知らない間にフットペグの基部ががっつり岩か何かにヒットして傷がついていたのですが、フットペグも前回のWEX箕輪のセクションスクールでコケた際にグンニャリ歪んでいまいました。実用上はまだ問題になってませんでしたが、純正で交換とするとなると意外に高く(Betaは車両は安くてもパーツは高い)、それなら社外でという事で探したところ、まさかのチタンステップになりました。


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遠路はるばるブリテン島からやってきたフットペグ





■結局はデザイン

 自分はこれまでフットペグはあまりコレといった好みがなく、モトクロッサーなら純正のまんま、トレール車ではDRCのクロモリを使ってまして、今回のX-Trainerでも純正のまま使っていて、なんら不満はありませんでした。
 しかし、これまで乗ってきたバイクでフットペグが歪んだものは一台としてなく、今回あっさり歪んでしまったので、Beta純正のステップは案外弱いんだなー、という印象を持ちました。それでも純正の新しいのを付けようかと思ったのですが、片側だけで8000円以上、ピンまで入れると1万円を超えるという事で、そんだけの金額出すなら、この際だから社外のをつけようと思ったのです。
 問題は、実はあまり種類がない事。DRC、FASTWAY、Boano、この当たりがクロトレ対応のフットペグを出しているのですが、DRCのクロモリはこれまで使っていたものの、流石にクロストレイナーに付けるのはダサいかなー、という感じで却下。Boanoのはクリート(ピン)がなんか小さいしデザインも今ひとつ。FASTWAYはクリートもでかく、つか全体的にゴチンとした感じでちょっと嫌。同じFASTWAYでステンレスのやつは、そこそこスマートでシャープだったので、それにしようと思ったのですが、いつ入荷するかわからん、という事でした。
 ちなみに、ステンレスのにしようと思ったのは、アルミよりも明らかに頑丈だからですが、ただステップが頑丈で壊れなくても、代わりにフレームの方が逝ってしまう事があるそうで、むしろアルミの方がフットペグが壊れてもフレームが壊れない、という事で、なかなか悩ましい話しです。どっちにしても、六角レンチで回すタイプのクリートのフットペグは、デザインが好きでないのでペンディングになりました。

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左は結構歪みましたが、右もそこはかとなく潰れています


■まさかのチタン

 材質がどうの見た目がどうのと思い巡らせてたところ、チタンのはどう?と勧められたのが、このRAPTORです。チタンというと、アウトドア用のクッカーのイメージが強いのですが(飯が焦げるので使った事がない)、まさかバイクのパーツの、しかも足を乗せるフットペグで使う印象は、まったくありませんでした。ノーマークだったので調べもしてなかったのです。
 しかし、物をみてみると、ステップは自分の好きなギザギザだし、結構重厚な造りみたいだし、しかかもエンデューロ用のエッジというモデルは、ステップに土が堪らない様にステップが中空になっています。値段は税別で3.2万円と少々お高いですが、アルミ削り出しのだって高いのは3万円くらいしますから、むしろチタンでこの値段は安いと感じました。なんたってチタンですしね。
 このラプター・チタンフットペグを扱っているテクニクスは、お店から車で30分くらいのところに所在してて、しかもクロトレ用の在庫があるという。そんな事言われたら、もう欲しくなってしまって、即決で注文してもらって自分で取ってきました。

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純正との比較、ちょっとだけ幅が広く
分厚いので安定感抜群です



■ギザギザが凄い!

 さて、第一印象は「軽っ!」というものでした。まぁ、チタンですから当然軽いのでしょう。チタン製品がまず持て囃されるのは、アルミより強度が高いのに鉄よりはるかに軽い事です。ちなみに、CRF450Rのフットペグが480gに対してこのチタンフットペグは340gしかないとか。ちょっとでも軽量化したい人にはオススメです。
 しかし、そんな事より自分が瞠目したのは、そのギザギザ。レース用のバイクのステップは、加重かけやすくギザギザになっているものですが、ラプターのは骨でもかみ砕けそうなくらい尖ってます。ラプターって確かタカとかワシといった猛禽類のことを言うんですが、これはどっちかというとサメとかワニです。
 まぁ、モトクロスやってる人はステップを金ヤスリで削ってビンビンにするそうですが、ここまでビンビンだとブーツのソールに穴空いてしまいそうだし、コケた時に自分の足にも刺さりそうでちょっと怖い。なのでグラインダーで1mmほど削って貰いました。それでもエッジがすごくて、ブーツ履いてステップに足置いてみたら、猛烈なグリップ感で大満足でした。

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おそらく、お好みで削ってね仕様なんだと思う

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左がちょっと削ってもらった仕様
それでも強烈なグリップ感です


■付けるのはちょっと大変?

 フットペグを歪めたことはなくても、付け外ししたことは何度かあるので、それほど難しい印象を持ってなかったのですが、このラプターのは付属のバネが結構強いのか、取り付けがちょっと大変そうでした(自分は見てただけ)
 付けようにも、いざピンを通そうとしたらバネが飛んでったり、そもそもバネが奥まで入らなくてピンが通しにくい、といった具合で、自分でやったら付かなかったかもしれません。とは言え、自分でやらないかん事もあるかもしれないので、やり方をちゃんと見学して帰りました。
 コツとしては、予め下からドライバーでフットペグとバネをブラケットに仮止めしておき、その上で上からピンをドライバーを押し出す様に差し込んでいく、というやり方をしてました。一旦ピンが通ってしまえば、あとは割りピンで固定するだけです。まぁ、派手なコケ方してチタンフットペグが割れでもしない限り、現地で付け替える事はまずないと思いますが。

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バネが飛びやすく、取り付けにはちょっとコツが要ります


■長く乗るつもりなので、上等なものを付ける

 今回、まさかチタンの上等なフットペグをつける予定はなかったのですが(もちろん想定してた予算をオーバー)、クロトレはこれまで乗ったバイクで、もっとも乗りやすく、かつ拡張性も高いので、今後も乗り続け早々は乗り換えないでしょうから(乗り換えるにしても、またクロトレにした)、お金をかけて熟成させる意味で、今回はチタンを奢りました。
 見た目もさる事ながら、強烈なグリップ感で、今まで以上に乗りやすくなったんではないかと思います。やっぱり値段の差は使い心地の差なんだな、というのを今回も実感しました。

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めちゃくそ「出来る人」仕様になった足回り