エンデューロレースをやってる人の多くがハンドガードを付けていると思うのですが、そのハンドガードも色んなメーカーから出てて、みなさんそれぞれ、見た目だの値段だので選んでいると思います。自分はZETAのを使ってた事が多いのですが、Beta X-Trainer“レギンレイヴ号”には、アチェルビスのXファクトリー・ハンドガードを付けていました。それを今回、ZETAのプロアーマーハンドガード・ベントに付け替えました。今回はその二つのハンドガードの比較、付け替えの作業のお話しです。


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今回取り寄せたブツ
Uクランプ以外は以前にも使っていたものです





■ACERBIS Xファクトリー・ハンドガード

 クロトレが納車された時に装着したのが、アチェルビスのXファクトリーでした。見た目が格好良かったのと値段がZETAのアーマーハンドガード・ベントより安かったのが決め手でした。自分が一番最初に使ったのが、アチェルビスのブッシュガードでしたが、それ以来のアチェルビス製品です。ちなみに、アチェルビスはイタリアの会社なので、バイクと生産国がお揃いになりました。
 以来2年間使い続けたのですが、非常に感心したのがクランプがしっかりしてるのか、少々転けたくらいではハンドガードが上向きになったりしない事。以前、ZETAのではよく上向きになってたので、トップブリッジに直付けするマウントを使ってたのですが、BETAのはないので嫌でもハンドルマウントを使わねばなりません。しかし、アチェルビスのマウントはその点では信頼性の高いものでした。
 ところが、手を守るプロテクターがハンドガードに直付けするタイプでなく、樹脂のステーでハンドガードに固定するタイプなので、横から転けている内にステーが壊れてプロテクターがプラプラになったりしてました。タイラップで固定して使ってたのですが、そうこうしてる内に「ZETAの方が軽い」という情報が入り、両方のプロテクターが壊れたのを機会に付け替える事にしました。

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見た目は格好いいXファクトリー

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取り付けのコの字の器具が樹脂製で
案外横からの衝撃に弱く、両方とも壊れてしまいました

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バーエンドアダプターが固着して抜けない時は
ボルトが奥のナットから抜けない程度に少し出して
プラハンで引っ叩いて奥のナットを外します


■重さの差

 さて、今回「ZETAの方が軽い」と言われたのですが、実際に重さを測り比べてみました。ちなみに今回取り寄せたZETAのパーツは、アーマーハンドガード・ベント、ハンドガードマウント・Uクランプ、XCプロテクターです。
 まず、アチェルビスのXファクトリーですが、一切合切まとめた重さは1154gでした。一方ZETAの方は931g。僅か223gの差ですが、ハンドル周りですから、この位の差でも結構影響は大きそうです。
 次に各部の比較。クランプはどちらもU字タイプで、長さはどちらもほぼ同じでした。バーエンドアダプターも似たり寄ったりですが、アチェの方は少し錆びが浮いてました。もしかして鉄製なんでしょうか。プロテクターはZETAのはほぼ正面からの飛び石のみに対応しているのに対して、アチェのは横の方にまで伸びていて、カバーする範囲が広いです。ハンドガードはZETAのは湾曲してるベントですが、アチェの方はストレートです。
 全体的に、アチェルビスもZETAもサイズはさほどの差がないため、付け替えに当たってはチューブやワイヤー関係はそのままでも大丈夫だと思いました。

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Xファクトリーの重さ、1154g

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ZETAのハンドガードの方は931g

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クランプの長さはほぼ同じ
ZETAの方はロングタイプのUクランプもありますが
クロトレは標準サイズで大丈夫です

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上がアチェルビスのアダプター
ナットに回り防止の爪があるのは秀逸です

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プロテクターは
ハンドガードにボルト付けのZETAの方が頑丈そう

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ハンドガードがベントかストレートか
これは好みの分かれるところですが
自分はベントの方が好きです



■Uクランプの問題

 ハンドガードをハンドルに固定するマウントは、ACERBIS以前のZETAのものでは、ストレートタイプのマウンティングキット(当時はこれしかなかった)とトップブリッジに直付けするマウントを使っていたのですが、前者のタイプは転倒した時に回ってハンドガードが上向きになりやすく、後者のタイプはまずまず回らないという優れものでした。
 アチェルビスのXファクトリーは、Uクランプでストレートタイプのマウントの派生型であるのですが、これが意外にガッチリしててよほど派手に転けない限り、ちょっとやそっとでは回らない優れものでした。なので当初はこれを流用する事を考えていたのですが、ZETAの方が格好良く見えたのでマウントもZETAで揃える事にしました。
 ところが、いざ付けてると上手く付かない。一応、大径バー用を取り寄せたのですが、ハンドルに合わせてみると結構隙間が空いて、付属のボルトも届かない。ボルトを長い物にすれば取り敢えずは付くでしょうが、それでは密着感が乏しく固定がしっかり出来ない可能性があります。また、ブレーキホースに干渉してそれを避けたらハンドガードにクランプが届かない事も分かりました。
 そこでアチェルビスのクランプと比較してみると、アチェルビスの方がハンドルバーの取り付け穴が若干大きく、かつクランプの厚みもZETAのより薄いので、ブレーキホースの基部にも干渉しない様です。
 だったらいっそ、クランプはACERBISのを使い回しする事にしました。固定に関しては2年使って安心がありますし、ついでに言えば重さもZETAのより20gも軽く、結局以前に比べるとハンドガードは263g軽くなりました。

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ZETAのクランプだと
かなり浮く上にハンドガードの位置に合わせられませんでした

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ACERBISとZETAのクランプの大きさの比較

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アチェルビスとZETAのクランプの重さの比較

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クランプだけACERBISってのもアレですが
信頼して使えたら良いのです


■ハンドリングの変化

 ハンドガード交換後ちょっと乗ってみたのですが、その違いは歴然でした。とにかく軽い。というか、ハンドガード付けてるの忘れるくらい軽い。まぁ、何にも付いてないのに比べたら重いのでしょうが、Xファクトリーと比較すると、なるほど確かに軽いのです。たった250gくらいの差なのですが、やっぱり影響は大でした。ちなみに、今回使わなかったUクランプも含めると、お値段はZETAの方が3000円ほど高いのですが、値段の差は性能や使い心地の差という訳です。
 自分はZETAのハンドガードの方がより多く使ってきたのですが、これまでZETAのハンドガードを使ってて、途中で別のハンドガードに付け替えたなんて事はなく、言うなれば別に不満らしい不満はありませんでした。ハンドガード自体の強度は十分で、しかもプロテクターがモゲたりズレたりといった事もありませんでした。しかも、今回は「回りにくい」アチェルビスのクランプを流用したので、当分はZETAのハンドガードを使い続けると思います。
 惜しむらくは、やっぱりACERBISのハンドガードはデザインが格好良かった事。ZETAのに付け替えた途端、どこにでも居るエンデュランサーになってしまったのは、ちょっと残念でした。

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なんのかんので交換完了
金属むき出しのハンドガードもそれなりに好きです

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見た目が在り来たりになったは、ちょっと残念ですが
まぁ、普通といえば普通ですな

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トランポに搭載する際
プロテクターを外さないと天井に擦ります


■TT-R125も付け替え

 嫁機であるTT-R125にもアチェルビスのXファクトリーを使ってましたが、やっぱり上記に述べた通りXファクトリーはあまりよろしくない。しかも意外とハンドガードが歪む事も分かりました。
 その歪みに気がついたのは、サイドスタンドをしっかり立て損ねてバイクが左にコケた時、クラッチレバーの先が折れて飛んでしまった。貴重なショートレバーなのに折ってしまった事にショックを受けましたが、まぁブレーキレバーの方と違ってクラッチレバーは純正のとさほど長さが変わらないので、純正のクラッチレバーを取り寄せたところ、ハンドガードに干渉して付きそうにない。そこどころショートレバーでもハンドガードに当たっていて、よくよく見てみると、ハンドガードの根元が曲がってました。
 という訳で、あまりにもダメダメなので、ZETAのプロアーマーハンドガードに付け替える事に。クロトレに付いてるお古を移植する事にしました。ZETAの125cc用のアップハンドルを付けてるので、ちょっと取り付けに工夫が要ります。クランプ、バーエンドプラグを1箇所ずつ固定するのでなく、全部仮止めにして取り付け、徐々にボルトを締めこんでいくと良いです。

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こちらは3年使ってきたけど、まったく頑丈