今年に入ってGPスクールを受ける様になり、受講するたびにこれまで習ってきた事がピタ、ピタと組み合わさって形になっていくのを実感しています。また、そのGPスクールでも日々新たなテーマが出現してるとの事です。夏場は暑くて勉強にも練習にもならないので、涼しくなった時期を待って、通算98回目と99回目のスクールの受講にやってきました。
清々しい秋晴れ
今日は良い走りが出来そう
■体重心、軸はどこにあるか?
今回のスクールは、生徒はなんと自分一人! という事は、徹底的に走り込みやるって事です。先生独り占めなので、ある意味、超お得なスクールです。まずはいつもの様に、スタンドにバイク立ててフォームチェックからです。このフォームチェック、これまで何十回と受けてきていて、流石に基本的なベストテクフォームは頭に入ってて、フォームも取る事が出来ますが、今回習った事はそうした事がまだ十分でない人には、ちと難しいかもしれません。
ここから先は、最新のテーマでもありますので、あまり事細かには書きません。ただし、結構キモになる部分です。ベストテクライディングというのは、骨盤を立てるだとか前傾くの字といった、ベストテクフォームをとる事によって、前後左右から来るGをベクトル転換して(いわゆるBのベクトル)トラクションとか接地感とかを良くし、バイクの挙動をフルに生かした乗り方をする訳ですが、問題はちゃんとした体の使い方をしてなかったら、これらは上手い事出来ない、という事です。
自分の体重心はどこにあるか、軸はどこにあるか、それが停体重心になってたり、軸がズレてたりしたら、当然、トラクションはかかりませんし、マシンの挙動は活かせませんし、結果、あらぬ部位の筋肉と根性で頑張るしかないのです。
自分の場合は、腹回りに体重心が集まってて、腰がガチゴチに固まってて、軸が体の対角線上にあるとの事でした。
フォームチェックのあと、急いで描いた図
アウト側を高く、というのはこれまでもやってましたが
問題は体の中がどう動いてるかでした
■固めるのを意識する部分
ではどうするのか、という事ですが、現象としては「イン側に入り込んでる軸をバイクのセンターに持ってくる」「その為には、意識して固めるところを腰ではなく、アウト側の肩甲骨回りにする」という事です。体重心は意識した固めたところに来る、と言われています。骨盤立てて脊柱起立筋立てて、というのは従来通りですが(というかここが緩んだら、元も子もなくなる)、その上でコーナーリングフォームの時に、アウト側を固めて、そっちに体重心と軸を持ってくる。アウト側の肩、背筋、腰、足を通じて、アウト側のフットペグに加重が掛かる格好になる。という具合です。
それを意識して、まずは南コースを走ってみました。するとどうでしょう、実にコーナーリングがスムーズです。これまでもベストテクの型の通りにやってきましたが、それが実に自然というか、無理やり感がない。体のアウト側に軸がある感じ。イン側からGを受けて、ベクトル転換されてる感じがします。少々のギャップとか、石ころとか、そんなものは全然気になりません。
試しに前の意識で乗ってみたのですが、腰だけ固めていると、コーナーの進入体勢もコーナーリングフォームも、腰の上に乗ってる上体でやるしかないのですが、確かに右肩から左腰に向かう線で体を動かしている。そうすると、軸はイン側に入り込んでいってしまい、フロントが拗れたりズレたりで安定しません。安定しないのでブレーキもアクセルも上手に使えない。結果として「バイクに乗せられている」だけの走りにしかなりません。
改めて、アウト側を固める様にして乗ると、前みたいに上体をグニャグニャ動かす事なく、必要な分だけ動かして固める感じ。というか、その乗り方をすると、自然に曲がっていくので必要な部分で動きを止めて固める感じです。兎にも角にも、安定しててスムーズで、しかも何故かあまり疲れない。習って直ぐに習った事が実感できるのは、なかなか無い事です。
手前のコブを外して、左右に切り返して走ってます
これまではここは惰性で通過してました
■ブレーキを使える、加速を入れられる
午後からは初級中級コースでさらに走り込みです。まずは初級コースから。このコースには、往きに3連のコブがあり、復りが極めてなだらかなS字をかいたストレートになっています。そして手前と奥のコーナーはタイトコーナーです。早速走ってみたのですが、やはり効果は覿面で、以前と同じ程度のアクセルの開け方ですが、明らかに軸があって、接地性が良くて、グリップ感を感じれる走りです。顕著なのは、ジャンプの前にしっかりブレーキを掛けれて、アクセル開けて飛べる事。そして着地してすぐに加速に移れる事です。また、奥のタイトコーナーには、ちょっと轍が掘れているのですが、そこにもストレスなく自然に入っていけます。今までは、「そこでブレーキ、そこでアクセル」といった感じで、指示に従って動いていた様な感じですが、今の走りはここでブレーキ当てて、ここでアクセルオン、といった感じに自然に操作する様になっていました。
そこで先生から、「復りのS字の所でアクセルを入れてみて」とアドバイスがありました。これまではここは惰性で走って、手前のタイトコーナーの前の坂に乗り上げる様な感じの走りだったのです。そこで緩やかであってもS字をコーナーと心得て、手前でブレーキを当てて、コーナーを抜ける際にアクセルを入れる様にしました。すると、ダラダラと惰性で走ってる感が消えて行って、メリハリ良い走りに変わっていきました。
ちなみに、S字のそのアクセルを入れてと言われた所から奥のタイトコーナーまでは、それほど距離がある訳ではありません。惰性でも行けるくらいの短い距離です。以前なら、そんな所でブレーキ使ってアクセル入れるなんて事は出来ませんでした。だから惰性で抜けてた訳です。しかし今は、微調整的にブレーキもアクセルも使えてます。
昔、「直線が5mあったら、3mまでは加速、2mから減速」と言われた事があって、「そんな事出来るかいな」と思ってましたが、まさにその様な走りをやる様になってました。
軸ができ、加重が掛かり
早めにオン、早めのオフが出来る様に
コーナーだけでなく、ジャンプの挙動も良くなりました
ラインも自在に選べる様に
これを毎日やったら、あっという間に痩せそう
■意識が抜けない様に反復練習
お次は中級コース。こちらは往きが長いストレート、奥のタイトコーナーを曲がって、復りはコブが二つ、手前のタイトコーナーはバンクになっています。これまでにも何度も走っていて、コブが連続してないので、人によってはこっちの方が走りやすいと感じる人もいます。
こちらで顕著に感じたのは、ジャンプの挙動が非常に良くなったな、という事。ちゃんとブレーキが使えてるので、斜面でしっかりアクセルを開ける事が出来ます。当然、飛びも良い。クロトレはモトクロッサーと違ってサスは柔らかめなので、あまり飛びすぎると着地がガシャーンという具合になるので、ある程度は膝で吸収するのですが、それでもスッとは着地できないので、むしろ抑えて飛んだ方が次の加速に繋がりやすい。というか、サスの動きが感じられるほどに、感覚が研ぎ澄まされるのが、今回習った事の特徴です。
手前のバンクコーナーでは、これまでと違って、明確に上からバイクを抑え込み、コーナーの入り口でサスが沈んで、出口で伸びていく感覚を感じました。「コーナーとジャンプは(サスの動きが)同じ」とよく言われるのですが、まさにそんな感じです。コーナーの立ち上がりから加速に移るのがクイックになった感じで、かなり手前からアクセルを開けれて、余裕をもって減速する様になりました。
こんな感じでご機嫌に走ってたのですが、走ってる最中はあまり疲れを感じないとはいえ、やっぱり一日走ってると疲れはするみたいで、うっかりするとアウト側が緩んだり、上体がフリーになって外側の足だけ踏ん張ってたりと、ミスする事も出てきました。そうなると途端に安定した走りが出来なくなるので、すぐに気がついて意識し直す、という具合です。
また、スタンディングだと上から押さえつける感じが分かりやすいですが、シッティングだとどうか。エンデューロでは座ってる時間も長いので、それも試してみました。結果としては、座って膝が曲がった状態であっても、やはりアウト側の肩甲骨周りや背筋を固めて乗ると、その加重がアウト側の足に伝わる、という感じで、基本は立ってても座ってても同じという事が分かりました。
相当走り込んだ気が
なんとなし、足が細くなった感じです
エンジン稼働時間が108分
エンジンかけっぱなしにしなくても寝れました
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