2019年11月09日

2019 WERIDE三宅島エンデューロレース

 昨年、最終周でいきなりの謎のエンストで、しかも熱中症で診療所送りで終わった三宅島エンデューロレース。この一年はそのリベンジのためにあったと言っても過言ではありませんでした。なので、告知があった時点からやる気満々であったのですが、その後の諸事情により、レースそのものよりも、それ以外であれこれ悩ましくなった企画となりました。


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全くもって激烈な状態になったゲイレルル号
どうにか壊さずご帰還へ



■エントリー費値上げ

 去年、三宅島エンデューロレースに参加して、何が感動であったかと言っても、参加費の安さ。ライダー1名、観戦者1名で6万出してお釣りがくる、しかも、渡航費、宿泊費、輸送費、そういうのを考えたら、相当安い! という事で、早い段階から仲間内にはお誘いをかけていて、中には出ようかな、という人もいました。
 ところが、今年から参加費が8千円ほど値上げ、今年は二人で7.5万円ほどになってしまいました。まぁ、致せり尽せりの内容を考えたら、それでも安い方なのだとは思いますが、一会戦で7.5万は正味の所、高いなぁと。東京都からの予算が減ったのか、海外から招待選手を呼んだからからなのか、値上げするにはそれなりの理由があったのだと思いますが、結構悩ましい金額になりました。
 実際、ライダー二人で参加する予定だった人など、「10万出すんだったら沖縄行った方が良くね?」という事で参加をやめた人もいました。自分も相当に悩んだのですが、去年の終わり方のままではやり切った感がありません。ここはやっぱり行くだけ行って、走るだけ走って、チェッカー受けて帰って来るのが筋だと思い、奮発する事にしました。
 参加費が値上げになった事もあり、仲間内にはよほど行きたい人でないと誘えないな、という風に考える様になり、またエントリー方法も申し込み順から抽選方式に変わり、仮に申し込んでも、自分が受かって仲間が外れる(その逆もあり)というのではアレなので、積極的に誘う事はしなくなりました。

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すでにXR230は転売できたので荷室に余裕があります

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車検が済んでコンテナに搭載


■車種転換の話し

 CRF450RX“ゲイレルル号”は、謎のエンストがパルスジェネレーターの溶解であった事が突き止められて以来、キックスターターや右側ラジエターファンの追加など、昨年の轍を踏まないよう緩やかに改装が行われていたのですが、乗る度にしんどい思いが募る様になって来ました。当初は加齢により体力が激減したのか(加齢のせいというより、引越しにより運動できる環境がなくった方が問題)、とかなり悲観的な見方もしていました。
 ところが、Motoshop TOYZがBetaの取り扱いを始め、ユーザー第一号の人が買ったX-Trainer250に乗ってその考えが吹っ飛んでしまいました。つまり、自分が参加する様なレースで、CRF450RXが活きるレースがあまりない、車重の重さが身体にかける負担が大き過ぎる事、極大のパワーもそれをケアする事は出来ない事、などなどが分かり、こりゃ乗り換えだな、と即座に判断するほどでした。
 そう思った3日後、何とキャンセルによって値引きになった2019年式のX-Trainer250の出物があるとの情報が来て、購入を即決。その資金の為に、CRF450RX“ゲイレルル号”も下取りに出す事に。となると、気持ちはもはや三宅島エンデューロどころでなくなってしまいました。人手に渡るバイクですから、去年みたいにレース途中で壊れるなんて言語道断です。
 この様な次第で、大枚かけて海渡って行く三宅島エンデューロレースは、消化試合レベルのモチベーションで臨む事になってしまいました。

2019-11-08 16.48.27
乗船手続きまでの時間潰しに東京タワーへ
人生初のクレープを喫食

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装具の大半をメッシュコンテナに入れたので
手荷物は少なめ(といっても、この位はある)

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3回目の乗船となる東海汽船・橘丸

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二等船室に雑魚寝w


■まさかの雨

 準備に関しては去年の経験があるので、それほど戸惑いませんでした。ただやっぱり問題になるのは、「宿を出る時にレースに出れる格好で」という手荷物の条項で、今回はウェア、ニーブレース、ブーツ以外は全部メッシュボックスに入れる事にしました。ヘルメットは第一パドックから会場までの移動用に軽装のオートバイ用のヘルメットを持参しました。辰巳埠頭では、「自己責任でブーツは入れても良いがヘルメットはダメ」というアナウンスが流れてて、慌ててヘルメットを出している人が居ましたが、この辺りの規定、現実的な問題と法令上の問題の狭間で、結局、参加者自身の判断と責任に委ねられている様な感じでした。
 去年のは出しなが雨で難儀したのですが、今回はいい感じに晴れて荷下ろしなどが楽でした。去年の同様に時間を持て余す事も想定して、田舎モンの嫁さんを東京タワーに連れてったりと、時間つぶしをし、竹芝桟橋で受付と団結式を済ませて乗船。東海汽船の橘丸も3回目となれば、物珍しさもなく、出航と同時に二等船室にゴロ寝して、早々に寝てこましたろうと思ったのですが、これに失敗。同室した人の超絶イビキで全然眠れず。まぁ、自分もイビキ凄いらしいので人の事言えないのですが、イビキ程度で寝れないというのは、それほど眠くなかったのか、何か緊張してたのか。
 払暁前、三宅島に到着し、宿に着いた時には、眠たさマックスで、布団敷いたら欲も得もなく爆睡。たった1時間でしたが、熟睡出来ました。しかし、目が覚めた時、外は結構な雨。宿では霧雨程度だったのですが、第一パドックから会場に着く頃には結構な降りになっており、ピットエリアに置いてある荷物も、90リットルのゴミ袋で防水してあるものの、開けた途端に濡れてしまう始末。今回は試走には行かず、その分時間にも余裕があったので、ゆっくり準備する事が出来ましたが、雨にはしっかり濡れて、集合写真撮る頃には震えがくるほど寒かったです。

2019-11-09 08.24.05
宿の前でバスが来るのを待つの図
背嚢の中に、着替え、靴、タオルなどが入ってて
それをバイクのコンテナの中にぶち込みます

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見渡す限りの曇天、雨、泥濘、そして風

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行きたくないけど、行かなしゃーないの図




■どこまで続く泥濘ぞ

 昨年の三宅島エンデューロは、開催される2〜3日前に大雨が降って、ブッシュ区間の地盤が緩んで周回を重ねるごとに掘れて轍がレール状になり、相当なんぎなコンディションになりました。しかし、今回は走ってる最中に雨が降るという、「(二人で)7.5万円教もかけてこの有様ですか!?」という酷い状況。
 とにかく、雨が降るとゴーグルに雨が掛かって前が見え難くなるだけでも難儀なのですが、その上、三宅島はブッシュ区間以外は火山の軽石だのスコリア(翌日のジオツアーで勉強した)などの細かくなったのがザクザクとした地面で、なかなか車速を乗せられない。まぁ、乗せようにも前が見えにくいのでアクセルも開けにくい。
 そんなこんなで舗装路を通過してブッシュ区間に入ると、案の定というか予想以上というか、1週目にして早くも地面はグチャグチャでレール状の轍が出来始めている。となると、もはや気持ち良く走るなんてのは度外視で、とにかく駒を一歩でも前に進めるのがやっと。方々で難儀してる人を見ながら、自分が難儀してる人にならない様に、前に進むのが精一杯でした。
 そこを通り抜けたら、本レースで一番見晴らしがいい七島展望台に駆け上がる火山灰台地ですが、去年と違って直登になっておらず、大きなS字のコースになっている。ところが、コーナーの入り口で減速して加速して抜けようとする正にその辺りで、風が猛烈にキツくてふらついて転倒する人が多く、自分もずっこけました。当然、雨降って曇ってますから、見晴らしもへったくれもない状態で、少しでも風が緩んだ瞬間を選んで坂に突撃して切り抜けました。

寒い泥濘である
泥濘は果てしないこう野を伸び
丘をのぼり林を抜け
それは俺たちの暗愁のように長い
それは俺たちの靴を吸い
蛇のように疲労をからませる。
すべりころび泥まみれになり
汚れた手で鼻汁をすすりながら
見よ、兵隊たちは獣のように
野から丘、丘から丘へつづいている


■無事のご帰還

 こんな具合で、どうにか1周回ってきて、ピットイン。そのまま大会本部のテントをハシゴして雨宿り。走っている間は感じなかった寒さも、じっとしてるとジメジメと感じてくる。ぶっちゃけ、もう走る気はありませんでした。雨降ってるし、ブーツの中はグチャグチャだし、コースもグチャグチャ。これの一体どこが「ご褒美レース」なのかと。サバゲー時代だって雨降った時はやらなかったのに、エンデューロとなるとやらないかんのが悲しいところです。しかも、本土のレースならヤンピと決めれば、さっさと辞めて片付けて帰る事も出来ますが、ここではそれさえ出来ません。
 しかし、そこでボケっと最後まで突っ立てるのも何ですから、間違いなくチェッカーを受けれるタイミングを見計らって、最後の周回に出向きました。しかし、そこで見たものは、これ以上ないほどの泥濘、また泥濘。まさに「討匪行」に歌われた日中戦争さながらの泥沼の連続でした。場所によってはスイングアームの上辺りまで掘れた轍の、その中のギャップをアクセル開けてはクラッチ切ってを繰り返し、ウンショウンショと乗り越えていき、とにかくクラッチ焼き切らない事、開け過ぎてラジエター噴き切らない事、その他故障に注意を払い、タイムアウト1時間後にどうにかやっとこピットエリアに帰還。
 もうレースの出来も是非もお構いなしで、雨降る中、ヘルメットも装具も脱ぎ捨てて第一パドックに戻り、そこでやっとこ乾いた服に着替え、去年は参加できなかったグランドフィナーレに向かいました。

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とりあえず終わって放心状態のワタクシ
会場と第一パドックの移動路は軽装のヘルメットを使いました

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グランドフィナーレ
対面に座ってたスペイン人のライダーが
「250は楽しくて良いねー、450は2周で疲れちゃう」
と言ってたのが印象的でした


■車両について

 こんな具合で、レースの出来は、やっとこさというか、這々の体で、といった方が良い様な終わり方でしたが、とにかくバイク壊さなかったのが一番の安堵でした。あの超絶ドチャクソマディの中で、去年みたいにラジエター噴かしまくって、クラッチ焼いたりしなかった理由は、去年に比べて気温が低かった(去年は熱中症患者が4人も出たが、今年は低体温症の方を気にせねばならないくらい)というのもあるでしょうが、去年の経験を踏まえて改良した部分が活きたと言えると思います。
 まず、ラジエターファンを右側にも増設した事。これによって冷却効率が倍になり、それだけ強くなったのは言うまでもないと思います。今回、一度だけラジエターが噴きましたが、それ以外はあれほどの押しが入ったにも関わらず、それ以外は全く噴きませんでした。一応、予備のラジエター液も持参したのですが、使わずに済みました。
 次にクラッチスプリングを3本から6本に戻した事。これによってクラッチレバーは純正状態の硬いものに戻り、それはそれで長時間の操作に難が出る事にもなるのですが、硬くなった事で半クラで引きずる事が少なくなり、その分クラッチも焼けにくくなって、あれほどのマディでもクラッチ焼かずに帰ってきました。もっとも、2周しか走ってない訳で、もっと走っていたらどうなっていたか分りませんが、壊して帰れない以上、2周しか走らなかった判断も間違いではなかったと思っています。
 この他に、バッテリーが上がった時用にキックスターターも付けたのですが、これは使わず終いでした。もっとも、相当回数セルを使った事により、後半は再始動が怪しく感じる事もあったので、周回数が増えていれば、セルが使えなくなっていたかもしれません。

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翌日のジオツアーはピーカン
どうせなら、このお天気でレース走りたかった

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恒例の出航テープセレモニー
自分は4本投げましたw


■イベントとして

 三宅島には今回で3回目の来島となるのですが、流石に飽きたかなー、という感じでした。レース以外で見て回る所は大抵見て回ったし、他の楽しみ方もあるのでしょうが、エンデューロレースのスケジュールの中では、やれる事に限りもありますし。かつ、今年から大幅値上げで、冒頭に挙げた人の様に、「これだけの金あったら、他に出来る事もあるよな」と感じるのは無理からぬ事です。
 雨のせいで、ろくすっぽ撮影もせずバスの中でスカしてた嫁さんは、一体いつ見たのか、「招待選手の走りは別次元だった」と感想を述べてました。まぁ、別次元の走りが出来るからこそ招待されているのですが、泥の中でのたうってた自分はその走りは見ておらず、ぶっちゃけた話し、招待選手が居ても居なくても関係ない状態です。イベント企画としては、海外の有名どころの選手が来てくれれば、それだけ箔が付くのでしょうが、参加者としてはそんなん無くても良いから、エントリー費が安い方が有難い、というのが本音です。むしろそれなら、観客として見た方がよっぽど楽しく為になると思います。
 一参加者、消費者としては、上の様に率直に感じたのですが、その一方で、やっぱりこのイベントを実施してる人達の頑張りは凄いもんなんやろな、と改めて感じました。どんな企画でもそうでしょうが、やっぱりそれを動かす人と、それに参加する人の熱意が、こうしたイベントを継続させていくんだろうな、と。これからも三宅島エンデューロレースが継続する事を心から応援します。

2019-11-10 14.15.12
さらば三宅島 又来るまでは


 





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tanisi_corp at 22:00コメント(0)RACE 

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