本来ならモチュールカップ開幕戦に参加するはずだったのですが、先日のWEX勝沼の下り坂で右側に転けた時に打ったのか、終わって4日も経ってから微妙に痛み出し、また肋骨やったのか整形外科に行ったところ、レントゲンには写ってないけどヒビ入ってるかも?と言われました。で、どうするかかなり迷ったのですが、結局大事とって不参加。しかしせっかく3連休にしてたので、それを無為にするのも勿体ないので、先日壊して修理に出したトランポを車屋さんから回収し、前から考えてたタイヤハウス収納を作る事にしました。
■要求
そもそもタイヤハウスに棚をつけようと考えたのは、荷室で着替える時にタイヤハウスに腰掛けて着替えてるのですが、もう少し座り心地を良くしたいと考えたのが発端でした。次いで考えたのは、タイヤハウスの後端に物を置いているのですが、特に右側は充電式の空気入れやブロワなどがゴチャゴチャしていて、これをうまい具合に収納したいと考えました。
もう一つは、どうせ棚をつけるなら、車中泊の時の寝板を載せる脚替わりにしたい、という事です。寝板を使う為には、鋼製束を並べてツーバイ材を乗せてと結構手間がかかるのですが、荷室の両サイドに棚があれば、その上に寝板を乗せられるでしょうし、その分の鋼製束やツーバイ材が要らなくなるという寸法です。
そこで色々考えたのは、こういった事でした。
- 体重に耐えうる強度、構造を持っている事
- 寝板を乗せる為に高さは左右水平である事
- タイヤハウス後端部分の装備の出し入れがしやすい事
タイヤハウスの先端部分の収納は省いている
■設計
ハイエースのタイヤハウスに収納付きベットキットをDIYする作例で多いのは、荷室の前後を差し渡す格好で収納ボックスをしつらえ、それをベットキットの土台代わりにする方法ですが、自分の場合はバイクを搭載して固定する関係上、スライドドアから先はボックスを延長する事は出来ません。故にベットキットの土台としては、その先は何かで代用する必要があるのですが、それ以上に問題なのは、タイヤハウスの後端には工具箱や充電式の空気入れやブロアを置いているので、蓋付きのボックスにすると使い勝手が悪くなってしまいます。
そこで現物を見ながら色々考えたのですが、まず着替えで座るタイヤハウスの部分は体重に耐える構造であること、タイヤハウスの後端の上にも物が置けるようにするが、工具箱などを出し入れし易い様に開放型にする事。タイヤハウスの先端はあまりスペースが取れないし、そこに収納を作るとスライドドアからのアクセスが悪くなるので、先端部分は収納は作らない事にしました。
左側のタイヤハウス後端、工具箱が鎮座
タイヤハウスの上には折りたたみ椅子
タイヤハウス後端の右側
マキタの電動工具がばらけそう
荷かけD環はバイクの固定にも使用
タイヤハウス先端はあまり収納スペースがないのと
スライドドアから物の出し入れがし難いので
収納は作らない事に
■製作
近所のコメリで塗装用のコンパネ材を購入し、設計図を元にカットして貰いました。カットは1回30円ですが、一発では決まらず、この日一日、何回もコメリに出向いてカットして貰いました。その日に買った物なら何度でもカットして貰えますが、日にちが経つとダメとの事で、その場合は買ったレシートがあればやって貰えるそうです。
カットして貰った部材を仮組みして分かったのは、タイヤハウスとその後端に収める工具箱の間に仕切り板を入れて天板の支えにするつもりをしてたのが、工具箱は台形を逆さにした形で上の部分がタイヤハウスに結構入り込んでいて、仕切り板を入れられないという事でした。まぁ、斜めに入れるのもブサイクなので仕切りを入れるのは無しにして、他の方法で強度を持たせる事にしました。また、工具箱の下は荷かけのD環(床板の固定ボルトも兼用)が出っ張っていて、ここに板を敷いて先ほどの仕切りと棚の後端の板に連結する事で強度を持たせるつもりだったのですが、工作が結構面倒になるので、他の方法で強度を持たせる事にしました。
天板はそのままでは荷室の後端部分のアールの部分が浮いてしまうので、段ボールでアールの部分の型を取ってジグソーで切り落としました。また右側はヒーターが出っ張っているのでその部分も型を描いて削ったのですが、寸法を間違えてちょっと後ろの方まで削ってしまいました。こういうのは現物あわせでやらざるを得ないので、結構難しいです。
コメリで塗装用コンパネを購入
図面を元にカットしてもらいます
ざっくり仮組みしてイメージが実際にどうなるか見てみます
荷室の内壁に合う様、ダンボールで型紙を作り
ジグソーでカットします
やってみて分かったのは
タイヤハウスと工具箱の間に仕切りを付ける余裕がない事でした
■現物あわせ
部材の結合はビス留めにしました。一応ドリルビスを買ってきたのですが、目見当で刺すと明後日の方向にねじ込んだりして板からビスが出てきたりする事もあるので、面倒でしたがドリルで下穴を開けてからねじ込む様にしました。インパクトドリルがもう一つあれば楽だったなぁ。
形が決まれば組み立てるのにさほどの手間はなかったのですが、やはり問題なのはタイヤハウスの中央の仕切り板を入れられなかった事で、天板の上に座ったら体重で板がしなってしまう事。そこで考えたのは、細長い板をタイヤハウスの上に乗る様に棚につける事で強度を担保しました。また後端部分の収納の部分も同じ様に壁側に板を沿わす様につける事で強度を持たせました。ただ、ここは物を出し入れするところが大きく空いているので、ここには座らない方が良いと思います。
昔、100系ハイエースの燃料缶用の仕切りを作った時は、床に固定をしなかったのですが、それだと仕切りが動くし隙間にゴミが溜まるしで、あまり良くなかったので、今回はL字アングルで床板にビス留めしました。車体の壁にも止めた方がもっとガッチリ隙間なく固定できるのですが、車体を傷つけたくなかったのでそれは目を瞑りました。
結局、左右とも仕切なしで組む事にしました
となると、天板の支えがなく、強度を持たせられません
そこでタイヤハウスの上を板で支える事にしました
かなりやっつけな仕事になってしまいましたが
それなりに強度を持たせる事が出来ました
皿ネジの頭を板と面一にするため
面取りカッターでザグリを設けます
棚が動かない様にL字アングルで床板にビス止めしました
壁側に隙間が出来てますが、少々は目を瞑ります
■仕上がり
現物あわせであれこれ考えながら作ったので、コンパネのカットやら部品の買い出しやらで、何回もコメリに行き来したものの、作業そのものは半日で完了しました。変更はあったものの、大体はイメージ通りの物が出来ました。
この収納を作った事で、着替えの時に座りやすくなっただけでなく、この収納の上にも物が置ける事で荷室の収容力も向上しました。さらには、寝板の土台としても活用できるので、プシュパカ・ラタ号の機能は相当に向上しました。ただ、タイヤハウスの間がコンパネ分狭くなったので、バイクの積み方はきっちり整頓して積まねばなりません。
欲を言うならば、塗装用のコンパネでは見栄えがちょっとアレだなという事。他の人の作例では、ちゃんと塗装したり、トーチで焦げ目を付けたりと、皆さんおしゃれに作ってらっしゃる。今回これを製作した事で、きっちりした寸法も分かりましたし、金銭的に余裕が出来たら、上等な板を使って作り直すかもしれません。
工具箱の下にコンパネの端切れを当てがい
荷掛けD環が引っかからない様にしました
棚を作った事で、充電工具の収まりが良くなりました
コンパネ分、気持ち狭くなりましたが
利便性は向上しました
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