これまで、夏の飲料用の車載装備としては、クーラーボックスを活用してきたのですが、いくら強力な保冷剤を使っても翌日の昼までが限界であるのと、猛暑時にはアイスクリームでも食べない事には体がもたない事から、車載冷蔵庫を導入する事にしました。


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入力電源:AC100V〜240V、DC12/24V
冷却方式:コンプレッサー式
設定温度:-20℃〜10℃(±5℃)
消費電力:約28W
騒音値:43dB
断熱材:高密度発泡ウレタン
本体寸法:約37.5x26.2x43.5cm、重量:約7.5kg
庫内サイズ:横:23.5x16.7x25.0cm





■サイズの問題

 車載冷蔵庫も様々なメーカーから様々なサイズが発売されているのですが、一番問題だったのは、サイズの大きいものが多いという事です。容量30リットルくらいで横が70cm近いものが多く。これではトランポの搭載に難があると感じました。まぁ、キャンプに行くだけなら問題ないでしょうが、自分の場合、バイクやらなんやら色々積んでますので、あまり大きいサイズは載せられないのです。
 容量10リットルくらいの物もあるにはあるのですが、コンプレッサーが冷蔵室の横に来るタイプは、やはり容量の割には外形サイズが大きく置き場に困る上に、そもそも容量が少ないので、従来のクーラーボックスも活用せねばならないでしょうから、そんなもん追加で持っていけない、という風に感じてました。
 ところが、10リットルくらいの容量のもので、コンプレッサーが冷蔵室の下に来るタイプは、外形が縦長になる関係で置き場のスペースはあまり取らないという事がわかりました。このタイプは3社から出ていたのですが、品質や性能が一番良さそうに感じたEENOURのを調達する事にしました。

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これが付属品
左と真ん中のがACアダプターで接続して使います


■バッテリーの充電

 さて、冷蔵庫本体が届く前にバッテリーの方が先に届いたので、バッテリーを充電してみる事にしました。説明書には、「60W PD充電器」を使用して4時間くらいで満充電になる様に書いてありましたが、とりあえずiPhoneの充電器にType CのUSBケーブルを繋いで充電しました。
 ところが、なかなか充電が終わらない。最初は不良品が来たのかと思ったのですが、よくよく調べてみると、iPhoneの純正充電器は18Wの容量がなく、60Wが指定のバッテリーを充電するには、かなり非力である事が分かりました。それでも二昼夜で満充電に出来ましたので、気長に待てばiPhoneの充電器でも充電は可能な様です。
 では、60WのPD充電器を買おうと思ったのですが、60Wジャストというのはなく、61Wだったり65Wだったりと、容量が大きい。説明書によると、「60Wを超える充電器を使うと、バッテリーが破裂する可能性がある」と恐ろしい事が書いてあるので、うっかり手出し出来ません。
 そうこうしている内に冷蔵庫本体が届き、冷蔵庫にバッテリーをセットしてコンセントに繋げば、冷蔵しつつバッテリーも充電する事が分かりました。まぁ、実際に使う前の日から冷蔵庫を運転して冷やす必要もあるので、こういう充電の仕方でも差し支えないのですが、現地で冷蔵庫を運転しつつ、予備のバッテリーを電源サイトで充電できれれば、それに越した事はないので、出来れば別個に充電器が欲しいところです。
 ちなみに、バッテリーは2個頼んだのですが、先行して届いたのは1個で、冷蔵庫本体にも入ってなかったので、もう1個はどうしてくれるのか、WhiteBank Japan合同会社に問い合わせ中です。

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iPhoneの充電器でも充電できるけど
時間がめっさ掛かる

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バッテリーは蓋を外して差し込みます
バッテリー無しでも使えます

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バッテリーの充電は、冷蔵庫本体で出来ます

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満充電になると、電池マークがいっぱいになります


■入力電源の違い

 では早速使ってみる事にしました。自分はこの冷蔵庫は冷凍庫として使う予定なので、温度設定は-20度、ECOモードだと凍った物が溶け出すという情報があったので、MAXモードで運転する事にしました。入力方法はACコンセント、DCシガーソケット、そしてバッテリーの3種類です。実際に使うのを想定して、ACとDCはポータブル電源に繋いでみました。そこで面白い事が分かりました。
 ACの場合、ポータブル電源に表示される消費電力は56W、冷蔵庫に表示される電圧は14.4Vに対して、DCシガーソケットの場合は、それぞれ30Wと13Vでした。ちなみにバッテリーの場合は消費電力は分かりませんが、電圧は12Vでした。つまり、入力方法によって消費電力や電圧に差があるという事です。これは冷え方い影響するのか、あとで実験する事にしました。
 まずはACコンセントに接続して、中に水を入れた器を入れ、どのくらいの時間で水が氷になるのか試してみました。1130時から実験をスタートして、完全に凍ったのは1300時。なんと2時間半で凍らせました。水の量が少ないとはいえ、外気温から初めてこのタイムで凍らせるのは、なかなか優秀だと感じました。
 冷蔵庫が稼働する時は、コンプレッサーを動かす音がする訳ですが、商品仕様では43dBという事になっています。煩く感じるかどうかは個人差があると思いますが、自分はあまり気になりませんでした。ちなみに、庫内温度が設定温度に達すると、コンプレッサーが止まるのか音が静かになり、設定温度より上がると下げる為にコンプレッサーが動いて音がする、という感じでした。

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AC出力の場合、消費電力は56W
このポタ電で4.4時間使えます

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電圧は14.4V
これはコンセントでやっても同じでした

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DC出力の場合は30W、7.8時間使えます

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電圧は13V
バッテリーの時よりも高めです


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2時間半後、水はカチカチに凍りました
庫内にLED灯がついてるのは地味に有難い



■実用試験

 今度は、バッテリーが何時間持つかを試してみました。その際、あえてエアコン効いたリビングから、31度の蒸し蒸しする玄関に出して試す事にしました。というのも、実際に使うのはパドックに停めたトランポの中で、当然クソ暑い中で使う格好になるからです。
 実験開始は、1600時。先ほど凍らせた氷が半分くらい溶けかかった状態で、改めて冷蔵庫に入れて、そのまま放置しました。そして何時間でバッテリーが切れるか様子を見ました。実験開始から1時間半後、バッテリー残量は半分を示していました。電圧は12Vから11.3Vに落ちました。しかし、そのまま数時間持ち続け、残量が1になったのは実験開始から6時間後、電圧は9.9Vになっていました。そして実験開始から7時間後、E1の表示が出ました。これは電圧異常の意味らしいですが、要するにバッテリーが切れかかっているのです。最後の電圧は10.1Vに戻っていました。
 庫内の氷は、再度氷結してカチカチになっていました。特筆すべきは、電圧が12V〜10Vであっても、冷凍庫としての役割を十分果たしていたという事です。つまり、ACコンセントの14.4Vは言うまでもなく、DCシガーソケットの13Vでも十分に使えるという事です。ちなみにEB3AでAC出力の場合は4時間、DC出力の場合8時間くらい持つと表示が出ていました。

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クソ暑い玄関に放置
自分は涼しいリビングに退避

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バッテリー容量が減ってくると、電圧も落ちてくるのですが
冷え方は変わらず

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設定温度になると、コンプレッサーも止まるみたいで
それが案外、経済的な電力消費になってるのかも

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バッテリーが上がりかけると、E1の表示が出ます

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約7時間、氷はカチカチのままでした


■具体的な庫内容量

 この冷蔵庫の容量は10リットルと、車載冷蔵庫としては容量が少な目です。自分はこれを冷凍庫として使うつもなので、それほど大きな容量である必要はありませんでしたが、実際にどのくらいの物が入るか、試してみました。
 結論からいうと、1kgのロックアイス1袋、棒アイス6個が余裕で入りました。ロックアイスはキャメルバックに入れる為、アイスは1日3個として2日分です。それでもなお余裕がありましたので、ロゴスの倍速凍結のMサイズを2枚入れる事にしました。というのは、クーラーボックスに使ってる保冷剤は翌日の昼前には保冷力が限界になっていて、午後には持たなかったので、追加で保冷剤を入れる為です。
 実のところ、これまで使っていたXLの保冷剤が入れば良いなと思っていたのですが、高さがあって蓋が閉まりませんでした。Lサイズも高さは同じサイズなので入らないでしょう。MサイズはXLの半分くらいのサイズしかないのですが、ただの氷であるロックアイスを入れておくよりは保冷力があるので、二日目の午後でも冷たい麦茶やサイダーが飲めるはずです。

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ロックアイス1袋、アイス6個が二日分の定数です

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Mサイズの保冷剤なら2枚入ります

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余談ですが、自宅の冷蔵庫の冷凍室にもジャストフィット

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XLは流石に収まりませんでした



■トランポへの配置

 当初、この手の縦型の冷蔵庫は運転席とリアシートの間に入る薄型のが良いなと思っていたのですが、入りそうなのは物としてイマイチ信用置けなさそうなので除外した経緯があります。もっとも、リアシートはバイクを積む為に一番前に出しているので、あの隙間に入る冷蔵庫ってのはそもそも無理がありました。もっとも、助手席の足元には入るので、助手席に誰も乗る用事がなく、最大限荷物を積まねばならない時は、ここに置くのもありでしょう。
 基本的には、この冷蔵庫はリアシートに積む事にしました。これまでクーラーボックスしか積んでなかったのですが、クーラーボックスを横向きに起き、その横に冷蔵庫を置く格好です。結構場所を取るかな?と思っていたのですが、案外そうでもありません。他の装備もこれまで通り積めそうです。もっとも、運転席のシートを倒して仮眠するのは出来なくなりました。
 ここにクーラーボックスと冷蔵庫を配置するのは、買い出しに行った時に物を入れやすいからです。この置き方だと、冷蔵庫の蓋はこっち側に倒れる格好で開くので、本来なら物の出し入れがし難いのですが、この冷蔵庫の蓋は簡単に外せて開ける向きを変えられるので、非常に便利です。
 こうやって置いてみて感じたのは、「こんだけ場所取るなら、TAW-35みたいな冷蔵と冷凍が別室になってる冷蔵庫に一本化しても良いのでは?」という事でした。まぁ、そうなると冷蔵庫自体が重くて上げ下ろしが大変とか、新たに支出しなければならないとか、色々問題が出てきますが、とりあえずは当面はこの冷蔵庫を使って、さらになお、という事になれば、その時改めて検討したいと思います。

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隣に人が乗らないなら、この位置でもOK

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この位置が定位置です

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整頓して載せれば、案外広々使えるんだなと思いました

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蓋が簡単に取れて向きが変えれるのも地味に有難い

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運転中はシガーソケットから給電


■恩恵

 自分が車載冷蔵庫を買おうと思い立った理由は、体温よりも気温が高くなるクソ暑の夏場で、練習の時にアイス食えたら美味いし楽になるだろうな、と思ったからでした。これまで夏は、ただただしんどいだけなので活動を手控えていたのですが、それを装備力でカバーしようと思ったのです。
 この次のソーラーパネルの実験の際、炎天下の外で保冷しておいたアイスを食べましたが、その実に美味い事。Big-Aで売ってる73円くらいの安物のアイスなのですが、それでも炎天下でそれを食べると、涼しくなった気になれます。夏場の練習では、昼はまともに物を食う気になれないのですが、これならいけそうです。
 ちなみに、-20度設定だと氷菓もラクトアイスも溶けずに保冷し続けてくれるのですが、氷菓の方は食べてる最中に溶け始める感じでした。ラクトアイスの方も途中から徐々に柔らかくなってくる感じですが、氷菓ほどではありません。まぁ、自分は氷菓はそれほど好きではなく、練習中はアイスクリームの方を食べると思うので、問題視してませんが。
 あと、棒アイスを買ってるのは、袋開けたらそのまま食べれるからで、カップアイスみたいにスプーンが要らないからです。最中系のアイスも手間いらずなので、夏季の走行糧食に加える事にしています。

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これはあまり食べないんですよねぇ

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自分の中で一番コスパのいいアイスです

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二日間フルで使ったあと、結構結露してました
使い終わった後は、綺麗に拭き取ります