先日作ったハードタック(ハードビスケット)は、大航海時代の艦船の食料として有名ですが、このザワークラウトも有名です。日本では酢キャベツとか言われてますので、てっきり酢漬けにでもするのかと思ったら、酸っぱいの発酵による乳酸菌の働きによるものとか。という訳で、今回はザワークラウトに挑戦してみました。
使用する瓶は、必ず煮沸消毒する事
消毒後は、拭いたりせず、放熱で乾燥させます
■材料
調べてみて分かったのは、ザワークラウトの材料というのは、実にシンプルだという事でした。ぶっちゃけ、キャベツと塩だけです。ただし、キャベツはカットされたものでなく、玉で買ってくる必要があるとの事。塩もみして、塩分の浸透圧でキャベツから水分が出るのですが、この水分が重要で、カットされた奴は、断面から水分が抜けてる場合が多く、これは良くないとの事です。
《ザワークラウトの材料》
- キャベツ
- 塩 キャベツの量の2%
- キャラウェイシード キャベツの量の0.15%
キャラウェイシードの代わりに、唐辛子とかでも可。なくても可。
今回、キャラウェイシードというのを初めて買いました
■作り方
- 瓶は煮沸消毒し、乾燥させておく。
- キャベツの外側の美味しくなさそうな皮を剥く(後で使う)
- キャベツを千切りにする。芯は後で使う。
- 塩、香辛料を入れ、10分間くらい手で揉む。
- キャベツから知るが出てきたら、キャベツを少しずつ瓶にいれ、擂り粉木で押し込む。
- キャベツの外側の皮を折って、ザワークラウトの上に蓋する。
- キャベツの芯を蓋にした外側の皮に立て、瓶の蓋で立てたまま押し込む。
- 20度くらいの常温で1週間、漬け込む
今回、キャラウェイシードというのを初めて買ったのですが(そこらのスーパーで売ってなくて、ネットで取り寄せ)、どんな味がするのかと思ったら、歯磨き粉の味でした。いわゆるハーブ系の香辛料の様です。別に使わなくても良いし、鷹の爪とかローリエとか、そういったのでも良い様です。
今回、当初の予定では、刻んだキャベツ500gで作ろうと思ったので、塩の量は10g、キャラウェイシードは計算上は0.75gですが、キッチンスケールで計れないので1g使いました。
キャベツの量は、ザワークラウト本体になる
千切りキャベツで分量を量りました
キャベツ500gに対して塩10gは
ぱっと見、少なそうに見えます
■作り方そのものは簡単
刻んだキャベツに塩と香辛料を入れたら、10分間、ひたすら揉みます。この時、容器が小さいと揉みにくいので、ちょっと大きめのボウルや鍋でやった方が楽だと思います。
最初、塩の量が少なくて、あまり水分が出ないかもなー、と思っていたのですが、それは杞憂で、5分も揉んでいると、段々水分が出てきて、それに反比例してキャベツが小さくなってきます。
10分揉んだら、キャベツを少しずついれ、スリコギで押し込んでいきます。ザワークラウトは、熟成中に空気が入ると痛むそうです。なので、きっちり押し込んでいきます。
そんな訳で、最初は500g分だけ作ろうと思ったのですが、瓶の半分くらいまでしか埋まらず、これでは流石に空気の部分が多いという事で、残り500gも塩もみしてザワークラウトにしてしまいました。
もっとも、1kgだの2kgだの、まとめて刻んでも置き場がないですし、それらを一気に揉むのも大変なので、小分けして揉んで、瓶にまとめるのもアリだと思います。
ひたすら揉みます
容器が小さいとやりにくいです
10分揉みました
キャベツが小さくなり、汁が出ています
少しずつ瓶にいれ、すりこぎで隙間が出来ないように
しっかり押し込んでいきます
500gあったキャベツが、こんな量に
追加で500g仕込みます
■瓶詰め
塩もみキャベツを全部瓶の中に押し込んだら、外側の皮を瓶のサイズに折りたたみ、これをキャベツの上に乗せて蓋にします。一番外側は農薬が残ってたりするので、内側のを使います。今回、若干、瓶の上の方が隙間が出来たので、皮2枚使って蓋にしました。
そのあと、キャベツの芯を立てた状態にして、芯が倒れないように瓶の蓋をしました。これはどうやら重石の役割をするみたいです。
このあと、だいたい20度くらいの常温で1週間くらい漬け込みます。そうする事で瓶の中で発酵が進み、乳酸菌が培養されるはずです。
いい感じに、ギュギュッと蓋をします
このままで1週間、常温で放置します
■発酵
この後は、何もやる事がありません。まぁ、どんな風になるか、毎日観察してました。
- 翌日は、取り立てて変化なし。
- 2日後くらいから、キャベツの汁が瓶の外に出てくる様になりました。
- 3日目には、気泡が出てきて、瓶を揺すると上に上がってくる感じでした。
- 4日目からは、汁も溢れず、気泡も落ち着いた感じになりました。
瓶から汁がにじみ出てきた時は、何だ?と思いましたが、よくよく考えれば、詰め込んだキャベツがさらに汁を出して圧縮され、それが瓶から溢れたという事でしょう。大きな瓶を使えば溢れる事もないのでしょうが、キャベツが空気に触れるとその部分から傷んでくるという事だったので、これで良しという事にしました。まぁ、溢れた分は拭けば良いわけです。
気泡は、よく観察すると、キャベツの方から出てて、瓶を揺すったり軽くテーブルに落としたりすると、パァーっと上に上がってくるのが見えて楽しかったです。気泡が出てるという事は、発酵が進み乳酸菌が頑張ってる証拠です。
翌日は見た目の変化はあまりなし
そのうち、瓶から汁がにじみ出る様になりました
■完成
漬け込みは5〜7日行うそうですが、今回は5日目に試食してみました。食感はシャキシャキしてて、確かにザワークラウトです。ただ問題は味で、今回、生まれて初めてキャラウェイシードを使ったのですが、これは歯磨き粉の味がします。ハーブだのミントだのが好きな人は大喜びでしょうが、ミントチョコでさえもノーサンキューな自分には、1kg分の歯磨き粉の味のするザワークラウトは、セルフ嫌がらせ以外の何者でもありません。
ザワークラウトは、日本では酢キャベツという言い方をしますが、今回の作り方を見ても分かる様に、別に酢は使っていません。酸っぱくなる理由は、乳酸菌の働きによるものです。乳酸菌が豊富だから、腸に良いと言われるわけです。で、今回食べてみたものは、言うほど酸っぱい感じではありませんでした。梅干しを基準にするなら、1/10も酸っぱくなかったかも。それよりも、キャラウェイシードの歯磨き粉の風味が優っていて、酸っぱいのやら塩辛いのやらは、ぶっちゃけ感じるいとまもなかった、というところです。
おそらく、製法としてはこれで正解ですし、モノとしても成功したと思います。なので、次回作る時は、唐辛子とか粒胡椒とか、そうした口に合う香辛料を使ってみようと思います。
キャラウェイシード を使った以外は成功!
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