これまで何度も炊飯器ケーキや飯盒ケーキを作ってきたのですが、ずっと懸案だったのが、ドライフルーツなどの具が下の方に沈殿してしまう事。売ってるケーキや他の人の作品をみると、下半分以下に沈殿してる、なんて事はなくて、上下に均等に混ざっています。いろいろ自分で考えて試してみたのですが、やっぱり下に溜まる。そこで今回から、他の人の作例を参考にして、「具が均等に混ざったパウンドケーキ」を目指していきます。
下半分に沈殿したラムレーズン
どうやったら均等に混ざって焼きあがるのか?
■温度管理が大事
パウンドケーキ関係の記事を見ていて、一番多く書いてあったのが、「温度に注意する事」という事でした。一般にパウンドケーキ作りでは、バター、卵は「常温に戻す」とされているのですが、この説明では不十分です。具体的には、バターは「パンに塗れるほどに柔らかく」、卵は「だいたい40度くらいの温かさ」にする必要がある様です。
バターの方は夏場なら、冷蔵庫の外に出しておけば、そのくらいの柔らかさになりそうですが、卵の方は夏でも湯につけて温める必要がありそうです。冬場ならバターも温めねばならないでしょう。ただし、バターは溶けてしまうと、固形の時とは全く性質が異なるそうです(ウェットでどっしりした仕上がりになるとか)。
どうして卵が冷えたままではダメなのかというと、ざっくり言えば、バターは脂、卵は水で、そのままでは決して混ざり合わないからです。まぁ、熱加えて焼いてしまえば混ざりますが、それでは具が沈殿してしまう原因になるとか。良い感じに混ざり合わせるのが肝心の様です。
バターはパンに塗れる程度に柔らかく
砂糖は一旦ゴムベラで混ぜてから
ハンドミキサーできっちりクリーム状に混ぜ込みます
約40度くらいのお湯で溶き卵を温めます
茹ってしまいそうですが、案外温まるのに時間がかかります
1/4ずつ入れて、ハンドミキサーでかき混ぜます
一気にやらない事
良い感じにクリーム状に混ざりました
いつもよりふんわりした感じです
今回はちゃんと篩を使って粉を振りました
■ドライフルーツの処理
具を沈殿させないためには、ドライフルーツの方の処理も必要だという事がわかりました。これまでは瓶から出したやつをそのまま生地に混ぜ込んでいたのですが、水分は出来るだけ切る必要があるそうです。具体的には、ザルで酒を落とし、キッチンペーパーで水気を取って、薄力粉をまぶすそうです。そうする事で、生地の中で抵抗力が生まれるのでしょうか、沈殿しにくくなるとか。
だったらいっその事、あらかじめ干しておいて使っても良さそうなものですが、今回は干してないので瓶から出したものを、調べた通りに水気を切って、粉をまぶして使ってみる事にしました。もっとも、どんな頑張っても若干の水気は残りますし、粉をまぶして混ぜても、シケシケした感じには変わりがありません。これでは果たして上手くいくのかしら。
キッチンペーパーで水気を切ったドライフルーツに
薄力粉をまぶして混ぜます
切る様にして混ぜた生地に、ドライフルーツを混ぜ込みます
いつもより力の要りました
なんか、いつもよりも量が多いし
どっしりしてます
■焼き時間
今回の材料の分量は、いつもの通り、バター200g、薄力粉200g、ベーキングパウダー10g、砂糖200g、卵L寸2個(170g)、ドライフルーツ200g、ラム酒は本来は50g入れるのですが、今回は忘れてしまいました。
普段とほぼ同じ量なのですが、今回の記事は、いつもよりも量が多く、しかもどっしりした感じです。温度管理とか混ぜ方とか、そういうのを気遣っただけで、いつもと仕上がりがちょっと違う様な気がします。まぁ、気のせいかもしれませんが。
160度に余熱したオーブンに、まずは蓋なしで20分入れて焼きました。頭に焼き目がついたら、包丁で切れ目を入れて再度焼くためです。ところが、20分経って出してみると、ほとんど焼き目はついておらず、むしろ液体に近い。とりあえず、切れ目らしいのを入れて、蓋なしで再度30分焼きます。
30分経って出してみると、表面は良い感じに焼けています。これまで作ってきた飯盒ケーキだと、これぐらいの時間焼けば、中まで熱が通っています。一応、竹串を刺して確認してみました。ところが、中はまだ全然焼けていませんでした。やはり、生地の作り方がこれまでとちょっと違うせいでしょうか。
そこで、今度は蓋をして追加で20分焼きました。今度はちゃんと中まで火が通ってました。これまでこうした点検はサボってましたが、やり方が変わってそれが定着するまでは、ちゃんと確かめておかないと、型から抜いたり切った時に悲惨な事になりますねぇ。
20分そこらでは、全然焼き目がついてませんでした
50分焼いても、中はまだ焼けてません
20分+30分+20分でやっとこ焼きあがりました
■熟成させる
これまで作ってきた飯盒ケーキは、出来て翌日には食べていたのですが、調べた情報の多くは、しばらく置いて熟成させるていました。長い人では5〜7日ほど置いています。常温でおく人、冷蔵庫に入れる人、様々でした。まぁ、時間が経てば、パンウンドケーキは固くなる傾向にありますし、自分みたいに固いケーキ好きな人には有用な情報です。
また、型から抜いた熱々の時に、ブランデーを塗るという情報もありました。熱々の時でないと洋酒がケーキに染み込まない事、熱が飛んでいく過程でアルコールが飛んで、良い感じの大人風味のケーキになるとの事。塗る量はお好みみたいですが、とある作例で80g(約100ml)も塗っていたのがあったので、自分もそれを真似して、ケーキ全体にラム酒を塗りたくりました。
その後、ラップに包んで4日ほど寝かせました。
100mlのラム酒を、底の部分含め
全体にまんべんなく塗っていきます
ラップしてしばらく放置
■結果
さて、ワクワクして切ってみました。結果は、、下半分にドライフルーツが沈殿してました。一体、何がいかんのやろなー。ここでちょっと疑問に感じたのは、どんなに温度に気をつけてバターと卵を混ぜてふんわり仕上げようとも、160度の熱で焼いたら、一旦は溶けて同じ事なんちゃうかな、という事。しかし、多くの人がそれで成功しているからには、やっぱり自分のやり方に何か問題があるのでしょう。
今回、初めてラム酒を100mlも塗ったわけですが、これは流石にやりすぎで、かなりビリビリくる味わいになりました。ただ、洋酒の香りのするケーキってのは、こうやって作ってるのだな、というのは理解できました。次回は50mlくらいにしようと思います。
洋酒を塗ったあと、ラップして置いていたのですが、粗熱をとってからラップしたにも関わらず、結構湿気っぽい、柔らかめの仕上がりになりました。まぁ、この辺りは好みの分かれるところでしょうが、自分はもうちょっと乾燥した固い感じが好きなので、ラップをかける時間とか、そういうのを再検討したいと思います。
今回は、具が沈殿したという意味では失敗でしたが、学ぶところも多い作成となりました。
次回また頑張ろう
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