先日のモチュールカップ第5戦にて、開始40分ほどで元気がなくなり、レース後明らかに低糖質っぽい感じになった事をうけ、急遽、走行前に摂るべき食事の内容について再検討する事にしました。結論としては、「無理にでも食っておかないと持たない」という事になりましたが、「あまり食えない状況でどう食うか、その中身」について研究する事なりました。


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走行糧食にラインナップされたもの





■こないだ食べたもの

 まず、先日のモチ杯で走行前に口にしたものですが、ファミマで買ってきたバナナ1本、菓子パン2個、梅干し2個、これだけです。朝、起きてからバナナ1本と菓子パン1個食べ、その後熱中症除けに梅干し2個食べて、下見ラップの途中から小腹が空いて、残りの菓子パン1個食べて本戦に出た、という流れです。朝起きてから本戦までの時間は約4時間です。
 明らかに食べてる量が少ないのですが、自分は起き抜けにあまり食べれる質ではなくて、この日も普通に食ってその時点では物足りなさをあまり感じてませんでした。以前、レース前糧食の研究をしたのですが、あの時は体重が110kgほどあってモトパン履いたら腹回りがきつくて、物理的に食えないという事情があったのですが、今は93kgまで絞って腹回りはユルユルなのにも関わらず、そんなに食えないのです。
 ちなみに、この日走行前に食べたもののカロリーは、ざっと850kcalくらいだと思うのですが、おそらく走行小一時間ほどで消尽したのだと思います。デブなんだから、体のあちこちに溜め込んだ脂肪を使ってくれれば良さそうなものですが、そうは問屋が卸さないのが人体の科学というものみたいです。多くのスポーツ科学で言われている様に、ある程度は科学的な知識に基づいて、無理にでも食わんことには運動が続かない、という事を身を以て体験したという訳です。
 とは言え、あまり食う気にならないのは変わらないので、となると少量でもそれなりにカロリーだのレースに必須な栄養素だのが摂れるもの、という事になります。かつ、レースの前には湯を沸かすのさえ億劫ですので、暑い寒い関係なしにそのまま食べれるもの。つまりレーション的発想で今回も考えました。ただし、前回と違うのは、かなり栄養的な面も考慮した、という事です。

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カロリー的にもこれでは少ないらしい


■レースの日の朝

 レースの日の朝は、出走2時間前に起きる様にしています。JNCCのFUN-GPやWEX90なら0800時ころ集合ですから、0600時起床。モチュールカップだと0900時ライダーズミーティングですので、0700時起床という具合です。起きて直ぐにやる事は、スリーピングマットやシュラフを丸めて荷室を開ける事です。それが済んでから食事という事になりますが、夜中あまり熟睡できてない(眠りが浅くて何度も目がさめる)上に、やっと寝れたと思ったら起床時間という感じで、それが原因であまり朝から食欲がありません。
 それでもクエン酸作って飲んだり、かろうじて食べる気になる菓子パン齧ったりしてるうちに、大を催してトイレへ。意外にもレースの朝は大を催す事が多く、しかも出走前に3回くらい行ったりする事もあります。バイクのチェーンに油やったり空気圧を再検討したり、キャメルバックの用意をしてる最中に、催して大に行くという感じです。
 出走40分前にはウェアに着替え、あとは装具を着けるだけの態勢になります。30分前にアミノボンバーを摂取しますが、その時、残っていたアミノ酸水を使う事はあっても、食事らしいものは口にしない事がほとんどです。
 この様な感じで、レースの朝には、食事らしい食事を摂らない、というか摂る気にならない感じです。他の人は、湯沸かしてカップ麺食べたり、ご飯炊いたりする猛者もいますが、自分は湯も沸かすのが面倒です。さりとておにぎりを買っておいても、そういったのはまず朝に食べる事はなく、レース終わってから食べる事がほとんどです。
 菓子パン(惣菜パンはまず食わない)は食べるというのは、チョコレートやクリームといった甘味だからだと思います。要するに、「手っ取り早く食べれる事、あまり量が多くない事、甘味の方が嗜好に合ってる事」を踏まえた上で、レースで消尽するエネルギーを補充しうる食品を再検討しようという事になりました。

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菓子パンを食べたら、それ以上食えなくなる癖に
走り出したら物足りなくなる
カロリーメイトと練乳食べてる方がマシという事に気がつきました


■サプリメント関係

 ジャコラのクエン酸パワーとアミノボンバー3800は数年前から勧められて使っているのですが、実はこれまでその効果はあまり実感出来てませんでした。クエン酸の方はせいぜい翌日以降の筋肉痛がマシになる程度。アミノボンバーは90分のレースで最後まで元気である程度。まぁ、その程度の効果しか感じてなかったのです。なので、練習などでは(値段も高いという事情からも)飲まずに走っていました。
 しかし、こないだのモチュールカップでは、アミノボンバーは切らしてたので飲めなかったのは仕方ないとして、クエン酸パワーは水に溶くのが面倒で飲まずに走り、結果として40分ほどでパワーダウンの憂き目に遭いました。帰宅後、改めてクエン酸パワーとアミノボンバーの効能を読み直したのですが、クエン酸パワーの方は筋肉中に蓄積される乳酸をエネルギー化する性質があり、アミノボンバーの方は筋肉中のタンパク質分解を抑えたり、運動時にはエネルギー源として利用されるBCAAとかOCAAといった成分が含まれているとの事。要するに、これから運動するぞという時に飲んでおくと持久力とかパフォーマンスを上げる効能のあるサプリメントで、飲んでた方が圧倒的に有利なもので、むしろちゃんと飲んでおかんと後々大変という性質のものです。
 クエン酸パワーは1包を500mlの水に溶いて飲むのですが、結構酸っぱい飲み物で一気に飲むには難儀します。もっとも、500mlも一気には飲めません。そこで、脱水症状避けの経口補水液のパウダーと一緒に溶いて飲みやすいようにしています。アミノボンバーは出走30分前に飲みますが、これは結構クソまずい粉剤ですので、味あわない様にクエン酸水で一気に胃袋に流しこむ様にしています。ちなみに、クエン酸パワーは時間が経つとクソまずくなるので、必ず朝起きたら作って、出走までに飲みきる様に心がけています。

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クエン酸はそのままだと酸っぱいので経口補水液を入れると甘くなる
(かつ、脱水予防にもなる)
アミノボンバーはクエン酸水で一気に流し込むのがコツ



■少量でカロリーとカフェイン豊富

 朝、起き抜けに食べるものは、菓子パンでも構わないのですが、どら焼きとかカステラといったもの、またバナナなんかも良いと言われるので、その辺りの普通に売っているもので高カロリーなものを前日の買い出しの時に用意します。おにぎりが無理でも、サンドイッチなんか良いかもしれません。
 問題はその後で、ここから先は意識して、ある意味、強制的に食べねばならないのですが、当然、作ったり食うのに手間が掛かるものでは、そういう気にならないので、無調理でさっと食べれるものを選ぶ必要があります。かつ、あまり量が多いと食べれませんので、その辺りも配慮しました。
 まず、絶対摂取になるのは、500mlの水で溶く経口補水液とクエン酸パワーで、これはなかなかの容積です。なので、前回検討したレース前糧食では、カロリーメイトにゼリー飲料をチョイスしてましたが、走行糧食ではゼリー飲料はオミットしました。その代わりに、ドイツ製のショカコーラとチューブ入りの練乳を加える事にしました。
 カロリーメイトは4本80gで400kcal、ショカコーラは8ピース50gで272kcal、チューブ入り練乳は120gで329kcal、合計で1001kcalです。ショカコーラは16ピース100gですが、一気に100gも食えないだろうと判断しての事です。これらは一気に食べるのでなく(食べてもいいけど)、出走前までちょいちょいつまむ格好で喫食する事で、あまり食えない状態を回避するのを目的とします。
 特筆すべきは、ショカコーラは100g中200mgもカフェインが入っています。カフェインの効能については他でも多く語られていますので、ここでは割愛しますが、集中力だの除倦などの効果を期待しての事です。
 ちなみに、カロリーメイトとショカコーラと練乳の食い合わせですが、どれもこれも結構合います。これなら抵抗感なく食べれそうです。

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下手に菓子パン食べるよりは、カロリーメイトの方が滋養豊富です

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日本語の栄養表示では、カフェイン量が
ミルクは230mg、ビターは290mgになってますが
ドイツ語の方ではどっちも200mgです

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1本丸ごと吸えば329kcal取れる計算になりますが
実際にはそんなに吸えませんw

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練乳使うなら、ショカコーラはビターの方がいいかも


■実際の運用

 一応、前日の晩に翌日の朝に食べれそうな物を買っておくのですが、起き抜けに食べれるとしたら、菓子パンくらいなもので、それだとそれ以上は食えなくなる割にはカロリー的には持たない、という具合になるので、素直にクエン酸水とカロリーメイト、ショカコーラ、練乳などを食した方が効果が高い様です。
 重要なのは、クエン酸パワーとアミノボンバーを必ず摂取しなければならない事で、これらの有無は食事以上にスタミナに直接影響します。クエン酸パワーは500mlの水に溶かして飲むのですが、一気には飲めないので、朝おきたら用意して、食事を含め出走までに少しずつ飲んでいきます。アミノボンバーは出走30分前に摂取する事でスタート時からの効果を期待しているのですが、クソまずい粉剤ですので、口の中で味あわない様にクエン酸水で一気に流し込むのがコツになっています。
 これら走行糧食を投入して感じたのは、体力気力が長時間保たれる事、意識が明確で気持ちに余裕が持てる、といった効果でした。食えないなりに食う工夫をし、サプリを活用する事で、自分のパフォーマンスを少しでも向上できるのを実感できました。

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走行糧食は、雑嚢に一まとめにして持ち出しできる様にしました


■費用

 何事にもお金がかかる訳ですが、今回特に高いなぁと感じたのは、ショカコーラでした。これは昔から高くて、2006年時点でも500円はしてましたが、現在は600円+消費税という事です。ただし、ネットだともう2割ほど高かったり、送料が1000円くらいしたりと、結構人を馬鹿にした値段になっています。しかも、品切れになったりする事も多く、欲しい時に手に入らないという事もしばしば。まぁ、舶来品ですので仕方ないですが、値段が高いのはちゃんとカカオバター使ってるとか、そうした原料の面でも安物とは違うといった事情もあるようです。ともあれ、2022年秋時点での価格は以下の通り。
  • カロリーメイト:148円(ドラッグストアで調達)
  • ショカコーラ:660円(希望小売価格)
  • チューブ入り練乳:180円
  • クエン酸パワー:153円(1包あたり)
  • 経口補水液パウダー:60円(1包あたり)
  • アミノボンバー:293円(1包あたり)
  • レッドブル:209円
 合計でざっと1703円。そこそこいい値段します。特に高いのは先に述べたショカコーラですが、クエン酸やアミノボンバーも大概高いです。機能性食品というのは、高機能であるがゆえに値段も高い訳です。1700円も出したら、そこそこ良いもん食える訳ですが、特殊な状況かつ特別な機会という事で、自分のパフォーマンスを出来るだけ維持向上するために、必要な装備への支出だと考えています。

2022-10-18 02.05.24
出来るだけ安く仕入れ、買い置きしておく事に
また一元管理してレースのたびに
雑嚢に入れて持ち出し出来る様にしました