今回、トランポの買い替えた最大の理由は、前の100系ハイエースの荷室の床で嫁さんと寝ると、窮屈で安眠できん、というものでした。タイヤハウスの間は約110cm、嫁さんが細いウチは良かったのですが、今となってはかなり手狭なのです。タイヤハウスの上はというと、約150cmですから随分余裕があるのです。そこで、どうにか荷室の床をジャストローにして、二人で余裕もって寝れる方法を研究しました。
ガッチリした寝板を作ることが出来ました!
■分かれて寝る
今回のハイエースは、スーパーGLという事で、内装もシートも良いのが付いているのですが、荷室のサイズそのものは100系の時と同様に、タイヤハウスの間は110cm、荷室の横幅は150cmです。前のトランポとの決定的な違いは、セカンドシートがある事で、これも結構上等なのがついています。
そこでまず考えたのは、嫁さんはセカンドシートを倒してそこで寝て、自分は荷室でサーマレストなり折り畳みベッドなりで寝る、という方法です。自分の方はこれまでとあまり変わりませんが、嫁さんの方はやってみないと分かりません。
そこでセカンドシートを全開でリクライニングして寝てもらいました。まず横幅は、嫁さんの身長にはまったく足りず、シートの対角線上に寝てどうにか足が伸ばせる感じ。しかし問題なのは、シートを全部倒しても、座面とシートには段差があり、シートも完全に水平でなくて持ち上がっている。そこに斜めに寝るので、要するに地面に段差があって傾斜もある。しかも体に斜めに当たる格好です。
それで一晩寝てみない事には分からん、という感想でしたが、明らかに翌日体痛くなりそうです。どうにも方法がなければ、無いよりましといった感じでしょうが、もうちょっと努力してみようか、という感じでした。
完全に倒したセカンドシート
寝れない事はないですが、寝心地は良くないです
■ベッドキットの検討
ハイエースを車中泊で使う人は沢山いて、ベットキットも数多売られています。しかし、大半のベッドキットは、荷室の荷掛けD環をとめるボルトに足を固定するタイプです。ベッドとしてはとても合理的だと思うのですが、自分の場合、ちょっと採用し難い理由がありました。
というのは、まずバイクが積んである事。しかも2台です。バイクを積む時は、出来るだけ荷室にスペースを作る為に、タイヤハウスの上にバイクのステップが入り込むくらい、荷室の側面に沿わせます。すると、バイクの位置は、ベッドキットの支柱の位置に来ます。つまり、ベッドキットを組む余裕がない訳です。
ベッドキットが入る分、バイクを寄せる量をずらせば良いではないか、という意見もあるとは思うのですが、バイク1台ならともかく、2台積むとあっては、荷室の左右にベッドの支柱があると、とても邪魔な感じになりそうです。
もう一つは、しょっちゅう車中泊しに行くなら、常時ベッドキットを取り付けておく必要もあると思うのですが、今、車中泊する機会というのは、レースの時に前日から現地入りする時くらいで、年間で多くて6回くらいです。その為に、荷室の2割ほどのスペースをベッドキットで占有するのもどんなもんか、という気持ちがあって、ベッドキットはひとまず保留となりました。
前に床貼りをした時に残ったフロア材を使って
ダンボールに型を取りました
コメリは品質とカットの技術がいいです
■やってみる
使うのは、まずコンパネ材です。今回は寝床という事もあって、塗装用の、片面がツルツルしたのを使います。このコンパネのサイズは幅が900mm、縦が1800mmです。荷室の横幅は大体1520mmですので、コンパネを2枚買って、幅760mmにカットしてもらいます。作例では左右の比率を6:4とかでオフセットかけてる場合が多いのですが、自分は収納を考えて5:5にしました。
買ってきたコンパネを荷室に敷いて、型紙をあててジグソーでカットする部分をペン書きします。ここでポイントは、寝板は床板と違って、タイヤハウスの上に設置するので、タイヤハウスの部分を切り欠く必要がありません。これは非常に楽です。200系ハイエースのスーパーGLの右側面にはタイヤハウスのとこにヒーターがありますので、この部分は切り欠かねばなりませんが、タイヤハウスの事を思えば物の数です。
ちなみに、コンパネの縦のサイズは1800mmですが、荷室の全長はもっと長く、長さが足りません。そこで無理に荷室のサイズに寝板を合わせず、リアハッチ側はあえて寝板が足りない感じにして、荷室のサイズにコンパネの角を切る手間を省き、出入りする際の足の置き場を確保しました。
まず簡単そうな左側のカットし、次にちょっと難しい右側をカットしました。そしてSTボックスを用意して、左右の板を合わせてみました。すると、丁度10mmほど重なる感じでした。そこで、右の板の側面側を10mmカットし、ぴったり合わさる様にしました。
コンパネ1枚は約10kgだそうで
とりあえず、側面の形に合わせて切り出します
間違えてタイヤハウスの下書きまでしてしまいましたw
左側のカットはこの部分だけです
いい感じにフィットしてます
右側はヒーターがあるので、ちょっと複雑です
これもいい感じにフィット
右側の側面に当たる部分を10mmほど削って
バッチリ合わさる様にしました
■鋼製束
自作でベッドを作ってる人の多くが、鋼製束という建材を使っています。これは元々家を建てる時の建材らしいですが、1本500円くらいで案外安いです。いろんなサイズがありますが、それほど高床にするつもりはなかったので、25サイズのSTボックス並みの長さにしました。
この鋼製束にツーバイ材を載せて、寝板の支えにするのですが、1800mmではちょっと足りないので、寝板に100mmの端材を追加する事にしたので、このツーバイ材も長めのを買って1900mmにカットしてもらいました。
この時、ついでに寝板を半分にカットして貰いました。参考にしたサイトでも書かれていたのですが、確かに1800mmのままの方が安定感があるのですが、いかんせんデカイし重たい。設置も収納も大変です。真っ二つに切って貰い、さらに自分で持ち手の穴を開けました。
鋼製束の上に置くツーバイ材
結構かさばりますが、これがないと寝板を置けません
見本と同様に寝板を4分割にし、持ち手の穴を開けました
そうこうしている内に届いた鋼製束
下から2番目の小さいサイズです
高さを合わせます
最終的には、一番縮めた状態で使う事になりました
■設置と調整
とりあえず、鋼製束の高さを350mmにセットして、ツーバイ材を置いて、寝板を敷いてみました。やってみてなるほどと思ったのは、寝板が荷室の側面にぴったり合っているので、まったく動かない事。動かないので、鋼製束を床板にねじ止めしなくても、鋼製束が倒れたりしないのです。寝板を4分割にしてますので、2分割の時よりはほんのちょっと安定感が損なわれましたが、それでもガッチリしています。試しに嫁さんと並んで寝てみましたが、嫁さんも意外と安定してるとの感想でした。
鋼製束の高さは、STボックスが余裕で入る高さで調整したのですが、むしろSTボックスの高さに出来るだけ合わせた方が、もし万が一、鋼製束がコケてもSTボックスが支えになるだろう、という事で、鋼製束の高さを低く調整しなおし、再度、寝板を敷いてみました。安定感は同様で、寝板の高さが低くなった事で、乗り降りが若干楽になりました。
高さを合わせた鋼製束にツーバイ材を置きます。
左右は2本、真ん中は3本
ねじ止めなどはせず、置いてるだけです
その上に寝板を置きます
これがビックリするくらいガッチリ固定できます
鋼製束もガタガタしません
もっと低くても大丈夫そうです
あまり高いと、寝板に上がりにくいのです
寝板や鋼製束がガタガタしないのは
寝板が荷室にぴったり合っているからです
一番低くしました
床下に夜中使わんもんを入れておけます
■これからの展望
当初、大変かな?と思った作業でしたが、意外とサクサクっと出来てしまいました。もし涼しい季節で、材料も最初から全部揃っていたなら、2時間もあれば出来たと思います。
今回は泊りがけ以外の時は、寝板や鋼製束を全部トランポから降ろす事を前提にしましたが、この設備を元に、跳ね上げ式の寝板を組んでいる人もいます。もし、その方が楽そうだと思ったら、自分もチャレンジしてみようかと思います。
現状では、使わない時は降ろすという事にしているのですが、逆に積む時は、かなりゴチャゴチャした感じになっていて、当初「次のトランポでは、空間を立体的に使う」という目標からは、かなりかけ離れた積み方になっています。
また、バイクを降ろす時には、先に需品箱のSTボックスやこれら寝板も先に降ろさねばなりませんが、もしその時、雨が降っていたらどうするか。あるいはレース当日の朝、雨が降ってて寝板がおろせなかったら、どうやって着替えなどの準備をするか、などなど、雨天時の設営や撤収についても、これから検討しなければなりません。
ともあれ、荷室を寝室として広々使える様になった、というのは、大きな進歩だとみて良いでしょう。
この位置なら、積みっぱなしにしてても邪魔になりません
寝板を支えるツーバイ材は、バイクの脇に入れました
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