前回、梅干しを作ったのは、四街道の家に引っ越してからですが、今回は2年でだいぶ減りました。職場のUさんからも作って欲しいとオーダーが入りましたので、自分用に3kg、Uさん用に2kg、そして今回は梅シロップ1kgにも挑戦してみる事にしました。(梅シロップの記事はこちら)
2年前に作った梅干しの残り
紫蘇を使わない白梅干しが結構評判良かったので
今回は白梅干しオンリーです
■梅の準備(6月6日〜11日)
前回もそうだったのですが、四街道に引っ越してから、梅干しを作る上で困るが、「そこそこ安い南高梅」が売ってない事。しかも今年は梅が不作なのか何なのか、近所のスーパーには梅自体が売ってません。イトーヨーカドーにでも行けば高いのが売ってるでしょうが、キロ1300円とかだったりしますので却下。今回はメガドンキで群馬産の1kg800円の南高梅じゃ無さそうなのを買ってきました。今回は梅シロップにもチャレンジするつもりだったので、合計で6kg、粗塩だけでなく、氷砂糖も買いました。
梅が用意できたら、やる事はいつもと同じです。
- 竹串でヘタを取る
- 水で丁寧に洗って、布巾などで水気を取る
- バケツに新聞紙などを敷いて、梅を入れる
- 梅が黄色くなるまで待つ
黄熟させる事で、実も皮も柔らかい梅干しになります。青いまま漬ける事も可能ですが、皮の硬い梅干しになるのでオススメ出来ません。
メガドンキで買ってきた梅
結局、高くても良い梅を買わなきゃな、と
反省する事になりました
竹串を使ってヘタ取り
ヘタ取った後の水洗い
水気を取って、バケツへ
入れすぎると、下の梅が潰れます
横の瓶は、梅シロップ
梅のいい香りがしてきて、黄色くなってきます
完全に黄色くなるまで待ちます
■梅の急変〜漬け込み(6月12日〜18日)
いい感じに黄熟してきてるなー、と思ったのですが、ふと底の方をほじくり返してみると、下の方の梅が黄色くなる前に熟し始めてて、柔らかくなっていました。これまで使った梅では、皮が黄色くなるまで実が柔らかくなるなんて事はなかったので、びっくりしました。梅の質が違うのか、はたまた上等でない梅を使ったせいか。ともかく、次回は高くても良い梅を使おうと思いました。まだ黄熟が不十分なのですが、このまま放っておくと、腐ってしまう可能性があります。そこで止む無く、フライング気味で漬け込みをする事にしました。
漬け込みも、これまで同じ方法です。
- 梅をホワイトリカーにくぐらせる
- ホワイトリカーで湿らせた梅に粗塩をまぶし
- ホワイトリカーで拭いて消毒したバケツに、梅を敷き詰めていく
- 余った塩を梅にふりかけ、重石をする
今回、5kg用意したうち、1kgは熟しかけていたので外し、4kgのみ漬ける格好になりました。使う塩の量は梅の量の20%ですから、800gの塩を使います。塩は食卓塩でなく、粗塩を使います。自分は10リットルのバケツを2つ用意し、一つに2kgずつの梅を入れ、バケツの径に合う皿を被せて、2リットルの水のペットボトル2本を重石にしました。漬け込む間、バケツの中に埃やカビの胞子が入らないよう、45リットルのゴミ袋にバケツを入れて、口を括って保護しました。
梅酢は漬け込んだ明くる日くらいから出始め、梅が浸る程度になったら重石のペットボトルを1つ減らします。大体1週間ほどで梅酢が出切ります。重石を外してそのまま天日干しまで放置してても良いですが、今回は大きめの瓶に入れて、梅雨が明けるまで保管しました。
左のボールは傷んだ梅
嫁さんが勿体無いというので、冷凍して別の用途に使う事に
ホワイトリカーにくぐらせて、塩をまぶした梅
バケツはホワイトリカーで消毒済み
重石をして、ゴミ袋の口を括って放置します
いつもなら完全に梅が浸かるほど梅酢が上がるのですが
今回はこれで精一杯でした
梅雨が明けるまで、冷暗な所で保管します
■梅酢の活用
梅干しは元々は梅酢を取るための方法だったそうです。もっとも、梅干しがメインな自分にとっては、梅酢は副産物でしかありません。これまで蕎麦にかけたりして使ってましたが、今回初めて浅漬けに使ってみました。結果は大成功。梅風味の美味しい浅漬けが出来ました。
が、ここで梅酢の用法について注意。というのは、結構味が濃いいのです。ドバドバかけて使うと、酸味と塩気が強くて結構キツイ。ほんのサラサラと使う程度で十分です。今回、4kgの梅から1リットルの梅酢が取れましたが、これで一年ほど持ちそうです。
調べてみると、梅酢も結構売られてて、色んな料理に使えるみたい。梅酢の活用についてもちょっと研究してみようと思います。
あまりドバドバかけると、酸っぱくてツライので
良い感じの薄味がいいです
きゅうりの浅漬けを作る
この時も、浸透圧できゅうりから汁が出て浸るので
梅酢は少量で
■天日干し(8月3日〜6日)
今年の梅雨は実に長くて、8月1日になってようやく明けました。梅干しの天日干しは三日三晩が鉄則ですから、梅雨が完全に開けてくれないと困るのです。途中で雨など降られた日にゃ、消毒し直さめばなりませんし、下手してカビでも生えたら廃棄処分だからです。ともあれ、梅雨が明けましたので、2日の0000時から天日干しを開始しました。
天日干しの間にやらねばならないのは、初日の天日干しが終わったら、梅をひっくり返す事です。今回の紫蘇を使ってない白梅干しで如実に分かった事ですが、瓶から出したばかりの梅は黄色いのですが、一日天日で干すと、色が薄赤くなっています。日に当たってない裏を見ると黄色いのです。陽に当てる事で、漬けた梅に何らかの変化が起こって、梅干しらしくなるのです。
2日目は裏に陽を当て、3日の朝にまだ黄色くなってる部分がある梅に陽が当たり易くします。昼間、陽に当たった梅は、夜になると露が付きますが、それが翌日、陽に当てられて結晶化します。2日目の夜には、結構な結露になり、3日目には塩の結晶も目立ってきます。その頃には、いい梅干しに匂いがしてくる様になります。
瓶から出した梅。ほぼ黄色です
日当たりの良い所に置きます
影になる部分もあるので、時々位置を変えます
日に当てる事で、梅が黄色から薄赤色に変わります
黄色い部分が残っていたら、そこにも陽を当てます
2日目の夜には、盛大に結露する様になります
それが日に当てられて、塩の結晶になります
■完成
今回は完全に梅雨明けしたという事で、一度も取り入れる事なく、完全に3日間ベランダに干し続ける事が出来ました。ただ、最終夜についた夜露を払うため、4日目の昼過ぎまで干してたせいか、さらに蒸発が進んで、ちょっと萎み気味になりました。まぁ、梅干しは萎んだくらいが美味しいので良しとします。
試食した感想は、味はこれまで作ってきた「田舎のおばあちゃんが作った梅干し」そのものでしたが、やや皮が硬く、実が薄い感じでした。皮が硬かったのは、完全に黄熟する前に色が変わり始め、黄熟し切る前に漬け込みをしたからだと思います。実が薄いのは、南高梅でなく、銘柄のよく分からない安物の梅を使ったからだと思います。それなりに名の通った梅は、美味い梅干しになるんだなぁと感じました。
参考までに、2年前に作った梅干しと比較した所、やっぱり2年前のものの方が出来が良い。この次はいつ作る事になるか分かりませんが、少々高くても、いい梅を使おうと思います。しかし、その反面、この製法で行けば、それほど質の良い梅でなくても、市販の梅干しにはない、昔ながらの塩辛い梅干しが出来る事も分かりました。これはこれで良い経験になったと思います。
いい感じに干し上がった梅干し
色にバラツキがあるのは、黄熟の度合いの違いです
南高梅に比べると、実が薄いです
実が薄いので、2個で1個分くらい
でも味はよく出来てました
左が2年目の梅干し
南高梅は、やっぱり実がしっかりしてるんですね
壺に詰めて保管します
無くなってきたら、また作ります
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