缶飯というと、自衛隊の戦闘糧食I型の例の深緑色のが有名ですが、あれは官品ですのでそいじょそこらには売ってません。しかし、同じ中身の缶詰が防災用として市販されています。形は楕円形ですが、中身は同じです。値段は400〜450円ほど。内容量は375gで茶碗2杯ほど。缶詰ですので、製造年から3年持ちます。
 この記事に出てくる缶飯は日東ベスト株式会社のものですが、今はサンヨーの缶飯が一般的に売られている様です。


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写真は2004年のもの
缶飯以外に、豚汁缶とうどんも用意しました




■調理方法

 この手の缶飯は、熱湯に約20〜25分入れて湯煎する事となっています。大事なのは、「熱湯」に入れる事で、冷たい水の状態で缶詰をドボンして一緒に温めたろと思ったら、殊の外、時間がかかります。また、一個二個が入る程度の小さい鍋なら水が沸くのも早いのですが、写真の様な大きな寸胴で湯を沸かそうとしたら、相当火力の強いストーブでないと、これまた殊の外、時間がかかります。つまり、飯盒で飯を炊くよりは、時間がかかる事が多いです。
 飯盒で飯を炊くよりも利点と感じるのは、調理済みの缶詰なので、温めさえすれば美味しいご飯が食べれる事、湯煎した湯は他に使える事、などがあると思います。

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この頃はあまり知恵がなかったので
コールマン550Bで、こんなデカイ寸胴を温めようとしてました
(しかも水にドボンして)

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結果、缶詰が温まるまでに、結構な時間が必要でした


■肝心のお味の方

 自衛隊の缶飯も美味いと評判ですが、民用の缶飯もとても美味しいです。普通に炊いたご飯と遜色ありません。コメ系の非常食としては、アルファ米も最近は相当に出回っていて、非常食としてはそちらの方がポピュラーなのですが、味に関しては缶飯の方が圧倒的に美味しいです。値段的には、缶飯もアルファ米もさほど差がないのですが、賞味期限がアルファ米が5年に対して缶飯は3年、お湯を注いで食べれるのに対して湯煎する手間がかかる、この辺りが缶飯がアルファ米に遅れをとっている理由なのかもしれません。

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缶飯は今時の缶詰には珍しくプルタブ式ではありません
この種の缶詰は
ぶん投げても壊れない状況を想定してる場合が多いです
湯煎してアッチアチなので
軍手かタオルを使わないと持てません

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缶飯は
赤飯、とり飯、五目飯、牛めし、チキンドライカレー
の5種類ありますが、どれも美味しいです


■残った缶とお湯の活用

 缶詰全般に言える事ですが、空き缶というのは結構かさばるゴミです。それ故に最近ではレトルトの方が重宝がられる傾向にもあるのですが、缶というのは器の代わりにもなるので、手元に食器などない状況ではそれなりに重宝します。もっとも、切り口には十分注意して、手だの口だのを切らない様にする必要があります。
 湯煎の湯は活用法が様々あります。そのまま味噌汁作ったり、体拭くのに使ったり、缶詰温めた程度では汚染もされないので、非常時には有効活用したいものです。この時は、うどん湯がくのに使いましたが、寒い時期だったので、湯から引き上げてた途端に冷めていき、温めた豚汁も徐々に冷えて、味は美味かったのですが、猫舌の自分でもややヘコぬるい出来栄えでした。

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湯煎して温めた豚汁缶を、缶飯の空き缶に分けました

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湯煎した残り湯でうどんを湯がいて

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まぁ、当たり前に美味しかったです
乾麺でやれば、企画的に面白かったかな


(初出:2004年11月28日 仮想軍隊クラフトフェルト