過去の大記録を振り返ると、大体2年おきくらいに梅干しを作っている様です。まぁ、普段はあまり食べたないので、早々は減らないのですが、今回は長らくお世話になった人が退職されるという事で、在庫を差し上げましたので、5回目になる梅干し製造となりました。


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甕の中に残ってるのは、2年前の梅干し




■今回は貰い物

 これまでの梅干しは、スーパーで売ってる梅を使ってきました。売り物だけに、実に傷やシミのない綺麗なもので、当然、仕上がりも綺麗になります。しかし、昔、ばーちゃん家で食べた梅干しは、シミのあるのも結構あった様に思います。
 今回は、嫁はんのご実家から青梅を貰う事になりました。いつも栗を送ってもらっているのですが、栗ができる様な所は、梅もできるのです。送ってもらった量は、約6キロ。既に2キロは予約が入っていましたので、4キロ分がウチ用です。傷んでるものを弾いて、それは梅シロップに回し、あとはバケツにし梅と新聞紙を交互に重ねて、3日間、黄熟させます。

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梅を選別したあと、新聞紙で段々に重ねて、黄熟させます
3日ほどしたら、黄熟します


■作業の困難さ

 3日もすると、バケツからは良い梅の香りがしてきます。黄熟させるのは、梅肉を柔らかくする為で、カリカリ梅が欲しければ青いまま漬けても構いません。もっとも、黄熟した状態ではまだ固いのですが。
 バケツから梅を出して、ざっと水で洗って水気を切り、竹串や爪楊枝で、梅の実から軸を取り除いたら、いよいよ漬け込み作業開始です。
 準備するのは、梅の総量の20%の粗塩、ホワイトリカーです。ホワイトリカーはでかいパックのでしか売ってませんが、それを使い切る事は絶対なく、数年前に買ったのを毎回使ってる感じです。塩が20%というと、仮に梅の総量が5キロだとして1キロの粗塩が必要という事になります。
 梅をホワイトリカーに潜らせて、塩を入れたボウルに梅を入れて塩をつけ、バケツに綺麗に敷き詰めていきます。塩が余った時は、敷き詰め終わった梅の上から振りかけて使い切ります。
 この作業が済んだら、梅を入れたバケツを、でかいごみ袋の中にいれ、梅の上にバケツのサイズくらいの皿を置いて、重石を乗せます。重石は水入りのペットボトルなどで構いません。バランスよくペットボトルをおいたら、ごみ袋の口を括って、放置します。

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いよいよ作業開始です
塩の量がすごいです

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ホワイトリカーで湿らせた梅に塩をまぶし
平らになる様に並べて重ねます

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皿を乗せて、重石します
翌日から梅酢が上がってきます


■漬け込み

 塩をした梅に重石すると、浸透圧で梅から水分が出てきます。これが梅酢で、梅干しは元々は梅酢を取るために作ってたとか。
 それはともかくとして、重石を置いて3日もしないうちに、梅酢が上がってきて、皿の上まで浸る様になってきます。梅酢が出た分、梅自体は少し小さくなっているのですが、梅酢が梅を完全に覆う様になったら、重石を外しても構いません。置きっぱなしだと、かえって梅の実が潰れてしまう事もあるからです。重石を外したら、ごみ袋の口をくくって、梅雨が完全に明けるまで、放置します。
 ところで、この梅酢、できたばかりは無色ですが、時間が経つにつれ、黄色くなってきます。これは傷んだりしてるのでなく、ただの変色ですから問題あません。また、高塩分なので腐ったりする事はないのですが、まれに白いカビが浮いたりする事があります。カビが浮いた場合は、お玉等でカビだけ除去すれば問題ありません。

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梅酢が上がったら、重石と皿を外します
今回も紫蘇は使いませんでした



■3日干し

 梅雨が完全に明けて、晴天が3日続きの予報が見込まれたら、ようやく天日干しです。梅の実を菜箸でつかんでよく梅酢をふるい、笊に綺麗に並べていきます。この時、本当はあまり梅と梅をくっつけすぎない方が、風通しと日当たりがよいので、量が多い場合は、何回かに分けて干すと良いでしょう。
 梅干しは、その名の通り、天日に干す事によって、風味がよくなり、かつ紫外線の殺菌効果で日持ちも良くなります。写真からもわかる様に、バケツから引き揚げたばかりの梅は、まだ黄色のですが、天日が当たると、薄桃色に変わってきます。
 梅干しは、この干しの段階が一番重要です。日当たりがよいのは絶対条件で、1日干したら、翌日は梅をひっくり返して、裏側に日を当てるといった作業も必要です。夜は夜で、昼間のうちに乾燥した梅の表面が夜露で濡れて風味をしみこませる意味があります。なので、3日3晩干しっぱなしにする必要があるのです。
 ただし、運悪く雨が降りそうなときは、一時的に屋内に退避させます。というのも、雨を被ると、梅がカビたりしますし、また雨は案外、雑菌が含まれていますので、もし雨を被った場合は、ホワイトリカーで梅を拭うという、面倒くさいリカバリーが待っています。そして、風味も落ちますので、決して雨に濡らさない様にしましょう。

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6キロの梅が並ぶサイズの笊です
奥のペットボトルは梅酢です

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夜も干しっぱなしにします

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薄桃色になってるが日に当たった部分です


■梅干しの必要性

 梅干しは好きですけど、普段の食事で食べるというのは、あまりありません。ウチでご飯で食べるには、いささか塩辛いのです。ではどこで消費してるのかというと、夏場のレースや練習の時です。塩分不足による足の攣りや、熱中症予防ないし対策で使います。炎熱猛暑の中だと、塩分20%の塩辛さが、それほど辛く感じないのです。
 塩分が不足するというのは、体温を下げるために汗をかき、その時に一緒に塩分も放出することによって起こりますが、そうすると、足が攣るとか、意識が朦朧とするとか、そういう症状が起こってきます。足が攣るのは直ぐ分かりますが、熱中症で意識が朦朧とする、元気が出ない、判断力が鈍るといった症状は、なかなか気が付かないうちに進行します。
 そこで、こりゃ駄目だとなったら、だたちに走行を中止して、塩分を取ります。極端な話、岩塩とかでもいいのですが、梅干しの方が風味がいいですし、クエン酸も摂れるのがメリットです。梅干しを2〜3個食べる事で、意識がしゃっきとしてきます。
 その様な訳で、自家製梅干しは、オフロード活動には結構重要な物資なのです。

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熱中症の時は
梅干しだけ食べても大して辛さは感じませんが
食事の時はご飯があると食べやすいです