったと言わざるを得ません。
 そもそも、飯盒自体の大きさに対して、釣り手が長い訳ですから、収納時にはかなり邪魔なんじゃなかろうか、と思います。この点、実際に使ってる人の感想を聞いてみたいところです。もし、自分が飯ごう2型を常用するとしたら、釣り手は外して使うと思います。よく無くしてしまうアイテム、なんて書かれているところをみると、現役の兵隊さんも外して使ってるんじゃないでしょうか。
 自分個人としては、釣り手は3合飯盒や旧軍の将校飯盒みたいに、蓋をロックする機能を持ったやつにして欲しかったと思います。これはこれで焚き火に掛けれんという訳でもないですし、飯盒本体の高さと釣り手の長さが同じですから収納にも困りません。そして蓋がロック出来るとなれば、良いとこづくめじゃなかろうかと思う訳です。

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そのうち、飯盒1型は完全に姿を消す訳で
そうしたら、レギュラーサイズの飯盒に合わせて
釣り手を長くする必要もなかったと思うのですが…

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だったら、釣り手が蓋をロック出来る構造の方が良かったと思う
もっとも、3合飯盒の方も、凡ミスなのか
ロックの位置が残念な所に出来てますが



■食器か鍋釜か、飯盒の将来
 飯盒それ自体は、そもそもは煮炊きの為の鍋釜として開発されたのは疑い様も無いのですが、軍隊の野戦での給与のあり方が変化していって、次第に食器としての需要が高まって行ったのは、飯ごう2型の姿形から、十分に推測する事が出来ます。飯盒は、鍋釜なのか食器なのか、それは運用する側の事情によって異なってくると思います。
 自分は、飯盒はあくまで飯を炊くのが主目的であって、食器としての活用は、片手鍋でラーメン煮てそのまま食べるのと同様の位置づけでありますので、より食器よりに作られた飯ごう2型は、飯盒としては役不足に感じています。その一方で、ソロクッカーとして見た時、4合炊きの兵式飯盒は確かに容量オーバーであるのも認められるところです。
 ソロ用の煮炊きの鍋釜として、かつ食器としても使え、飯だけなく副食も作る事を想定して、すべてをオールンワンにしたニュートップの3合飯盒は、日本の飯盒がたどり着いた最高傑作であったと自分が評価するのは、上記の要求を全て満たしているからです。
 もっとも、その3合飯盒は、メーカーが消失して既に数十年、もはや市場在庫もほぼなく入手は不可能です。飯ごう2型が人気があるのは、やはりコンパクトなソロ用の飯盒であるからでしょうし、かつ現用装備である事から、品薄であっても入手は不可能でないからでしょう。炊飯の機能も、トランギアのメスティンに比べれば遥かに使い易い訳で、その意味で人気があるのはもっともな事だと思います。

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確かに、食器として考えるなら
このくらいのサイズの方が食べ易いのは事実です

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掛子に仕切りまで作ってある3合飯盒は、確かに凄いですが
無くし易い欠点もあります

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好み、使い方、コスプレの時代設定、などなど
必要とされる要素は、人それぞれ
好きな様に使って、入手困難な物はある時買いしましょう










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tanisi_corp at 11:00コメント(2)

2017年10月30日

   自分は数年に一度、“ろうそく病”を発症するのですが、今回は予算に余裕があったという事で、前々から欲しかったスイス軍の折りたたみ式のキャンドルランタンを調達しました。このランタン、結構人気があるようで、出品されると大体1万円前後で落札される様です。自分も今回、そのくらいの金額で手に入れました。まぁ、こういうのは出物ですので、買える時に買っておくのは、ミリタリーの世界では常識とされています。

写真 2017-10-15 17 03 19
ぱっと見た目は、カッコいいなぁと思いますw



   折りたたみ式のキャンドルランタンは、昔は国産のもありましたが、大抵は家型のアルミ製ので、お世辞にも作りが立派とは思えませんでした。しかし、このスイス軍のはステンレス製で見た目がピカピカして格好よく、しかも家型でないのが余計に格好良く、それゆえに人気のある商品なのだと思います。透明部分はマイカ、すなわち雲母で出来ているとの事ですが、雲母って鉱物のイメージだったので、こんなに薄く出来るんだと改めて驚きました。もっとも、知らんのは自分だけで、結構昔からこの手の使い方はしていた様です。

写真 2017-10-15 17 04 07
展開図
ヨーロピアンな箱形だけに、箱の展開図ですw



   キャンドルをどうやって固定するのか興味があったのですが、底にガスホースの固定器具の様な装置が組み込まれていて、爪を広げてキャンドルをはめて固定する方式になっていました。なかなかのアイデアだとは思うのですが、最後まで使ったらロウが溶けて、この器具がエラい事になりそうですが、溶けても良い様に底はくぼみが作ってあって、冷えてロウが固まったら、掃除しろ、という事の様です。

写真 2017-10-15 17 03 49
キャンドルを固定する器具
つまんで拡げます


写真 2017-10-16 0 26 48
ロウが溶けても良い様に、凹みが作ってあります



   折り畳んだあと、釣り手を先のキャンドルを固定する爪に引っ掛けると、広がらない様に畳む事が出来ます。こういう辺り、結構カッコいいなと思います。ただし、畳んだとしてもそれなりの大きさで、これをコンパクトと感じるかどうかは、人によって感じ方が違うかもしれません。自分は、かつて持っていたビッグオークなどのキャンドルランタン
に比べると、結構嵩張るなと感じました。

写真 2017-10-15 17 04 39
畳んだ状態は、メカニカルな感じでカッコいいです


   このキャンドルランタンには、収納ケースが付属しているのですが、なんとキャンドルは外のポケットに差し込む様になってます。実際に差し込もうとしたのですが、日本のろうそくとは成分が違うのか、削れて白い粉がケースに付いたので、やめときました。そもそも、キャンドルを剥き出しにして収納しようという発想が変わってると思うのですが、実際にどういう運用のされかたをしていたのか、興味のあるところです。

写真 2017-10-15 17 04 55
外にキャンドルつけたら
削れたり折れたりしそうなんですけどねぇ



   最大の問題は、このキャンドルが(当たり前と言えばそれまでですが)別売で売っておらず、この太さのろうそくも、そこらには売っておらず、補充が効かないうえは、うっかり使えないという事です。実はこの点は買う前にあまり考えておらず、太めの仏壇ろうそくで代用が効く、くらいにしか考えていませんでした。まぁ、この太さに近い内径のパイプを使って、ろうそく溶かして作るという方法もありますが、それはそれで面倒くさい事で、思案中です。

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予備のキャンドルがないのが一番の問題


   買っておきながら、こんな事をいうのもなんですが、折りたたみとは言えそこそこ嵩張る事、キャンドルの予備が無い事、昔持っていたスライド式のキャンドルランタンの方が収納性がよく使い勝手も良かった事から、高いお金出して買った割には、あまり満足を得る事が出来ませんでした。まぁ、買う前はキラキラしたイメージだったのが、実際手に入れたらそうでもなくなった、というのはたまにありますし、今回は現物を手に取って買った訳でもないので、買ってみて初めて分かった部類かな、と思います。何にしても、人気のある高額商品wですので、どうにも使い道がなかったら、どなたかに高額wで譲事にしましょう。






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tanisi_corp at 20:00コメント(6)

2016年11月23日

   基本的に自分が購入対象にしているのは、戦後に作られた飯盒なのですが、今回、程度の良さそうな旧型飯盒が出品されていましたので、落札しました。しかし、これがなかなかどうして、日本の物作りの原点に触れる一品でありました。

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左は未使用のデッドストック、右はちょっと使って底が焦げたやつ
本当ならデッドストックの方を残すのですが
焦げた奴の方が比較的出来が良かったので
そちらを残す事にしました



■びっくりする出来栄え
   出品時から、この飯盒には刻印がなく、軍に卸した物ではない事。ただし、軍の制式を外れた後も民間で製造された物があるので、おそらく民生品であろうと予想していました。まぁ、ここまで塗装が残っている旧型飯盒はあまりないので、色見本としても良いかと思って取り寄せました。
   が!来てみた物を見てビックリ! 釣り手が耳金のリベッドに当たってコジコジで動かない。というかプレスが猛烈にヘタで筋が残ってたり、ヘタしたら波打ってる部分がある。縁の折り返しがいい加減で、かつ金バサミでいい加減に切りましたと言わんばかりの切り口になっている。蓋がガタガタ。塗装もいい加減で、垂れたりはみ出てたり、ムラがあったり。とにかく、東独の飯盒どころか、今の中華コピーの飯盒よりも出来が悪い。とにかく、形だけは似せました的な出来栄えです。
   特にデッドストックの方は出来が悪く、とてもじゃないが売り物にならないんじゃないかレベル。普段使いするつもりはないので、本来なら未使用品の方を手元に残すのですが、底が焦げてる方は、まだしも使えるギリギリのレベルだったので、そっちを残す事にしました。

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一所懸命、焦げを落とそうとした努力の跡が伺えます
地金の色合いから、アルマイト加工はされてない様です

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左のロ号飯盒のコピーである、キャプテンスタッグの飯盒との比較
明治期に開発された旧型飯盒の方が少し小振りです


■ともあれ使ってみる
   どんな物であれ、とりあえず一度は使ってみるのが自分のポリシーですので、早速飯を炊いてみる事にしました。問題は、一体どのくらい長い間、倉だか押し入れだかに入っていたのか分りませんが、飯盒の中が若干コショウっぽい臭いがしてました。なんでコショウなのか分りませんが、塗装が落ちない程度に洗剤で洗ってから使用しました。
   まずは、掛子の容量がいくらなのか調べてみたのですが、すり切り一杯で300g、つまり2合分の米が入りました。この辺りは使用書の通りに作ってあるのかなー、と感心したのですが、後で軍に卸したものと比較した時、量目が多い事に気が付きました。まぁ、ロゴスの飯盒よりも谷口金属の飯盒の掛子の方が深さがあって量が多かった、なんて事もありましたので、この辺り、いい加減なのかもしれません。飯盒の出来栄えを考えたら、いい加減に作ったのかもしれません。
   ともかく、底に穴が開いている訳でもなく、炊くのは普通に炊けました。ただ、蓋がガタガタで隙間が多いので、盛大に湯気を吹いてました。もしかすると、寒冷地や高地では不利かもしれません。

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掛子には300gの米が入りました
ただ、後述する大阪造兵廠製のは280gだそうで
いい加減に作った可能性が高いです

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前の持ち主は、どうやら七厘などで炭火で使ったみたいです
焚き火の場合は、煤が飯盒の胴体にもつくのですが
これは底とその少し上までしか煤が付いてませんでした

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炊いてる最中は、湯気がコショウっぽい臭いをしてましたが
そのせいか、焦げが半分くらい落ちました
落ちた焦げはもちろん、飯にくっついてたのですが(爆)



■大阪造兵廠製との比較
   旧型飯盒は、開発以来、ドイツより輸入した工作機械を用いて大阪造兵廠で製造されており、徳川慶喜公が大政奉還以来、初めて大阪城に来て、その脇の砲兵工廠を見学して、大砲そっちのけで飯盒に興味を示して、さらにはアルミニウムの人体に及ぼす影響がまだ未知と言われて、銀塊送ってマイ飯盒作らせた、というエピソードの時に見た飯盒というのが、この旧型飯盒だったのです。
   その旧型飯盒の明治43年検品の物と、この民生品旧型飯盒を比較してみたのですが、その出来栄えは雲泥の差でした。軍用の物は、非常にかっちりした造りで、アルミ板の厚みもあり、縁の折り返しも細めで丁寧、不必要にガタツクところがなく、非常に丁寧な造りです。明治43年は西暦で言えば1910年、今から106年前の製品ですが、今でも十分実用に耐え得るクォリティを持っています。
   ちなみに、この旧型飯盒の耐用年数は20年だったそうで、1930年すなわち昭和5年頃に民間に払い下げがされた様です。また、この頃には、新型の飯盒が開発されたり、それに伴って旧型の飯盒も民間で製造されたり、色々動きがあった様なのですが、今回自分が手に入れたのは、その頃に民間で作られた製品ではなかろうか、と思われます。

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左が明治43年製の大阪造兵廠の飯盒
見るからに出来栄えが良いです

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蓋の縁の折り返しの部分
大阪製のは細く丁寧ですが、民生品の方が実にいい加減で隙間開いてます

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恐るべきは掛子の縁の折り返しで
民生品の方は、缶切りで開けたみたいな出来栄えです

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上の大阪製のは、民生品の掛子より薄いです
恐らく、大阪のが正解の量目だと思います

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アルミの厚みが大阪の方が厚く
そのため、非常にかっちりした造りになってるのに対して
民生品の方はちょっと力入れたら、歪みそうです

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大阪製のは、蓋と本体に隙間がありませんが
民生品のは、隙間だらけでガタガタです

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耳金の形状の違い。民生品は大きくガサツです
軍に卸したものでも民間工場で製造した物は
耳金が大きい物があって、やはり釣り手が引っかかって回りにくいとか

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革通しの位置
民生品の位置では、背嚢のストラップを通すのが大変です

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というか、革通しの隙間が狭くて
まずストラップが通りません


   昔の日本製品は「安かろう悪かろう」といって、とにかく粗悪品の代名詞であった訳ですが、まさにその時代の製品だった様です。しかし、それより20年も昔であっても、ドイツから機械と技術を取り寄せて作った製品は、100年も持つ高いクォリティを持っています。
   察するに、工業の黎明期にあっては、ミリタリーイシューはその国のトップレベルの技術力が使われており、民間企業にはまだまだ技術が伴わなかった、という事なのでしょう。日本製品が世界に覇を競える様になるのは、戦後にシステム工学が導入され、模倣品を脱した後からです。この民生品旧型飯盒は、それを遡る日本製品の始祖の一つなんだろうな、と感じました。






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tanisi_corp at 20:00コメント(2)

2016年06月29日



   以前紹介したベルリン警察飯盒が、御徒町の中田商店でゴロゴロ売られていた頃、崩壊して間無しの東ドイツの軍装が大量に入って来ていて、はやりゴロゴロ売られていたのが、この東ドイツ軍の飯盒です。ベルリン警察飯盒と同じく、旧ドイツ軍の飯盒の系譜にありながら、あまりのチープな作りに、ベルリン警察飯盒より少し安い値段で売ってた様に記憶しています。

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あちこち塗装が剥げていますが
中身はキレイでしたので、デッドストック品の様です


■見た目と造り
   上にも書いた様に、東ドイツ軍飯盒も旧ドイツ軍のKochgeschirr31の後継に当たる飯盒です。詳しい歴史は分らないのですが、海外のサイトによると、当初、内務省の部隊で使われていたのは、ほぼ旧軍の飯盒だった様です。次にハンドルのストラップを通す穴の上の穴が廃止されて、次に下も廃止されて、この形になった様です。そして、掛子についてるハンドルも、初期型はアルミ板だったのですが、あとでワイヤータイプになったそうです。かつて中田商店で買ったのも、今回改めて調達した物も、ハンドルに革通しがなく掛子のハンドルはワイヤーのタイプですので、後期型という事でしょう。
   さて、物は御覧の通りなのですが、正直、出来が良くありません。東ドイツは当時の東側諸国の中では優秀で「東欧の日本」なんて言われてたそうですが、アルミの材質も悪そうだし、それ以上にハンドルの立て付けが悪くガタガタだったり、蓋がガタガタと、とりあえず形だけ飯盒にしました的な出来栄えです。この飯盒がいつ頃の製造なのか分りませんが、恐らく東ドイツ崩壊の少し前のデッドストックでしょうから、その頃には国だけでなく工業力も左前だった、という事なんでしょうか。
   しかし、物の出来栄えとしては、おそらくこの辺りがヨーロッパ標準なのかも知れません。それが事項以降で検証したいと思います。

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塗装が剥げているのは仕方ないとして
蓋のハンドルの塗装がいい加減になってるのは
なんだかなぁ〜〜と感じました

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東ドイツ軍飯盒は、蓋と掛子を連結する事が出来ません
別個に食器もしくは調理器具として使うのを想定しています

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飯盒本体には、500mlおきの目盛りがあります
釣り手のセンターは軽く凹みがある程度で
飯盒を棒に吊るしたら、簡単に左右にずれそうです


■ベルリン警察飯盒との比較
   似た様な形してる飯盒、という事でベルリン警察飯盒と比較してみます。といっても、東ドイツ軍の飯盒は、東ドイツが崩壊するまで生産されていたのに対して、ベルリン警察のはせいぜい1960年代くらいまでの製品です。どんな物でもそうですが、始めの頃は造りが良かったり材質が良かったりするもので、後になれば経費節減とかで悪くなって行く傾向にあります。それを踏まえた上で、厳しく比較していこうと思います。
   まず、材質ですが、これはどっちもどっちかな、という印象を持ちました。アルミニウムにも色々ランクがあるようですが、基本的には火に掛ける物ですし、穴が開かん程度の材質って事でしょう。仕上げも同じ様な感じで、蓋でスパムとか焼いたら、漏れなく焦げ付くだろうなー、という仕上げでした。
   問題は造りの方で、ベルリン警察飯盒の方は、蓋も掛子もあまりガタツキがなく、蓋のハンドルもカッチリしてるのですが、東ドイツ軍飯盒の方はもうガタガタです。まぁ、ドイツ人は飯盒でメシ炊いたりしないでしょうが、東ドイツ軍の飯盒だと、蓋の隙間から蒸気漏れまくりで、とんでもないメシが炊けそうです。とはいえ、ベルリン警察の飯盒は、そこそこピッタリしてる訳ですから、物作りに対する姿勢が、西と東では全然違ってたという事でしょう。同じドイツ人にして、主義思想の差がここまで影響するのか、という感じです。
   飯盒本体はそれでも大きな差はないのですが、顕著に違うのは掛子です。ベルリン警察の飯盒の掛子はハンドルに連結して使う様になっていますが、東ドイツ軍のは掛子にもハンドルが付いています。そしてそのハンドルの付け根に、蓋のハンドルの爪を入れれる様になっています。配食を受ける時は、蓋と掛子のハンドルを指で掴んで、バラけない様にします。どちらが使い勝手良いかは意見の分かれる所だと思います。掛子としての容量はベルリン警察の方が深いので多いです。
   上にも書いた様に、ハンドルの形状も異なります。ベルリン警察飯盒の方は、背嚢に縛着する為の革通しがあるのですが、東ドイツ軍飯盒では、革通しが省略されています。そこで、東ドイツ軍の野戦の軍装を色々調べてみたのですが、どうやら何回かの変遷を経て、第二次大戦当時とは野戦装具が大分変化してて、飯盒を背嚢などに縛着しなくなっていった様です。つまり、縛着しないから革通しは要らん、という事になったのでしょう。

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左が東ドイツ軍飯盒、右がベルリン警察飯盒
外見的な違いは、ハンドルの革通しの有無と釣り手の凹みの有無
大きさはどちらもほぼ同じです

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蓋についてるハンドルは、ベルリン警察の方がしっかりしています
東ドイツのは、うっかりすると取れそうですw

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蓋と掛子は連結出来ますが
各々のハンドルを手で押さえないといけません


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掛子は、ベルリン警察の方が深さがあります

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釣り手の耳金の違い
東ドイツ軍のは、旧軍のに近い形をしています



■日本製飯盒との比較
   これまた比較としてはハンデのある比較ですが、日本製のキャプテンスタッグ(ロゴスと同様、オオイ金属製)の飯盒と比較しました。材質、仕上げともに、比較にならないほど、日本製の方が上です。実はこれは今に始まった事ではなくて、シベリア抑留の時には、ロシア兵からだけでなくドイツ兵からも日本の飯盒は盗まれるほど、出来栄えが良かったそうです。
   もちろん、日本の飯盒には蓋にハンドルが付いてませんので、ガタガタする部分が少ないというのもあるのですが、やっぱり飯盒の肝は飯盒本体であると思います。それゆえに、材質が悪そうだったり、仕上げが良くないというのは、持ちの悪い感じがしても仕方ない事です。
   もっとも、それではベルリン警察飯盒は出来が良いのか、というと、東ドイツ軍のよりガタツキが大幅に少ない、というだけで、上にも書いた様に材質や仕上げにはそれほどの差がありません。ついでに言うと、イギリス軍のメスティンや、チェコ軍のメスキットも似たり寄ったです。つまり、日本の飯盒の出来栄えがダントツに良いだけの話しで、欧米の軍用のメスティンは、総じてそんなもんなのかもしれません。とはいえ、東独のは出来が酷いですが。

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出来栄えの違いは、見た目で歴然
日本製のは薄くて頑丈で、キレイです

20160629_114255
こういってはなんですが、東ドイツのは直ぐ凹みそうなんですよね
とはいえ、これはこれで、今や貴重品ですから
使わずにコレクションしますw






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tanisi_corp at 20:00コメント(4)
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