PHDSというのは、PROGRESSIVE HANDLEBAR DAMPING SYSTEMの略で、元はKTMのパワーパーツですが、振動がかなり減るとオフロードだけでなくオンロードやツーリングの人からも評判の逸品です。XTRIGというのは、ドイツのメーカーでトリプルクランプなど上等なパーツを作っています。そのXTRIGがKTM以外のバイクにも対応して作ったのが、PHDS for OEMという訳です。これまでにもクロトレには上等なパーツを付けてきましたが、バイクも新しくなったという事で、贅沢してみました。
しかし、まったく悪評のない逸品です
■PHDS for OEMの内容物
PHDS for OEMの内容物は、PHDS本体、高さ調整のスペーサー、そしてトップブリッジに固定するボルト、高低2本ずつです。PHDSの肝になる樹脂のエラストマーは、標準では黄色いミディアムがついていますが、ネットの評判では緑のソフトが良いという事でベット調達しました。
PHDSを取り付けるにあたっては、工具が必要になるのですが、ソケットは大抵の人が持っていると思うのですが、トップブリッジに固定するボルトに使う8mmのヘキサゴンレンチなど持ってない人も多いと思うので、予め買っておく必要があります。また、PHDSに限った事ではありませんが、ハンドルクランプはきっちり規定トルクで締めておかないと、思わぬ事故を惹起しますので、トルクレンチを持ってない人は、これを機会に買っておくと良いでしょう。こういうのを考えたら、結構お金かかりますね。
これ、あとで出てきますので覚えておいてください
■PHDS for OEMの取り付け方
まずは純正のハンドルクランプをトップブリッジから外します。まずはハンドルをクランプに固定してるスタビライザーを外して、ハンドルを前にずらします。作業しにくい時は、ライトカウルを外した方が良いでしょう。次にトップブリッジからハンドルクランプを外します。昔のCRFはトップブリッジの裏からナットで留めてあったので、外すのが難儀しましたが、今のバイクはクランプの上からボルト留めしてますので、外すのが楽です。
純正クランプを外したら、PHDSを取り付けます。最近のバイクは、ライダーの好みの位置にハンドルを合わせれらる様に、トップブリッジのクランプの穴が複数空いてる事が多いですが、とりあえず純正のクランプが付いてた位置に取り付けました。
PHDS for OEMには、高さ調整の為のハンドルスペーサーが付属してますが、ただでさえ純正のクランプよりもハンドル位置が7mmほど高くなるので、自分は使いませんでした。従ってボルトもM10x25を使用。ボルトには予めネジロック剤が塗ってあります。もし、後で位置を変える時は、改めてネジロック剤を塗る必要があります。締め付けトルクは40Nmですので、デカめのトルクレンチが必要です。
純正のスタビライザーを外します
10mmのレンチを使ってます
クランプを付けてる六角ボルトは8mmのヘキサレンチを使います
体格に合わせてクランプの位置を変えれますが
真ん中が一番操作性が良いみたいです
代わりにPHDSのベースサポートを取り付けます
トルクレンチでちゃんとトルク管理しましょう
■ラバーコーンで四苦八苦
PHDSの真髄はベースサポートと上部ハンドルバーカップの間に挟み込むエラストマーが、振動を吸収するところにあります。エラストマーは、付属のものは黄色いミディアムですが、エンデューロで使うには緑のソフトが良いという事で、別途調達しました。そのエラストマーには、コーンゴムと中間ゴムが付属していて、これらを合わせて組み込みます。中間ゴムは上部ハンドルバーカップに既にハマっていましたので、それを活用。コーンゴムは入っていませんでしたの、これを取り付けねばなりあmせんでした。
説明書きには、「組み立て済みのラバーコーン(コーンカップ)を備えたベースキャリア(ベースサポート)にクランプバーを挿入する」と書いてあります。しかし、実際にラバーコーンをベースサポートのボルトの穴に付けようにも、ポロっと落ちてしまいます。つまり、「組み立て済み」なんかには出来ないのです。
それでは、クランプバーのボルト穴の部分(丁度ラバーコーンの形になってる)にコーンカップを乗せて、良い感じにねじ込もうとしましたが、ラバーコーンの分が厚みがあって、素直には入っていきません。だったら、コーンカップにシリコングリスでも塗ってみては、という事で試してみたら、外側になるラバーコーンはどうには入るものの、内側のは外れてしまいます。結局、内側のコーンカップは、シリコングリスを薄く塗った上で、反対側の外側から、細い六角レンチでゆっくり滑る様に押し込んで、どうにかハメる事が出来ました。
ゴム製品に脂を塗るってのは、本来は禁じてなんだと思うのですが、こうでもしないと入りませんし、シリコングリスをうっすら使う程度なら、まぁ問題ないだろうと割り切りました。
説明書きには、「組み立て済みのラバーコーン(コーンカップ)を備えたベースキャリア(ベースサポート)にクランプバーを挿入する」と書いてあります。しかし、実際にラバーコーンをベースサポートのボルトの穴に付けようにも、ポロっと落ちてしまいます。つまり、「組み立て済み」なんかには出来ないのです。
それでは、クランプバーのボルト穴の部分(丁度ラバーコーンの形になってる)にコーンカップを乗せて、良い感じにねじ込もうとしましたが、ラバーコーンの分が厚みがあって、素直には入っていきません。だったら、コーンカップにシリコングリスでも塗ってみては、という事で試してみたら、外側になるラバーコーンはどうには入るものの、内側のは外れてしまいます。結局、内側のコーンカップは、シリコングリスを薄く塗った上で、反対側の外側から、細い六角レンチでゆっくり滑る様に押し込んで、どうにかハメる事が出来ました。
ゴム製品に脂を塗るってのは、本来は禁じてなんだと思うのですが、こうでもしないと入りませんし、シリコングリスをうっすら使う程度なら、まぁ問題ないだろうと割り切りました。
黄色がもともと付いてくるエラストマー
緑のソフトに交換します
なかなか入ってくれないコーンゴム
こんな風に書いてますが、こんな風には出来ません
■乗り味
2019年モデルのクロトレでは、フロントフォークの突き出しを5mm作っていました。しかし、ファンフェス初日の慣らし運転で、2023年モデルのクロトレでは、突き出しは要らないかな、と感じました。キャスター角辺りには変更はないと思うのですが、感覚的には前のクロトレよりも曲がりやすくなった気がします。しかし、PHDSは純正クランプよりもハンドル位置が7mmほど高くなります。実際、試走してみると、ハンドルが上に上がって手前にせり出す感じで、若干乗りにくい。そこで突き出しを一円玉3枚分(約4.5mm)作る事にしました。試走してみると、良い感じになりました。
いよいよ実走行。不具合や調整の要があれば、戻って調整するつもりでしたが、たまたまベストだったのか、最高の乗り味でした。振動の吸収に関しては、ちょっとガレた下り坂で十分に確かめる事が出来ました。昨日の純正クランプの時は、結構ガツガツ衝撃が来てたのが、PHDSでは半分くらい。なるほど、評判がいいのもうなづけます。ミディアムは試してませんが、エンデューロで使うなら、確かにソフトの方が良さそうです。ソフトだからといって、別にフニャフニャしてる訳ではなく、着地などはしっかり踏ん張って、余計な振動だけを吸収してる感じです。
走ってて感じたのは、そう言われてみれば上腕があまり疲れないな、という事。PHDSを使ってる人が口を揃えていうのは「腕上がりしにくい」という事ですが、PHDSが頑張ってくれてるからなのでしょう。高いパーツではあるのですが、名はタダを取らんとは、まさにこういう事だな、と感じました。
いよいよ実走行。不具合や調整の要があれば、戻って調整するつもりでしたが、たまたまベストだったのか、最高の乗り味でした。振動の吸収に関しては、ちょっとガレた下り坂で十分に確かめる事が出来ました。昨日の純正クランプの時は、結構ガツガツ衝撃が来てたのが、PHDSでは半分くらい。なるほど、評判がいいのもうなづけます。ミディアムは試してませんが、エンデューロで使うなら、確かにソフトの方が良さそうです。ソフトだからといって、別にフニャフニャしてる訳ではなく、着地などはしっかり踏ん張って、余計な振動だけを吸収してる感じです。
走ってて感じたのは、そう言われてみれば上腕があまり疲れないな、という事。PHDSを使ってる人が口を揃えていうのは「腕上がりしにくい」という事ですが、PHDSが頑張ってくれてるからなのでしょう。高いパーツではあるのですが、名はタダを取らんとは、まさにこういう事だな、と感じました。
純正クランプとの比較
ハンドル位置が結構高くなります
■トランポの積み込み
PHDSを使う上で気になっていたのは、ハンドルの位置が高くなる分、トランポの天井にハンドルがつかえないだろうか、という事でした。まぁ、最悪、バイクを斜めにして積むとか、毎回ハンドルを倒して積むといった対策が考えられますが、出来れば面倒な事はしたくありません。前のクロトレは純正クランプで5mm突き出しを作って、左側のアーマーハンドガードのプロテクターを外せば、良い感じに詰めました。
今回も突き出しを4.5mm作ってはいるものの、PHDS自体が純正よりも7mmほど高いので、差し引きすると純正よりも若干高い状態です。なので積み込む時は、アーマーハンドガードの右のプロテクターを外す必要がありました。その上で、真っ直ぐバイクを載せる事が出来、若干バイクを斜めにするだけで、天井にハンドルを擦る事なく積む事が出来ました。まぁ、ミドルルーフやハイルーフの人には関係ない話しですが、標準ルーフでも難なく積めたのも、個人的にはポイントが高いです。
今回も突き出しを4.5mm作ってはいるものの、PHDS自体が純正よりも7mmほど高いので、差し引きすると純正よりも若干高い状態です。なので積み込む時は、アーマーハンドガードの右のプロテクターを外す必要がありました。その上で、真っ直ぐバイクを載せる事が出来、若干バイクを斜めにするだけで、天井にハンドルを擦る事なく積む事が出来ました。まぁ、ミドルルーフやハイルーフの人には関係ない話しですが、標準ルーフでも難なく積めたのも、個人的にはポイントが高いです。
御覧の通り、難なく積む事が出来ました
お高いパーツですが
快適な走行を約束してくれるアイテムです
コメント
コメント一覧
凸型のゴム、新品時には既に組み込まれておりますよ。
もしかしてラバーコーン2枚重ねで組んでおりませんか?
違っていたらごめんなさい。
そうなんですよ、組み込まれてるんですが、エラストマーをグリーンのソフトに替えたんで、
その時、バラさなければならなかったんですよねぇ。
ちなみに、別売のエラストマーにも、ラバーコーンが付属しています。
エストラマーは年一くらいで交換が推奨されてますんで、
ラバーコーンもその時に交換するんでしょうね^^