今から3年前に、「自分らしさを出そう」と言うことでシャークティースを自家塗装したのですが、問題は50メートルも離れると、どこに居るか分からん様になるほど遠方からの視認性が悪い、と言う事。これは撮影してる嫁さんから言われた事で、被って走ってる自分ではあまり気がつかない事でした。一応は目立つ様に、ウェアは赤、プロテクターは白にしているのですが、それでも100人も走ってると、体型以外では見分けるのた大変とのことでした。
新型のSHOEI VFX-WR
VFXは代を重ねるごとに、エッヂの立ったデザインになっています
VFXは代を重ねるごとに、エッヂの立ったデザインになっています
■蛍光色をメインに
では、何色だったら目立つのかと聞いてみたところ、蛍光イエローとの事。自分のオフロードでのパーソナルカラーは黒白赤なのですが、蛍光イエローは全然自分らしくありません。しかし、目立たず接近してるのを見落として、撮影し損ねると言うのでは、せっかく嫁さんをレースに動員する意味もない事で、ここは撮影する人の意向を汲んで、新しく蛍光イエローを基準としたヘルメットを作る事にしました。
蛍光イエローを基準とするにしても、シャークティースは外せないので、サメの口をメインに据えたデザインを考える事にしました。ところで、3年前に作ったイラレのデータがどっか行ってしまい、レポート用に撮った写真しか残っておらず、それを下絵に改めてシャークティースをトレースする必要がありました。まぁ、これがなければ、現物に合わせてデザインも出来ないと言う訳です。
蛍光イエロー1色にすると言うのは、最初から案としてなかったのですが、他の色と組み合わせるとしたら、どうしたら良いか。赤とかオレンジなどを組み合わせることも考えたのですが、大して目立たない上にロリポップな感じになってしまい、いよいよ自分らしくない。結局、ヘルメットの下地の黒を組み合わせた黒黄色をベースに、蛍光グリーンを当ててデザインする事になりました。
まずは型紙を貼り付けて、どんな感じになるか見ます
ゴーグルのバンドがくる後頭部は
当初は凝ったデザインを考えていました
■プラサフなしでスタート
前回は、クリア仕上げのブラックのヘルメットを、下地が出るまでペーパーで研いでプライマーで下地処理をしたのですが、「マットブラック使えば、そんな手間要らなかったのに」と言うご意見を後から頂きました。まぁ考えてみればそうで、今回はマットブラックのVFX-WRを手に入れて作業に取り掛かりました。
まずは、黒を残す所をマスキングします。VFX-Wに比べると、格段に凹凸が増えて難しい形をしているので、マスキングがかなり大変です。何が大変と言ってもシャークティースの部分で、型紙をヘルメットの凹凸に丁寧に合わせて下書きしました。ちなみに、ヘルメットが黒いせいか、黄色のマスキングテープを使っても鉛筆書きだと線が非常に見えにくく、赤鉛筆を使って下書きしました。また前作ではサメの口の位置が左右でずれてたので、今回はそれも気をつけて出来るだけ左右揃えて描く様にしました。
プラサフは必要ないと思っていたので
黒を残す部分をマスキングしています
下地が黒で鉛筆の線が見えにくいので、赤鉛筆を使ってます
色の乗る部分の切り出しができました
バイザーのデザインもシンプルですが
ヘルメット本体から継続するカラーリングになります
マスキング&カットが済んだら、今度は下地のホワイトの塗装。アサヒペンの蛍光夜光塗料用下塗りスプレーというのがあったので、これを使いました。ヘルメット本体とバイザー、ノーズカバーで、100mlを丁度2本使いきりました。普通のスプレーに比べると、ちょっとぼってりした感じ。この時点ではあまり何も考えず、パパッと吹いて乾燥させました。
さて、1日置いて、今度はサメの口の舌と目の赤い部分の塗装。改めてシャークティースの型紙を当てて下絵を描き、アートナイフで切り出したのですが、ここでちょっと問題が発生。ほんの僅かですが、あアートナイフを当てたところから、ホワイトが剥がれた所が出ました。厚塗りした部分はまだ十分乾いてなかったのか、食いつきが弱かった様です。というか、マットブラック、本当に下処理なしで使えるのか、後になってバリバリと塗面が剥がれて来ないか、ちょっと心配になりましたが、心配してても仕方ないので、パパッと赤をスプレーしました。(このスプレーは3年前の残り)
アサヒペンの蛍光色下地用ホワイトを吹きます
が、これが粒子の荒いボッテリした塗料で
しかも艶消しで汚れ易く、あまり良くありません
バイザーとノーズカバーもホワイトを施します
ホワイトが乾いてから、まず口のマスキング
ところが、切り口から細かいところが剥がれてしまい
下の黒が見えてしまいました
少々の所は目を瞑り、口の縁と舌、目の虹彩の赤を塗装
■人生初の蛍光色塗装
続いて、メインの蛍光イエローの塗装。蛍光色を塗装するのは生まれて初めての事なのですが、いくつか分かった事は、
- ムラが出易く、下地がなかなか消えてくれない
- その為、厚塗りをしてしまう
- ところが、厚塗りをすると乾燥する時に塗膜が収縮する
- 厚塗りのせいか、乾きが遅い
と言う事でした。つまり、下地をしっかり作って、薄く吹いて、乾燥してからまた吹いて、と言うのを繰り返しやらないといけないと言う事です。そしてもっと驚いたのが、蛍光色のくせに艶消しだった事です。その為、マスキングの下書きの赤鉛筆や手垢がイエローの所に移ってしまい、またその上から吹かねばならない、と言う事がままありました。
イエロー以上に手こずったのがグリーンで、イエローより濃い色の筈なのにイエロー以上に下地が透けて、全く色が乗ってくれない。イエロー以上に厚塗りせねばならず、さらにはイエローよりも収縮が激ししく、どうにも使い勝手の悪い塗料でした。
イエロー以上に手こずったのがグリーンで、イエローより濃い色の筈なのにイエロー以上に下地が透けて、全く色が乗ってくれない。イエロー以上に厚塗りせねばならず、さらにはイエローよりも収縮が激ししく、どうにも使い勝手の悪い塗料でした。
次に赤の部分をマスキングして
メインの蛍光イエローを塗装
この時、蛍光スプレーが艶消しである事に気がつきました
ゴーグルのバンドの部分は
あまり複雑なデザインに出来ない事が分かったのですが
さりとて、良いデザインが出来もしませんでした
ノーズカバーは蛍光イエローのがあるのですが
塗り分けしたかったので、敢えて塗装しました
蛍光グリーンは、イエローに比べるとムラが出易く
かつ重ね塗りしても下地がなかなか消えません
非常に分厚い塗り方をしないと、下地が消えません
■塗膜を剥がす
こうしておおよその塗装が終わったのですが、とにかく端っこという端っこの塗装がペロペロめくれる。特に困ったのが、ゴーグルのバンドの部分で、これでもかと厚塗りしたせいで、表面は乾いてても中は半乾きで、マスキングを外すと端っこがベロっと剥がれてしまう。そして塗面の厚さが、リカバーするとかしないとかいうレベルの段差でない。ついでに言うなら、デザインも今ひとつ幼稚くさい。
そこで思い切って、バンドの部分の塗膜を剥いで、一からやり直す事にしました。幸いと言うか、中は生乾きなので剥がすのにはそれほど手間が掛からず、くっ付いている所はカッターナイフで丁寧に剥がして、下地をむき出しにしました。
全体のマスキングを外した所
今回はこんな感じのカラーリングになります
遠方からの視認性は抜群だそうです
遠方からの視認性は抜群だそうです
撮影者(嫁さん)が遠方から一番見る角度は頭頂部だと思うのですが
矢尻状のデザインで、非常に分かりやすいとのこと
ところが、あちこち端っこの塗膜がめくれてしまってます
ここに至っては、修正でどうにかなる被害ではありません
仕方なく、カッターナイフを使って塗膜を落としました
■結局、やり直し
思った以上にキレイに剥ぐ事が出来たので、気を取り直してちょっと寂しかった頭頂部にグリーンを入れる様のマスキングも行い、改めてホワイトを施しました。丁度アサヒペンの艶消しの蛍光色下地用ホワイトが切れたので、同じアサヒペンでも普通の艶ありのスプレーを使いました。その方が汚れが付きにくいからです。
続いて、サメの口の奥歯の欠けた部分の修正に取り掛かったのですが、これが大苦戦でした。と言うのも、マスキングしてスプレーしても、マスキングを外すと塗膜もめくれるし、違うとこがめくれたりもするし、筆塗りしてもムラだらけでキレイに塗れないし、どうにもこうにも気に入らない。そこでようやく、「マットブラックを使う理由は、クリアを落とす手間が要らないと言うだけで、ちゃんとフラサフ吹いて下地処理をしなければならないんだ」と言う事に気が付きました。
続いて、サメの口の奥歯の欠けた部分の修正に取り掛かったのですが、これが大苦戦でした。と言うのも、マスキングしてスプレーしても、マスキングを外すと塗膜もめくれるし、違うとこがめくれたりもするし、筆塗りしてもムラだらけでキレイに塗れないし、どうにもこうにも気に入らない。そこでようやく、「マットブラックを使う理由は、クリアを落とす手間が要らないと言うだけで、ちゃんとフラサフ吹いて下地処理をしなければならないんだ」と言う事に気が付きました。
おそらく、これ以上頑張っても、絶対キレイな仕上がりにはならないどころか、強度的にも問題を抱える事になりそうです。そこで、非常に手間ではあるけど、一旦全部塗膜を剥いで、一からやり直す事に決心しました。
矢尻の後ろが寂しかったので、矢が飛んでる感じにしました
艶ありの方が汚れが付きにくいです
艶消しは手垢でも汚れます
修正した尻からめくれたりしました
ここで一旦心が折れてしまいました
上手い事行ったバイザーとノーズカバーは
先行してクリアーで塗膜を固定
取ろうとしたら、傷になってしまいました(怒)
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