たにし野営部

2019年05月01日

 キャンプ用のスリーピングマットは、長らくカスケードデザインのサーマレストを愛用しています。そのサーマレストも、現在使っているのは2代目なのですが、実はこれを買ったのはかれこれ10年ほど前に買ったものです。今は色んなバリエーションがあり、プロライトも上下がもっと丸っこくなっていますが、買い換えなかった(と言うか、この記事書くまでカタログも見なかった)のは、使用上全然問題がなく、どこも壊れも破れもしてないからです。今回は、そんな旧タイプのサーマレスト・プロライトプラスを改めてレポートします。


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まだ上下があまり丸っこくなる前のモデルです





■これを買った訳

 プロライトプラスを買う前にもサーマレストを使っていたのですが、それは今の分類では「Camp & Comfort」にカテゴライズされる若干重めの物で、それを買った当時はそれしかなかったのですが、その後、よりライト志向のプロライトが出た時にこれにのりかえました。継続してサーマレストにしたのは、収納サイズのコンパクトさと、寝心地の良さからです。特に素敵なのは収納サイズで、テントスリーピングバッグと同じ様なパッキングサイズであるのが決定的でした。ちなみに、現在は車中泊装備として、常時トランポに積んでいますが、スリーピングバッグと一緒にRVボックスに収納できるので、やはり有り難いです。

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収納サイズはとてもコンパクト

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圧縮した状態でカバーに入っています

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空気を抜いた状態で広げるとこんな感じ
バルブを開けて放っておくと、勝手に空気が入るとの事ですが
大抵は口で空気を入れています

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厚みは3.8cm、厚みの良さは寝心地の良さです


■使い心地

 昔はロールマットを使っていたのですが、サーマレストが圧倒的に有利な点は、その寝心地です。試しに、嫁さん用に買ったサーマレスト・リッジレストと寝心地を比べてみましたが、その差は歴然。1.5cmと3.8cmの厚みと柔らかさの差で、圧倒的にプロライトの方が寝心地が良かったです。
 ただし、個人的な問題としては、自分が持っているのは横幅51cmですが、肩幅のデカイ自分が寝ると、両腕がマットからはみ出て胸を反らした様な格好になって、ちょっと寝苦しいです。まぁ、これはサーマレストが悪い訳でなくて、自分の図体がデカイからなのですが。

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リッジレストとの比較
厚み以外の縦横サイズは同じです
つまり、“R”サイズです

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自分が寝るとこんな感じ
なのでいつも胸の前で腕をクロスする様な格好で寝てます

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あまりパンパカに空気を入れると
反発されて返って寝にくいので、空気を抜いて調整します



■畳み方

 サーマレストは空気を入れて使うのですが、収納する時は空気を輩出して巻いて畳まねばなりません。しかし、中にウレタン材が入っているので、適当な巻き方をするとカバーに収める事が出来ません。また、二つ折りにして畳むのですが、内側に来る面はどうしても余って寄れますので、いい塩梅に引き寄せて畳んでいく必要があります。
 実際の畳み方としては、少し巻いたら膝で押さえ付けて空気を抜き、また巻いて膝で押さえ付けて、と言うのの繰り返しになります。余談ですが、レースの前夜に車中泊をして、サーマレストやスリーピングバッグをそのままにしてレースに出て、転けて肩を負傷してしまった時、これらを畳むのにとても難儀して以来、朝起きたら用済みになった寝具は先に畳んで置くようになりました。

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バルブを開けて、まず半分に折ります

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内側はよれてくるので、手繰り寄せつつ巻きます

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膝で踏んで空気を押し出しながら巻いていきます

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巻き終えたら、バルブを閉めて、さっさとカバーに入れます


■重さ

 昔のサーマレストは、コンパクトで寝心地良い代わりに、重たいと言うのが欠点でした。しかし、年々改良されて、昨今のは1000gをはるかに切る様になりました。試みに自分が持っている旧型のプロライトプラスの重さを計ってみたところ、742g、対するリッジレストは438gと、わずか300gくらいの差しかありませんでした。これなら、よほどのウルトラライト信者でもない限り、予算に余裕があるならプロライトの方を選ぶのではないでしょうか?

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収納サイズの差
リッジレストはプロライトの倍くらいあります

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重さは300gしか違いません
値段の差は性能の差というべきでしょう








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tanisi_corp at 00:00コメント(0)

2019年03月15日

 車中泊用の照明としては、これまでキャプテンスタッグのキャンピングスクラムランタンLED化したのとか、高輝度30灯スクエアLEDランタンといった電池式のものを使っていたのですが、今回初めて充電式の投光器を買いました。というのも、コールマン286Aよりもコンパクトで明るく、点灯する手間もなく、こりゃ良いなと感じたからです。これもまた、時代の進歩というべきでしょう。



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日本での取り扱いはグッド・グッズという会社ですが
製造は中国の様です





■まず見た目

 この照明器具は、ランタンでもライトでもなく、投光器というカテゴリーの灯器なのですが、ランタンとライトの両方の機能を併せ持った照明器具です。サイズは幅が171.6mm、高さが126.8mm、厚みが45.9mm、重さは450gとランタンとして見た場合、相当にコンパクトです。
 ボディは写真の通り、黒と黄のカラーリングで、恐らく工事などで使うイメージでしょうか。落としても壊れない様に黄色い部分がプロテクターになっています。材質はアルミ合金とABSとの事。生活防水仕様とあるので、雨程度なら濡れても大丈夫な様です。背面にハンドルが装備されていて、これは手持ちや床置きで使う他に、あとで述べますがスタンドにマグネットが入れてあって、鉄部に貼付ける事も可能です。

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投光器としては小型の部類に入ると思います
結構がっしりした造りです


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本体の大半はバッテリー(3.7V 4400mAh)といっても差し支えありません


■使い方

 スイッチは背面にあり、点灯モードは「ハイモード→ローモード→SOSモード→フラッシュモード」の5段階で、まず1回押すと電源が入り、2回連続でハイ、3回連続でロー、4回連続でSOS、5回連続でフラッシュ、と変える事が出来ます。こう書くと面倒臭い感じですが、スイッチをカチカチ押し入ればそれとなくモードが変わるので、そんなに難しくはありません。消灯の仕方は、各々のモードで5秒以上点けていれば、1回押すと消えます。
 この投光器の面白いところは、バッテリー残量がLEDのインジケーターで分かる事で、使用時また充電時にあとどの位の時間、使える/掛かるというのが、一目で分かる様になっています。ちなみに、説明書には満充電でハイモードで約3時間、ローモードで約6時間、連続使用できると書かれています。充電時間は約4〜5時間。電池寿命は約1000回だそうです。
 ちなみに、開封時にランプ4つが点灯するほど充電されていました。

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防水仕様だけに、充電器の差し込み口やUSBの部分には
カバーが取り付けてあります


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バッテリー残量が分かるインジケーターがあるの優秀です


■スタンドの使い方

 背面に装備しているスタンドは45度の角度ずつ可変する事が出来ます。基本的には床置きで使うのを前提としていると思うのですが、手持ちにすればライトの代わりにもなります。
 このハンドルには、N45マグネットという強力なマグネットを3個装備しているので、鉄部であれば貼付けて使う事が出来ます。といっても立て向きなら落ちてくる事はないのですが、横向きだとズルズルと落ちてきます。この手のライトにマグネットを付けると便利なのは、高輝度30灯スクエアLEDでも経験していますので有り難い機能です。

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4番はむしろ天井を照らす使い方でしょうか

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自宅の洗濯機に付けてみました
自動車にも同様に付けれるでしょう

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マグネットは意外に強力ですが
横向きには使えませんでした




■実際の明るさ

 明るさは2500lmという事ですが、レビューなどを見ているとその明るさは出ていないと書いている人が多いです。しかし実際に使ってみると、結構明るいです。ローモードでも十分な明るさです。先日、駐車場用に買ったセンサーライトよりも明るい感じです。
 LEDがいわゆる一つ目なので、光が届く範囲が狭そうなイメージがあったのですが、これはどうも古い時代のLEDの印象だった様で、テントやトランポの荷室を全体的に照らす様な明るさを持っています。
 これまでキャンプの主力で使ってきたコールマン286Aと比べると、明らかにこちらの方が明るい。むしろ、まったり夜を過ごしたい時などには、明る過ぎるとは思うのですが、最近のキャンプはレースの前夜のテント宴会がメインなので、むしろこの位の明るさが求められるので、丁度いいくらいでしょう。

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自宅の玄関でローモードで照らしました
これだけ明るければ十分です

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真っ暗の中での光の広がる範囲はこんな感じ

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写真では分かりにくいですが
奥のセンサーライトより明るめです

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このくらいの明るさがあれば
ちょっとした作業なら十分こなせます


■その他

 この投光器は、USB出力を持っていて、スマホなどの充電やその他の機器の電源として使う事が出来ます。あれば便利な機能なのでしょうが、照明器具としての役目を負わせている時に、モバイルバッテリーとしては使わない気がします。そもそも満充電でローモードでも6時間くらいしか持たない訳ですし、電池式の様に電池を交換したら使い続けれるという訳にも行かないので、なおさらです。
 その意味で、この投光器は防災用としては使えないと考えています。停電してるであろう被災時に、使い切ったら充電するなんて事は出来ないでしょうし、その意味では電池式やガソリン式のランタンの様に使えません。この辺りはそもそも用途が違うと割り切る必要があります。
 ローモードでも連続使用時間が約6時間というのは、コールマン286Aが8〜15時間もつ事を考えれば、少々物足りない感がありますが、レースの前夜に一晩中起きてる訳にもいかないのですから、むしろ寝るまでには十分持つと判断しました。また、トランポに常時搭載していつでも使える様にする、という使い方ではなくて、泊まりレースの時に充電して持って行くという使い方がメインであれば、充電式でも差し支えない、という風に考えています。
 コールマンのランタンでは、嵩張るし、点火に手間が掛かるし、と何かと忙しいレース前夜では、やや面倒であったのですが、この投光器ならスイッチ一つで点きますし、結構明るいですし、そういう状況でのニーズに十分応えてくれます。多くの人が高い評価をしていますが、なるほどな一品です。

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iPhoneも充電出来ます
夏場はUSB扇風機の電源として使えるかも

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このコンパクトさ、さっと使える簡単さは有り難いです









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tanisi_corp at 00:00コメント(1)

2019年03月06日

 米飯全般の大敵は寒さで、寒いとすぐに飯が冷えてしまいますし、寒すぎると凍結してしまいます。まぁ、そんな時に飯盒で飯など炊かなくても良さそうなも のですが、それでも炊かなきゃならないと自覚したのが、先日のクロスミッションAVDでの前夜。結局、マイナス4度の早朝に炊く事になり、失敗したのです が、あの時に初めて飯盒覆の必要性を感じました。
 そこで今回、オークションに出ていた陸上自衛隊の飯盒覆を入手しました。



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こちらが飯ごう覆
雪国で使う用なのか、白色です



■自分が小学校4年生の時の物

 旧日本陸軍は極寒の満州で活動する関係で飯盒覆を使っていたのですが、陸上自衛隊でも防寒用の飯盒カバーを制定されていました。正式名称は「防寒用飯ごう覆」というもので、明確に防寒用と称しています。もっぱら北方の部隊に配布されてた様ですが、飯盒の仕様変更にともない、平成14年3月31日に廃止されています。かれこれ17年も前には、厳冬期でも飯を凍らせないか、別の物を食べる方針になった、という事です。
 届いたものは、昭和53年度納入のものらしいのですが、若干のシミがある程度でとても奇麗なものでした。全然使ってないのか、それとも性根入れて洗濯したのか分かりませんが、一応、名前が書いてあったらしいので、部隊に配布されたものなのでしょう。納入会社は丸紅との事。昭和53年といえば、かのロッキード事件の2年後で、自分も子供ながらに丸紅ルートなどの言葉を聞いた事があるのですが、その丸紅がこんなものを作ってたのは意外でした。
 飯ごう覆の内側はキルティングが縫い合わせてあり、いかにも防寒用っぽい感じです。

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投じは防衛庁でしたね
消費税もまだなかった時代でした

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蓋はホック留めです
若干シミがある以外はキレイです


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中はキルティングです
中もとてもキレイでした。全然使ってないのかも


■使用感

 陸上自衛隊の飯ごう1型は、釣り手がスライドして飯ごう本体に沿う形で収納できるスタイルをしています。その為、釣り手が邪魔にならず飯ごう覆に入れる事が出来ます。もっとも、覆いの口は若干タイトに作ってあるのか、釣り手の耳金の部分が引っかかる感じですので、いい感じに寄せて引っ張って入れます。入れると中はそれなりに余裕があります。覆いの蓋はホックで止めます。覆いの背の部分に革通しが設けてあるのですが、おそらく背嚢の物入れに入れず、外に縛着する為のものでしょう。
 さて、自分は旧軍の飯盒、すなわち兵式飯盒が好きなのですが、こちらは釣り手がスライドしないので、この手の覆いに入れる時は、間違いなく釣り手が邪魔になりそうです。もしかしたら入らないかも?と思ったのですが、入れてみたら案外すんなり入ってしまい、しかも中が余裕があるお陰で、パッツンパッツンにもならず、いい感じです。

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飯ごう1型は釣り手が邪魔になりません

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当たり前ですが、いい感じにすっぽり入ります

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兵式飯ごうの釣り手は
こういうのに入れる時は結構邪魔です


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しかし、いい感じに入りました


■保温性能

 この飯盒覆、保温用として使えるのか気になっていました。幸い、飯盒入れても余裕があるので、ハクキンカイロを入れて試してみました。飯盒に炊きたてのご飯2合分を入れ、底と上にハクキンカイロをセットし、気温9度(といっても体感的にはもっと寒く感じましたが)の玄関に一晩置きました。想像というか、朝になってもせめてほんのり温かい飯が出てくるのを期待してました。
 結果は、すっかり冷や飯。しかも、ハクキンカイロはまだまだ温かいはずなのに、ちょっと冷たい。燃料が切れたとかではなく、冷えた飯盒に冷やされた格好です。しばらく手の中に入れてたら、また温かくなってきました。一応はキルティングがしつらえてあるものの、それは長時間にわたる寒気の中では保温性を発揮ないし維持は出来ない様です。
 自分が期待した様な保温性が必要なら、やっぱり保温保冷バッグの様な物の方が良さそうです。

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内部に余裕があるので、ハクキンカイロを入れる事が出来ます
底、背面、上の3カ所に入れれます


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さっそく実験開始
底と上にハクキンカイロを仕込みました


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玄関に一晩置いて、どの程度飯が冷めるか、、

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物の見事に冷や飯になってましたw


■「防寒用」の意味

 ここで改めて考察。この飯ごう覆は、「防寒用」であって「保温用」とは書いていません。しかし、防寒とは実際にはどういう事を意味するのか。飯盒自体が寒がる訳ではないので、飯盒が寒くなっては困る人が防寒の為に使う、という事です。とはいえ、上記の実験の様に、さしたる保温性はないので、これに温食を入れても、直ぐに冷めてしまうのは明らかです。
 そこで自衛隊関係の人が教えてくれたのは、迷彩のためと、温食を給与されて食べる間に冷めないため、という事でした。なるほど、そういう意味での「防寒用」だった訳です。つまり、自分が期待してた様な「保温性」はそもそも想定されてなかった訳です。
 もっとも、保温は出来なくても、凍結しなければ、それはそれで立派な事です。既に一番寒い季節は過ぎてしまいましたので、次の冬に一晩外に放置して、どういう風になるか試してみようと思います。

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これらも消え行く「昭和」の遺物になるんでしょうね









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tanisi_corp at 00:00コメント(0)

2019年01月15日

 自衛隊の飯ごう2型は結構人気があるようです。ようです、というのは、当協会の中の人自身はあまり高い評価を与えてないので、あまり気に留めてなかったからです。逆に、ニュートップの3合飯盒には高い評価を与えているのですが、今回は大きさの似たこの二つの飯盒の比較をし、かつ、こうして欲しかったといった点を論じてみようと思います。

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大きさはほぼ同じ
故に、ソロクッカーとして人気のある飯盒です


相当人気があるようで、市場在庫は払底
再販のめどもない感じらしいです


■容量の比較
 各々の飯盒のインプレは個別の記事を参照してもらうとして、今回は各種見地からの比較を行います。
 まず、容量。飯ごう2型も3合飯盒も、4合炊きのフルサイズの兵式飯盒と比較すると、パッキングサイズは2/3ほどです。しかし、飯盒本体となると違いがあって、飯ごう2型は2合炊きなのに対して、3合飯盒はその名の通り3合炊きですので、3合飯盒の方が高さがあります。
 ソロクッカーとして考えた時、一度にご飯を2合も3合も炊く人はあまりいないと思うので、1〜1.5合くらいで炊くと思うのですが、ご飯を炊くとなると、1合であれ2合であれ、底の深い方が炊き易いので(特に吹きこぼれの点など)、その意味では3合飯盒の方が使い勝手が良い、という風に自分は見ておりました。ついでに言うと、インスタントラーメンも飯ごう型より3合飯盒の方が煮易いのですが、これも飯盒本体の高さに由来する使い勝手の差です。

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本体の違い
飯ごう2型の方は、もはや食器といった方が良さそう
3合飯盒の方は、煮炊きと食器のギリギリの線を狙った感じ



■蓋と掛子
 飯ごう2型の大きな特徴は、ドイツ軍の飯盒に範を取ったと思われる蓋のハンドル。ちゃんと掛子を引っ掛けて使う事が出来ます。個人的には、ただのワイヤーでなく、もちっとしっかりしたのを付けて欲しかったところで、実際に持ってみると、なんかスカっと落としそうな気がしてならない。文句言うより慣れた方が良いのかもしれませんが、飯を炊く時に蓋のハンドルが邪魔でしょうがなく感じる自分としては、別に無くても良かったかなという風に感じています。この辺り、食器として使うか調理器具として使うか、考え方の分かれるところだと思います。
 対する3合飯盒の方は、脱着式のハンドルです。脱着式のハンドルの飯盒は他にもありますが、3合飯盒の物は実にしっかりしてて使い勝手が良い。飯盒の蓋だけでなく、中鍋にも使えるのですが、察するに、飯盒で飯炊いたあと、中鍋でラーメンでも煮て食う時に、使い易くするために付けたのでしょう。飯盒をソロキャンプで使う人が、その使い易さを追求しまくったのが、ニュートップの3合飯盒だと感じています。
 このハンドル、初代の3合飯盒を捨てたあとも、中鍋と一緒に長い間使っていたのですが、何度目かの引っ越しのドサクサにまぎれてどこかに行ってしまいました。部品点数が多い、脱着部分が多いというのは、紛失の原因にもなりますし、その意味で飯ごう2型が脱着式のハンドルを採用しなかったのは、十分理由のある事であると思います。

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蓋の違い
3合飯盒は普通の兵式飯盒の厚み
飯ごう2型の方は、少々厚みがあります

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飯ごう2型の方は蓋のハンドルで掛子が連結できます
3合飯盒は中鍋にもハンドルが使えます

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ドイツ軍では配食の際にこうして飯盒持ってましたが
飯ごう2型のワイヤーハンドルだと
なんか落としそうで不安があります


■釣り手の問題
 自分が飯ごう2型で一番問題にしているのは、あの無駄に長い釣り手。前回のレポートでも、吊り下げた時に、レギュラーの兵式飯盒と底の位置が同じくらいの高さになる様にするためか?と推測したのですが、本当のそうらしいです。しかし、ほぼほぼ食器としての機能を追求したのであれば、この点は思い切りが足りなかったと言わざるを得ません。
 そもそも、飯盒自体の大きさに対して、釣り手が長い訳ですから、収納時にはかなり邪魔なんじゃなかろうか、と思います。この点、実際に使ってる人の感想を聞いてみたいところです。もし、自分が飯ごう2型を常用するとしたら、釣り手は外して使うと思います。よく無くしてしまうアイテム、なんて書かれているところをみると、現役の兵隊さんも外して使ってるんじゃないでしょうか。
 自分個人としては、釣り手は3合飯盒や旧軍の将校飯盒みたいに、蓋をロックする機能を持ったやつにして欲しかったと思います。これはこれで焚き火に掛けれんという訳でもないですし、飯盒本体の高さと釣り手の長さが同じですから収納にも困りません。そして蓋がロック出来るとなれば、良いとこづくめじゃなかろうかと思う訳です。

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そのうち、飯盒1型は完全に姿を消す訳で
そうしたら、レギュラーサイズの飯盒に合わせて
釣り手を長くする必要もなかったと思うのですが…

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だったら、釣り手が蓋をロック出来る構造の方が良かったと思う
もっとも、3合飯盒の方も、凡ミスなのか
ロックの位置が残念な所に出来てますが



■食器か鍋釜か、飯盒の将来
 飯盒それ自体は、そもそもは煮炊きの為の鍋釜として開発されたのは疑い様も無いのですが、軍隊の野戦での給与のあり方が変化していって、次第に食器としての需要が高まって行ったのは、飯ごう2型の姿形から、十分に推測する事が出来ます。飯盒は、鍋釜なのか食器なのか、それは運用する側の事情によって異なってくると思います。
 自分は、飯盒はあくまで飯を炊くのが主目的であって、食器としての活用は、片手鍋でラーメン煮てそのまま食べるのと同様の位置づけでありますので、より食器よりに作られた飯ごう2型は、飯盒としては役不足に感じています。その一方で、ソロクッカーとして見た時、4合炊きの兵式飯盒は確かに容量オーバーであるのも認められるところです。
 ソロ用の煮炊きの鍋釜として、かつ食器としても使え、飯だけなく副食も作る事を想定して、すべてをオールンワンにしたニュートップの3合飯盒は、日本の飯盒がたどり着いた最高傑作であったと自分が評価するのは、上記の要求を全て満たしているからです。
 もっとも、その3合飯盒は、メーカーが消失して既に数十年、もはや市場在庫もほぼなく入手は不可能です。飯ごう2型が人気があるのは、やはりコンパクトなソロ用の飯盒であるからでしょうし、かつ現用装備である事から、品薄であっても入手は不可能でないからでしょう。炊飯の機能も、トランギアのメスティンに比べれば遥かに使い易い訳で、その意味で人気があるのはもっともな事だと思います。

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確かに、食器として考えるなら
このくらいのサイズの方が食べ易いのは事実です

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掛子に仕切りまで作ってある3合飯盒は、確かに凄いですが
無くし易い欠点もあります

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好み、使い方、コスプレの時代設定、などなど
必要とされる要素は、人それぞれ
好きな様に使って、入手困難な物はある時買いしましょう










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tanisi_corp at 11:00コメント(2)

2018年09月06日

   缶入りの固形アルコール燃料は、旧日本陸軍で開発され、その後、自衛隊でも採用され、かつ現在においてもキャンプ用や防災用として、ホームセンターに売られています。一般に火力が弱いとされるアルコールの固形燃料(携帯燃料)が、未だに命脈を持ち続けているのは、まずもって壊れない構造である事、マッチ1本で着火が可能な簡便さが認められての事だと思います。

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今回は、ホームセンターで良く見かける
ニチネンのトップ缶250gを使用
他のメーカーのでも、中身自体は大体同じで
ゴトクの形状が違うくらいの差しかありません

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使い方は至って簡単
蓋を開けて、マッチで点火して、ゴトクを置くだけ
蓋さえしっかり閉まっていれば
中が揮発する事もありません

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ゴトクも意外と頑丈で
4合炊きの飯盒はおろか、4リットルのヤカンでも載ります

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使い終わったら、蓋をする前にゴトクをどかさねばなりません
ペンチなどを用意しておく必要があります

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消火は、蓋を逆さに被せます
缶が暑いうちに蓋をはめると、気化したアルコールで
蓋が吹っ飛んでびっくりします



■缶入り携帯燃料の火力の実際
   固形燃料は火力が弱い、と言われるのですが、では具体的にどの程度弱いのかを検証しました。4合炊きの飯盒で、何分でご飯を炊く事が出来るかで試しました。条件は無風の室内で気温27度としました。屋外では明らかに不利な熱源ですので、屋内専用とみなしての事です。
   点火した携帯燃料に、おもむろに飯盒を乗せます。携帯燃料は火力調整のしようがないので、あとは炊きあがるまで放っておきます。問題はいつ炊きあがるかで、まずグツグツ言い出すまでに13分を要しました。しかも、この段階ではまだ沸騰していなくて、まったく湯気も出ません。さらに待つ事、5分半、ようやく湯気を吹き出し始めました。そこから重湯が引くまで待つ訳ですが、これがいつまで経ってもなかなか引かない。結局、11分少し、トータルで30分そこらで切り上げましたが、その時点でもまだ重湯は残っていました。
   結果、出来上がったご飯は、辛うじて米粒が確認できるけど、あと少しでお粥になるんではないか、というほどのベタ飯で、まったく話しにならない出来映えとなりました。つまり、この手の缶入り携帯燃料では、4合炊きの飯盒炊飯をするには、明らかに火力不足である事が分かります。


飯盒を乗せてから、18分してようやく吹き出しました
これではベタ飯確定です

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実測値
ラップ3は重湯が引くまでの時間ですが
これでもまだ重湯が残ってました

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ご飯の真ん中が凹んでいるのは
残った重湯が溜まった跡です

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べったべたのご飯です
一応、「食べれる」ご飯ですが、「美味い」ご飯にはほど遠いです



■湯立て法で対策
   固形燃料で飯盒を使うのは、正味の話し、あまりお勧め出来ないのですが、それでも缶入り携帯燃料しかなかった場合に備えて、どうにかまともなご飯が炊ける工夫をしました。湯立て法というのは、沸騰した湯に洗った米を入れて炊く方法で、これなら水が沸騰する間、米はなんら影響を受けませんから、上記の様なベタ飯になる可能性が低い炊き方です。

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水は700ccを飯盒に入れます
米は4合、予め洗ってザルに入れておきます

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蓋をして沸騰させるのですが
タダの水からボコボコ言わせるまでに時間が掛かります

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水が沸騰したら、研いだ米を入れて蓋をして放置します


   とは言え、缶入り固形燃料だと、たった700ccの水を沸騰させるのに、約12分もかかりました。水と米を同時に入れる炊き干し法だと、この間に米がふやけてしまう様なもんですが、湯立て法はこの間は米は何の影響もありません。
   沸騰してから米を入れて蓋をして待つ事、約8分。やっと湯気が吹き出しました。湯気が吹くまでの時間は、炊き干し法の時と大して差がありません。ところが違いはここから重湯が引くまでの時間で、湯立て法では約4分で重湯が引き、トータルタイムで5分短縮という結果になりました。
   出来上がったご飯も、炊き干し法で炊いた時のベタ飯でなく、それなりにしっかりしたご飯になりました。しかし、その味は、米の味というより水の味で、火力が弱すぎてα化があまり進まなかった時のご飯の風味です。炊飯器の下くらいの出来映えです。むろん食べれはしますが、美味い飯とはほど遠い出来映えでした。

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湯立て法だと、5分ほど時間が短縮しました
その分、燃料も節約できる訳です

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ぱっと見、炊きあがりはそれなりにしっかりしてます

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食える飯としては炊けました
ただ、お味は今ひとつ


■缶入り携帯燃料の使い道
   湯立て法で辛うじてまともなご飯を炊けたのですが、それでも缶入り携帯燃料の火力では、荷が勝ちる事が分かりました。以前、2合炊きでチャレンジした事がありましたが、結果は多少マシなだけで、さほどの差はありませんでした。
   大きな飯盒で4合ものご飯を炊くのは大変でも、小さいクッカーで1合や2合炊くのであれば、また勝手は違ってきます。要するに、それなりに小さいクッカーであれば、缶入り携帯燃料でも活躍の余地はあります。また、時間は掛かるとはいえ、水を沸騰させる事は出来ますので、レトルト食品や缶詰、ハイゼックス炊飯袋などを温める用途には使えると思います。

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飯盒の底への火の当たり具合は
広くて良いのですが、如何せん、やっぱり火力が弱いです






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