昨今、夏の気温は体温以上に上る事が当たり前になり、この時期にバイクの練習しに行くなんてのは、わざわざ熱中症になりに行く様なものです。なので、ここ数年、8月はバイクの活動をしない事が多くなりました。とはいえ、世の中、夏休みなのは違いなく、週末の休みも取りやすい傾向にあります。そうした日程的有利さを活用しないのも勿体無い事です。そこで、去年から防暑装備の充実を始めたのですが、盛夏の猛暑にはマキタの扇風機でも物足りないという事で、ついに工場扇を投入する事にしました。


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前から気にはなっていたデカ扇風機
昨今の殺人的猛暑で遂に購入を決心する





■工場扇自体はあまり高くない

 工場扇というのは、その名の通り、工場内で使うのを前提とした、デカくて無骨な格好の扇風機です。その工場扇も様々な種類があって、壁掛けタイプもあれば据え置き型もあり、また直径が直径1メートルほどの巨大なものもあります。その中で、高さ調整が出来てトランポにも搭載可能なものという事で、直径45センチ、三脚タイプのものを買う事にしました。まぁ、工場扇としてはスタンダードな格好のものです。
 工場扇も様々なメーカーから出ているのですが、値段は大体6000円前後。ものの割には安めのイメージです。どのメーカーのも大体は似たり寄ったりの性能ですので、となると選択の基準は見た目と名の通ったメーカーという事になります。という訳で、有名どころのナカトミのを買おうと思いました。
 次はどこで買うか。工場扇はそこらのホームセンターにも売っている訳ですが、同じものを買うなら出来るだけ安く買いたい。自分は大体ネットで買う事が多いのですが、それでもYahooとAmazonで相見積もりして安い方で買います。値段だけでなく、送料無料だったり、ポイントがどれだけ付くか、貯めたポイントで現金持ち出しをどれだけ減らせるか。注文日までにポイ活でどれだけ貯めれるか、等々。
 そういうのを調査研究してる中で、ユアサの工場扇がナカトミのと同じらいしい事、ナカトミのよりも若干安い事がわかりました。ユアサって、バッテリーの会社かと思ったら、元はそうだったらしいですが、今はそうでもないらしいです。
 それはともかくとして、問題なのは、前々から欲しいとは思っていたものの、工場扇だけでなく動力となるポータブル電源も調達せねばならず、それなりの出費になる事から買い控えてたのですが、盆に計画した合宿でやはり工場扇ないと耐えられないだろうという事で、急遽注文する事にしたのですが、果たして本番に間に合うか、という事でした。こういう時は案じてるよりも聞いた方が早いので、ネットショップの方に問い合わせ、間に合う事を確認してから注文しました。遅れる様だったら、今季での調達を諦めてたかもしれません。

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到着時は各パーツはバラバラで自分で組み立てます

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ファンはねじ止めです
この部分にネジが当たる様に留めます


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結構狭いので
短いドライバーで中で留めるか
長いドライバーで外から留めます

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カバーのガイドは一旦全部緩めて
前後ろのカバーを合わせてから締めた方が楽です


■まさかの脚の畳めないタイプ

 さて、早速ものが届いたのですが、開封していきなり驚きました。というのは、てっきり脚が折り畳めるのが来ると思っていたのですが、そうじゃないのが来たからです。脚の畳めるタイプじゃないのが来たのではなくて、これまで脚の畳めるタイプの工場扇しか見た事がなく、工場扇の脚は畳めるもんだとばっかり思い込んでいたので、その点は何も考えずに注文したのです。なので、脚を土台にがっちりねじ止めすると分かって驚きました。というもの、脚が畳めない状態では、どう考えてもトランポの荷室には工場扇をそのまま積み込む事は出来ないからです。
 いまさら返品も効きませんし、オークションに出しても売れなさそうですし、どうにか簡単に使う事は出来ないか。まず、組み立ての際に使う脚の固定のボタンボルトを、工具なしで回せる蝶ネジに変える事を考えました。ところがこのネジ、M8ボルトかと思ったら微妙にピッチが違う特殊なネジで、M8ネジは使う事が出来ませんでした。となると、付属のネジを使うより他ありません。脚を折り畳める様に魔改造しようかとも思いましたが、思いつきでやっても上手くいかなさそうですし、何より時間があまりありません。
 そこでまずはトランポへの搭載を検討しました。工場扇を完全に組み立てた状態で積むのは諦め、脚と頭を分解して積む様にしました。頭にあたる扇風機本体は、バイクと荷室の壁の間に押し込み、脚はバイクのシートの上に載せました。これでしばらくあちこち運転してみて、ずれたり落ちたりしない事が確認できたので、当面このスタイルで使う事にしました。結果としては、脚は毎回結合分解しなくて済んだ訳です。

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脚は土台にねじ止めするタイプ
まぁ、工場扇って普通は一旦組んだらバラしませんもんね


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脚が折り畳めるタイプもありますが
お値段は若干高めだったりします
しかし、トランポに積むなら、こっちの方が便利です

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M8の蝶ネジが使えないとは
こんなとこ、別に特殊ネジ使う必要ないと思うんですけどね


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結局、頭と脚を分離して
荷室に放り込む様な格好で問題解決
何と言ってもハイエースはキャパに余裕がありますから



■消費電力の計算

 さて、この工場扇、電源はマキタの様なバッテリーでなく、外部からの電源によります。本来はコンセントに線つないで使うタイプですが、コースのパドックにはそんなもんないのが普通ですから、発電機かポータブル電源が必要という事になります。ポータブル電源については次項に譲るとして、ここでは工場扇の消費電力と運転時間について計算します。
 実際にポータブル電源に繋いで、弱・中・強の風速で各々の消費電力を調べたところ、弱が50W、中が61W、強が91Wでした。取扱説明書では、強で50Hz帯では84W、60Hz帯では101Wとなっていましたが、実際は違う様です。ちなみに自分が住んでる千葉は50Hz帯でポータブル電源も50Hzにセットしてあります。
 次に運転時間の計算ですが、計算式は次の通り。

電源容量(Wh) × 0.8 ÷ 消費電力(W) = 運転時間(h)

 この式にポータブル電源の容量268Whに上記の消費電力を当てはめると、弱で約4時間20分、中で3時間半、強で2時間20分程度、それぞれ運転できる事が分かります。ポータブル電源の容量がそもそも268Whと少なめなので、運転時間もそれなりに短いのですが、四六時中、工場扇を動かしている訳ではなく、インターバルや昼休みなど、こまめな使い方になる事を考えたら、一日分としては持つのではないか、と考えました。

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工場扇も基本的には一般家庭の扇風機と同じ使い方で
このぽっちを下げる事で首を振ります

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風力切り替えはダイアル式
首の角度は自在に変える事が出来ます

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諸元表
ベトナム製で、輸入元はナカトミ


■有ると無いとじゃ大違い

 弱だと4時間ほど持つのが分かった訳ですが、では工場扇の弱がどの程度の威力なのか、炎天下の庭で試してみました。率直な感想を言うと、結構な威力で十分涼しかったです。流石は45センチ、マキタの充電式ファンとは桁違いの涼しさでした。猛烈に体がホットな時は強にしといて、クールダウンできたら弱にする、そういった使い方で十分だと思います。
 ポータブル電源につないで使ってみましたが、性能はコンセントの時と変わらずです(変わってたら困りますがw)。電気のコードも十分な長さがあるので、トランポにポータブル電源を置いたままでも、工場扇の位置を変える事は十分可能です。というのも、時間の経過に伴って日射の角度も変わるので、椅子を日陰へと移動させるのですが、それに十分追従できるでしょう。
 ポータブル電源が必要になるとか、トランポへの搭載にかさばるとか、いろいろ支障となる条件もありますが、そういう障害をクリアできる人は、是非とも導入した方が良い防暑装備です。これが有ると無いとでは、夏場の活動日の活用に大きな違いが出てくると感じました。

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ポータブル電源での運用
かなり涼しく休憩できそうです