先日、土日のBTC市貝のフリー走行で、BLUETTIのソーラーパネル PV120とEENOURの車載冷蔵庫 D10を実際に使って、どの様な使い勝手なのか検証しました。BLUETTIのポータブル電源 EB3Aと合わせてレポートします。
■事前準備
ポータブル電源は事前に満充電にしておきます。満充電のまま1週間くらい放置していても、自然放電による減失はほぼない様です。
車載冷蔵庫の方は、前の晩からバッテリーをセットして、必要な庫内温度にしておきます。そうする事でバッテリーを充電でき、かつ移動中に庫内温度を下げる負荷をかけずに済みます。自宅の冷蔵庫から物を車載冷蔵庫にすぐ移せる様にする為にも、事前に冷やす様にしましょう。
バッテリーにテプラでナンバー入れました
バッテリーも充電しておきます
■ソーラーパネルの設置と実力
当日現地に到着したのは、0800時過ぎ。天気はやや雲の多い晴れ。直ちにバイクや装備を下ろして、トランポの屋根にソーラーパネルを設置しました。
設置時は太陽が雲に隠れていたので、発電量は18Wと少なかったのですが、雲から太陽が出てくると77Wくらいになり、さらに太陽が移動してソーラーパネルに正対する様になると113Wほどの発電量を示しました。
ソーラパネルの発電量は、如何に太陽に正対しているかによって決まるので、時間の経過と共に太陽が傾いてくると、発電量も低下してきます。そこで、頃合いを見計らってソーラーパネルを太陽に正対させる様に向きを変えたりもしました。そうすると発電量も100Wを超える事が多く、ポータブル電源が放電する以上に充電する方が多い、という事がしばしばありました。
トランポの屋根の上にソーラーパネルを設置するのは、トランポの周りに邪魔なものがないという意味で利便性が高く、またソーラーパネルに陰を落とすものがないという意味でも効率のよい設置方法でした。
ただし、風がきついとソーラーパネルが地面に落ちてしまう事もありました。また、二日目には雨降り出し、慌てて屋根からソーラーパネルを引き摺り下ろすという事がありました。いずれの場合も、ソーラーパネルを破損する事はなかったので、それなりに丈夫に出来ている様です。
現地でソーラーパネルを展開するのは手間か
と思いましたが、意外とそうでもありませんでした
曇り空であっても、少しでも発電するのが凄い
太陽が傾いてきたのに合わせて
ソーラーパネルの位置も変更しました
その後、風で地面に落ちましたが
そのまま発電を続行
■車載冷蔵庫と工場扇のポタ電への負荷
車載冷蔵庫は常時運転ですが、工場扇は休憩中のみの運転なので、ポータブル電源の放電は使用する機器によって変化します。まず、車載冷蔵庫ですが、-20度設定で消費電力はだいたい32Wでした。そして工場扇を中で回すと車載冷蔵庫を合わせて90Wくらいの消費電力となりました。
ソーラーパネルが最大発電をしている時は、だいたい115Wくらいまで発電しますから、消費する電力よりも充電される量の方が多いので、ポタ電は全然減らないどころか、工場扇を回しまくっててもほんの少しずつ充電されていく格好です。
試しに、昼休みに小一時間ほど工場扇を回しまくり、ポタ電の残容量が85%まで落ちましたが、その後練習に行っている間に工場扇を止めていると、徐々に残容量が回復していき、2時間後には100%に戻った、という事もありました。つまり、晴天である限り、昼間の間は機器を使っていてもポタ電の残容量については心配する必要がない事がわかりました。
なお、夕方になると流石にソーラーパネルの発電量が落ちてくるので、ポタ電の残容量が若干減りましたが、温泉に行く時にシガーソケットで充電する程度で100%まで回復しました。
曇天時は発電量が10W台まで落ちます
調子がいい時は、放電量より発電量の方が大きくなります
工場扇を1時間かけっぱなしにした時の残量は85%
その後、ソーラーパネルによって100%まで回復しました
■夜間の車載冷蔵庫の運転
夜間は車載冷蔵庫はバッテリーで駆動させました。ただし、バッテリーは先日の実験で約7時間持つのがわかったものの、夜中に途中でバッテリーを入れ替える必要が出てくるので、深夜0000時まではポタ電から給電して、そこからはバッテリー駆動させる事にしました。大体2000時から0000時まで冷蔵庫を使って、ポタ電の残容量は60%になりました。
そこまで減っても、満タンのバッテリーはもう一つあるし、ソーラーパネルの実力から、工場扇を使いつつも十分に練習が終わるまでポタ電は使えるという見込みをしていました。
ちなみに、夜間は工場扇とソーラーパネルはトランポに収納する事にしています。どちらも夜は使わないというのもあるのですが、夜中寝てる間にいきなり雨が降るといった事もあるので、濡らさないために仕舞っておく事にしています。
荷室で寝る為に、要らん物は全部リアシートに押し込んでます
■車載冷蔵庫のポタ電からのバッテリー充電
翌日は朝から雨が降る様な天気でした。一時的に雨が上がったので、ソーラーパネルを展開してポタ電の充電を行ったのですが、78%まで回復した時点で本降りになり、ソーラーパネルは直ちに撤収しました。その際、慌ててソーラーパネルをトランポの屋根から引き摺り下ろしたのですが、壊れもちぎれもしなかったので、丈夫に出来ています。
その後は、雨のお陰でそれほど暑くないので、工場扇は使わずに済みました。車載冷蔵庫はバッテリー駆動させていたので、ポタ電は使わないままでした。しかし、昼過ぎ頃に車載冷蔵庫のバッテリーが残量1になり、このままでは止まってしまうので、ポタ電に接続して運転を続けました。
ここで興味深かったのが、車載冷蔵庫はバッテリーが満充電の時は消費電力が32Wですが、バッテリーを充電すると58Wくらいになるという事。しかも始終58Wという訳ではなく、32Wになる事もあり、32Wと58Wを繰り返す様でした。
結局、練習が終わる直前くらいまでに、車載冷蔵庫のバッテリーの目盛りは3くらまで回復していました。もっとも、ポタ電の方は残り10%くらいまで減っており、このままでは着替える時に工場扇を使えないという事で、現地で再充電させてもらいました。
ポタ電から車載冷蔵庫のバッテリーを充電
■総評
今回実際に使ってみて強く感じたのは、ソーラーパネルは意外に使える、という事でした。最大で115W、曇り空でも15Wも発電するというのは、なかなか優秀で十分実用できると感じました。無論、天気に左右されるものなので、雨が降った時はポータブル電源の容量頼みという事になりますが、それでも自前で発電できるというのは大きなメリットだと思います。自分が買ったのはPV120という一番小さいもので、PV200ならもっと強力に発電が可能なはずです。もっとも、トランポの屋根に展開する事を考えたら、PV120で丁度良かったと思います。
EB3Aは容量が268Whと小さいポータブル電源ですが、それもあってソーラーパネルで満充電にするのもさほど難しくはありませんでした。ただ、雨が降ってソーラーパネルが使えないとか、夜中にポタ電から車載冷蔵庫に給電しなければならない、といった事情を考えると、やはり700Whくらいの容量があった方がいいな、と感じました。
ポータブル電源、工場扇、車載冷蔵庫、ソーラーパネルと、防暑装備に今回約10万円をかけましたが、その効果は絶大で8月に2回も練習に行く事が出来ました。夏の期間も活用できる様になったのは、実に大きいと思います。
扇風機2台体制だと
汗だくのお着替えも楽になりました
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