今年もやってきたウィークエンドクロスカントリー東日本の開幕戦。諸事情色々ありましたが、今回もちゃんと参加してきました。大事な事は、「たにし、ここにあり」と言うところを示す事です。その甲斐あってか、今回も多くの方々にお声がけ頂きました。この場を借りて、お礼申し上げます。


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前夜の雨が大したことなくて、急に元気になりましたw





■取り巻く状況

 実を申しますと、今回のWEX勝沼に参加するには、いくつかの障害といいますか、問題がありました。
 一つ目は、去年、職場での配置が変わり、年度切り替えの関係で4月1日は早番で出勤せよ(かつ絶対休んだらダメ)、と言われていた事。つまり、絶対ケガは出来ない訳で、レースでうっかりケガなどして休む羽目になろうものなら、ライダー人生が終わる前に勤め先がアウトになる可能性がある。そんな時は、大人しく家で休んでた方が社会人としては利口と言うものです。
 二つ目は、CRF450RX“ゲイレルル号”が今だに直っていない事。ホンダサービスに聞いても原因が突き止められないほどの故障で、半年ほど店に留め置きになっています。となると、練習機に格下げしたXR230“パンツァーファウスト号”で出るほかありません。
 しかし、考えようによっては、非常に足つき性の良いXR230であれば、よほどの事がない限り、転けて怪我するなんて事はないですし、雪降ってズルズルだった勝沼でも、曲がりなりにも自分自身は無傷で帰ってきたのですから(バイクの方はクラッチ焼けましたが)、むしろXR230だったら安全に走れるのではないか。その様に考えて出走する事に決めました。

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今回も開場同時に入場
クロスパーク勝沼は比較的近いので助かります

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エンデューロ向きに改装されて来たバイクたち


■事前の準備

 XR230“パンツァーファウスト号”は、2017年のWEX GAIA戦の後、嫁さんに充てがう為に、車高、ハンドル周りをノーマルに戻しました。今回、足回りやハンドル周りはそのままとし、シートだけ特注のハイシートに替えました。せっかく作ったものですから、使わんと損と言うものです。
 タイヤは前後ともダンロップのAT81。IRCのVE33Sの威力を知ってしまってからは、今さらAT81かぁ、と言う感じなのですが、XR230のスイングアームは他のバイクよりも短く、110/100-18といった一般的なエンデューランサーが履くタイヤだと、マッドガードに擦れてしまい、マディだったりすると泥や土が詰まって動かなくなってしまいます。となると、100/100-18の小さいサイズのあるAT81くらいしか選択肢がありません。
 タイヤ選びに重要な要素となるのは天候なのですが、予報では、事もあろうに前日の晩にまとまった雨が降るとの事。まぁ、クロスパーク勝沼のレースにありがちな事ですが、雨が降ったらズルズルは確定です。となると、AT81の様な硬めのタイヤでエアー全抜きくらいが丁度良い。もし予報が外れて雨が降らずドライなら別にAT81でも構わない、この様に判断しました。

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途中からこむら返り起こしかけた右足を引きずってました
今朝、こむら返り起こした左足はマシでした


■前日

 いつもの様に開場同時に入場を果たすべく、準備は全て週の間に行い、出発前夜は早めに寝たのですが、なんと丑三つ時の0330時ころ、伸びをした拍子にいきなり左足のふくらはぎがこむら返りを起こし、激痛で起床。痛いだのギャーだの喚きつつ、嫁さんに足のつま先押してもらったり、タオル持ってきてもらったり(これを爪先に引っ掛けて引っ張って、ふくらはぎを伸ばす)、あれやこれやと30分ほど痛い思いをして、やっとこ二度寝。その後、予定通りに起きて出発したのですが、こむら返りの跡が痛怠い感じが残っていました。
 予定通り、いつもの第3パドックに陣取りをし、バイク下ろして準備したりして、セクションスクールが始まる前に徒歩でコースの下見に出発しました。クロスパーク勝沼は山のコースなので、その下見も山歩き風なのですが、普段の運動不足がたたって結構しんどかったです。コース自体は去年と同じくらいの難易度に感じましたが、今夜の雨でズルズルになる事を考慮して、エスケープや滑りやすそうなラインを重点的に下見しました。
 ところが後半のウッズに差し掛かる頃、今度は右足のふくらはぎがこむら返りっぽい感じに。うっかりすると「入って」しまう状態で、そろそろとビッコを引かないと歩けません。それ以上歩くとかなりヤバイ感じなのと、その先は大体コースが分かるので、下見を中心。パドックに戻って、ふくらはぎ伸ばしたり、湿布貼ったりしたのですが、痛怠い感じはレースが終わった後も続く事になりました。

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盛大に降り出す雨
もう、どうとにでもしてくれデスw


■本番は晴天

 予報の通り、夕方辺りからポツポツを雨が降り出し、温泉行って飯食ってパドックに戻って来る頃には、結構まとまった雨になってました。まぁ、そうなると分かってましたし、みんなチュルチュルの勝沼がどんなもんかは、大体経験済みですから、「もうどうとにでもしてくれ」って感じで気楽なものです。夜は早めに休みましたが、雨は夜半には上がり星空が見えてました。
 明くる本番当日。随所に雨の跡がありましたが、テントの中の地面までは濡れていなかったので、結果としては大した事がなかった様です。トイレ(上の方の綺麗な方)に行ったついでにスタート地点の地面を見ましたが、いい感じに湿ったベスコン状態。これなら一部滑るところはあっても、それほどタイヤの空気圧を落とす必要もなかろうと判断して、前0.5後ろ0.4に合わせました。
 クエン酸水のキャメルバックやヘルメットのGoProなどは昨日のうちに用意してあるので、慌てる事なく余裕持って準備できたのですが、問題はここんとこ太ってきて腹回りがかなりきついのに、標高が高いせいか体が若干膨満したみたいで、モトパン履くのにやや難儀しました。痩せんといけませんねぇ。

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雨は夜半には上がってました
結構降った様に思いましたが、大したことにはなりませんでした



■滑り出し順調

 90ミニッツは朝一番なので0800時にスタート地点に集合。自分のゼッケンは400番台の後ろの方なので、90ミニッツ全体では真ん中くらいの位置になります。イン側は大抵イゴイゴした感じになるので、今回はあえてアウト側に配置。XR230はクイックな加速は無理なので、アウトバンクからダララと加速を乗せていく作戦です。
 日章旗が振り降ろされ、90Cクラスが一斉にスタート。それまで軽く緊張していた気持ちも一気に吹き飛んで、走りに専念します。スタート直後は、いきなり止まったり転けたりする人がチラホラいるので、それを避けつつ先に駒を進め、2年前、原滑りをキメた大坂へ。案の定、大坂の頂上付近が大渋滞しているのを遠望できたので、迷う事なくエスケープへ。誰もいないエスケープを一人でツーリングして、未だ滑ったり転けたりしてる大坂の頂上付近を横目に見ながら、最初の登りウッズに突入。木が植わっているだけに雨の影響が少なかったのか、よくグリップして登りやすかったです。
 その後、アップダウンの後にコーナーという勝沼らしいコースを地道にこなしていき、後半の苦手なウッズもどうにかこうにかこなして、最後の難関ガレ坂へ。ここは一人で走ってる分には少々キツイ程度で普通に登れるのですが、レースとなると詰まる事が多く、案の定、上の方で詰まっていて、どん詰まり。転ける人、下がって来る人、傍から抜けようとして引っかかる人、その中でパワー不足で再発進に難儀するワタクシ。やっとこバイク押し上げて登りきった時には、青色吐息でした。少し休んでからチェックポイントを目指しましたが、1周目は22分かかりました。
 そのまま2周目に突入。この頃には大分バラけてきて、渋滞が起こるような事もなく、スイスイ走れる様になって来たのですが、今度は腕上がりで青色吐息。まぁ、最初の30分で腕上がって来ますしね。それを過ぎたらまた元気になるのですが、何せフニャサスのXR230、凸凹もギャップも全部拾ってくれるので、特に降りでの腕の消耗が激しいのです。

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淡々と駒を進めるワタクシ

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1周目で渋滞になった後半のガレ坂
パワーが無いもんで、押して上がります


■クラッチ滑って2周半で終了

 とりあえず、トラブルなしで2周目を終えて3周目に突入。流石に疲れたので、登りウッズを登ったところで休憩してから再発進。その後も苦手なところは気合い入れたり慎重に走ったり、手や気が抜けるところは休みながら走ったりと駒を進めていたのですが、後半のウッズを下り終えて、今度登っていく段になって、急にクラッチが空回り気味になり、坂を上らなくなってしまいました。
 XR230はこれまでも散々書いて来た様に、とにかくクラッチが弱いバイクなのですが、流石に今回の様なコンディションで滑るのは意外でした。しかし、滑ってしまったもんは仕方無ありません。バイク休ませてエンジン冷やして、残ってるクラッチを復活させて、進めるだけ進むしかありません。とりあえず、邪魔にならないところまで動かして、休ませてはまた動かして、というのを無理無理続けましたが、ウッズからガレ坂に向かう急な坂(ここはコース外に出る分岐点でもある)を越せれず、「こりゃダメだ」という事で、レース継続を断念しました。

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抜群な足つきと驚異的な旋回性で
こちゃこちゃしたXP勝沼も安定して走れました

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結局、洗車の必要もないほど綺麗に終わりました


■諸々所感

 今回のこの結果、原因は様々ではあろうかと思うのですが、勝沼や爺ヶ岳といったコースで、力技を発揮せねばならない(というか頼らねばならない)状況では、XR230はどうしても非力なバイクだな、という事を再認識しました。それならそれで、そのバイクに合わせた乗り方をしろ、という意見ももっともな事で、改めてクラッチワークなどを見直す必要があると思います。
 クロスパーク勝沼のレースは、長らく苦手意識を持っていたのですが、今回はベスコンだった事もあってか、それほどの苦手意識もなく走ってました。昔なら、1周走って来たら、次の周回に向かうには相当の覚悟が要ったのですが、それがほぼ無く進んで次の周回に向かうというのは、自分にとっては目覚しいことです。それだけに、2周半で終わったのは非常に残念で、「もっと走りたかったなー」「CRFやったら今でも走ってるのになー」という心残りなレースとなりました。

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クラッチケーブルの付け根から油漏れ
どのみち、クラッチも交換ですから、その時修繕ですね