嫁さんからカレー粉から作ったカレーが食べたい、というリクエストが来たので、久々に軍隊調理法のカレー汁を作る事にしました。が、前にもお伝えした通り、軍隊調理法のレシピを忠実に守ると、「カレー風味の白湯」が出来てしまいます。本当にカレー粉は1グラムしか使わなかったのか、実体験を持った世代がほぼほぼ鬼籍に入られた今となっては、確かめようもありません。
 しかし、どう考えても、アレではカレーライスが、国民食とまで称されるほど普及するとは思えません。おそらく、軍隊調理法に書かれている量目は誤植ではなかろうかと想像しています。ですので、今回はカレー粉の量をどうすればカレーらしくなるのか、研究する事にしました。


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本来なら二人分で2グラムですが、10グラムから挑戦

カレー汁
こちらがレシピ
カレー粉1グラムは明らかに薄すぎだと思うんですよね




■作り方は水以外はレシピ通りに

 カレー粉以外の材料は、軍隊調理法に書かれた量目に準拠しました。ただし、嫁さんはカレーに入ってるジャガイモが嫌いとかで入れて欲しくないとの事。入れて欲しくないもなにも、もともとウチになかったの入れようもありませんですが。(去年作ったジャガイモは全部食べてしまいました)
 材料は二人前なのですが、水の量はあえて一人分にしました。というのも、カレー粉が5倍の10グラムであっとしても、かなり薄いと思われたからです。薄いというのは味だけでなく濃度もそうで、前回作った時もシャバシャバのが出来ました。今回はジャガイモが入ってないので、余計シャバいのが出来てしまいそうです。リエナクトだとこうは行きませんが、日本飯盒協会は軍装団体ではないので、あえてオリジナリティを強行しました。
 結果、それなりにとろみのついたカレーが出来ました。さっそく嫁さんに食べて貰いましたが、「うす!」との事。これがね、1グラムだったら、もっと薄いのよ。カレー風味の白湯という意味が分かってもらえた様です。

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米国産のすき焼き肉を買って来たのですが
これがまた硬くて不味さ倍増でした

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ラードを煮立てて小麦粉を炒めてからカレー粉を投じるのですが
この分量では小麦粉炒めたらゴロゴロになってカレー粉が混じらないので
あえて一緒に炒めました

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ジャガイモがないので分量が少なく
炒めやすかったです
ちなみに、軍隊調理法では具材は炒めず煮ます

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水は濃いめにするため、あえて一人分
軍隊調理法では煮る時間は書いてません

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油粉捏に煮汁を入れて、ペースト状にします

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出来上がり
カレーの香りがしますが、味がありません



■味の追加

 味が薄い時は付け足せば良いのですが、あくまで軍隊調理法のレシピに従ってとなると、カレー粉の分量で調整する、という事になります。今回は一旦作ってしまっているので、改めてルウを作って追加する格好にしました。
 小麦粉とカレー粉を各々20グラムずつ使い、ラードも20グラム使ってルウを作り直しました。今度は流石にラードの量が多いので、一旦小麦粉を炒めて、それからカレー粉を投入しました。しかし、このルウを追加してもなお、味が薄い感じ。正確には、カレー臭が強くなり、舌にビリビリ辛味が来るものの、味というかコクというか、そういう物が足りない。すでにカレーはかなり硬い状態になっていたので、ルウを追加するのは諦め、カレー粉を10グラム混ぜましたが、状況は改善されませんでした。

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ルウの作り直し
やはりカレー粉の量が決め手です

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今回はちゃんと小麦粉から炒めました


 しかし、昔のカレーというのは、カレー粉の量はともかくとして、ルウはカレー粉と小麦粉と油しか使ってなかったと思うので、この方向での味をしてたのだと思います。そして味気が足りない分は、ソースとか醤油とかかけての味にしてたのでしょう。市販のルウが開発された時、「どっちみち後でソースかけるなら、先に混ぜた方が良くない?」みたいな話しになって、次第に今の様なカレーの味になったのではないでしょうか。
 何にしても、現状ではまだまだ美味いレベルに達しないので、今後もカレー粉ベースのルウの研究を続けたいと思います。

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昔の人がカレーにソースかける理由がよく分かります