記録的猛暑がもう記録的でなく普遍的になった昨今、夏季のクールダウンは必須の要件となってきました。何が一番嫌と言っても、ウェアのお着替えの時で、着替えようとしただけで汗が出て、服だのアンダーウェアだのが体に張り付く事。これが嫌さで練習行きたくなくなるほどです。こう言うのは体の表面に風を当てて冷やすしかありません。と言う事で、扇風機を導入する事になりました。


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左がCF203DZ、右がCF102DZ
最初はコンパクトさに惹かれてCF102DZを買いました





■どう言うのにするか

 扇風機と言っても様々なのがあって、コースでよく見かけるのは、いわゆる工場扇というデカい奴です。あれは強力で、実のところ扇風機自体もそれほど高いものでは無いのですが、問題は電源が必要な事。発電機で動かしている人が多いですが、その発電機はかなりいい値段します。あれば便利なのでしょうが、なかなか手が出ません。タイヤウォーマーを使うモタ部では普及率が高いのですが、我々オフにはあまり必要がないのです。また、今回の用途は、あくまで着替えの時のクールダウン、つまりトランポの中で使うのが前提ですから、工場扇では大き過ぎるのです。
 次に考えたのは、ポータブル電源に扇風機を繋いで使う方法。これなら家庭用扇風機も使えます。もっとも家庭用扇風機は結構かさばるもので、当初考えてた壁掛け式扇風機も、結構重さがあってかつトランポの中に設置するには邪魔、という事で見送りました。小型のサーキュレーターを使う案もあったのですが、これが結構いい値段するので、一考を要しました。
 そんな折、充電式の扇風機というのがある事を知りました。マキタだのハイコーキだの、いわゆる大工道具の電動工具を出しているメーカーの物で、本来は工事現場用です。電源のない所で使う事を考慮して、充電式バッテリーで動きます。つまり、電線に紐付けされていないので、好きなところに持ち運び出来る。これって、トランポの中でも、外のテーブルでも、自在に動かせて結構良いんじゃないか。しかも、サーキュレーターほど高くもない。という事で、マキタの充電式ファン、CF102DZを買う事にしました。

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こうやって並べてみると
両機の大きさが随分違って見えます

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CF203DZはバッテリーを土台に収納するタイプ
CF102DZはファンモーターの背部につけます


■マキタの充電式の特徴

 ところで、マキタのこのサイズの充電式ファンには、CF101DZというのもあります。CF102DZとの違いは使用するバッテリーサイズで、CF101DZの方は小型の10.8V、CF102DZは14.4Vと18Vのサイズが使えます。申すまでもなく、数字の大きい方が大きなバッテリーで、それだけ駆動時間も長いのです。それ以外には、CF101DZとCF102DZはサイズも機能も形も同じです。欲張りな自分は、少しでも駆動時間の長いCF102DZを選んだという訳です。
 そのバッテリーも、様々な容量があって、18Vでも6.0Ah、5.0Ah、4.0Ah、3.0Ah、2.0Ah、1.5Ahとラインナップが豊富です。当然、容量が大きければそれだけ長時間使える訳ですが、その代わり重量が増します。このバッテリーは他の工具、例えば手持ちの電動工具にも使えるのですが、大きなバッテリーだと重くなるので、そういう場合は小さいバッテリーを使うのだと思います。とりあえず自分は扇風機以外で今のところは使い道を考えていないのでデカいので良かったのですが、デカいと当然値段も張ります。財布と相談した結果、5.0Ahの物を買いました。
 この充電式ファン自体は、安い所だと7,000円くらいで買えるのですが、マキタの工具を持ってない人は、バッテリーと充電器を買わねばならないので、それなりの出費になります。充電器も様々ピンキリで、しかも扱ってる店によって値段が違ったりもして、色々迷う所ですが、自分は急速充電器を買いました。別に特別理由があった訳でなくて、たまたま買ったネットショップが5,000円ほどで売ってからです。
 さて、上にも書いた様に、このリチウムバッテリーを互換する事で、様々な電動工具に使い回しする事が出来ます。かつ、コードレスなので結構便利です。と言っても、自分が使う電動工具といえば、ジグソーに電動ドリルくらいなもので、しかもトランポの棚作ったりする程度の用事しかないので、当面、この大メリットの互換性の恩恵には預かれなさそうです。ただ一点、なんとこのバッテリーをUSB機器に使うアダプターがあったり、LED照明に使えたりと、そんな用途の機器も売ってますので、そっちの方で活用しそうです。

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互換品も沢山出てますが、ここは安心の純正品
バッテリー単体で運ぶの前提なのか、カバー付いてました

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本体よりもバッテリーと充電器でお金かかります
あと、充電中は結構音がうるさいです



■CF102DZの不満、CF203DZを買い替え

 さて、CF102DZを使ってみました。なんにも無いトランポの中で着替える事を思うと、やっぱり扇風機があった方が全然涼しい。トランポの中で使うなら、この程度の小型の方が良いのだとは思うのですが、欲をかくなら、もうちょっと風の当たる範囲が広ければ良いのにな、と感じました。実はそれをより切実に感じたのが、前回の練習で嫁さんが熱中症になった時、この扇風機では風の当たる範囲が狭く、力不足に感じました。
 小型故に背も低く、トランポの床に置いて使うにも首を上に向けねばならないのですが、バッテリーがファンモーターの背後につく格好になっている関係か、首の上下可動はロックボタンを解除しないと出来ないが意外に面倒でした。また、小型な割には、土台の部分が結構幅があって場所を取る事。手持ちのフックを引っ掛けて使うにも、わざわざ引っ掛ける所を作らねばならず、またそういう使い方は実はあまりしなさそうな事。
 などなど、力量不足や利点と思われたのが意外と欠点だったりと、扇風機の必要性は十分に感じさせたものの、CF102DZ自体には不満が残る結果になりました。
 CF203DZはCF102DZのふた回りほど大きい扇風機です。その大きさ故に当初は敬遠したのですが、やはりそれなりの大きさが無い事には、求めていた性能は得られないという事で、急遽買い替えました。バッテリーは14.4Vと18Vが使えますので、本体だけ買い替えです。(小さい方は隊員に転売w)
 このCF203DZ、他のレビューを見てると、CF102DZとさほど風力の差がない、と書かれてたりします。おそらくモーターは同じ物を使っているのかもしれません。しかし、ファンの大きさがCF102DZが18cmに対してCF203DZは23.5cmです。ファンが大きい分、風の当たる面積も広く、その分、涼しく感じます。
 物としては確かにCF102DZよりも大きいのですが、大きい分、高い位置から風を送ってくれるので、使い勝手はCF203DZの様に感じます。また、首の上下可変もロックなしですので、ストレスなく角度を変えることが出来ます。また、ファンのカバーは工具無しで外せるので、お手入れも楽です。
 物がデカいので場所も取りそうな感じですが、実は横に長いだけで奥行きはそれほどないので、意外とスリムです。これはトランポの中でもテーブルの上でも利点です。吊り下げフックでなく、持ち手が付いていますが、持ち運びはこっちの方がしやすいですし、吊り下げたかったらS字フックでも使えば良いかと思います。

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こうやってみると、CF203DZが意外とスリムです

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CF102DZを使ってて、一番イラっときたのが
上下角度を変えるのに、いちいちロックを外さねばならない事でした


■感想

 この後、トランポが100系ハイエースDXから200系ハイエースS-GLに変わり、荷室にもエアコンが入る様になって、着替え中の冷房は画期的変化がありました。つまり、この扇風機に期待されていた、着替え中の冷房装置としての役割は、少なくとも主力としては使われなくなりました。しかし、それでも猛暑炎熱の中では、エアコンも直ぐには効かないですし、汗だくになった時には扇風機も併用した方がより汗の引きも早い事から、全く無駄にはなっていません。
 また、休憩中にあっては、あまりに暑い時は、もはや風に当たるという使い方ではなく、膝の上に抱えて直接体に風を当てると言ったやり方でないと涼を取れない事も分かりました。これは扇風機の性能の問題というより、日本の酷暑によるもので、この状況下では扇風機らしい風を得たければ工場扇を使う他ありません。しかし、個人用の扇風機としては、やはりあれば有っただけ有難いというもので、猛暑時には欠かせない冷房器具となっています。
 この様な状況では、バイク乗っていない時以外はほぼ扇風機は回しっぱなし、しかも最強で回しているので、バッテリーは最後まで持たない事も分かってきました。予備のバッテリー(しかも6.0Ahクラス)もあった方が良さそうです。

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エアコンの効くトランポで
着替えの時にさらに威力発揮!