エアフィルターというのは、エンジンが混合気を作る為に外気を吸い込む際、埃などを吸い込まない様にする為のフィルターです。これがないと、埃がキャブレターやエンジンに入って故障の原因となりますし、フィルターが汚れっぱなしだと吸気効率が落ちる事になります。


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砂埃が舞う様なコンディションだと
1回走っただけでもこうなります




■エアフィルターの交換

 どんなバイクにもエアフィルターは存在するのですが、大別するとフィルターオイルを塗布する湿式と、蛇腹状の紙のフィルターの乾式があります。レース用のバイクは、大抵が湿式ですが、トレール車は乾式のフィルターを使っている場合もあります。ただ、ツーリングや街乗りと違って、レースやスポーツライディングでは、エアフィルターの汚れる頻度が高く、つまりエアフィルターの交換頻度も高い事から、値段の高い乾式フィルターを使うのは、経済的でありません。湿式のフィルターがあるなら、それに替えた方が良いです。(関連記事→「XR230 エアクリーナー湿式化」)
 ところで、この記事を書こうと思ったのは、自分が駆け出しのころ、エアフィルターの交換や洗浄の事が全然分からなくて、人づてで聞きながらやり方を覚えた、という経緯があったからです。
 まず必要なものですが、以下の物が必要です。
  • 予備のエアフィルター
  • フィルターオイル
  • フィルタークリーナー
  • クリーナーを量るビーカー
  • エアフィルターを吊るしておくもの
 エアフィルターは、まずはバイクに一つ付いてますが、交換・洗浄するため、もう一つ予備が要ります。汚れたのを外して、洗って乾かしてある奴にフィルターオイルを塗布して付け替える、という寸法です。
 フィルターオイルとフィルタークリーナーですが、これは同じメーカーのもので、かつ生分解性、つまり水洗いでフィルターオイルを落とせるものが便利です。これだと、風呂場や洗面台でフィルターを洗って、そのまま水で濯げるからです。

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エアフィルターのオイルとクリーナーは
同じメーカーのを使いましょう
違うのを使うと、汚れが落ちないだけでなく
固まったりします


■交換の手順

 エアフィルターの脱着は、バイクによって異なりますので、各々サービスマニュアルを確認してください。ただ、どんなバイクにも共通して言えるのは、手は汚れます。デリケートな人は、ゴム手袋でもして下さい。
  1. エアフィルターをはずしたら、まずはエアボックスの中をざっくり綺麗にします。汚いまま新しいエアフィルターを入れても、入れた途端に汚れるからです。

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    エアボックの中は
    埃や泥水で汚れていますので
    パーツクリーナーを染み込ませたウエスなどで綺麗にします

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    少々値段は張りますが
    スプレータイプのフィルターオイルの方が便利です


  2. 次に、エアフィルターをガイド(通称「骨」)から外して、ビニール袋に入れておきます。これはこのまま、後で洗いに回します。
  3. ガイドは古いフィルターオイルがついているので、パーツクリーナーで綺麗にします。

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    パーツクリーナーを吹いて
    キッチンペーパー等で綺麗に拭きます


  4. 新しいエアフィルターにフィルターオイルを塗布します。液状のはオイル差しに入れて適度にフィルターに掛けていきますが、無駄に多く掛けてしまう事もあるし、オイルだのオイル差しだのを持っていくのも面倒なので、最近はスプレータイプのを使っています。

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    吹き付けすぎない様に
    満遍なく吹きます


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    エアボックスに密着する面にもオイルを吹きます

  5. オイルを吹き付けたら、ビニール袋に入れてフィルターを揉み、オイルが均一に染む様にします。

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  6. エアフィルターにガイドを取り付け、エアボックスに装着します。

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    結構手がベタベタになりますが我慢


■エアフィルターの洗い方

 今度はエアフィルターの洗い方です。ぶっちゃけた話し、大して難しくはありません。先ほどビニール袋に入れた汚れたエアフィルターに、フィルタークリーナーを掛けて、袋の上からもみ洗いして、水に流して濯いで、乾かすだけです。

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自分が使ってるシルコリンのクリーナーは
なんと4リットル単位でしか売ってないので
ペットボトルに小分けして使っています
  1. 汚れたエアフィルターにクリーナーを注ぎます。この際、フィルターの外側を下、内側に上にします。逆にしてると、汚れがどんどんフィルターの中に入り込むからです。

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    フィルターリーナーは
    フルサイズのバイクのフィルターで100mlの場合が多いです
    小さいサイズだとその半分くらい


  2. 袋の上からエアフィルターを揉んで、クリーナーをフィルターに染み込ませます。

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  3. 袋からエアフィルターを取り出し、水を流しながら、汚れを洗い流します。この時も、フィルターの外側は下、内側は上になる様に揉み洗いします。

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  4. 汚れが残った部分には、クリーナーを少し垂らして、洗い直します。

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    落ちなかった汚れをそのままにしておくと
    次回には落ちなくなてしまってる事が多いので
    追いクリーナーして落とします


  5. 完全の水洗いして、クリーナーを洗い落とします。

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  6. よく絞って(捻ったりしない事)、室内で干します。室外だと、砂埃がついたり、風で飛ばされて地面に落ちたりするからです。

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    絞っても水が垂れるので
    下に雑巾とか敷いておきます


 乾燥は、まぁ3日もすれば乾きますが、下の方に水が残ってたりしますので、ウエスなどで吸い取ってやるといいでしょう。難点は、フィルタークリーナーって、独特の油臭さがありますので、フィルター洗ったビニール袋は、直ちにゴミ袋に入れて口を括って捨てる、フィルターもさっさと乾かしてビニール袋に入れて(もっとも乾いたら大して臭くない)、トランポに積んでおきます。
 フィルター交換は、大体は自宅で洗車する時に行う事が多いのですが、稀に現地で、初日が激烈砂埃とかマディでやばかった時など、2日目の朝に交換したりする事もありますので、予備のフィルターをフィルターオイルはトランポに常備する様にしています。

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こんな感じで、予備のフィルターを吊るしています
奥のケミカルトレイには
フィルターオイルのスプレーが入ってます


■新品バイクのエアフィルター

 レース用のバイクなどは、新車時にオイルを塗布したエアフィルターが取り付けられていますが、これがどこのなんというメーカーのオイルを使っているのか、確かめようがありません。自分が使っているオイルやクリーナーと同じメーカー、なんて事はまずまずありません。つまり、一番最初は、上に書いたのとは違うやり方で、エアフィルターを洗わねばなりません。この洗い方は、中古で買ったバイクのエアフィルターをリセットするにも使えます。
 その方法は、バケツやオイルパンに灯油を入れて、その中にエアフィルターを漬け込み、フィルターオイルを溶かして洗浄する方法です。一見雑なやり方に見えますが、整備の本などに書かれている「洗油」というのは、実は灯油のことが多く、パーツクリーナーも灯油をかなり希釈したものです。
 問題なのは、何度か洗油たる灯油を取り替えて、元のフィルターオイルの色が灯油に出てこなくなるまで洗わねばならない事で、廃油の処理に困る事です。間違っても石油ストーブとかには使えないので、捨てるしかありません。エンジンオイルの廃オイルと混ぜて、処分する様にしていました。
 しかし、この方法をやらずに、自前のフィルタクリーナーで洗うと、オイルが乳化したり蝋化したりで、とんでもない事になってしまう事もあるので、やっぱり洗油で洗った方が良いでしょう。ちなみに、TWIN AIRのはオイルが塗布されていて、しかも生分解性かどうか分からないので、洗油で洗う必要が出てきます。

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灯油で洗ったあと
灯油にオイルが溶けて青くなり、砂埃が落ちています


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流石に灯油は臭いので、外で揮発させて乾燥させました