林道ツーリングとスポーツライディングのかなり大きな違いは、使うバイクがナンバーのついてない公道を走れないバイクだったり、ナンバー付きであっても、輸送用の自動車(トランスポーター、通称「トランポ」)にバイクを搭載して、コースやレース会場に運び入れる、という点です。
この項では、トランポにバイクを積んで固定するのに必要な装備について解説します。
トランポにバイクを搭載、固定する方法は
トランポによって異なりますが
使う装備は共通しています
■ラダーレール
まずはラダーレールから。これがない事には、常人にはバイクをトランポに上げたり降ろしたりすることは、まず出来ません。トランポでバイクを運用する人は、まずいの一番にラダーレールが必要になります。もし、バイクを抱えてトランポに積んだり出来る剛力な人がいましたら、この項は読み飛ばして貰って構いません。まぁ、そんな人でも、ラダーレールはあった方が便利だとは思います。
ラダーレールは、荷室や荷台の縁にラダーの端をかけて、もう片方の端を地面につけて、地面と荷室のスロープにして、バイクをその上に転がして上げ下ろしする役目を持っています。ここで注意したいのは、荷台と地面の高さです。例えば長さが180cmのラダーレールを使うとして、荷台と地面の高さが、40cmと60cmでは、スロープの傾斜が異なります。地上高が60cmの方が傾斜がきつく、それだけバイクの上げ下ろしが難儀になる、ということです。
つまり、自分のトランポの地上高に合わせた長さのラダーレールを買う必要があります。ラダーレールの長さは、短いもので150cm、長いもので210cm前後ですが、トランポが軽トラなのに(地上高が高い)値段が安いからと150cmのラダーレールを買ったら、上げ下ろしに難儀すること請け合いです。逆に地上高の低い軽バンなら、180cmくらいでも十分でしょうが、あえて210cmくらいの長いラダーレールを使う事で、非力な女性でもバイクの上げ下ろしがやり易くなる、といった事もあります。
ラダーレールの形状は、短い物なら折りたたみしないストレート、長い物なら大抵は二つ折りになります。耐荷重はオフロードバイクであれば150kgもあれば十分です。強度は長くなればなるほど弱まりますが、ラダーの上で飛んだり跳ねたりしなければ、壊れる事はあまりありません。ラダーレールの幅は、20〜30cmが一般的です。幅が広ければ、それだけ脱落する心配がないのですが、その分、収納サイズも大きくなってしまうし、重量も重くなります。
初期から中期にかけて使ったFLYレーシングのレール
幅が狭くてよく脱輪してた
総アルミより軽く
オフロードバイクに使うには十分な堅牢さ
■足台
バイクを上げ下ろしする際に使う踏み台の事です。トランポの荷台と地面までの高さは、それなり結構あります。自分の体だけ上げ下ろしするだけなら、足台はなくても良い様なものですが、バイクを上げ下ろしするとなると、足台がないと踏ん張りが効かなくてしんどいです。まぁ、足台なしで積み下ろししてる人も結構いますが、見るからに踏ん張ったり、不安定そうに見えます。まぁ、出来るだけ装備を減らしたいミニマリストの方は、足台なしでもOKです。
足台に使われる台は、昔はビール瓶ケースが一般的でした。あの高さが、ちょうど足台にするは良かったのでしょう。自分は酒屋から貰ってきたケースの底に、板をくっつけて使っています。というのも、板無しだと、足で踏みぬいてしまった事があるからです。また、板を付けていると、テーブル代りにもなりからです。
しかし、ビール瓶ケースは、テーブル代りにする以外に使い道がなく、デットウェイトといえばそうなります。なので最近は耐荷重のあるRVボックスを使う人も結構います。これだと中に用品や装備を入れる事ができ、かつ防水だったりするので、外に置いていても中身が濡れません。ただ、自分がこれを使わないのは、耐荷重が80kgまでで、自分の体重の方が重たいからです。
車高の低いトランポなら要りませんが
あった方が全然安全にバイクの上げ下ろしが出来ます
細々したものを突っ込んでおくのに使います
■タイダウンベルト
次はバイクをトランポに固定する装備で、もっとも大事なタイダウンベルトです。別名ではラッシングベルトとか荷かけベルトと言われますが、これは本来は荷物を縛着して固定するためのベルトです。
タイダウンベルトは、ラチェット式とバックル式の二種類に大別されていて、ラチェット式はより確実にベルトを絞って固定する用、バックル式は素早くベルトを絞って固定する用と、用途が異なります。言い換えると、より力が掛かって緩んでもらっては困る部分はラチェット式、そんなに緩まないけどまずは固定したい部分はバックル式と、使い分ける感じです。
ただ、注意点があって、ラチェット式は、ラチェットを操作する関係で、それなりの空間のある部分でないと使いにくいです。屋根付きのトランポにバイクを積むとなると、それなりに狭くなってしまうので、どこでもかしこでもラチェット式が使えるという訳ではありません。
また、屋根付きのトランポの場合、タイダウンベルトが緩んで、最悪、バイクが中で倒れたとしても車外に落ちたりする事はまずありませんが、軽トラやトレーラーなどの場合、タイダウンベルトが外れてバイクが落ちた、なんて話しも聞きますから、緩みやすいバックル式でなく、確実に締めれるラチェット式を使う必要があります。
タイダウンベルトの端には、フックが付いていて、それをトランポに架装したアイボルトやアイプレートにひっかけ、バイクのフットペグなどに掛けて使うのですが、フックをかけられない場合も結構あります。
その際に使うのが、ソフトベルトです。これは輪っか状になったベルトで、これを二つ折りにしてフックを掛ける事で、バイクやトランポを傷つけずにしっかり固定する事が出来ます。
タイダウンベルトやソフトベルトは何本あれば良いかという話ですが、これはバイクの固定の仕方によって変わってきます。しかし、大抵の場合、バイク1台に対してタイダウンベルトは3本、ソフトベルトも2本もあれば、事足りると思います。
ラチェット式のタイダウンベルト
がっちり固定したい部分に使います
トランポのアシストバーと連結するのに
ソフトベルトを使っています
分かりにくいですが
こういう狭いところでは
バックル式のタイダウンベルトを使います
トランポに架装されたD環に直接フックをかけています
片方のフックは、D環にかけたフックに掛かっています
タイダウンベルトを掛けています
■ホイールチョック
ホイールチョックというのは、フロントタイヤを入れて車体を直立させるための器具で、バイクをそれ以上前にずれて来ない様にするためにも使います。一般的には、荷台の床にボルト止めなどで固定して使いますが、中には長めの板に取り付けて、その板の上にフロントタイヤが乗り上げる様にして、バイクのフロント部分の自重でホイールチョックを動かない様にしている人もいます。
ただ、これを装備すると、荷室の床で結構邪魔になりますので、使わない人もいます。自分などは、ハイエースのリアシートの後ろに板を取り付けて、そこにフロントタイヤを押し付ける方法で固定しています。
あれば確実にバイクを固定するのに寄与するものですが、それなりの値段がする事、結構邪魔な事から、使わずに済む方法を検討するのもアリだと思います。
トランポの荷室で寝る予定の人は
これは結構邪魔になると思います
バイクの固定は、トランポによって異なります
がっちり固定できる方法を研究しましょう
■燃料缶
携行缶とも言いますが、要はバイクのガソリンを入れておく容器の事です。ナンバー付きのバイクと違って、競技用のバイクは自走でガソリンスタンドまで行って給油する、という事が出来ませんので、携行缶を持って行って買ってくる事になります。
ところでこの携行缶、ホームセンターなどで売っているタイプは、縦置き型でも横置き型でも、スクリューキャップ式のばかりです。ところが、このスクリューキャップは、夏場など内圧が上がった時に、キャップが回らなくてとても難儀する事があります。そこで自分がオススメするのは、ヴァルプロ社のジェリカン。昔、ドイツ軍が開発した燃料缶で、キャップがバネ式なので、内圧が高くなっても開けやすく(ただし、ゆっくり開けないと「ボンっ」ってなる)、何より格好いいので愛用してます。
容量は20リットル、10リットル、5リットルと3種類ありますが、5リットルのはバイクのタンクに給油しやすいので、20リットルや10リットルのから燃料を移して使っています。
そいじょそこらに売ってませんが
ネットだと手に入ります
別売のスパウト(注ぎ口)は
使わなくても給油口に注げますが
使うとさらに零しにくいです
20リットル缶を持ち上げるのは難儀なんで
5リットル缶に小分けして使ってます
となりの白いのは、2st用の混合タンクです
◾︎その他
この他にも、フルサイズのモトクロッサーを軽バンに搭載する際に使うネコタイヤや、フロントフォークをタイダウンベルトで縮める要領など、色々あるのですが、自分がやった訳ではない装備や工夫については、語る資格がありませんので割愛しました。
この趣味を始めたばかりの頃は、とかく知識が乏しいと思うので、他の人のトランポを見させてもらって、それぞれの工夫を参考にすると良いと思います。教えを請えば喜んで教えてくれると思うので(大抵みんな教えたがり)、勉強して、良いものは真似し、必要なものは買っていきましょう。
以下に、この項で紹介した装備のラインナップを掲載しておきます。















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