Beta X-Trainerの燃料タンク容量は8.8リットルで(2023年モデル)、リザーブは1.5リットルなのですが、これだと自分の走りで2時間15分以降はいつでもガス欠になる可能性があります。そうならない為に、2時間経過時にピットインして、クイックチャージャーで給油するのですが、そのロスタイムを減らすべく、この度、増槽たるハンドルバータンクを調達しました。
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■ビッグタンクを選ばなかった理由
バイクの後続時間を延ばす方法として、ビッグタンクに換装するというのが一般的です。クトロレにもビッグタンクがIMSから出ています。ただ、自分はビッグタンクへの換装を忌避しました。その理由は、
- 見た目がイマイチ。ノーマルのタンク周りのデザインが格好いいから
- タンクがデカくなった分、プラグ交換がしにくそう
- 値段がアホほど高い(8万円ほど)
- エンデューロ外でノーマルに戻すのが面倒くさそう
といったものです。昔から、ビッグタンクって、見た目が好きになれないんですよね。それが嫌さに、少々面倒でも、クイックチャージャーでの給油を選んでたくらいです。
その点、このハンドルバータンクは、ステーでハンドルに取り付けるタイプなので、長時間のエンデューロの時は取り付けて、それ以外では取り外せるのが利点です。しかも値段は2万円ほどですので、ビッグタンクよりはお安いです。こんな位置にタンクつけて、バランスとか乗車感覚とか、変わってしまうんじゃないかと思ったんですが、つけた事ある人に言わせると、あまり気にならないとの事でしたので、取り寄せた次第です。
■物が届いて感じた事
定価が19,800円するこのタンク、今回、貯めたポイントを使って15,000円ほどで調達する事が出来ました。まぁ、2万出せるかと言われたら、微妙ですよね。
さて、届いた物を持って感じたのは、「やっぱデカイな」というのと「ちょっと重いか?」という事でした。中身を開いてみて、出てきたのはタンク自体と、それをハンドルバーに取り付けるブラケット類ですが、ブラケット類は別の袋に入ってシリアルコードが書いてあったので、他のものにも共通部品になっている様です。
気になる重さでですが、乾燥重量で0.9kgでした。タンク容量は2.1リットルという事です。ガソリン1リットルは0.75kgらしいですから、満タンの状態で約2.5kgあるという事です。これがハンドルについてると思うと、ジャンプはまず難儀でしょうし(着地でグラグラしそう)、コーナーリングでも中の燃料が振り子になって、なんか影響が出そうです。
もっとも、事前に聞いていた評判では、ハンドリングにはあまり影響しないとの事でした。また、こんな増槽をつけて走るレースというのは、クロカンくらいしかない訳で、でかいジャンプとかはもとよりありません。せいぜい丸太越えくらいですので、着地の衝撃でグラグラするといった心配もなさそうです。ともあれ、付けて使ってみない事にはわからんな、と感じました。
乾燥重量で0.9kgです
燃料満タンだと2.5kgの重さがフロントにかかります
TUFFJUGのクイックチャージャーはギリ使えませんでした
まぁ、この増槽を使う時は無給で走るでしょうが
Xファクトリーハンドガードのものとおそらく同じです
■取り付け
取り付けそのものは、一般的なオフロードバイクなら、さほど難しくはありません。説明書きにはイラスト入りで取り付け方法が書いてあるので、英語が読めなくても何となく分かります。
まず、ハンドルバーにタンクを支えるブラケットを仮付けします。バーパットは外しますが、Beta純正のバーパットは付けたまま、タンクを載せる事が出来ました。ただ、時計マウントは外さないとブラケットが付けられませんでした。ブラケットには、標準バー用のカラーが付属していますが、クトロレはBeta純正のファットバーを付けていますので、カラーは使いませんでした。ちなみに、ブラケットもカラーもXファクトリーハンドガードのとソックリです。
次にタンクをブラケットの上に載せ、ボルトをブラケットに仮止めします。そしてタンクの位置をいい感じにセンターに来るようにしてから、各ボルトを均等に締め込んで行きます。この際、ブラケットを固定するボルトは、フロントフォークとの間が狭く、ショートヘッドの六角レンチを使う必要があります。また、タンクを固定するボルトは、あまり締め込みすぎるとタンクを変形させてしまうので、適度なところで締め込みを留めます。
続いてフェールチューブの取り付け。これはもう、説明書の通りなので、改めて説明する必要はないのですが、チューブがタンクの底までしっかり届く様にキャップに通して、バイクのタンクキャップに取り付けます。ただ、一応、固定用のリングが付いているのですが、これが全然使い物にならず、チューブはタンクキャップに刺したままの状態んなります。まぁ、純正のチューブも挿したままなので、問題ないのかな。ハンドルを旋回させるとチューブが抜ける、という事はないので大丈夫でしょう。
まさか、こんな所で役に立つと思わなかった
アストロのショートヘッド六角レンチ
ハンドルの形状から
ブラケットは「ハの字」に着きます
取り付け完成
ハンドルの凹みに合わせた形です
フェールチューブはタンクの下を通す格好です
透明なので、燃料が見えるはず
■邪魔になるかならないか
付けてみた感じは、やっぱり結構でかいな、という感じでした。出来るだけコンパクトに作ってはあるのでしょうが、こればかりは仕方ありません。
ただ、バイクにまがってみて、加速の姿勢を取ってみましたが、タンクが胸につかえるとかいう事ななく、案外邪魔にはならないんだな、と思いました。試しに、タンクに燃料を満タンにして少し走ってみましたが、確かに走ってる分にはそれほど重さを感じませんでした。ただ、2.5kgの重石がハンドルの上に乗ってる事には変わりないので、バイクを押すとか、タイトターンするといった時に重さを感じました。
懸案だったのは、このタンクをつけたまま、トランポにバイクを上げ下ろしする事が出来るのか、という事でした。自分のトランポは標準ルーフのハイエースなので、間口で引っかかったり、天井に当たる可能性があったのです。しかし、実際にはどこに擦ったり当たったりする事なく、すんなり積む事ができ、また下ろす事が出来ました。ただし、燃料満タン状態では、さすがにフロントが重たいので、もし燃料が残っている場合は、抜いておいた方が良さそうです。
もっとも、脱着そのものは難しいものではないですし、長時間のエンデューロレース以外では外しておいて、必要な時に取り付けるといった使い方をする事になると思います。
スタンディングの加速姿勢でも
それほど邪魔には感じないはずです
現地でタンク外すのが面倒な時は、そのまま積んで帰れます
■使い勝手
早速、河川敷で使ってみました。まず、メインタンクを満タンにして、次にハンドルバータンクも満タンにします。理屈の上では、メインタンクの燃料がキャブに吸われる負圧で、ハンドルバータンクの燃料が吸われてメインタンクに行くはずです。ただ、自宅でテストした時は、メインタンクがほぼ空の状態だったのでまったく吸う気配がなく、ちょっと心配でした。
試してみた結果、メインタンクを満タンにしていれば、タンク内の空気の層が少ないせいか、アクセルを回す度に燃料を吸い上げていく様子が、チューブから見えました。その後、走り続けましたが、知らない間にハンドルバータンクの燃料はなくなったのか、吸い上げが終わりました。もっとも、後でタンク内を見てみると、200mlくらいは残っていたみたいで、フェールチューブの挿し方にもよるのでしょうが、どうしても残ってしまう様です。残った燃料は、あとで石油ポンプでメインタンクの方に移しました。
練習中、一度ボテコケをしてしまいましたが、フェールチューブが外れたり、タンクが緩んだりする事はありませんでしたし、転倒時にタンクが邪魔になる感じもありませんでした。
上にも書いた様に、普段の練習の時は外して、レースの時だけつける事にしたのですが、問題はタンクの収納場所。窓埋めパネルに新たに棚を作りもしたのですが、サイズ間違いで使えず、そもそも結構邪魔っぽかったので、需品箱であるSTボックスから、現地では使わない工具類を下して、そこに収納する事にしました。
アクセルを回すと燃料が吸われていきます
サイフォンの原理で燃料が自動的に流れます
余計な工具を下して、箱詰めにしました
まぁ、このタンクも使う時だけ積めばよいってのもあるのですが
まぁ、このタンクも使う時だけ積めばよいってのもあるのですが
ジャンプとかあまり飛ばないレースだと
これは使えるなと感じました
これは使えるなと感じました
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