Beta X-Trainerのチャンバーガードは色んなのがあるのですが、自分はBoanoのお洒落なカーボンの奴を付けています。しかし、3年も使っていると、あっちこっち傷が入ったり、コーティングがガッツリ禿げたりしてきました。新品に買い替えようかなと思って値段を調べたら、2.3万円に値上がりしてて流石に断念。DIYで傷の補修をする事にしました。


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表面のコーティングががっつり削れてますが
カーボン本体は逝ってないので、表面を補修します





■瞬間接着剤を使う

 カーボンパーツのコーティング部分の補修のやり方は、ポリエステル樹脂を使う方法が一般的らしいのですが、売ってる量目が最低でも1圓搬燭、流石にそんなにあっても使い切らないと思いました。そこで他の方法はないかないなと調べたところ、瞬間接着剤を使う方法がありました。実は自分の得意分野だったりします。
 というのも、サバゲー時代にはABS板を積層して削り出して、機関銃の外装を作ったりしてましたが、その際にサラサラの流動性の高い速乾のアロンアルファをよく使っていました。スポーツライディングの時代になっても、ライトカウルのカバーとか時計マウントとか、そういうのを作る際に、当時の技術が活かされてきた訳です。
 瞬間接着剤にも色んな種類があるのですが、自分がいつも使っているのは、コニシのアロンアルフアプロ用(No.1ハイスピード) です。これは先にも述べた様に、流動性が高く、隙間にサーっと入っていき、またパテ替わりに使う時は、骨材となるABSや瞬着の粉にさっと染み込み、かつ文字通り瞬間的に固まるので、作業が楽です。しかもこのプロ用は値段が890円と普通のの倍の値段ですが、量が20gと普通のの10倍入っててお得です。もっとも、使い切らないと翌年にはカチカチに固まってたりしますが。

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まずはパーツクリーナーで脱脂します


■補修の仕方

 ここらはネットの先人のやり方を踏襲しました。まずは洗車して泥汚れなどを徹底的に洗い落とします。表面のコーティングのある方は綺麗に落ちますが、コーティングのない裏側は泥染みが残りました。まぁ、こっちは別に何もしないので良いでしょう。次に傷の部分をパーツクリーナーで脱脂します。そして、大きな傷の回りをマスキングテープで囲います。これはそこそこ大量に瞬着を垂らしていくので、余計な部分に垂れてこない様にするためです。
 そこまで準備が出来たら、瞬着を塗っていきます。ただし、とにかく薄く、少しずつ塗ります。大量に落とすと、流動性が高いだけあって余計な所に流れていきます。また、水滴状に乗せても硬化までに時間がかかります。薄くぬっては乾かし、乾いては塗りの繰り返しです。
 チャンバーガードは形状が曲面球面ですので、瞬着は位置の低い傷の周辺の方に垂れて溜まります。てっぺんの方は瞬着の膜が薄い状態です。なので塗っては固めるという作業を繰り返す事で、傷の周辺から中心に向かって、徐々に瞬着の膜を厚くしていくという感じになります。といっても、実際にはどの程度盛れてるかなんかは分かりませんので、若干厚めを見込んで塗っていくのが良いと思います。
 今回はあとで研磨してコーティングの下のカーボン地が見える様にしたいので、普段の穴埋めのパテ代わりに使う時の様に、削り粉を骨材としてそれに瞬着を垂らすやり方は使えません。ひたすら、瞬着だけを塗っていきます。ちなみに、チャンバーガードのあちこちに傷があるので、全部に一気に瞬着を塗っても垂れてしまうだけですので、一箇所ずつ盛っていかなければなりません。根気が要ります。
 細かい掻き傷に関しては、V字に傷が入ってる部分は、隙間を埋める様な感じで瞬着を流し込みます。表面をサーっと掻いた様な薄い傷のには、うっすら瞬着を塗る程度にします。瞬着のノズルで直接塗ろうとすると、ドバッと出たりする事があるので、少し出して爪楊枝などを使って伸ばすと良いです。

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余計な所に瞬着が垂れない様に
マスキングテープで養生してます

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繰り返し瞬着を塗った結果
マスキングテープ部分が段になってます

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曲面なので、重ね塗りも結構大変です

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細かい傷の部分は、うっすら塗る程度に



■削り出し

 瞬着の流し込みが完了したら、最低でも24時間は放置します。というのも、いくら速乾性とはいえ、厚塗りした部分はなかなか硬くはならず、しばらくグニグニと柔らかかったりしますし、うっかりヤスリがけをしたら、柔らかい部分がこそげ落ちたり、白く跡に残る傷になったり、ヤスリの目に瞬着がこびり付いたりと、ロクな事がないからです。瞬着を厚塗りすると、硬化する際に発生するガスが白い跡を残す事がありますが、これは後で研磨する時に消えますので気にしないで良いです。
 瞬着が完全に硬化したら、まずは金ヤスリで大まかな成形をします。ただ、派手にやるとせっかく盛った瞬着の層が薄くなったり、無事なコーティングも削り落としてしまったりするので、そこは丁寧に慎重に、少し削っては粉を飛ばして様子見ながら作業します。チャンバーガードの外側の、いわゆる凸面での作業ですので平ヤスリがあれば作業できます。ガードの曲面に合わせる様な格好で成形していきます。
 瞬着の盛りが足りなくい部分は、改めて瞬着を垂らして盛り直していきます。その際は、十分に粉を飛ばしてから瞬着を塗ります。この段階での成形の作業は、大体において削っては塗り直し、の繰り返しになる事が多いです。

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大まかな削り出しは、金ヤスリで行いました

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ピンボケして見にくいですが
削りすぎない様に注意して、表面を整えています

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瞬着が硬化する際のガスが白化して
そのままになったトコもありますが、気にしない様に


■ペーパーがけ

 大体の成形が終わったら、今度は耐水ペーパーを使って研磨していきます。耐水ペーパーの番手は、#320、#400、#600、#800、#1000、#1500を用意しました。
 先人たちの多くは、コーティングの無事なところを保護するために、傷の周りにマスキングテープを使って囲っているのですが、自分はチャンバーガードの大体どこかしこも傷が入っているので、あまり細かい事は気にせず、余計なとこはこすらない様に注意するに留めました。
 低い番手からかけていくのですが、#320は金ヤスリの目の跡を消すのに使う程度に留めました。あまり低い番手でひつこく擦っていると、せっかく盛った皮膜が薄くなってしまい、それはそれで保護の意味がないからです。ペーパーがけは傷を目立たなくするための作業だと考えているので、傷が消えれば十分だと思います。
 瞬着を塗るに留めた薄い傷は、金ヤスリを使うと深く削ってしまうので、低い番手のペーパーで表面を均して整えます。耐水ペーパーはA4サイズくらいの大きさですが、実際に使ったのは7cm四方程度の大きさでした。瞬着を垂らしてない部分は基本的にはペーパーがけしなかったのですが、それでも全体の半分くらいはペーパーがけした格好になりました。

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補修した所にペーパーがけを済ませたところ
細い掻き傷が目立ちましたが
どっちみち傷が入る部分でもありますので
細かいところは気にしない事に

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ともあれ、ガリガリになってた所は
全部穴を塞ぎました

■コンパウンドで磨き上げ

 #1500までペーパーをかけたら、今度はコンパウンドで磨き上げます。これは以前、ヘルメットの自家塗装した時に使った残りで、こんな事でまた使うとは思ってませんでした。コンパウンドは、粗目、細目、極細目の3種類ありますが、とりあえず全部使います。
 まずは粗目ですが、これで磨くと、それまで曇ってた瞬着のペーパーがけした部分が、一気に透き通った感じなります。ぶっちゃけ、傷の入ってない部分と変わらないくらいの光沢になります。しかし、せっかくですから、細目、極細目も使って磨きました。もうかなりピカピカです。
 やってる最中に気が着いたのは、結構細かい引っかき傷が残っていて、ペーパーの削りカスで白く傷が浮き上がったという事。本来なら、コンパスの針などで白い部分を削って、瞬着垂らして目立たせない様にしなきゃならないところですが、どっちみち、また傷だらけになってしまう所ですし、大きな傷の補修が今回の目的ですから、少々のところは目つぶる事にしました。
 コンパウンドで磨いたので、ピッカピカになりましたが、一番大きな傷だったところは、瞬着の重ね塗りの時点で色々模様が入ってしまったのか、下地のカーボンが綺麗に見える様な感じにはなりませんでした。もしかしたら、薄塗りしか出来ないサラサラの速乾性のものより、硬化するのに時間はかかっても厚塗りできる普通の瞬着使った方が良かったかもしれません。
 カーボンパーツは買えば高い代物ですし、それこそ割れたり穴でも開いたら買い換えでしょうが、表面に傷がつく程度なら、こうやって直して使い続けた方が良いなと思いました。今回かかった費用は、だいたい1100円くらいです。

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何年か前に使ったコンパウンド
まだ使えました

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つけ過ぎても大変なので点々と

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ひたすら磨いて、最後に乾拭きして完了

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ともあれ、ガリガリだった傷はピカピカに

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穴でも開かない限り、補修して使い続けます