模造コミスブロートから脱却すべく、サワー種をおこそうとしたのですが、温度管理等の問題でこれがなかなか難しい。どうにかしようとあれこれ調べていると、果物を使った酵母おこしの方法をいくつか発見しました。その中でも、比較的難易度が低そうだったのが、レーズンとリンゴを使った酵母おこしです。それら果実系の酵母からサワー種を作るべく、挑戦してみました。


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雑菌を増殖させないために、瓶や道具は煮沸消毒します




■まずはリンゴから挑戦

 盛岡から送られてきたリンゴが一個残りましたので、リンゴから挑戦する事にしました。
 リンゴを皮を剥かず8等分し、芯も取らず、そのまま煮沸消毒した瓶に入れ、湯冷ましした水を瓶の口ギリギリまで注ぎ、蓋を閉めます。そして3日間、冷蔵庫で冷やしたあと、常温の室内に出します。毎日1回、蓋を取って空気を入れ、蓋を閉めて瓶を振って中身を攪拌します。それを6日間行います。
 順調にいけば、室内に出して3日目くらいにはリンゴから細かい泡が出始め、蓋を開けたらサイダーみたいにシュッと泡が出てくるはずです。そしてその泡が落ち着いた6日目辺りで酵母が完成という運びになるはずです。

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ちょうどリンゴ一個が入るサイズでした
口いっぱいまで水を入れます

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1日目はこんな感じ

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そのまま、冷蔵庫に3日入れます


■有機レーズンとはなんぞや

 干しぶどう、つまりレーズンといえば、先日実家から来た荷物に入ってたのを消費するため、ラム酒漬けにしたりレーズンパンを作ったりしたばっかりです。こんな事なら、少し残しておくんだったと、改めて買いに行ったのですが、ウチに帰ってきてから酵母のおこし方を改めて勉強してみると、「オイルコーティングしてないものを使う事」と書いてある。してるかしてないかの見分け方は、原材料のところに「植物油」が書いてあるかどうか。書いてあるやつはオイルコーティングされてるやつで、今回買ってきたやつもオイルコーティングされたやつでした。
 オイルコーティングされたレーズンがダメな理由は、レーズンで酵母を起こす場合、ぶどうの表面に付いている酵母菌を培養するため、コーティングされていると仮に酵母菌が付いていたとしても、水や空気に触れないので培養できないからだそうです。ラム酒漬けにする時は、かるく湯煎してオイルを落としてやりますが、こんな事したら酵母菌もおっ死んでしまうので、この方法も不可。なので、オイルコーティングされていない、いわゆる有機レーズンを使う必要が出てきます。
 ところが、その有機レーズンってのが、そこらのスーパーとかには売ってなかったりします。富澤商店とか、そういったちょっと凝った店でないと売ってません。まぁ、ネットでなら入手可能ですが、調べたところによると、生のブドウからも培養可能らしいです。まぁ、ブドウの表面についている酵母菌を培養するのですから、理屈としてはドライでも生でも同じなのでしょう。
 レーズンの方は、同じく煮沸した瓶に、レーズン100gと水を200g入れるだけです。こちらも3日目くらいには、蓋を開けたらシュッと泡が出て、リンゴの場合と同じように、6日目くらいには酵母液が出来ているはずです。

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こちらが有機レーズン

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干しぶどうにオイルコーティングしてないのがあるのを初めて知りました

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1日目はこんな感じ


■泡が出ない

 こんな具合でスタートしたのですが、どうにも作例通りに行ってる気がしません。レーズンの方は、レーズン100gに対して水が200gでは明らかに少ないのでないか、という気がして、翌日に100g、3日目にさらに100g足しました。その度に瓶を揺するのですが、レーズンはちっとも浮上してこず、沈殿したままでした(3日目には大分浮き上がってくるはずだった)。
 3日経って、冷蔵庫からリンゴの瓶も出し、室温で発酵させようとしたのですが、そもそもこの季節、室温は暖房入れてても20度くらいで、夜などは7〜8度くらいです。こないだのサワー種の時もそうですが、酵母発酵のためには明らかに気温が低いと思います(酵母発酵に適した温度は25〜27度とのこと)
 それでもくじけず、蓋を開けて空気を入れて、瓶を振ってという事をしたのですが、レーズンもリンゴも無反応。泡らしいのは全然出ません。かろうじて、どっちの瓶も腐ったような臭いはせず、それぞれレーズンとリンゴの匂いがしていたのが救いでした。

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リンゴの方はあまり変化がありません

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明らかに水が少ないと思ったので増量

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水の色が濃くなっただけで、レーズンは全然浮いてきません

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レーズン自体も、なんか白っぽいカビみたいなのが生えてきました

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リンゴの方はまだしも健康そうな感じですが
発酵らしいのは起こってません

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この時点で、「なんだかなぁ」って感じでした





■失敗の予感

 気温が低い時は、酵母菌もあまり活発にならないという事で、発酵完了まで10日くらいを要したりすることもあるそうですが、それにしても様子が変です。特にレーズンの方は、レーズンが浮上してこないだけでなく、水の色が茶色く濁り始め、臭いもフルーティなのから、ちょっと重い感じの臭いになってきました。リンゴのほうは辛うじてフルーティーな臭いでしたが、こちらも水の色が濃くなってきました。
 この後、リンゴの方は1回だけ細かい泡が出て、こっちは成功か!と思ったのもつかの間、翌日には全く無反応になってしまいました。そして、ヨーグルティアSが届いてからは、レーズンの方を26度で温めてみましたが、こちらは臭いがどんどん重たくなってきて、これはどうもダメっぽいという感じになってきました。

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完全に腐った、という感じではないのですが
成功してる様にも見えません

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さらに水を増量しましたが、あまり期待を持てません

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リンゴはともかく、レーズンの方はなんか間違ってる感たっぷり

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リンゴはこの一瞬だけ、スパークリンクしました

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ヨーグルティアにつけてみましたが、ダメでした


■蓋の問題

 ところで、実はちょっと気になったことがありました。というのは、リンゴの方の瓶を振った時、中の水がシミ出していた事です。リンゴの方は満水状態なので、仕方ないのかなと思っていたのですが、密閉がちゃんと出来てない事は確かです。
 そこで、瓶の蓋は密閉されていた方が良いのかどうか調べたところ、やり方は人それぞれで、中にはラップかけるだけという人もいたのですが、やっぱり密閉されている方が外気から雑菌が入らず、純粋培養できるので良い、という意見も多々あり、今回失敗した原因は、蓋の密閉性にあったのかもな、と思う様になりました。
 このエジプト産のジャムの瓶、広口で良いと思ったのですが、この瓶は内容物を入れたあと、熱殺菌する様の瓶で、熱が冷める時の収縮で蓋が密閉する構造の様です。つまり、今回の様にただ単に蓋をしただけでは、隙間があってそこから空気が出入りしてた、という事なのでしょう。だったら、わざわざこんな瓶買わずに、ホームセンターで売ってたスクリューキャップの瓶を買えばよかったです。そっちの方が安かったし。
 ともあれ、今回も失敗。しかし、これでめげていたのでは、本ちゃんのコミスブロートは作れませんので、次回は瓶の変更とヨーグルティアSの活用で活路を見出したいと思います。

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ようやく、蓋の密閉性が良くない事に気がつきましたが
時すでに遅し、全部廃棄しました