去年の年初から秋にかけて、低GI対策としてライ麦粉を使ったコミスブロートを食べ続けていたのですが、アルファ米が60kgも手に入ったという事で一旦やめました。ところが、乾燥米とはいえ米には違いないので、あっという間に体重が戻り始め、これじゃ具合悪いという事でコミスブロートを再開する事にしました。しかし、同じ様に作っているのに、ちょっと具合の悪い事に食味の悪いのが出来てしまう様になりました。


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いい感じに焼けたコミスブロート





■業務用ライ麦粉

 これまでは富澤商店でのライ麦粉(鳥越製粉のヘルゴランド)を買っていたのですが、これは1kgで594円します。ウチの近所にある富澤商店は千葉のそごうの中に入っているのですが、電車で行くには持って帰るのが面倒ですし、トランポで買いに行くには駐車場に停めねばならず、駐車料金が無料になるのは3000円以上買った場合ですので、6袋買わねばなりません。まぁ、それは良いのですが、ネットで注文する場合は1kgで668円で3980円以上買えば送料無料という事で、やはり6袋買ってました。
 しかし、4000円近く出すのなら、業務用の10kgのが買えてしまう事が分かりました。しかも送料無料のネットショップもあったりします。ちなみに、6袋は6kgですが、自分がフッ素加工飯盒で作るコミスブロートに使うライ麦粉の量は、1個400gですので6kgで15個分。つまり毎週1個作るので、3ヶ月と3週間分という事になります。だったら、試しに10kgのを買ってみようかという事になりました。
 で、その業務用のが届いたのですが、予想通り、10kgのライ麦個がでかい袋にドーンと入っていました。ただの紙袋でなく、中にはビニール袋が仕込んであって、保管中に湿気ったりしない様に工夫されています。しかし、開封したらその直後から湿気るのは必定ですので、1kgずつ密封パウチに小分けして、空気をできる限り抜いて、保管する様にしました。
 本来ならば冷蔵庫にでも入れて保管するのが良いのでしょうが、冬場という事もあり、暖房のない廊下は昼でも結構寒いので、当面は常温?管理をする事にしました。

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写真が逆さまなのではなく、逆さまに置いたのです

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中はこんな感じ
湿気防止のビニールがしつらえてあります

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1kgずつ密封パウチに入れて保管します


■サワー種の起こし直し

 去年、半年間に渡って種継ぎをして使いまわしたサワー種は、9月の岩手行きの際に死んでしまったので、改めて作り直さねばなりません。とは言え、去年、枝付きレーズンから酵母を起こし、それを元にサワー種を起こす方法を習得していますので、それほど難はありません。季節的にサワー種を起こすには不向きな寒い時期ですが、それもヨーグルティアがあれば温度管理には困りません。
 サワー種にする粉は、ライ麦粉でも構わないのですが、去年から残っているグラハム粉も使ってみました。ただし、グラハム粉は小麦の全粒粉に比べると粘度が高いのか、ドロっとした感じにならず、粘土っぽい感じになります。サワー種としては水に溶けにくい感じで、余ってるから仕方なしに使いましたが、あえて使いたくなる粉ではありませんでした。

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水200gに対してレーズンは50gで良かったのですが
100g入れてしまっています

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その為、レーズンが膨らんで溶液が少なくなってしまってます


酵母が起きた時は
蓋をあけるとサイダーみたいになります

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ライ麦粉とグラハム粉を半々でサワー種にしてみました

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この時点では、サワー種が弱いのかな、と思ってました



■ベタベタの仕上がり

 さて、サワー種も出来たので、早速コミスブロートを作ってみました。作り方は去年と同じです。
  1. 180gの水にサワー種を溶き、180gのライ麦粉を混ぜて、28度で9時間発酵させる。
  2. 40gの蜂蜜を150gの湯で溶き、冷ましてからサワードウ、ライ麦粉220g、塩10gを混ぜる。
  3. 35度で60分、一次発酵を行う。
  4. パンチングして空気を抜き、20分休ませる。(その間、飯盒の内側にラードを塗る)
  5. 飯盒に生地を入れ、成形し、35度で50分、二次発酵を行う。
  6. 180度に余熱したオーブンで30分間焼く。
 ところが、二次発酵でやたらめったら膨らんでいるのに気付きました。まぁ、そんな事もあるかと思い、そのまま焼いたのですが、焼きあがった時には真ん中が凹んだ変な形になってました。そして驚いたのは、切ってみると中がベタベタの生焼けで、パン切り包丁の通りが悪いくらいです。食味も非常に悪く、とても食べれたものじゃない。試しに追い焼きしてみましたが、表面がカリカリに焦げただけで中身はベタベタ。諦めて捨てました。

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ここまで膨らむのはちょっと異常

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なんだか異様な出来栄えです

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切ってみると、上はスカスカ、下はぎっちり
全体的にベタベタの生焼け状態です

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追い焼きしても状況は改善しませんでした


 中がベタベタの生焼けになる原因はなにか? まず考えたのは水の量が多いのかという事と、焼く温度が低いもしくは短いという事でした。また、サワー種が弱いのかという事も考えました。その後、水の量を加減したり、焼き時間や温度を調整したりしましたが、それでも改善しません。挙句には改めて枝付きレーズンから酵母を起こし直し、それをサワー種に追加までしたのですが、それでも改善しませんでした。

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中身がベタベタの時は
パンの真ん中が凹んでいる事が多かったです

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ベタベタしてるので包丁の入りが悪く
かつボロボロ崩れる時もあります


■発酵しすぎ?

 色々手を尽くしても改善できない事から、他に原因があるのかもしれないと調べてみました。そこで目に止まったのが、「ベタベタになる時は発酵しすぎの時」というものでした。もっとも、発酵と言っても、サワー種、サワードウ、一次発酵、二次発酵と、いくつかの段階があるので、どこで発酵し過ぎているのか分かりませんでした。
 ところがある晩、先にサワードウをヨーグルティアに入れて発酵させている間、サワー種は翌日ヨーグルティアに入れるつもりで外に出していたのですが、翌朝には寒い外に出していたにも関わらず、サワー種は勝手に発酵して量が倍になっていました。弱いと思っていたサワー種は、実は逆に猛烈に強力で、28度でなく4〜6度くらいでも元気に発酵していた訳です。
 そこで思ったのは、サワー種自体が発酵が進み過ぎているとともに、一次二次の発酵の温度が35度では高過ぎるのではないのか、という事。なので試しに30度で一次二次の発酵をしてみたところ、パンの真ん中が凹まない、ベタベタ感のない仕上がりになりました。

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朝になったら発酵が終わってたサワー種
気温は5度くらいでした


■まとめ

 今回の事から、なんのかんのでパン酵母ってのは生き物で、その時の生育状態や条件やらで、出来栄えが異なってくるものであるし、それに合わせてレシピの方も若干変えていかねばならない、という事が分かりました。まぁ、経験値というべきか、いい塩梅というべきか。また、サワー種を起こし直す事は可能ですが、その出来栄えはその都度異なるみたいですし、そうなるとパンの作り方も見直す必要も出てきますし、そういうの面倒ってのもあってサワー種は種継ぎを繰り返して途絶えさせない、っていうのもあるのかもしれません。
 まぁ、玄米食と同じで、ライ麦粉90%以上のパンも飽きてきてしばらく食わない、って時期もくるものですし、そうなれば再開する時はやっぱりサワー種から再開という事になりますから、今回の様になんか前と同じ様に作ってても出来栄えが変だな、と思ったときは、原因はどっかしらにあるので調べる必要があるな、と感じました。

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左のサワー種は気温5度で発酵
右のサワードウはヨーグルティアで28度で発酵

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オーブンの発酵モードで一次発酵
30度で60分

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同じくオーブンの発酵モードで二次発酵
30度で50分

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ベトつきはだいぶ改善しました
一次二次の発酵は10分ずつ減らしてもいいかも