レース前は車中泊になる事がほとんどなのですが、その際、もっとも重要なアイテムは寝具です。寝具の良し悪しは睡眠に直接影響しますし、よく寝れなかったら翌日の本番にも悪影響を及ぼします。とはいえ、自宅と同じ装備を持ち込む訳にはいかないので、ここはアウトドア用品に頼る格好になるのですが、今回はなかなか良いアイテムの紹介です。


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到着した時はかなり細く巻いてありました





■コッドかマットか

 歩きやバイクの場合は、ロールマットやサーマレストのプロライトといったマット一択で、少々寝心地悪くても軽量小型を優先せねばなりませんが、輸送力のある自動車の場合は少々荷物が嵩張ったり重くなっても問題にはなりません。その様な訳で、自分もサーマレストとしては嵩張る部類のベースキャンプを使っていました。
 車中泊では、コッド、つまり折りたたみのベッドを使う人も結構多くて、収納サイズや重さは大型のマットとあまり変わらない事もあって、どっちを使うか悩ましいところですが、自分はかつてサバゲー時代に米軍の折りたたみベッドを使っていて、これが組み立てが結構面倒な割に、寝たら体が沈み込む様な感じになって余り寝心地が良くなかった事から、バイク時代になってからはその手のコッドは使ってません。
 しかし、マットの方は地面の硬さが気にならなくなるほど厚みがあるのは、高かったり嵩張り過ぎたりでなかなか良いのがなく、値段と使い心地と収納性と、などなどを各々妥協して選んだのが、ベースキャンプだった訳です。
 ところが、今回このコールマンのキャンパーインフレーターマットハイピーク(名前が長い)に試しに寝転がらせてもらい、その抜群の寝心地の良さ、展開の速さ、値段の安さに惚れ込んで、悩む事なく買い換える事にしました。もっとも、相当人気があるみたいで、入荷するしりから売り切れになる感じでした。

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一旦膨らませた後はこんな感じ
下のはサーアマレスト・ベースキャンプです


■比較

 サーマレスト・ベースキャンプもそれまで使ってたマットの中では分厚い部類で5cmありますが、コールマンのキャンパーインフレーターマットハイピークはさらに分厚くて、10cmの厚みがあります。大きさはベースキャンプがLサイズで63×196cmですが、キャンパーインフレーターマットはシングルで68×198cmと横幅が5cm大きいです。実はベースキャンプは自分が寝ると両肩が少し落ちる感じだったのですが、キャンパーインフレーターマットはそんな寝心地の悪さがありません。重さはベースキャンプが1.53kgに対してキャンパーインフレーターマットは2.7kgでやや重たいですが、持った感じではそれほどの差は感じませんでしたし、輸送はトランポで行いますので問題になりません。
 決定的な違いは、キャンパーインフレーターマットはバルブを開放しておけば10分ほどで70%ほど勝手に膨らむという事です。サーマレストも同じ様な事を謳っていますが、そこまで膨らむ様な感じではなくて、地面の硬さを感じない程度にするには口やポンプで空気を入れ足さねばなりません。キャンパーインフレーターマットも新品時はペッタンコですので空気を入れ足さねばなりませんでしたが、次からは放っておいても良い感じに膨らんで、かつ空気を足さなくても良い感じの硬さになりました。むしろパンパカに空気を入れると寝心地が悪くなる感じでした。

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10分放置したあとの状態
キャンパーインフレーターマットは良い感じに膨らんでます

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厚みの差は歴然
キャンパーインフレーターマットは完全に地面から浮きます

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面積の違い
ほんの僅かの差ですが、肩の端から端までをカバーしてくれます



■膨らませ方

 上にも書いた通り、キャンパーインフレーターマットは2回目からは空気を継ぎ足さなくても良い感じに膨らんでくれるのですが、継ぎ足すための仕組みがよく出来ています。
 空気を出し入れする吸排口には回転式の逆止弁が付いていて、この逆止弁を開放する事で空気が勝手に入っていきます。しかもこの逆止弁はどの向きでも開く様になっています。収納する時は、逆止弁を外側に向けて蓋する事で外から空気が入ってこない様にします。
 さて、空気を継ぎ足す時ですが、逆止弁を内側に向けて蓋をし、収納ケースの底についているバルブを連結して、ケースに空気を溜めて丸めていく事で空気を送り込んで行きます。グレートレースなどで膨張式ボートを膨らませる方法と同じです。口で吹き込むよりも効率がよく、エアポンプや電動ポンプみたいな余計な道具も要らない、非常に優れた仕組みです。

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ご丁寧にイラスト入りで使い方が書いてあります

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逆止弁はどの角度でも開放する事が出来ます
ちなみに、取れてしまう事もあるそうです
(またはめ込めるらしい)

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この向きにセットすると
外からは空気が入って、中からは抜けません

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ケースの底にバルブが付いてます
ちなみに持ち手はバルブの保護を兼ねてます

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バルブを連結します

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ケースを丸めていくと、中の空気がマットに入っていきます

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収納時は逆止弁をこちらの向きにして
外から空気が入ってこない様にします


■巻くのは結構大変

 いいとこ尽くしのマットですが、唯一難点があるとしたら、収納時に巻いていく作業です。ベースキャンプに比べるとそれなりに硬く、太くなりますので巻くのが大変です。女性だとちょっとしんどい作業になるかもしれません。また全体重をかけて空気を出しても、出荷時の時の様な細身にはなりません。物が来た時、収納ケースが結構ダボダボだったのですが、一旦膨らませたら二度と細身にならないのを前提の作りだったのですね。
 収納ケースが余裕のある作りなのは有難い事で、最後ケースに入れる時に巻きが甘くて入れるのが大変、というのはほとんどありません。まぁ、これでもかと全体重かけてコンプレッションしてるのもありますが、巻きが甘くならない様にストラップで縛る事も出来ますので、最後の最後でイライラする事はありません。(サーマレストの時はわざわざ巻きなおしたりする事もあった)
 ちなみに、お値段ですが、普通に売ってて1.3万円くらいです。サーマレストよりも安くて、この寝心地の差を考えると、かなりお買い得なアイテムだと思います。

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写真撮るので片手でやってますが
実際には両手両膝使って、ガシガシ押しつぶしていきます

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そこまでやっても、出荷時の様に細くはなりません

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バラけない様にベルクロのストラップが付いています

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ケースもよく出来ていて
閉じた口が開きにくい構造になっています