軍隊調理法の第十の其の一は、携行食、いわゆる弁当のおかずになるものが収蔵されているのですが、大抵は汁がこぼれない煮詰める系のおかずです。今回はその中から、第十の其の一の一二、鱈時雨にチャレンジしてみました。


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今回は干鱈を使用。棒鱈でも構わないとの事
いずれも生鱈の代用で、生の鱈を使うのが本ちゃんの様です

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干鱈といえば、塩辛くて、軽く炙ってお茶漬けにしたりますが
一晩水につけて塩抜きして、甘露煮などにもします




■準備

 レシピによると、鱈は150gとの事ですが、含水量の違いから、棒鱈、干鱈、生鱈おのおので重さが違って然るべきだと思うのですが、その事については何も書かれていません。もしかしたら、棒鱈を使う前提なのかもしれません。今回は干鱈ですが、かっきり150gで売ってました。とりあえず、干鱈は尻尾を切って一晩、水に漬けました。
 翌朝、水から引き上げ、レシピに書かれているとおり、筒切(というかぶつ切り)にし、生生姜も細かく刻んで、いざ調理開始です。

鱈時雨
こちらがレシピ

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一晩水に浸けます
柔らかくする他、塩を抜く意味もあります

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一晩漬けた干鱈を引き上げ、筒切にします

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生姜も皮むいて細かくしました



■水の量は書いてない

 さて、いよいよ調理に入るのですが、ここでレシピを見てみると、「鱈に醤油、砂糖、生姜を入れざつと鱈を煮上げて笊にとり」と書いてあります。その醤油と砂糖というのは、醤油が30ミリリットル、砂糖が15グラムと極めて少量です。ざっと煮上げもなにも、あっという間に焦げ付きそうです。文章の通りにするならそうするしかないのですが、いくらなんでもそれはないだろうと思い、とりあえず飯盒に鱈を入れ、下の水量線まで水を入れて沸かし、醤油と砂糖と生姜を入れて「ざっと」煮上げました。
 次に「其の汁を煮詰めたる」と書いてあるのですが、何分煮ろとは書いてありません。元のレシピに従うなら、煮詰める間もなく焦げそうな気がしますが、既に水を使っているので言葉の通りにはいかんだろうと思い、とりあえず10分ほど煮てから「前の鱈を入れて煮詰め」と書いてあるので、其の通りにしました。
 今度は煮詰めるまで煮続けるのですが、強火だとあっという間に吹いてしまうので、中火以下にしてコトコト煮る事にしました。ところが、思いの外早く煮詰まってしまい、20分もしたら汁がなくなりそうになりました。レシピではこれで完成という事になります。

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調味料だけでは焦げそうなので水を入れて煮ました

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調味料を入れて、10分ほど煮ました

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汁だけを別の飯盒に移し、汁だけ10分ほど煮ました

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その後、再び鱈を投入し、煮ます

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火力が強いと、煮汁が吹きこぼれますので
吹きこぼれない程度の火力に落とします

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15分ほどでこんな感じになりました



■煮直し

 さて、出来た鱈時雨を食べてみたのですが、とにかく塩辛い。塩抜きで一晩浸けたのですが、全然塩が抜けてない感じです。生の鱈だったらこうはならなかったと思うのですが、棒鱈の場合はどうなんでしょう。とにかく塩辛いです。ついでにいうと、骨は小骨も固いままです。まぁ、圧力鍋を使った訳でもなく、15分程度煮たくらいでは、骨は柔らかくなる訳がありません。
 そこで、足し水をしてさらにゆっくりと煮込む事にしました。煮込む事、小一時間、またも煮詰まって来たのですが、さらに足し水して煮込むと、いよいよ鱈の身が粉々になってしまいそうなので、ここで煮込むのを中止しました。
 改めて試食してみたところ、塩辛さは相変わらずですが(まぁ、汁を捨てて水で薄めた訳ではないので)、骨は大分柔らかくなっていました。ご飯と一緒なら辛うじて食べれますが、やはり塩辛さが相当に勝っていて、美味しいというには程遠い。これはやはり使った干鱈に問題があったと思います。おそらく、生鱈を使い、圧力鍋で作ったら美味しいのが出来たと思います。
 このままでは成功とは言い難いので、機会を改めて再チャレンジしたいと思いますが、その前に棒鱈は塩辛くないのか、調べてみたいと思います。

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足し水をして再び煮詰めました

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大分身が崩れて来たので、ここで煮詰め終了

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ご飯と一緒なら辛うじて食べれますが
本ちゃんの鱈時雨はこんな塩辛くないと思います