「そのまま食べれる非常食」として、今でも需要のある乾パン。しかし、乾パンの評価は今でも低く、「硬い」「味気ない」と言われる始末。まぁ、事実その通りでもあるので反論の余地のないところですが、その乾パンをどうやって食べれば美味しくなるのか今回の企画。非常食として乾パンを備蓄する人の一助になれば幸いです。
今回用意した3社の乾パン
日本飯盒協会が体を張ってチャレンジします
今回用意した乾パンは、カニヤ、三立製菓、北陸製菓の3メーカー。このうち、三立製菓の乾パンは一番メジャーで、結構あちこちのスーパーで見かける事が出来ます。ちなみに、陸上自衛隊に納入されている乾パンも三立製菓のです。北陸製菓は、ムーミンビスケットや食玩でよく見かけるメーカーですが、乾パンは駄菓子系のブースでしか見かけません。カニヤは大型のネービービスケットがたまに見かけますが、小型のは御徒町の二木の菓子以外で見かけた事がありません。
三立製菓の乾パンは、北陸製菓、カニヤのものと比べると、やや小さく艶があって、食感はバリバリとしてて、味はトーストしたパンに近い感じです。北陸製菓の乾パンは、食感がいわゆるビスケットっぽく、味もほんのり甘く、パンよりもビスケットに近い感じです。カニヤの乾パンは、大きさや艶は北陸製菓と同じで、食感もやや硬めですが似ています。ただ、味は小麦粉の味が強い感じです。
三立製菓の乾パンは、北陸製菓、カニヤのものと比べると、やや小さく艶があって、食感はバリバリとしてて、味はトーストしたパンに近い感じです。北陸製菓の乾パンは、食感がいわゆるビスケットっぽく、味もほんのり甘く、パンよりもビスケットに近い感じです。カニヤの乾パンは、大きさや艶は北陸製菓と同じで、食感もやや硬めですが似ています。ただ、味は小麦粉の味が強い感じです。
乾パン単品としての味の差は、人によって好みが異なるところであるとは思うのですが、当協会の私見としては、お菓子寄りのテイストである北陸製菓が第一位、プレーンな味わいの三立製菓が第二位、カニヤが第三位と位置づけております。それを踏まえた上で、これから“付け合わせ”の研究を進めたいと思います。
左から、カニヤ、三立、北陸の各乾パン
三立だけは見た目で見分けがつきます
■付け合わせの必要性
乾パンが不評であるのは、「それ単体のみで食べる」ことに起因します。乾パンを食べる時は、出来る限り、付け合わせや飲み物を用意しておくのが肝要であると思います。
*羊羹と乾パン
乾パンと羊羹というと、あまり合わない感じがしないでもないですが、あんぱんというのもあるくらいですから、まぁ全く無しという事もあるまいとチャレンジしました。食べてみた感想は、カニヤとは後味が小麦粉臭く全く合わない。三立とは意外にも良く合い、北陸とはそこそこ合いました。
ちなみに、羊羹は防災用の5年間もつ物もあるので、乾パンと一緒に防災用として用意する事も出来ます。
ちなみに、羊羹は防災用の5年間もつ物もあるので、乾パンと一緒に防災用として用意する事も出来ます。
羊羹にも色々ありますが、普通のにしました
こんな感じで切って乗せて食べました
*ミルクチョコレート
チョコレートと乾パンはよく合います。特にミルクチョコレートは合います。ところが、カニヤのはやっぱりカニヤ独自の味が邪魔して今ひとつ。意外にもパンの耳風味の三立がよく合い、お菓子寄りの北陸は普通に美味しかったです。
防災用のチョコレートというのはあまりないのですが、チューブ入りのがあったりします。
このチョコレートが好き、という訳でなく
たまたまウチにあっただけですw
*ビターチョコレート
同じチョコレートでも、大人風味もビターなやつもあるのですが、これはあまり乾パンとは合いませんでした。
余談ですが、ビターチョコレートは
ブラックコーヒーによく合います
練乳もチョコレート同様に乾パンに合います。ただ、乾パンに塗ろうにも薄くしか濡れませんし、多く塗ろうとしても垂れてくるのにで、乾パンを頬張って練乳のチューブをすする食べ方になります。今回のテイスティングでは、やはりカニヤはカニヤの味が邪魔をしていまいち、三立よりも北陸の方が良く合うなぁ、という感じでした。
練乳はチューブので長期保存できるのが無いのが残念
こうして食べるより、口でチュッチュした方が安全です
*マーガリン
乾パンといえども、パンの一種ではありますので、マーガリンもよく合います。今回テイスティングした中で、一番普通に美味しく食べれました。
あまりつけすぎると、胸焼けしますw
*ブルーベリージャム
いちごジャムやマーマレードも一般に乾パンに合いますが、今回たまたまウチにあったブルーベリージャムでは、ちょっと違った結果になりました。やはりカニヤは例の小麦粉臭があだとなってあまり合わず、三立は普通、北陸はそこそこ合うという結果でした。
実は、ブルーベリージャムがそれほど好きでなかったりしますw
*マヨネーズ
世にはマヨラーと呼ばれるマヨネーズ好きがいるので、マヨネーズにもチャレンジしてみました。結果は、例によってカニヤにはあまり合わず、三立と北陸にはそこそこ合うというものでした。変わった味が欲しくなった時に良いかもしれません。
長期保存できるマヨネーズってあるんですかね?
*イワシ缶
ここで一気に趣向を変えて、魚の缶詰にチャレンジしてみました。魚の缶詰にも色々あるのですが、今回はウチにあったイワシの蒲焼き缶に挑戦。恐る恐る口にしたのですが、これが普通に美味しい。カニヤの乾パンとでさえも合いました。もっとも、他の魚缶と合うかどうかは判らないので、さらに調査が必要です。
見た目はアレですが、意外とイケました
*まぐろフレーク缶
イワシが合うならまぐろフレークも合うかと思ったのですが、これが全然合いませんでした。もうどうにも処置無し。
見た目もアレなら、味もアレでした
*みかんの缶詰
乾パンと一緒に常備する付け合わせに、常々フルーツの缶詰を推奨しているのですが、これも物によって良し悪しがあって、みかんは今ひとつ。桃やパイナップル、その他の果物だとまた違った答えが出るかもしれません。
カナッペっぽくトッピング
*みかんの缶詰の汁
乾パンに飲料があれば、食べる苦痛は相当に軽減されます。そこで、せっかく開けたみかんの缶詰のシロップで食べてみました。結果は、まぁ、無いよりは良いけど、あえてこれで食べたいかなー、という感じ。やっぱり、みかんと乾パンはあまり合わないようです。
柑橘系の飲み物とは合わない気がします
*コーラ
北陸製菓とコーラは以前から合うのが分かっていたのですが、他の2社は今回が初挑戦です。結果は以下の通り。カニヤと三立には全然合いませんでした。が、北陸にも大して合わない。今回買ったミニ缶、中身が薄いんじゃないか、と感じるところもあり、ちょっと不本意な結果です。
容れ物が違うと中身も違うのか、ちょっと薄かったです
*カフェラテ
ミルクや砂糖の入ったコーヒーは乾パンと合います。今回はカフェラテを使いましたが、三立と北陸には普通に合いました。しかし、カニヤはやっぱり小麦粉臭くて、後味がよく無いという結果になりました。
実をいうと、コーヒー牛乳が一番合います
*ベジマイト
ベジマイトというと、オーストラリアが開戦理由にするほどのオーストラリアの国民食ですが、おそらく乾パンにベジマイトを用いたのは、当協会が日本初というか、世界初であると思います。結果はゲロマズ。カニヤがどうとか北陸がどうという問題でなく、とにかく塩辛い&苦っぽい。ベジマイトは薄く塗って食べるそうですが、どうやろうとマズイものはマズイ。よほどベジマイトが好きでない限り、絶対お勧めしません。
カニヤの分を食べて、悶絶ながらこれを撮ってました
■総括
どこまでも私見なインプレになりましたが、参考になったでしょうか。総じて言えたのは、三立製菓の乾パンは、バリバリした食感の割には意外に色んな物と合った、という事です。単品で食べた時は、北陸製菓の方が美味しいのですが、これは予想外でした。
これから乾パンを常備する人にお勧めする付け合わせとしては、やはりチョコレートとコーヒー牛乳といったところになるでしょうか。チョコレートには防災用のがありますし、缶コーヒーなら3年はもつと思うので、丁度良いかと思います。
乾パンの付け合わせは、どれが合うかは、試してみない事には分からない事も多いので、ぜひ皆さんも試してみてください。
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