かなーり昔に、怪我してバイク乗れなかった時に、暇つぶしにハードタックを作ったのですが、この時参考にしたサイトは閉鎖されててレシピが見れなくなったのと、その後、海外のサイトで作り方を調べてみると、材料や作り方に違いがある事に気がつきました。ぶっちゃけ、作る手間はそんなに無いので、改めて作ってみる事にしました。
 ただ、今回はただ単に作るだけでなく、どうやってこの鉄板みたいなビスケットを食ったのか、それも追体験してみたいと思います。今回のレポートは、その下準備です。


2021-02-03 02.04.49
現存する南北戦争時代のハードタックと
ほとんど変わらない出来栄えです





■材料

 材料はこれだけです。極めてシンプル、というか、膨らまさないパンなので、イーストもベーキングパウダーもなしです。前回作った時には、ベーキングパウダーを使ってたのですが、焼き上がりは結構膨らんでました。海外の作例では、そんなに膨らんだものは見かけないのは、ベーキングパウダーを入れてないからでしょう。
《ハードタックの材料》
  • 強力粉(中力粉、全粒粉でも可) 200g
  • 塩 7〜8g
  • 水 100〜150cc
 ただ、この量だと結構少ないので、2倍にして作っています。
2021-02-03 00.13.26
強力粉400g、塩15g、水200ml
材料はこれだけです


■作り方

  1. ボウルに小麦粉、塩、水を入れ、生地が手にくっつかない程度にまとまるまで捏ねる。
  2. テーブルの上に生地を置き、麺棒で厚み8mmくらいに広げる。(正確には1/3インチ=8.3mm)
  3. 75mm四方にカットする。(正確には3インチ=76.2mm)
  4. 箸や竹串などを使って、4×4=16個の穴を開ける。
  5. オーブンを190度で余熱する。(正確には華氏375度=摂氏190.5度)
  6. 耐熱皿もしくはクッキングシートに生地を並べ、30分焼く。
  7. 裏返して、さらに30分焼く。
  8. 焼きあがったら冷まし、粗熱が取れたら出来上がり。
 ハードタックは、他のパンと違って、イーストを使いません。なので発酵時間がありません。さらには水の量が少なく、捏ねるというよりも粉気がなくなるまで混ぜる様な感じで、ベトベト手にくっつく様な事もありません。いい感じにまとまったら、テーブルに打ち粉して、生地を麺棒で伸ばし、8〜9mmくらいの厚さにします。

2021-02-03 00.15.25
材料をボウルに入れて、混ぜます

2021-02-03 00.16.19
捏ねるというか、粉気をなくす様な感じです

2021-02-03 00.18.04
こんな感じでまとまったら捏ね完了です

2021-02-03 00.18.34
打ち粉して麺棒で伸ばしていきます


■ところで、一日の支給量は?

 ハードタックの史料を読んでいると、兵隊に一日あたりどのくらいの量を支給してたかが出て来ます。南北戦争では、ハードタックの支給量は454gだったそうです。むろん、四角いのを支給してたのですが、一体何枚が454gになるのか、作ってみない事には分かりませんでした。
 一応、参考にしたサイトのレシピを倍にして生地を用意したのですが、ご覧の通り、75mm四方のが6枚しか取れませんでした。まぁ、これは生地の伸ばし方にも問題があって、ぐるりの不揃いなのが極力でない様に、枠か何かをはめて伸ばすとかすれば、もう2枚くらいは余裕で取れると思います。
 まぁ、今後も作って食べ続けるなら、そうした治具も作っても良いのでしょうが、そこまで物好きではないので、今回は正規の四角いの6枚と不揃いので我慢する事にしました。

2021-02-03 00.23.44
物差しで計って、75mm四方に切り分けます

2021-02-03 00.29.10
16個の穴を開けます
無理に貫通させる必要はありません



■焼き上げ

 前に作った時は、220度で60分焼いたところ黒焦げのが出来てしまい、200度に下げたものの、それでも45分で切り上げないと焦げる様な感じでした。今回は、改めてレシピを調べ直したところ、120度で4時間焼けと書いてあるのや、190度で1時間焼けと書いてるのもあり、どっちが良いのか迷いました。ただ、いずれのタイムでも、半分過ぎたら裏返すというのだけは共通していました。まぁ、同じ面だけ焼き続ければ、焦げもするというところなのでしょう。
 今回は190度でチャレンジ。表面を30分焼いたら、裏返してさらに30分焼きます。昔作ったときは、ベーキングパウダーを入れてましたので、焼き始めると膨らみだしたのですが、今回は何にも入ってないので、ほとんど膨らみませんでした。レシピ通り、合計60分焼いたのですが、四角に切ったやつは良い感じのキツネ色。端切れの方は面積が小さいからか、ちょっと濃いめの焼き目になりました。

2021-02-03 00.33.35
どうにか端切れも全部乗せました
ウチの電磁レンジでは、一度に焼けるのは400g分が精一杯です

2021-02-03 00.43.37
190度で表面を焼きます

2021-02-03 01.14.13
裏返して、さらに30分

2021-02-03 01.49.39
いい感じに焼き上がりました


■硬さや重さ

 前回作った時は、焼き上がりはパンのいい匂いがした、と書いているのですが、今回はそれほど香りがしませんでした。ただ、焼き上がりの見た目は、海外の人が作ったのと同じ様な、如何にもなハードタックになりました。
 電子レンジから取り出し、粗熱をとった時点で触ってみたのですが、すでにカパンカパンに固くなっています。粗熱をとった時点ではまだマシな方で、2日もすれば完全にガチガチに硬くなって、それこそ装甲板みたいになります。今回の企画では、そうなってから「どうやって食うか」がテーマですので、このまましばらく置いておきます。ちなみに、切れ端を一つ食べてみましたが、この時点では辛うじて歯で噛み割る事が出来ました。お味は、香ばしい焼いた食パンの耳の味でした。ただ、今回は前回よりも塩の量が多かったか、やや塩味がきつい様に感じました。
 ところで、上で昔の兵食としてのハードタックの1日の支給量を454gと書いたのですが、今回の400gの強力粉と200mlの水で、仕上がりの重さはいくらになるのか計ったところ、400gを切っていました。まぁ、ボウルや手についた生地の分を冗費したのは間違いないとして、それでも400gを切っていたというのは、ちょっと驚きでした。つまり、焼く過程で水の分はどっかに飛んでったという事です。実は、400g+200mlで454gくらいの仕上がりは出来るだろうと思っていたのですが、ちょっと考え方が甘かった様です。

ご覧の通り、焼き上がりの時点からカパカパに固いですw

2021-02-03 02.02.48
切れ端はちょっと香ばしい
本格的に硬くなったら、歯は立ちませんw

2021-02-03 01.56.16
小麦粉の元の量より軽くなるとは思ってませんでしたw

2021-02-03 02.05.51
今回はきっちり計って切ったので
いい感じに重ねられてカッコいいです