自分が出るレースの大半は、朝からスタートというのが多いので、朝は0600時に起床して、昨日の晩に食ったもので出るものは徹底して出して(出ないとモトパンがキツい)、、となかなか忙しいのですが、その用事の中に「朝食」も含まれています。やっぱり人間、食わないと体や頭が動かないものなのです。むしろ、食わないと「出ない」という相関関係もあって、朝食というのは結構大事なのです。


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レース前糧食の主力となる
カロリーメイトとマックスバリュのゼリー飲料





■食えない人の朝食の問題

 朝からモリモリ食える健啖家の人は、このレポートは読むだけの時間が勿体ないです。自分もかつては起き抜けでもそれなり食えた人だったのですが、最近はめっきり食えなくなりました。最初の頃は、食うとモトパンがキツいという事情だったのですが、最近は本当に食い物が喉を通りません。前の晩の買い出しで、おにぎりだの菓子パンだのを買っても、ほとんど手を付けない。ちょっと食べたら満腹という感じなのです。
 原因としては、加齢による少食化、起き抜けで脳も胃も稼動状態にない、緊張による拒食、などなどあると思うのですが、問題なのは「食っておかないと、レース後半で腹減ったり、体や頭の動きが鈍くなる」という事です。大体レースは朝0800時頃から走り出しますが、起床から3時間後の0900時になると、さすがに胃が稼動状態になって、腹が減ってくるのです。さりとて、途中でレースやめて食うという訳にもいかないので、やっぱり出撃前に食っておく必要があるのです。
 しかし、おにぎりだの、カップ麺だの、菓子パンだの、あるいはお菓子だの、そうしたものは本当に食いたいと思わない。そこで、そういう時であっても、それなりに食えて、少量でも腹持ちが良くて、かつ滋養豊富な食品をチョイスし、それらを摂取する必要が出てきたのです。ある種のレーションといっても良いかと思います。

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前の日の残り物を食わねばならない事もありますが
起き抜けは本当に喉を通らない事がありますし
またガッツリも食えません


■少量で腹持ちの良いもの

 まず一番に思い浮かんだのがチョコレートです。チョコレートは、ミリタリーレーションでも定番ですが、いくらあまり食えないと言っても、チョコレートだけで腹を満たすってのは、ちょっと無理があるし、むしろ気持ち悪くなりそうだし、レース中にチョコレート(だけ)吐いたら、絶対変なエイリアンに侵食されてると勘違いされそうなので、チョコレートだけ食うというのは却下にしました。
 次に考えたのは、エネルギーバー。最近はプロテインバーというのが結構たくさん出ています。試しに買って食べてみたのですが、そもそもプロテインが好き出ないのに、「朝からこんなん食わないかんのかー」と陰鬱な気分になってしまいました。まぁ、好き嫌いと言われたらそれまでですが、わざわざ嫌いなもん食わんでも良いかな、と。
 あれこれ食ってみて、結局落ち着いたのが、カロリーメイトでした。別に大塚製薬からリベート貰ってる訳でもないのですが、自分が中学生の頃に出現した「元祖」栄養補助食品に勝る食品は、30年近く経った今でも、ダントツトップだったようです。

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真ん中のチョコレートは一目瞭然ですが
他のチーズ、フルーツ、メープル、プレーンは
微妙に色が違います


■喉の通し方

 カロリーメイトは、ご存知の通り、ショートブレッドの形したブロックと、缶飲料と、最近はゼリーもあります。缶飲料も自分が中学生の頃からありますが、これは当時から「ゲロマズ」と評判で、自分は飲みません。というか、カロリーメイトというのは、自分にとっては長らく「高価なビスケット菓子」と同義でしたので、わざわざゲロマズなものを飲む必要を感じてませんでした。その意味では、ブロックの方はそこそこ美味しいので、食べたくなったら、安いとこで買ってきて食べる、という感じだったのです。
 さて、カロリーメイトのブロックですが、これ、ぶっちゃけ油っ気の少ないショートブレッドなので、そのままだと口の中の水分を全部吸われて、喉につかえます。普段ならそれでも良いですが、やっぱりレース前だとそれでは具合が悪い。何か飲料を併用すれば良いのですが、ジュースの類もやっぱり飲みたくない。そこで、チューブ入りのゼリー飲料を併用する事にしました。
 このゼリー飲料も色々種類があるのですが、端的な違いは、「安いか高いか」という事です。まぁ、単純に考えて、「値はタダを取らん」と言いますから、高い方が栄養価が高かったりすると思うのですが、この辺りは財布との相談になってくるだろうと思います。もっとも、毎日食べる訳でなく、レースの時しか使わない糧食という風に考えたら、少々高くても良い様にも思いますが。

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ブロック食品だけだと、口ん中パッサパサになって
喉に通り難くなります


■カロリーメイトとゼリー飲料の食い合わせ

 カロリーメイトの様なブロック食品を食べるのは、別に他の飲料でも良いのですが、そこは出来る限り栄養摂れるもの、と言う事で、敢えてゼリー飲料を選びました。そのゼリー飲料も色々あるのですが、一番コスパが良い(というか安い)のはトップバリュのやつです。そこで、近所のウェルシアに売ってた奴を全種買って、各種カロリーメイトとの食い合わせを試してました。その結果が、下記の表です。
 青の欄が自分、ピンクの欄が嫁さんの、それぞれの評価です。傾向として分かったのは、チョコレート味とゼリー飲料はあまり合わない事。またゼリー医療もローヤルゼリーは今一つであった事。嫁さん曰く「単品ならチョコレートが一番好きだが、そもそもゼリー飲料と一緒に食べるのを前提として作られてない」との事。
 まぁ、今回は敢えて、ゼリー飲料でカロリーメイトを食べるやり方にしたのですが、別にどんな食い方しても良い訳で、別個に食べても良いのです。ただ、自分の場合、ブロック食品だけでは喉が詰まるので、同時食いをする必要があるだけです。


カロリーメイト01
カロリーメイト02
カロリーメイト03
カロリーメイト04
 カロリーメイト05
ゼリー01
 ゼリー02
ゼリー03
ゼリー04



■アップル系ゼリー飲料とカロリーメイトの食い合わせ

 ゼリー飲料で多いのはリンゴ味で、大抵のメーカーにあります。そこで、ものは試しで各社のリンゴ味のゼリー飲料でも食い合わせを試してみました。結果は以下の通り。
 驚いた事に、マックスバリュ以外のゼリー飲料は概ねゲロマズの結果となりました。特に酷かったのがポカリスエットでほぼ壊滅。アミノバイタルはまぁ、アミノ酸系なのでそうなるだろうと思ってましたが、カロリーメイトも概ね不可というが意外でした。
 後で、ゼリー飲料だけ試飲してみたところ、カロリーメイトはまぁ、概ね缶飲料の不味さに準じており(嫁さんはそこまで不味くなかったらしい)、アミノバイタルは後味は非常に悪く(アミノ酸だけに)、ポカリスエットは工作用の糊みたいな味で、それぞれそもそも大して美味しくなかったのです。
 これら3種はマックスバリュよりも高いのですが、高いから美味いという訳ではないので、なるべくうまいと思うものを組み合わせる事にします。ちなみに、今回試しませんでしたが(もうお腹いっぱい)、ウィダーインゼリーで不味いと思ったのはあまりありませんので、マックスバリュと同じような結果になると思います。


カロリーメイト01
カロリーメイト02
カロリーメイト03
カロリーメイト04
 カロリーメイト05
ゼリー101
 ゼリー102
ゼリー103
ゼリー104


■レース前糧食の設定

 上記の結果を踏まえ、カロリーメイト1箱とゼリー飲料1本を基準としてレース前糧食を準備する事としました。前夜の買い出しであれこれ買っても、結局食べずに帰りのトランポの中で食べたりするくらいですから、レース前に予め買って持っていけば良い訳です。
 もっとも、これだけでは腹持ちとかカロリーとか、ちょっと貧弱な気もしますので、増加食としてチョコレート菓子も追加する事にしました。これも様々なものがあるのですが、チョコレートというのは気温が高いと溶ける性質にあるので、あまり溶けなさそうなもの、糖衣状のM&Mやマーブルチョコレートが良いかと判断しました。スニッカーズも候補に上がったのですが、ナッツ噛むのが難儀なので却下しました。
 この他にも、レースの世界ではバナナを食うというのが伝統的にあるのですが、生物だけに家から持っていくのもなんだし、現地で買うと何本もついてるので流石に全部は食えんし、飽きるという事で、実はあまり活用していません。(ヤマザキのまるごとバナナは売ってたり売ってなかったりする)

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スニッカーズは食いでがありますが
暑いと溶けるし、ナッツ噛むのが難儀だったりします

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肉肉しい物が食べたくなるかなー、と試食しましたが
おそらく、レースの朝には食べたくないでしょう

写真 2020-10-11 15 03 10
おそらく、この組み合わせで
お腹いっぱいになると思います


■薬剤の利用

 こうした栄養補助食品以外にも、クエン酸やアミノ酸といった薬剤の利用は比較的早い段階から行っていて、あると無しでは大違いの成果を出しています。
 その第一が、クエン酸で、1包を500mlの水に溶かして飲むものですが、これを前日に1リットルほど飲んでおくと、レース後に来る筋肉痛が相当軽減されます。これはレース時の栄養補給には直接関係しないものの、翌日の疲労度がかなり違うので、レースのみならず、練習の際も忘れず摂取する様にしています。
 次にアミノ酸。自分がこの趣味始めた頃は、アミノバイタルが筋肉痛避けに良いと言われていましたが、筋肉痛に効くのは上記のクエン酸で、アミノ酸は瞬発的なスタミナに効く様です。具体的には、レースの30分前にアミノボンバーを1包飲んでおくと、90分のレースでバテる事がありません。問題は、アミノ酸系の薬剤は結構ゲロマズで、このアミノボンバーも不味いと感じる前に飲み込んでしまうのがコツです。
 最後に、これは高齢の人がよく飲んでると思いますが、自分はアリナミンを飲みます。アミノボンバーが瞬発的なスタミナに効くのに対して、アリナミンは恒常的なスタミナに効果がある様で、この二つのパワーサプリをちゃんぽんする事で、どうにか40代の頑張りが出来ます。若い人はアミノボンバーだけで十分です。
 また、これはレース用として飲んでいる訳ではありませんが、歳食ってから睡眠の質が悪くなり、特にレースの前夜などは、起きてるだか寝てるんだか分からん状態で、どうにも寝た気がしないので、睡眠改善薬を日常的に飲んで、より良い睡眠を摂れる様にしています。

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アリナミンは、元は脚気予防に日本陸軍が開発させたものだそうです

2020-10-14 07.44.04
こういうの飲む様になると、年寄り臭いなぁと思いますが
薬飲んだって、元気な方が良いに決まってます