今年の夏に購入したBLUETIのEB3A、ことのほか優秀で、防暑装備だけでなく、いざの時の電源としても活用できる事が分かりました。ただ、EB3Aを買った時点で容量が不足している事は承知しており、EB3Aと同等の機能で700Whクラスの製品が出たら、買い替えもしくは買い足す方針でした。そうこうしている間に登場したのが、今回調達したAC70です。容量は768Wh、調達価格は定価が99,800円が37,000円クーポン引きで62,800円でした。


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AC70の内容物
AC充電コードはEB3Aと同じですが
シガーソケットとソーラーパネルのケーブルは別のものです






■見た目の印象

 AC70に付属しているのは、充電ケーブル3種類(AC、自動車、ソーラー)と設置用(アース)のネジだけです。AC用の充電ケーブルはEB3Aと共通でしたが、シガーソケットとソーラーの充電ケーブルはEB3Aの物とは異なりました。この点は共通にしてくれれば、出先に持っていく荷物が減ったのにと、ちょっと残念です。
 重さは10.2kgとそれなりに重いです。EB3Aでは可倒式のハンドルが付いていましたが、AC70では筐体一体型のハンドルになりました。このハンドルを持ってAC70を持ち上げると、筐体が斜めに持ち上がります。地面に置く時に、ガツンと置かない様に注意せねばなりません。また、女性の場合、片手だと重たいので両手で持った方が良いでしょう。
 LCD画面は、EB70Sに比べると進化した、というか最近のBLUETTIの製品は大抵、こういった画面になっています。EB70Sを買わなかった理由は、この画面が古臭くてバッテリー残量もパーセンテージ表示でなかったからでした。LCD画面にはこのポタ電の機能や操作に関する表示が網羅されていますし、その操作も本体で出来ますが、スマホアプリからも可能なのは、EB3Aと同様です。
 EB3AやEB70SとAC7の決定的な違いは、スマホのワイヤレス充電の機能がなくなった事でしょう。これを残念とするレビューも多いのですが、自分は使ってなかったのであまり気になりませんでした。

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EB3Aとの大きさの比較
AC70はふた回りほど大きく、重さも倍くらいあります


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持ち運びは、この様な格好になります

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操作は本体でも出来ますが、アプリからも出来ます


■どの程度使えるか

 今回、AC70を買ったのは、夏場に工場扇を回すためだけでなく、防災用品としても活用する為です。というのも、前回買ったEB3Aは、あのサイズのポータブル電源としては、結構使えるポタ電でしたが、それでも能力不足を感じる事がありました。というのも、EB3Aは定格出力が600Wで瞬間最大出力が1200Wなのですが、これだと動かせる機器に制限があります。例えば、ヘアドライヤーは動きますが温風はAC出力の半分くらいとか、石油ファンヒーターは残容量が50%を切っていたら動かない、などなどです。ちなみに、AC70は定格出力が1000Wで瞬間最大出力は2000Wもあります。
 まずはヘアドライヤー。これはなんの問題もなく稼働。ドルパワーで大体530W、フルパワーだと1030W使う様です。EB3Aの場合は、フルパワーでもミドルパワーくらいの威力しかなかったのが、AC70の場合は、ACコンセントから電源取った場合と同じ様に使えます。
 次に石油ファンヒーター。石油ファンヒーターは、スタート時に440Wくらい使うのですが、その後は160Wから34Wくらいを行ったり来たりです。満充電で10時間近く使えそうですが、防災用として考えるなら、電気を食わない石油ストーブの方が良さそうです。
 次に電気毛布。こちらはいきなり最強にしてもサージ電力は必要とせず、70Wがマックスでした。100%満充電で9.6時間使えるとの事でしたが、夜中0100時から使い始めて、翌朝0930時時点でまだ残り12%ほど残っていました。
 寒い時期だったのですが、工場扇も何時間使えるか見てみました。最強風力でサージ電力は11Wでしたが、その後は100W程度で6.7時間回しっぱなしで使える事が分かりました。走行中は切っている事を考えると、日中は十分持ちそうな容量です。
 ついでに、ケルヒャーでも試してみましたが、これが一番消費電力を食うようで、通常運転で1075Wも消費します。ものの15分程度で残容量が75%を切りました。ドライヤーもそうですが、1000Wを超える機器でもACコンセントと同じ様に使えるのが、AC70の強みです。

ドライヤーのサージ電力は1000Wを超えますが
余裕で動きます


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ファンヒーターのサージ電力は440Wくらい

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工場扇は余裕で日中持ちます

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電気毛布も朝まで余裕です

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ケルヒャーも使う事が出来ました
これが一番消費電力が大きかったです




■充電の問題

 AC70の充電モードは高速/標準/静音の3モードがあり、充電時間は各々1.5h/2h/4hとなっています。高速と標準はたった30分の違いでしかないので、そのくらいだったら標準で良さそうな気がします。その方がバッテリーにかかる負荷も小さい様ですし。出先で使う前の晩に充電する、という事であれば、静音モードで十分間に合うでしょう。もっぱら、防災用ですので、基本的には100%の状態で保管するのですが。
 さて、防災用として考えた時、気になるのは災害時の再充電です。この夏に、EB3Aは日中にも容量が足りなくなる、という事で、ソーラーパネルのPV120Wを買って運用してきました。夏の炎天下では、意外に威力を発揮して、工場扇を回しっぱなしにしても容量をほぼ減らさない、という性能を発揮しました。ちなみに、EB3Aのソーラーパネル入力は200Wがマックスですが、AC70は最大で500Wです。つまり、PV120をあと2〜3枚接続したり、あるいはPV350といった大容量のソーラーパネルも使う事が出来ます。
 ただ、問題なのは、防災という観点から、まず自宅で使用する場所の問題と、炎天下にならない冬場での充電効率はどうなのか、という点を実地で検証してみました。
 まず、ソーラーパネルを置く場所ですが、これが結構難儀でした。というのは、1階の地面だと安定はするものの、時間の経過によって隣の家の影になってしまう事。2階のベランダだと日当たりは良好なのですが、置き場がなく、うっかりすると下に落下してしまう可能性があります。色々試行錯誤した結果、1階の物干場の屋根の上が比較的安全で、かつ日当たりも良い事が分かりました。設置する為には脚立を使って、ソーラーパネルを載せなければなりません。
 充電効率の方は、午前中から昼にかけて、冬場では一番日当たりが良い時間帯で、大体70Wほどでした。夏場だと100Wを超える事もざらにあった事を考えると、やっぱり冬場はそれほど強力に充電はしない事が分かりました。しかも、午後2時以降はさらに日差しが弱まる為、充電出来る時間はかなり短い事になります。対策としては、もう1〜2枚ソーラーパネルを買い足す事ですが、財政的な見地からそれも結構難しく、今後の課題としています。

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地面に置くのが一番安定するんですが
季節によっては、隣の家の影になる時間が早いです

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ここに置くのが一番かな、とも思いますが
上げ下ろしが大変


■車中泊での運用

 移動中の搭載に関しては、EB3Aと同様に運転席とリアシートの間の足元に置きます。ここはスペースがあるので、AC70とEB3Aを並べて置く余裕があります。ただし、EB3Aは可倒式のハンドルだったので、本体をまっすぐ吊り下ろす格好で置けましたが、AC70は持ち手が固定で持つと本体が斜めになってしまうので、置く時はもう一方の手を添えてアシストせねばなりません。
 荷室には、棚の上に十分乗るサイズですので、EB3Aの時と同じ様に使う事が出来ます。AC70はAC60と違って防水・防塵ではありませんので、基本的には雨風のかからない様に使わねばなりません。これ以上大きいサイズだと、おそらく置き場に困るか邪魔になるでしょうし、夏場に工場扇回したり、冬場に電気毛布使う程度であれば、このサイズで十分かと思います。
 今年、EB3Aを先行して使ってみて感じたのは、ポタ電が1台だと、充電中は機器を使えない、という事でした。その為にソーラーパネルも導入しましたが、2台あれば片方を充電中にも機器を使えますので、今後はEB3Aも並行して投入していくつもりです。防災用としてではなく、オートキャンプなどでの運用を考えているなら、ソーラーパネルよりも、ポタ電をもう一台買った方が良いかもしれません。

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この隙間に入れます
奥にはEB3Aが入っています

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棚にちょうど乗るサイズ