これまで、ゴーグルはSWANSのラッシュアドバンスを愛用してきたのですが、先日のWEX神立戦の濃霧の中で、着けたと同時に曇って視界ゼロになってしまい、全く役に立たなかった事から、ここんとこ「曇らない」と評判のアリエテを試してみる事にしました。


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この趣味始めて以来、初めて違うメーカーのゴーグル使います




■曇らないゴーグルの必要性

 まず、アリエテと聞いて自分が思い出すのは、第二次大戦の北アフリカ戦線で活躍したアリエテ戦車師団なのですが、創業者のお爺さんがそのアリエテ師団の将校だったそうです。その縁なのか、イタリア軍などにも納入してるとか。もっとも、そっちのはレンズの厚みが3mmもある奴で、モトクロス用とは作りが違います。ちなみに、サバゲーでも使ってる人がいる様です(ちなみに、自分がサバゲーやってた時は、ESSのNVGという軍用ゴーグルを使ってました)
 この種のゴーグルの最大の悩みは、暑かったり汗かいたりすると曇るという事で、先に述べたESS NVGゴーグルでは、小型のファンを付けて曇りに対処していました。しかし、これは電池ボックスを付けねばなりませんし、常時回してるのでなければスイッチを入れる方式にせねばなりませんし(サバゲーでは曇ったらスイッチ入れてた)、エンデューロで使うには邪魔な要素が色々あって、その手は使ってません。
 そこで、これまではROKOのクイックストラップを使って、コケたり押しが入った時は、ゴーグルを外して換気する事で対処してきたのですが、冒頭に述べた様に、蒸した濃霧の中ではゴーグルを着けた途端に曇ってしまい、結局一度もゴーグルを着けないまま走る羽目になりました。しかし、実はゴーグルを外して走るのは危ない事で、前走車の跳ね上げた石が顔面にヒットしたり、ウッズで枝が顔に当たったりと、目が危ない事になるので、出来る限り外さない様、指導されています。

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随分と立派な箱に入っています

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パッケージに描かれた空気の通り道


■見た目・着け心地

 性能については、プロトBONSAI MOTOに書かれているので、そちらを参考にして貰うとして、自分は見た目の評価を。アリエテのこのゴーグルって、結構角ばった形をしています。これは結構好き嫌いが分かれるところだと思うのですが、先に述べたESSのNVGもそれなりにカクカクした見た目でしたし、自分としては角ばった見た目には違和感がありませんでした。それ以上に問題だったのは、好みの色使いのがあまり無くて、そちらが問題だったのですが、新しく作ったヘルメットが蛍光イエローを基調とする事になり、その問題も解決しました。
 角ばったデザインのせいか、着けた時の視界が若干狭くて、モトクロスやってる人にはあまり評判が良くない、という声もありました。実際着けてみると、これまで使ってきたスワンズよりもゴーグルの厚みが若干太いせいか、レンズまでの距離がある様に感じましたが、自分個人としてはそれほど気になりませんでした。まぁ、この辺りは非常に個人的な感想なので、あまりアテにならんかもしれません。
 このライディング・クロウズは、アジアンフィットという事で、平たい顔族向きに作ってあるらしいのですが、それでもゴーグルが結構湾曲していて、顔の中心線の辺りが浮く感じがします。その意味では、スワンズの様なべったり顔にくっつくフィット感はありません。しかし、ゴーグルが完全に顔の中心の部分が浮くとか、ゴーグルの縁がこめかみに食い込むといったほどでなく、それとなしに気になるな程度ですので、レース中にまで気になるという事はありませんでした。

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SWANSのラッシュアドバンスとの比較
アリエテの方が大きく見えます


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裏側から見ると、アリエテの方が視野が大きく見えますが
アリエテの方が厚みがあるので
実際に着けた感じでは、あまり差はありません

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アリエテの方が若干厚く、また湾曲してます
なので、額の所が若干浮く感じがします
ただし、走ってる時はさほど気になりません



■レンズ

 上にも書いた通り、ゴーグルの厚みが若干あるせいか、これまで使ってたゴーグルに比べると、レンズが若干遠い感じがします。そしてその分、視界が狭いと言えば狭いのですが、これも走り出したら気にならない程度です。もし、初めて使うゴーグルがアリエテの人は、おそらく「こんなもん」だと感じて気にならないでしょう。
 むしろ自分がちょっと気になったのは、標準でついているレンズがダブルレンズだった事です。というのも、これもサバゲー時代の話しですが、ポールソンのタクティカルゴーグルがアンチフォグの三重レンズだったのですが、三重でも曇りますし、それどころかレンズとレンズの間に水が溜まってエライ事になって、以来あまりダブルレンズに信用を置いていません。
 アリエテのダブルレンズは、やっぱりレンズが二重になってるせいか、視界がやや屈曲していて、最初これが気になりました。もっとも、例によって走り出したらそれどころでは無くなるのですが、個人的にはシングルレンズの方が信用できるかなぁ、といったところです。まぁ、これは使っていく内に評価が変わるかもしれません。
 また、標準でついてくるレンズはクリアなのですが、自分は長い事スモークを使っていましたので、これはおいおい変えたいと思っています。

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使った後は、毎回洗濯せよと書いてあります


■エアフラップス

 アリエテは曇らない、とは言うものの、コケて起こしたり押しが入った時など、つまり停車してる状態で汗をかくと、その時は曇ると言う話しがありました。これまでですと、クイックストラップを使っていたので、ゴーグルを外せばそれで良かったのですが、エアフラップスを併用している人がいて、ゴーグルを前に出す動作が格好良かったので、自分も試してみる事にしました。
 エアフラップスは、ゴーグルを前に出して顔から離し、通気させる事でゴーグルの曇りを取るのですが、実際に使ってみたところ、自分には合わないと感じました。と言うのも、少々の押しではアリエテは曇らないのですが、ゴーグルの中では結構大汗書く。ところがエアフラップスを起こしても、ゴーグルと顔の間には指が入るほどの隙間は開かず、結局ゴーグルをさらに前に出して、額のところやノーズカバー辺りに引っ掛けて、指で汗を脱ぐわねばなりませんでした。そして、ゴーグルを元の位置に戻す時、バンドが上手くエアフラップスに掛からない事があり、ごちゃごちゃしている間に、エアフラップスがマウントから外れてしまう、なんて事もありました。
 結局、アリエテはちょっとやそっとの事では曇らない事、汗を拭う時はゴーグルを外さねばならない事。これを考えたら、これまで通り、クイックストラップを使った方がマシです。ちなみに、アリエテのバンドはスワンズよりも伸縮性が良くて、前に引っ張り易く、その意味ではクイックストラップでなくてもあまり不便が無い様にも感じました。

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最近、値段が下がったエアフラップス

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見た目はメカメカしてカッコいいです

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しかし、曇らないアリエテには、過剰装備でした


■アリエテの洗濯

 このゴーグルの説明書には、使う度に洗濯する様に書いてあります。洗濯の仕方は、レンズを外して洗濯ネットに入れて、洗濯機で洗えとの事。フレームは柔軟性があるので、少々揉みくちゃにされても大丈夫との事です。
 そこでやってみたのですが、確かに大丈夫。スポンジのパッドがフレームから剥がれたり、フレームが歪んだりする様な事はない様です。それ以上に感心したのが、レンズの脱着はとてもやりやすい事。スワンズのだと、これが大変で滅多な事ではレンズは外さなかったのですが、アリエテのはそんなストレスは全くなく、何らな現地でも簡単にレンズ交換が出来そうです。
 ゴーグルって、結構汗ばむものですし、出来たら洗いたいものですが、これなら毎回洗っても問題なさそうです。

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洗濯ネットの代わりに
嫁さんのブラジャー洗う時に使うネットを使用

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全く無問題w

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レンズの脱着がやり易いのが嬉しいです