トランポにLEDテープライトを施工する企画で、結局使わなかったテープライトや余ったテープライトが延べで10メートルほど残りました。そこで、庭の倉庫に続いて、前々から懸案だった駐車場のカーポートに照明を施工する事にしました。目標は夜間でもタイヤ交換やオイル交換が出来る程度の明るさを担保する事です。
どうしてもやる必要があるときは
マキタのワークライトでやらねばならない
これが、今回、照明を施工しようと思ったきっかけ
■余ったLEDテープライト
結局、トランポに使わなかったテープライトは2種類で、一つは5VでNISSIN LUXのRG-USB-TPL-DIM。こちらは倉庫の方に転用しました。シリコンのクリアドーム仕様で、本来なら屋外のカーポートに使いたいくらいですが、明るさが12Vより暗いので倉庫に転用した訳です。もう一つはLeproのPR410087-DWW-JPで、リモコンで点灯消灯が出来て、かつ電球色から昼白色へ調光もできるものでしたが、3ピンで使い勝手が悪く、また別に調光できなくても良いや、という事で宙に浮いていたものです。
この度、この3ピンのテープライトを使うにあたり、3つある接点のどこをどうすれば、昼白色オンリーになるか調べたところ、12Vと書かれた端子にプラス、W-と書かれた端子をマイナスに繋げは、昼白色になる事が分かりました。ちなみに、W-とW--を繋ぐと電球色、12VとW--を繋ぐと昼白色と電球色の両方のLEDが点灯します。これが分かった時点で、リモコンの受信部は使わないので外しました。
この他に、トランポに使ったBASONのZH117-6000Kが継ぎ接ぎで7メートルほど残っていました。これは切った部分を半田で接点同士をくっつけたものです。ちなみに、BASONは2ピンですが、Leproの3ピンのテープライトとも電線で接続可能です。BASONとLeproではLEDのピッチが異なっていたので(Leproの方が少ない)、半分ずつ接続して光量を合成するつもりでした。
初めてだけに、実は失敗
しかもコロナにかかってピンボケ
余ってる分に関しては、混合して使う事で
光量を平均化します
■カーポートへの配置
さて、具体的にカーポートにどの様にテープライトを配置するかですが、雨風がかかりにくい屋根の中央部の、4本ある桁に2.5メートルずつテープライトを貼り、余った2メートルを半分にして屋根を支えている支柱に貼る事を考えました。こうする事で、トランポの脇の通路は十分明るくなるでしょうし、またカーポートの下でバイク整備するのも明るさが取れると考えたからです。
そこで実際にテープライトを仮付けして試してみました。テープライトは、2.5メートルを4本貼り付けるのでなく(それ大変な作業だったから)2.5メートルを折り返して二重にしてみました。つまり、予定の半分の面積しかカバーしてないのですが、そこそこ明るいなとは思いました。ただ、これは二重になっているからで1本だとやはりくらいかな、と。また残り2条はテープライトがついてないので、やはり4条全部あった方が良いな、と。となると、あと10メートルは追加で必要という事になります。
どうせ買うなら、これまで使ってきた2835チップでなく、爆光の5050チップ(イカ釣り漁船とかで使う)にしようかとも思ったのですが、こちらは5メートルで5アンペア必要で、モバイルバッテリー(2A)で光らす事を考えていたので、断念しBOSONのを10メートル追加して、2.5m×2を二本用意する事で対応する事にました。
テープライトを1本ずつ付けるつもりをしていた
テープライトを二重にして配置
1本では暗かったと思う
結露のせいで、仮止めのマスキングテープが取れた
■アンペア数の計算
上にも書いた様に、5050のLEDテープライトの5メートルを光らせるには5A必要だという事ですが、カーポート照明の常設電源は、トランポにも使ったダイソーの10000mAhのモバイルバッテリーを使います。これのアンペア数は、二つあるUSB-Aポートの右側が2.1A、左側が1Aという事でした。つまり、これでは5050テープライトは光らせられないという事です。
では、今回使う2835テープライトのアンペア数はいくつかという計算をしました。使用電力が10メートルで24Wという事ですから、延べ22メートルにあてはめ、12Vで稼働するので、以下の式になります。
52.8W÷12V=4.4A
ACアダプターは余裕を持たせる必要があるそうですから、5Aのアダプターが必要という事になります。ちなみに、BLUTTIのEB3Aは12VのDC出力が付いてますが、アンペア数は10Aですので余裕で光らせる事が出来ます。しかし、計算上では2Aのモバイルバッテリーは光らせられないはずです。
そこで、試しに使用する全部のテープライトを接続して、モバイルバッテリーに繋いでみたところ、全然普通に光りました。それどころか、1Aのポートの方でも光りました。試しにポータブル電源で光らせてみたところ、消費電力は31Wと表示されました。上の式は22メートルを直列で繋いだ場合の式ですが、実際には5メートル4本を並列、1.2メートル2本を直列で繋いでますので、並列の部分は24Wで直列の部分は5.76Wで足せば29.76Wですから、まぁポタ電の示してる数値は妥当な様です。
31W÷12V=2.58A
要するに、この辺りは中学校の理科あたりで習う事ですが、40年ぶりくらいに役立った訳です。何にしても、モバイルバッテリーで全部光らせる事が分かったので、そのつもりでスイッチボックスを設計する事にしました。
■スイッチボックスの設計
スイッチボックスはトランポの時に作ったものを援用する事にしました。考えたのは、点灯スイッチは2つにして、分けて光らせる事が出来る様にする事です。というのは、普段は夜中にトランポに物を取りに行ったり積み込んだり、という作業が大半で、全部点灯する必要がないからです。半分だけ点ける様にすれば、モバイルバッテリーの消耗も抑えられるという訳です。昇圧ケーブルを仕込んだり、DC入力端子を付けてポータブル電源から電気を取れる様にするのも、トランポの時と同様です。
問題なのは、こちらでも防水を考慮せねばならない事。天井の裏に貼り付けるテープライト以上に、柱に備えるスイッチボックスは雨が直接かかります。そこで、スイッチボックスは防雨ボックスに入れる事にしました。ただ、中での配線の関係で、意外と大き目のボックスを使わねばなりませんでした。
トランポ用より余裕のある筐体です
ABS板の継ぎ目はモロ見えです
モバイルバッテリーはベルクロテープどめです
■工作
まず、4条のメインのテープライトは、2.5メートルずつに切って二重にします。上にも書いた通り、2条分は残ってた3ピンのテープライトを流用、2条は新品です。トランポの時も二重にしましたが、その時はテープライトをバラでベルクロテープに貼り付けていて、非常に面倒くさかったです。今回はカーポートの支柱に直接貼り付けるのと、天井向いての作業になるので余計大変という事で、あらかじめセロハンテープで10cm間隔くらいで仮止めしました。
二重にしたテープライトは、折り返しの部分を電線で接続するのですが、今回はなるべく電線を短く必要がありました。というのも、上にも書いた通り、屋根の裏側といえども雨が降ると結露する場合があり、防水を考えるとテープライトや電線は防水マスキングテープを貼って覆う必要があると考えたからです。
また、半田付けした部分は、余裕があれば熱収縮チューブで絶縁と防水をしましたが、折り返し部分は熱収縮チューブを入れる余裕がなかったので、ホットボンドを垂らして防水しました。
テープライトは電線で接続するのですが、今回は長さが結構あります。なので、長い電線を直接テープライトに半田付けするのでなく、テープライトに50cmほどの長さの電線を半田付けし、あとでギボシ端子で接続する方式をとりました。電線を長めに取ったのは、カーポートの現物に合わせて、長さを調整して切って使える様にするためです。
最初の2本は流石にやり過ぎた感じなので
残りの2本は接点部分だけホットボンドをつけた
電線を伸ばした部分は、熱収縮チューブで
収縮すると中に樹脂が溶け出して、密封する感じになります
■施工
さて、いよいよカーポートへの貼り付け作業です。その前に、今回の作業は大掛かりな上に、天井向いて作業せねばならない事もあり、また今後、テープライトを交換する事も考慮して、電線の接続は半田付けでなく、ギボシ端子を使う事にしました。電線は基本的に並列で接続するので、分岐させねばなりません。そこでギボシ端子には分岐できるダブルタイプのも用意しました。
電線の配置図
手前の1条だけ別スイッチにして
トランポへの荷物の出し入れの時に使う
電流の上流側がメスの端子になる様にする
各条のテープライトはオスの端子のみになる
まず、それぞれのテープライトをマスキングテープでカーポートの支柱に貼り付けていき、テープライト同士を連結する電線がどの程度の長さ必要か調べました。設計段階で長さが決めれれば良かったのですが、現物合わせでやる他ありませんでした。ちなみに使った電線は、エーモンのダブルコードの0.5spを使いました。小電力ではあまり太い電線を使わない方が良いらしいのですが、電工ペンチやギボシ端子を使う関係で、これ以上細いのは使えないと考えました。
配置が決まったら、いよいよ電線をカットしてギボシ端子をカシメていくのですが、これがもう、慣れないとなかなか上手くいかない。端子から線が抜けたり、スリーブいれるの忘れたり、オスとメスを間違えたり、両方同じ端子付けたり、失敗は様々でした。こればっかりは見本の動画をいくら見ても、実際にやってみん事には分からんもんです。まぁ、こうなるのを見越して、50セット入ったやつを買っておいたのですが、正解でした。
初めての電工ペンチ&ギボシ端子
しかし、上向きで半田ごて使うよりは楽でした
死屍累々
失敗するもんだと思って作業しました
失敗するもんだと思って作業しました
接続が完了したら、点灯試験。この時、点かないテープライトもあったのですが、そこはギボシ端子のカシメが甘かったり、端子がちゃんと入ってなかったりというミスでした。ともあれ、全部点灯するのを確認したあと、ギボシ端子の上から防水用に自己融着テープを巻きました(これも初めて使った。ひっぱりながら巻く)。
この時点で、脚立の乗ったり降りたりでだいぶ疲れたので大休止。そしたら、午前中は結構晴れて暑かったのに、1330時も回ると陽が陰り始めたので、慌てて作業再開。
今度は、テープライトの裏紙を剥がしてカーポートの支柱にテープライトを貼り付けていきます。交換する時は派手に剥がす格好になりますが、まぁ、その時はその時です。単に貼り付けるだけなので難しくはありませんが、ずっと上向きの作業なのでしんどかったです。
次はテープライトの上から防水のマスキングテープを貼る作業、これもテープライトがマスキングテープのセンターに来る様に貼って密封するだけので難しくはありません。
それが済んだら、電線もマスキングテープで止めていきます。当初は電線もマスキングテープで密封するつもりでしたが、自己融着テープを巻いたギボシ端子の部分がごつかったり、そもそも電線は耐候性に優れたと称したものを買ったので、垂れ下がってこない様にスポット的に使う事にしました。
当初、想定してたのよりゴリゴリな出来栄え
隙間が開かない様に
最後にスイッチボックスを防水ボックスに納め(これもベルクロテープで固定)、防水ボックスの下に半田ごてで電線が入る程度の穴を開けて、そこからテープライトからの電線を入れて、穴は防水テープで塞ぎました。
■出来栄え
先月来、ずっとLEDテープライトに関わる作業をやってきた訳ですが、これでようやく全ての作業が完了しました。カーポートには前から照明が欲しかった訳ですが、結果としてはとても良い物が出来たと思っています。当初は電気工事をお願いする必要を感じてた訳ですが、DIYで出来たのもポイントが高いです。
スイッチを二つ設けて、手前の1条だけ光らすのと、その他を光らすのに分けたのは、とても良かったと思います。普段はトランポへの荷物の上げ下ろしでしか使わないでしょうから、全部点灯させる必要がないからです。モバイルバッテリーが電源になっている以上、あまり電気食わないのは良いかと。ちなみに点灯させて分かったのですが、手前の1条だけ光らせた時は、全灯させた時より明るく光る様です。
全灯させた時、実のところ、もう少し明るくても良いかな、と思わないではありません。まぁ、2835のLEDならこれでも明るくなった方かもしれません。消費電力は、最終的には20Wほどだったので、20W÷12V=1.7Aという事を考えたら、5050のLEDでも余裕でいける可能性があります。今回作ったのが壊れて交換、という事になった時は、それなりの出費になりますが、5050の防水タイプのテープライトに変えるのもありかと思っています。
完成!
配線とか、いかにも手作り感がある出来栄えですが
思ってた通りの見栄えになりました
普段、よく使うのはこの部分だと思います
全部照らすとこんな感じ
まぁ、タイヤ交換とかならやれる明るさです
意外と小さいんだな、と感じました
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