LEDテープライトのネタもこれで3本目。いい加減完成しろよ、というところですが、LEDで照明器具作る時は、大抵は成功してもやり直したくなるものらしくて、今回もその例にもれず、結構お金使ってます。


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最終的には、なかなかいい出来栄えになりました





■やっぱり12Vで

 12Vのテープライトというのは、基本的には家庭用の100Vのコンセントから電源を取るのを前提としているので、付属してるアダプターもACアダプターです。しかし、電源のない倉庫だのトランポだので光らそうとしたら、モバイルバッテリーやマキタのバッテリー(を使うワークライトにはUSBが付いてる)などを使う必要があり、それらは5Vなので12Vに昇圧するケーブルを使います。
 しかし、だったら最初から5Vのテープライトを使えば良いんじゃないかという事で使ってみたのですが、何となく暗い。まぁ、単純に考えて12Vと5Vでは電圧に倍以上の開きがあるので、当然といえば当然です。暗いのではあまり意味がないので、結局、前に使って今は倉庫に転用してる12Vのテープライトを買い直して、それを使う事にしました。
 また、12Vに戻そうと考えたのは、5Vのテープライトはモバイルバッテリーでしか使えませんが、12Vならポータブル電源にACアダプターを挿しても使える訳で、使う方法に幅があった方が良いと考えたからでもありました。

明らかに左の方が明るいです


■一本より二本で

 これまで2回試作をしてきたのですが、その時はテープライトは1本でやっていました。ただ、これだと少々問題がありました。というのは、テープライトの幅は8mmなので、20mmの両面テープを縦に切って8mmの幅にしてテープライトに使っていたのですが、この幅だと天井の内装への食いつきがちょっと弱いという事でした。
 もう一つは、2回目の試作で使ったテープライトは5Vのものだったのですが、1回目の時に使った12Vよりも明らかに明るさが弱くて、テープライトを2本使った方が良いのではないか、と思う様になりました。そうすれば20mmのベルクロテープに2本並べて貼り付ける事が出来ますし、その分、内装への食いつきもよくなるだろうと考えた訳です。
 結局、12Vのテープライトを使う事にしたのですが、それでも1本よりは2本使った方が明るくなる道理で、暗闇の中でバイクを上げ下ろしする時に使うなら、特にハッチバックの方は明るいに越した事がない、と考えたのです。
 ただし、テープライトを二重にするとなると、必要となるテープライトの量も倍になります。だったらもっと明るいタイプのテープライト(5050とか)を使った方が経済的かとも思ったのですが、発熱などの影響も考えて、2835のLEDでいく事にしました。

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試作した二重テープライト

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威力は絶大
暗闇の中でもタイヤやオイルの交換が出来そうです

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荷室も二重にする事に
調光スイッチもあるので、明るさを抑える事も出来ます


■まずはハッチバックの方から

 さて、テープライトを二分割の上、二重にすると決めた時、電源のケーブルは1本に集約する事を考えていました。つまり、4本のケーブルを1本にまとめる訳です。そうした分岐ケーブルも売っているのですが、あまりゴチャゴチャとケーブルが付いていると、その重みでテープライトが垂れ下がってくるのが分かったので、出来るだけ軽くしたかった訳です。
 いろいろ結構紆余曲折があった訳ですが、最終的にはメスのDCケーブルを50mmでカットして、カットしたケーブルから100mmを4本取り、おのおのプラスとマイナスに30mmほど分けて10mmほど皮膜を剥き、プラスとマイナスの4本の電線をおのおの纏めて半田付けし、その上でDCジャックのケーブルのプラスとマイナスを半田付けしました。半田付けした部分は絶縁もしなければならないので、熱収縮チューブを使って絶縁しました。かなりゴチャった見た目ですが、分岐ケーブルを使うよりは軽く出来ました。
 続いて、テープライト同士の接続。こちらはケーブルを150mmでカットしておのおの半田付けし、接点は熱収縮チューブを被せました。この熱収縮チューブ、半田ごてを当てて収縮させますが、収縮すると中で樹脂が溶けて、半田付けした接点を絶縁してくる様です。ただし、失敗してやり直す時は、剥がすのがちょっと大変で丁寧に剥がさねばなりません。
 それが済んだら、先ほど作った自作の分岐ケーブルにテープライトを半田付けしていきます。テープライトの接続で重要なのは、+と−を間違えない事。間違えるとその先からは点灯しません。半田付けは未経験だと難しそうですが、半田ごてを十分熱して行えば、意外と簡単に出来ますし、接続コネクターを使うよりも確実に接続できます。
 これが済んだら、テープライトをベルクロテープに貼っていきます。ベルクロテープは20mm幅のもので、これにテープライトを2本貼っていきます。慌てると曲がったり斜めったりするので、少しずつ裏紙を剥がして、丁寧に貼っていきます。
 そしてその上から、台所やトイレといった水周りに使う防水のマスキングテープを貼っていきます。これはテープライトのLEDや接点を保護するためです。たまたま見つけたのですが、それなりの厚みがあって、それでいて柔らかく、粘着力も強く、テープライトを保護するには丁度良かったです。幅は28mmなので、テープライトやベルクロテープに密着させた後、両端の余った部分はハサミで切り取りました。 

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試作段階での分岐ケーブル結合
ケーブルの重みでテープライトが垂れてきた

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ちまちま1本ずつやれる作業でないので
最初に部材を仕込みます

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半田付けで失敗するのは
十分半田ごてが温まってない時に慌ててやった場合
十分熱せられた後なら
簡単に半田が溶けてしみ込んでいきます

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いい感じに出来ました

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点灯試験
モバイルバッテリー使ってるので昇圧ケーブル使ってます

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ベルクロテープにテープライトを貼り付け
慌てずゆっくり、丁寧に作業します

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このマスキングテープ、たまたま見つけたのですが
この手の防護にも使えていい感じです



■いよいよ荷室のを

 次は荷室のを作成します。当初の予定では、荷室の方も四角形で配置する予定だったのですが、2回目に試作したテープライトを貼った状態でバイクの上げ下ろしをしたところ、ハッチバックの方の天井に背中を押し付けて姿勢をキープする事が結構あり、その時にテープライトを背中で引きずって剥がしてしまう事が分かりました。そこで天井に貼る方は、コの字型にする事にしました。
 サイズは縦210cm、横95cm。間の電線は15cmで継いで、2本のテープライトは自作の分岐ケーブルで並列に繋げる事にしました。気になったは、延べ5メートル近い長さなので、電源から遠い末端の部分では明るさが半減するのではないか(5Vのテープライトで半減した)という事でしたが、この製品は明るさに差がありませんでした。
 問題は長さがハッチバックの倍もあるので、テープライトを先に半田付けして接続してから、ベルクロテープに貼っていくのは結構な骨だと言う事。そこで今回は先にテープライトをベルクロテープに貼ってから半田付けする事にしました。全部貼ったのでは、半田付けの際にベルクロテープが溶ける可能性があるので、両端は10cmほど貼らずにおいて、半田付けが済んでから貼りました。ちなみに、テープライトを1本ずつ貼ろうとすると、次のもう一本貼る時に、テープライトの裏紙がベルクロテープの糊面にくっついたりして大変でした。面倒でも2本同時に、少しずつ貼った方が仕上がりが綺麗でした。
 半田付けや熱収縮チューブの作業自体は、もう慣れたものだったのですが、半田付けが甘くて断線してるとこのやり直しなど(収縮したチューブを切りとるのは大変な上に、接点を剥がさない様に注意が要る)、大変な作業もありましたが、とりあえず無事に作業終了。ハッチバックのテープライトとも接続して、一つのモバイルバッテリーで両方のテープライトが点灯する事も確認しました。

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テープライトの切り出し

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長くて大変だけど
慌てずゆっくり作業した方が仕上がりが綺麗
40mmずつベルクロテープを剥がしてテープライトを貼り付けた

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半田付けや熱収縮チューブの作業が終わってから
ベルクロテープの端にテープライトに貼り付けます

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ハッチバックと荷室のテープライトを分岐ケーブルで接続
調光スイッチはテープライトに付属のもの

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上手い具合に光らせる事が出来ました


■取り付け

 さて、いよいよ取り付け。取り付けは実際の明るさを確かめる意味もあって、敢えて夜間に行いました。まず、ハッチバックの方から取り付け。こちらは窓枠の鉄板の部分にベルクロテープのウケの方を先に貼り、それからテープライトを貼り付けました。そしてモバイルバッテリーで点灯。予想以上の明るさでした。
 続いて装備とバイクを下ろして、荷室の天井の方にテープライトを貼り付けます。最初は食いつきが悪いのですが、とにかく一旦ババっと貼り付けてから、少しずつ位置や真っ直ぐにする微調整を行いました。これも一旦食いつくと、それなりにしっかり付いてくれます。そして点灯。これまた家並みの明るさで、大満足でした。
 モバイルバッテリー一個で光らせるため、テープライトへの給電ケーブルはハッチバック、荷室ともに右側に出す様にしたのですが、これには理由があって、バイクを上げ下ろしする際に、左側だと右向いてバイクを下ろす関係でケーブルが見えにくい事と、クロトレを積む際にハンドガードにケーブルが当たってしまうからでした。右側だと、TT-R125を右に寄せて積むのでハンドガードはケーブルに当たりませんし、右向いてバイク積みますのでケーブルも直視できるのです。
 上でも書いた通り、荷室のハッチバック側のテープライトは、バイクの積み下ろしの際に背中に擦れて剥がれてしまうので、敢えて欠いた状態にしたのですが、それでも明るさは十分でした。ハッチバックのテープライトを光らせたまま、ハッチバックを閉じる事も出来ますが、テープライトはほぼ防虫ネットに隠れてしまうので、閉じる時は節電のためにハッチバックは消灯します。それでも十分な明るさがあります。
 ルームランプではバイクを積む時に足元が見えにくかったのが、今回テープライトを仕込んだ事で、足元もかなり見易くなりました。夜間における積み下ろしや作業が、相当便利になりました。

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予想以上の明るさ
この下でタイヤ交換とか出来そうです

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ハッチバックを閉めた状態
かなり明るいです

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テープライトをリアシートの方まで延長したので
夜中に物を探すのが楽になりました

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バイクの積み下ろしでも
ケーブルを引っ掛ける心配がありません

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足元まで光が届くので
バイクの積み下ろしが楽になりました

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DCケーブルはハッチバックを閉めても
噛まない位置、長さになっています


■スイッチの問題

 このテープライトは、基本的にはモバイルバッテリーで稼働させ、長時間使う時はポータブル電源を使う予定なのですが、現時点ではケーブルやスイッチをどうするか、まだ決めてませんでした。実際にテープライトを付けてみない事には、具合も不具合も見えてこなかったからです。
 12Vのテープライトを5Vのモバイルバッテリーで使うには、昇圧ケーブルをかまさねばならない等、ケーブルがごちゃってしまう要素もありますし、DCプラグの抜き差しでは不便なので、この辺りを解決したスイッチを考えていますが、話しが長くなるので、それらは次回に回します。

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モバイルバッテリーはこの辺りに取り付けると思う