実はワタクシ、ショートブレッドが好きなんですが、買えば結構いい値段しますので、なかなか買えません(貧乏性)。
 ところが、作り方を調べてみると、案外簡単そうです。ぶっちゃけ、パウンドケーキ作るよりもはるかに簡単そうです。となれば、作って食えば良い様なもんです。
 という訳で、今回はショートブレッドに挑戦してみました。


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結論から言うと、今回のは
一応食えるけど、成功したとは言い難い




■ただ単に作るのは面白くない

 ショートブレッドの作り方は、下の方で書きますが、どうみても簡単そうなので、それを作ったのでは芸がない。そこで、まだいっぱいあるリンゴを使って、一工夫してみる事にしました。すなわち、リンゴ入りショートブレッドです。
 この話しには前段があって、粗製コミスブロートを作る際に、リンゴを絞って汁をとった訳ですが、その搾りかすを上手いこと利用できないか、と考えました。搾りかすのケーキなどあったのですが、自分が考えたのは、搾りかすを乾燥させて粉末化ないし細分化し、パンだのケーキだのにする、というものです(粉末化しないで作ったライ麦パンの話はこちら)。ところが、乾燥までは上手いこと言ったのですが、それを粉砕するのが、手持ちの道具だけではうまくいかず、そのうち、リンゴ絞ってライ麦パン作る話しもなくなり、搾りかすの話は立ち消えになりました。
 しかし、搾りかすではなく、本ちゃんのリンゴをドライにして記事に混ぜ込む話しを思いつき、今回の企画に至った訳です。調べてみると、オーブンを使ってリンゴチップスを作るレシピが出てきました。早速やってみたのですが、スライサーで厚み1mmくらいにしてやると、全部焦げてしまって失敗しました。
 そこで、包丁で厚み2mmくらいに切って、170度で40分ほど焼くと、まぁ大体いい感じ。ちょっと焦げたり、あるいはちょっと湿気ったのもありましたが、まぁ、どうにかチップスになりました。
 それを包丁で根気よく細切れにしたのですが、やっぱりちょっと湿気ってるのがベタついて、パラパラする感じにはなりません。そこで、細切れにしたのをお椀にまとめ、冷凍庫に放り込みました。カチコチ冷えると同時に、冷蔵庫の中で水分を発散させようという腹です。

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6等分したリンゴをスライサーにかけて

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170度のオーブンで40分焼いたら…

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ものの見事に焦げました(爆)

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厚み2mmで再チャレンジ
今度はどうにかなりました

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根気よく、包丁で細切れにしました


■材料

 調べてみて分かったのは、ショートブレッドの材料は、極めてシンプルです。卵もベーキングパウダーも不要です。パウンドケーキに挑戦する前に、どうしてこっちを先にしないのか、と思ったくらいでした。
《ショートブレッドの材料》
  • バター 50g
  • 砂糖 50g
  • 薄力粉 150g
 今回はリンゴ1個分の粉砕ドライリンゴを混ぜ込みます
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■作り方

  1. バターはかき混ぜれる程度に柔らかくしておく。
  2. 泡立て器でバターをかき混ぜる。
  3. バターに砂糖を入れて、白っぽくなるまでかき混ぜる。
  4. 薄力粉半分をふるいにかけ、粉気がなくなるまで混ぜる。
  5. 残りの薄力粉もふるいにかけ混ぜる。
  6. 最初はゴムベラ等で混ぜるが、最後の方は手でまとめる。
  7. 麺棒で暑さ20mmくらいに伸ばす。その際、できる限り四角い形にする。
  8. 冷蔵庫で1時間寝かす。
  9. 幅20mm、長さ50mmくらいに切り、竹串で穴を開ける。
  10. オーブンを170度に余熱し、25〜30分焼く
 文章で書くと結構な作業の様に思えますが、バターと粉を混ぜる作業は、パウンドケーキの時より遥かに簡単です。膨らませる食べ物でないので、ベーキングパウダーを使わないのは、ハードタックの時と同様です。
 今回は、乾燥リンゴを入れたのですが、薄力粉を全部入れた後ではまず混ざりませので、最初の薄力粉を入れる時に、一緒に入れました。

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この季節、バターを柔らかくするのは結構難しい上に
手動だとめちゃ大変

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最近、砂糖もちゃんとふるって使う様になりました

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本来なら、もっと白くなるまで混ぜねばなりませんが
手動だと疲れて途中で嫌になります

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薄力粉もダマにならない様にふるいます

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そして、オリジナルの乾燥リンゴも投入します



■混ざらねぇ…

 さて、当初、実に楽勝と思ってたのですが、蓋を開けたら大間違いでした。バターを室温に戻して砂糖を混ぜて白くなるところまで混ぜる、というのはパウンドケーキでも良くやっている作業ですが、量が少なかったのでいつものハンドミキサーでなく、泡立て器でやったのが失敗の第一。しかも、思ったほどバターが柔らかくなくて、バター自体をかき混ぜるのが大変。砂糖を投入して白くなるまでかき混ぜるのも大変で、ストーブの前でやってどうにかなった感じ。それでもかき混ぜは足りなかったかもしれません。
 続いて、薄力粉75gくらいをふるい、同時に乾燥リンゴ25gも入れてさっくり混ぜ、さらに残りの薄力粉も入れて、手でまとめようとしたのですが、全然まとまりません。いつまで経ってもボロボロした感じで、明らかに水分不足です。どうにかするか悩んだ結果、リンゴ無し版を作るつもりで用意してたバター50gも混ぜ込む事で、どうにかまとめる事が出来ました。

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まずはさっくり混ぜます

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ところが、残りの粉を入れて、まとめようとしても
全然まとまりません

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諦めて、バター50gを追加
(結果としては、バターが多すぎ)

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どうにかまとまりました


■平らの具合が今ひとつ

 出来た生地を今度は伸ばして平らにせねばなりません。これはラップで包んでやる方法と、ジプロックの袋に入れてやる方法があったのですが、今回は後者の方法でやりました。ところが、どのくらいの厚みにすべきなのか、今ひとつわかりません。レシピによっては、20mmくらいの厚みで、なんて書いてあるのですが、売ってるショートブレッドって、そんなに分厚かったかな。
 とりあえず、15mmくらいの厚みでやろうと思ったのですが、これが麺棒転がしてるだけだと、なかなか均等になってくれない。それこそ、治具でもあれば簡単なんでしょうが、目見当だと凸凹になってあまり美しく出来ません。作例の動画だと、さも簡単そうにやっているのですが、案外難しいと知りました。
 ともあれ、平らにした生地を冷蔵庫に入れて、小一時間ほど寝かせます。そうすると、それなりに生地は固くなります。ジプロックを破って生地を出し、幅20mmくらいで切るのですが、サクっと切れる感じです。ただ、袋の端の方をカードで整形して直角にしようとしましたが、生地が固くで出来なかったので、袋の形のまま焼く事にしました。

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ジプロックにいれて、麺棒とカードで形を整えます

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このやり方だと、うまい具合に平らにならない事がわかりました

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小一時間もすると、それなりに固まります

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横幅20mmというより
30mmくらいになってしまいました


■出来上がり

 生地に竹串で穴を開けてから、160度に余熱したオーブンで35分焼きました。で、出てきたものを見た時、どうにもこうにも、自分が普段見慣れてて、かつ作例の動画で見た様な、きちっとした長方形のが出てきたのでなく、なんとなくちょっとデロっと溶けかけたところで焼き固まり、かつ表面にヒビの入ったのが出てきました。
 しかも、色目はなんとなく黄色っぽくて、かつリンゴの粉砕しのは茶色に焦げていて、どう見ても美味しそうでない。さらには、触ってみると、ブニっと凹む感じに柔らかい。これは焼きが足りないのかも?と思い、さらに10分焼きましたが、見た目も触った感じも変化なく、こりゃ〜失敗したかなー、と諦めて、そのまま冷ましました。
 翌朝、意を決して食べてみましたが、柔らかかったのがしっかり固まっていて、それなりに不味くはなかったのには、ちょっと驚きました。しかし、やっぱり「美味い!」と思えるほどの味ではなく、ましてや人には出せない出来栄えなので、改善の余地は大ありと感じました。

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竹串で穴を開けますが、フォークとかでも大丈夫

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普通、ちょっといい匂いがしてくるものですが
今回は「大丈夫?」みたいな臭いでした


■敗因

 とにかく、レシピと動画を見た時、「こいつは楽勝だw」と舐めてかかったのが失敗の原因です。乾燥リンゴを混ぜ込むなどというチャレンジングな事やる前に、とにかくレシピ通りに作るべきでした。生地が定量のバターで混ざらなかったのは、この乾燥リンゴのせいかもしれません。
 また、ある程度の厚みのある、それでいて均一な厚みにせねばならない時は、麺棒で手加減するなんて芸当は出来ないのですから、何か治具を使った方が良いと感じました。それこそ、本でも蒲鉾板でも良いから、使った方が綺麗な仕事ができると思います。
 とにかく基本に忠実、かつ失敗も練習と考えて、きっちりやる事が大事だな、と改めて感じました。

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焼き上がり直後の状態
黄ばんだ感じになっているのは
バターが多いせいか、リンゴ入ってるせいか?