前回、USWEのレンジャー4を紹介したのですが、どちらかというとアレはオマケで、今回のハンズフリーキットが本命です。その名の通り、いちいちチューブを手で掴んで口に持っていなかくても、ハイドレーションの水を飲める様にするキットです。


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説明書らしいのは、この箱の裏に書いてある挿絵だけでした

 



■SHOEI VFX-WR買い替え

 ハンズフリーキットの紹介の前に、ヘルメットを買い換える事にしました。今回もSHOEIのVFX-WRです。前回前々回とオリジナルで自家塗装をしましたが、今回から無しです。それどころか、今回買ったのは真っ白けのホワイトです。これまで、何度かヘルメットは買いましたが、真っ白のは今回が初めてです。どうして真っ白のにしたのかというと、この動画を見て、白は意外と目立つなぁと思ったからです。
 まぁ、上手な人だと何被ってても格好良く見えるものですが、自分の場合、遠方でも視認性が良いという条件があれば十分なので、だったら白一色でも構わないと思う様になりました。それに、塗装しちゃうとヤフオクとかで売れなくなっちゃうのも難点です。カッティングシートやステッカーなら、剥がせば済むので、もし、仮にサメの口を描く事にしたとしても、WFX-DTの時の様にカッティングシートでやるでしょう。
 とはいえ、全くの真っ白けでは少々寂しいので、伝統のデンジャーステッカーと安全運転ステッカーを背面に貼りました。また、ワンポイントでわざわざシルバーのノーズカバーを取り寄せ、バイザーのネジもバイザーのスクリューも前の奴から取ってスモークのに代えました。
 サイズはいつもの通り61cmのXLですが、被ってみるとみっちり感がすごい。でもまぁ、これが本来頭を守ってくれるみっちり感で、これまで被ってたのは4年間で内装がスカスカになってたのがよく分かります。ブーツの方は穴が開いたり破れたりしない限りはもう少し持ちますが、ヘルメットの方は確かにメーカーが言うみたいに、使用限度は3年くらいなのかもしれませんね。

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2代目になるVFX-WR
白の方が遠目に目立つのが分かったので
敢えて白無垢です

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といっても、真っ白けでは味気ないので
いつぞや作った塩ビ管ガードのカーボン調のカッティングシートで
簡単にデコレーションする事に

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GoProのマウントや他のステッカーは
これまでのヘルメットと同様にしました


■ハンズフリーキット組み込み

 さて、いよいよ本番です。ハンズフリーキットを組み込みます。必要な道具は、ニッパー、そして丸ヤスリがあると良いでしょう。あと、メガネ用のプラスドライバー、カッターナイフです。作例はSHOEI VFX-WRですが、まぁ他のヘルメットでも大体似たような作業になると思います。自分が参考にした動画も、VFX-WRではありませんでした。
 まず、ノーズカバーを外します。次にノーズカバーの裏についているアルミのメッシュ板を取り外しますが、これを固定してるプラパーツのネジがかなり小さい奴で、メガネ用のドライバーでないと外せません。しかも結構硬く締まっているので、メガネ用のドライバーをラジペンなどで挟んで、ゆっくりじんわり回して3本のネジを取ります。
 次に、ハンズフリーキットのチューブを差し込む穴を開けます。VFX-WRのノーズカバーは、真ん中に支柱がある格好になっていますので、左右どちらかに穴を開ける格好になります。自分は左側に開けましたが、その理由は後述します。さきほど外したアルミメッシュのチューブが入る部分を、ニッパーで切り取ります。アルミなので簡単に切れます。
 そしてアルミメッシュを固定するプラパーツを取り付けますが、チューブを差し込む時にちょっとプラパーツに引っかかりましたので、引っかかる部分を丸ヤスリで若干削りました。そしてヘルメットの口んとこにあるスポンジの、チューブが入る部分に、カッターナイフで十字に切り込みを入れます。穴を開けてしまわないのは、このスポンジは埃とかのフィルターなので、チューブとスポンジの隙間が開かない様にする為です。
 これが済んだら、チューブの先にバルブバイトを付け、ノーズカバーをヘルメットに取り付け、チューブの後端についてるベルクロ部分をヘルメット本体にセットします。本来は、ヘルメットの帽体や内装にベルクロテープを貼り付けて使う様ですが、WFX-WRはテープ貼る部分が適当でなかったり、内装もテープが効かなさそうな感じだったので、ベルクロテープを内装の隙間に押し込む格好にしました。まぁ少々の事では取れないっぽいです。

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チューブを通す穴開け
今回は下にしましたが、上でも良かったかも?

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本体側にも穴を開けます
失敗は許されないので、慎重に位置決めして下さい

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本来は固定用のベルクロは
内装や帽体に貼り付けて使いますが
今回は挟み込むだけにしました

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組み込んだ感じはこんな感じです
バイトバルブは前後する様に
チューブを動かせる様にしてあります



■ハンズフリーキットの使い方

 ハンズフリーキットは、その名の通り、手でいちいちチューブを掴んでバイトバルブを口に持っていかなくても良くする為のものですが、実は問題があります。というのは、バイトバルブが口に入った状態でチューブの位置を固定してしまうと、常時、バイトバルブを口に咥えた状態で走り続けなければならない、という事です。結構うっとおしいです。これがうっとおしくない人はそれで良いのでしょうが、自分はこれが嫌さにこれまでこの手の加工をしてきませんでした。
 ところが、このチューブはノーズカバーにキチキチに固定するのではなく、若干動く様に余裕持たせて穴を開けておき、使う時に手で出し入れする人が結構居るらしいのです。これだと厳密な意味でハンズフリーではありませんが、走行中にチューブを押したり引いたりする程度であれば、手でチューブを掴むよりは全然楽です。
 ノーズカバーのチューブを挿す穴を左側に開けた理由は、チューブをヘルメットの左側から出すためで、左手でチューブを操作する為です。これまではチューブは右側から出してて、右手で掴んでたのですが、それは自分が右利きで目視できないチューブを掴むには利き手でやるしか無かったからです。となると、給水する時はスロットルから手が離れる訳で、その度に減速せねばなりませんでした。しかし、今後はチューブの出し入れという単純な操作ですので、左手でも出来るでしょうし、スロットルから手を離さなくても良くなるので、これまでみたいにあからさまな減速をしなくても済むでしょう。

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チューブを引っ張った時の位置
下唇の下あたりにバイトバルブが来ています

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チューブを押し込んで、いい感じにバイトバルブを咥えます


■本体との連結

 さて、ヘルメットの方が整ったら、今度は本体の方と連結します。本体の方には、チューブの先に標準で45度の角度のついたバイトバルブが付いています。これを外してハンズフリーキットのクイックカップリングを取り付けます。
 ただ、標準のチューブは結構長く、取り付けたところかなり余りました。余った部分をバックの中に押し込みましたが、そうするとチューブが長いだけあって、吸うのもちょっと大変な感じ。しかも、背負ってヘルメットのチューブに接続してからだと、バックから出たチューブをバックに押し込むのが一人では無理で、誰かにやって貰うのでも入れるのが大変という事が分かりました。
 そこで、チューブは消耗品だと心得て、思い切ってバックのショルダーストラップから出たとこ20cmくらいのところでバッサリとチューブを切って、カップリングをつけました。20cm以上だとチューブがたわんで首が左に回しにくく、20cm以下だと短すぎて右を向けないといった感じです。
 一応は絶妙な位置でカットしたつもりなのですが、それでもヘルメットの後端から背中にかけてチューブが伸びてる感じで、なんか引っかかったり、コケた時に千切れたりしそうな雰囲気ですが、まぁ、今んとこはこれ以上のことは出来ないので、しばらく様子を見ようと思います。
 ちなみに、連結はトランポの窓ガラスに映る姿を見てやらない事には、ブラインドだけでやるのは結構大変でした。といっても、一旦連結したからには、途中でヘルメット脱ぐにはチューブを外さねばなりませんし、そうなったら再度ヘルメットをかぶってチューブを連結するには、手探りでやらねばならないので、まぁ、慣れるしかないですねぇ。

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本体のチューブをばっさりカット
ちなみに、別売でチューブは売ってます

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フル装備ではこんな感じになります
薮に突っ込んだら、チューブの隙間に色々入りそう

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ネックブレース をしてても干渉しません
首を左右に動かす余裕もあります

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カプラーの脱着は、手探りでやるには慣れが必要です


■お手入れの問題

 このハンズフリーキットの連結カプラーのよく出来ているところは、連結してない時は、本体側のチューブから水が漏れず、バルブを吸っても空気も吸えないという事です。カプラーを連結する事で、カプラーのオス側の突起が押し込まれて、水が吸える様な構造になっています。つまり、連結前は逆さにしても水は漏れないという事です。
 しかし、これを終わった後の手入れで考えた時、まずヘルメットを脱ぐ時はカプラーを外してから脱ぐのですが、そうするとバルブ側、本体側の各々のチューブの中に液体が残った状態になります。今までだと、帰ってからハイドレーションの中に水入れて洗って、チューブから排出する事でチューブの中も洗う事が出来ましたが、今度からはヘルメットからバルブ側のチューブも外して本体側に連結して持って帰ってこないと、こうした洗い方は出来ません。ちょっと面倒くさいです。
 言い換えるなら、ヘルメットに取り付けるバルブ側のチューブは、常時ヘルメットに装着した格好でなく、使う時に取り付けるといった使い方になると思います。まぁ、それもあって、バルブ側のチューブを固定するベルクロテープは、敢えて内装に貼り付けず押し込む格好にしたのですが、まぁ、今後の状況次第では、やっぱり貼り付ける方が良いのか、他の方法を考えるかもしれません。

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ノーズカバーをシルバーにしたら格好良くなりました
今シーズンはこれで頑張ります