こないだ、泊まりがけのスクールフリー走行で投入した工場扇ポータブル電源は、絶大な威力を発揮し、猛暑の中でもバテずに熱中症にもならずに、活動出来る事が証明できました。もうこれなしで、夏場の活動は不可能です。しかし、その一方で、ポータブル電源の容量の少なさがやはり問題になりました。


2023-08-19 09.34.59
【商品コード】PV120
【カラー】ブラック
【最大出力】120W
【変換効率 】23.4%
【定格電圧 】19.6V
【定格電流】6.1A
【開路電圧 】24.8V
【短絡電流 】6.2A
【動作温度】 -10℃〜+65℃
【収納サイズ 】461*552mm
【展開サイズ】 1749*552mm
【折り畳み枚数】 4枚
【本体重量約】6.8kg





■PV120を選んだ理由

 BLUETTIのEB3Aの容量は268Whで、工場扇を弱で使うと約4時間運転する事が出来ます。しかし実際には、最強にして回しっぱなしにする事も多く、そうなると運転時間はもっと減ります。先日のBTC市貝では、残り20%くらいのところでACコンセントから再充電する様にし、大体1.5時間くらいで満充電になる様な格好でした。充電中は工場扇が使えないので、マキタの充電式ファンで凌いでたのですが、やはり威力は工場扇に劣る訳で、できれば工場扇を使い続けたいと感じました。
 そこでポータブル電源で工場扇を回しつつ、ソーラーパネルでポータブル電源を充電する、というやり方が必要となる訳です。ソーラーパネルも最近は性能が上がってきているようで、EB3Aの様に容量の小さいものは、晴天であれば3時間ほどで満充電にするらしいです。容量の大きなものは、複数のソーラーパネルを連結してさらにパワーアップして充電するとか。また、ソーラーパネルにも発電量の異なるラインナップがあります。
 ポータブル電源の入力電力にも制限されますが、出来れば発電量の大きいソーラーパネルを使う方が、早く充電できるのは道理です。EB3Aの充電入力電力は200Wですので、PV200が使えるのですが、これは展開サイズが590*2265mmとかなり大きく、重さも7.3kgもあり、なにより値段が59,800円とお高い。トランポの周りや屋根の上で設置する事を考えたら、展開サイズが1749*552mmのPV120の方が良い。値段も32,800円で5,000円引きだったりするので、立て続けに防暑装備を買うとしたら、サイズ的にも値段的にも、PV120という事になりました。
 まぁ、ソーラーパネルだけでポータブル電源の充電を賄うという考え方でなく、出来るだけポタ電の消耗を抑え運転時間を延ばす方法として考える事にしました。

2023-08-19 09.35.16
裏側にケーブルを入れるポケットがあります

2023-08-19 09.36.10
ポケットの内側には、諸元表(英語)があります


■調達

 上にも書いた様に、BLUETTIはよくセールをやっていて、定価よりも安くで買える事が多いです。まぁ、定価は見せかけで実売価格が定価みたいなもんなんでしょう。ともあれ、ヤフーとAmazonで相見積もりして、より経済的な方で買うのはいつもの通りです。
 ソーラーパネルは、ヤフーもAmazonも値段が同じだったので、ポイントがより多くつくヤフーで購入する事にしたのですが、問題は延長ケーブル。ソーラーパネルをどこに置くかによって、付属のケーブルでポータブル電源と接続できるか不安だったので、5メートルのMC4ケーブルを買う事にしたのですが、Amazonだと定価なのにヤフーだと1,000円も高い。その様な訳で、ケーブルだけAmazonで買う事にしました。
 さて、BLUETTIは仕事が早くて、注文した2日後には物が届きました。まずソーラーパネルですが、収納サイズは461*552mmとそれなりにコンパクトなのですが、重さ6.8kgは結構ずっしりきます。これをトランポの屋根の上に持ち上げて広げるのは、ちょっと骨かも。まぁやれん事はないですが。
 折りたたんだソーラーパネルの背面にポケットが設えてあって、そこにソーラーパネルに直結されたMC4ケーブルが入っていますが、これの長さが約3メートルありました。実はこのケーブルの長さが分からなくて、別売で5メートルのケーブルを買ったのですが、意外と長かった訳です。これにEB3Aに付属していたPV充電用ケーブルを接続して、ポータブル電源と繋ぐ訳です。
 ちなみに、ソーラーパネルのポケットには、PV充電用ケーブルは入りますが、5メートルの延長ケーブルを入れる事は出来ませんでした。

2023-08-19 09.40.22
ポタ電に付属のケーブルは入りますが
5メートルの延長ケーブルは入りませんでした

2023-08-19 09.38.08
部屋の中で広げてみた図
それなりにデカイです

2023-08-19 09.38.01
スタンドは普段はベルクロでパネルに固定されています

■ソーラーパネルの設置

 当初の予定では、トランポの側にソーラーパネルを設置するつもりで、5メートルの延長ケーブルを買ったのですが、トランポの屋根の上にソーラーパネルを設置するというアイデアを聞き、それなら自分含め他の人にも邪魔にならないし、天井の上ならより日光も当たりやすい、という事で、このアイデアを試してみる事にしました。ソーラーパネルを屋根の上にあげるには、何かしらの台が必要ですが、足代に使ってるビール瓶ケースにバイクスタンドを載せる事で解決しました。
 まずは普通にソーラーパネルを広げてトランポの屋根の上に載せてみました。そしてポタ電に接続してみたところ、ちゃんと発電している事が分かりました。発電量は約59Wでした。そこで試しに太陽に正対できるよう、スタンドも立ててみました。すると発電量は85〜91Wと飛躍的に向上しました。
 試しに、太陽の向きに真横になるように設置してみたところ、発電量は57W程度に落ちました。つまり、説明書にも書いてある様に、出来るだけ太陽に正対する様にソーラーパネルを向けた方が、大きな発電力を発揮する訳です。
 とはいえ、トランポを停める場所にもよって、必ずしも正対しきれない場合もあると思います。PV200といった大きなパネルだと、屋根の上に展開するには限界があったと思います。PV120はかろうじてトランポに真横に展開できるサイズなので、比較的マシかもしれません。いずれにせよ、太陽が出ている限りは、発電する事が分かりました。

2023-08-15 17.19.14
ソーラーパネルを屋根にあげる為の台
ちなみに、この手の上に乗るのは苦手です

2023-08-20 08.42.12
まずは普通に寝かせてみたの図

2023-08-20 08.43.29
その場合の発電量は55〜59Wくらいでした

2023-08-20 08.46.46
スタンドを立てて太陽に正対させます

2023-08-20 09.44.12
すると、発電量は一気に90W代に

2023-08-20 10.04.43
太陽に対して横向きにしてみると

2023-08-20 10.04.50
発電量はてきめん落ちます



■放電と充電の収支

 次は、工場扇と車載冷蔵庫を運転しつつどれだけ充電するかのテストです。具体的には、車載冷蔵庫は常時運転、工場扇はバイク乗ってない時は運転、乗ってる時は止めてるという使い方です。まず、車載冷蔵庫のみの消費電力がDC出力で約32Wでした。次に車載冷蔵庫と工場扇を風力中で使った時の消費電力が約93Wでした。これを基準に試験しました。
 まず、ソーラーパネルも炎天下にあった時、発電量は約85〜93W。なので、工場扇と車載冷蔵庫を運転してても、微減もしくは横ばいといった感じでした。これは結構ありがたい数字です。何もしなければ2時間そこらで空になってしまう訳ですから、それがかなり延命される訳です。
 次に、工場扇を止めて15分ほど待ちました。この15分というのは、だいたい自分が走りに行って戻ってくる時間です。この間は車載冷蔵庫だけが運転してる格好ですが、消費電力32Wに対して発電量が90Wくらいですから、使うより充電する方が多い訳です。容量残92%が15分後には97%まで回復していました。これはかなりいい仕事してると言えます。
 結論として、天気が良い日で最大効率で発電すれば、ソーラーパネルがない時の様に現地で何度も充電しにいかなくても、結構長い時間使えそうな事が分かりました。もちろん、天気頼みではあるので、計算通りにはいかない事もあるでしょうが、ポタ電の持ちを良くする補助機器としては、十分な能力を持っていると思いました。

2023-08-20 08.42.49
実際に工場扇と車載冷蔵庫を使って実験します

2023-08-20 08.59.30
車載冷蔵庫のみの消費電力は32W

2023-08-20 09.20.09
冷蔵庫と工場扇を両方使った時は約93W
ソーラーパネルの充電により、ポタ電残量は微減か横ばい


2023-08-20 09.58.50
車載冷蔵庫のみの場合
発電量の方が多くて、ポタ電を充電していきます


■配置の考察

 ソーラーパネルのケーブルは、パネルの端の方から出ているのですが、パネルをどの向きにするかによって、荷室に配置しているポータブル電源にケーブルが届くかどうかが変わってきます。付属のケーブルは、ソーラーパネルが3メートル、ポタ電に付属のケーブルが1.5メートルと、単体でも結構長めです。トランポの屋根の上にパネルを展開する分には、どの向きに向けようともケーブルは届きそうです。
 問題は車載冷蔵庫で、これは基本的にはリアシートから動かさないのですが、こちらのシガーソケットのケーブルは1.5メートルほどで、むしろポタ電の位置はこれに拘束される様な感じでした。結果、ポタ電の位置は、右の棚に移動させ、かつ工場扇のケーブルが短くなりすぎない様な位置に置く事にしました。
 ソーラーパネルの収納は、工場扇の頭と同じところに突っ込む事にした。重さはそれなりにあるが、PV200ほどは大きくないので、どこにでも突っ込める感じです。実際、ここにあった方が屋根の展開には楽そうですし、積み込みも一番最後になるでしょうから、ここが楽だと判断しました。

2023-08-20 10.18.25
車載冷蔵庫の位置は変わらないので
ケーブルの取り回しに頭使いました

2023-08-20 10.20.17
ポタ電は右の棚へ
その方が荷室の中の動線にも影響が少ない

2023-08-20 10.42.17
無造作に突っ込む格好ですが
物が詰まってるので、運転中もバラけません