梅干しはこれまで、2012年と2014年に作ったのですが、その2014年版が去年なくなりました。作ったからといって、そうそう食わないので無くなるまでに時間がかかるのですが、無くなったら作る方針をしていますので、久々に作る事にしました。
■梅の漬け込み
梅干しを作るかどうするか迷っているウチに梅が出回る季節の後半になってしまい、上等で大きな実はおおよそ完売。近所のスーパーマーケットに、結構黄熟して部分的に赤くなった売れ残りが辛うじてありました。前回、3kg漬けてなくなるのに4年掛かりましたし、冷蔵庫の中でデカいタッパが長い事鎮座していたので、今回は2kgだけにしました。ところが、手間賃出すから作ってほしいという人が出てきて、追加で3kg購入。結局、5kg漬ける事になりました。これまでは青い梅を買う事が多く、それが黄熟するまでバケツなどに入れて待っていたのですが、今回はほぼほぼ黄色くなっていて、物によっては赤くなってるのもあって、ぼけっとしてたら完熟して梅干しに向かなくなりそうでした。それでもうっすら青いのもあったので、2日ほど待ってから作業に取りかかりました。
ここから先は、これまでと同じで、まず梅をざっと水洗いし、水気を拭き取って、竹串で梅のヘタを取ります。バケツに45リットルのゴミ袋を二重に被せ、粗塩を梅の重さの20%分用意します。梅をホワイトリカーにくぐらせて、転がす様にして粗塩をつけ、ゴミ袋かぶせたバケツに入れていきます。今回、10リットルのバケツを用意しましたが、これで3kgの梅を漬ける事ができます。余った塩を梅の上からかけて、適当なサイズの皿を乗せ、その上に2リットルの水のペットボトルを2本乗せて、ゴミ袋の口をくくります。
3日ほどしたら梅酢があがってくるので、ペットボトルを1本に減らし、そのまま紫蘇が出回るのを待ちます。
黄熟した梅。まずは軽く水洗い
竹串で茎のヘタを取ります
ホワイトリカーに潜らせて、粗塩をまぶします
残った塩を上から振りかけます
皿を置いて、その上に重石代わりのペットボトルを置きます
このまま、梅酢が上がってくるまで待ちます
右は先行して漬けた梅です
■紫蘇の漬け込み
出回るのを待ちますも何も、すでにこの時点で紫蘇が出回っており、梅酢が上がってきたら、直ちに紫蘇の用意を始めました。紫蘇もこれまでと同様なのですが、今回は2kgを通常の紫蘇梅に、3kgを紫蘇を使わない白梅干しにつる予定でしたので、紫蘇は1袋しか買ってきませんでした。
紫蘇は灰汁抜きに粗塩を使いますが、これも紫蘇の重さに対して20%分の粗塩を使います。まず茎から葉っぱだけを取って水洗いし、細かな砂を落とします。次に用意した粗塩の半分を紫蘇の葉にかけて揉みます。すると塩の浸透圧で濃い紫色の汁が出てきます。これでもか!と汁をしぼって汁を捨て、紫蘇の葉を丁寧に解して、残りの粗塩を振り、さらに揉んで追加の灰汁を出します。
それが済んだら、梅酢をかけて紫蘇の葉を解し、梅に被せる様に乗せます。紫蘇を入れた当初は何の変化もありませんが、日に日に色が赤くなってきます。白梅干しにする方は何にもしせず、そのまま放置です。紫蘇梅も白梅干しも、重しも皿も外して、7月20日前後の土用干しまで放置します。
ワールドカップ見ながら葉っぱをちぎります
塩の半分を振りかけて、ガシガシ揉みます
塩揉みすると、かなり小さくなります
梅酢をかけていい感じに解します
解した紫蘇を入れて、解すのに使った梅酢も入れます
白梅干しの方は何もせず、そのまま土用まで放置します
(ゴミが入らない様に、ゴミ袋の口はくくておきます)
■土用干し
実をいうと、ここまでは前座みたいなもので、この土用干しが梅干し作りの本番です。晴天の三日三晩、梅干しを干します。この間に雨など降られては困るので、梅雨が完全に開けてから干すのですが、今年は例年より早く梅雨が開けてしまいました。しかし、漬け込み開始から1ヶ月ほど漬けておく必要があるので、今年は慌てず土用まで待ちました。今まではマンションの狭いベランダでしたので、小さいザルに分けて干していましたが、今の家はベランダが広々していますので、近所のホームセンターでデカいザルを買ってきました。おかげで5kg分の梅が1枚のザルで乗せきれました。
えっちらおっちらと重たいザルを持ってベランダに行き、エアコンの室外機とベランダの壁の縁にザルを設置して土用干し準備完了。あとはお天道様任せです。今の家は日当りが良いので、午前から午後にかけて、たっぷり日に当てる事が出来ます。1日干して2日目に梅をひっくり返して裏も干し、3日目の夕方に取り入れました。
今回の梅干しも、よく熟してて柔らかく、とても美味しく仕上がりました。これならオーダーしてくれた人も喜んでくれると思います。今回、白梅干しに初めてチャレンジしたのですが、個人的には白梅干しの方が、無駄に酸っぱくなく、ご飯に合うと感じました。紫蘇の方に比べると、紫蘇を処理するのに使う塩分が入ってないだけに、多少塩辛さも控えめで、これはご飯が進むなー、という感じです。
デカいザルなので全部乗りましたが
階段やドアを通るのに、やや難儀しました
朝方は日陰ってますが、日中は日当り全開です
紫蘇も干して、あとでゆかりにします
2日目くらいになると、軽く塩を吹いてきます
それが夜の湿気で溶けて、しっとりした感じになります
3日干して出来上がり! 柔らかくていい感じです
今回、初めて梅干し用の壷を買いました
これで常温保存します
白梅干しは、とてもご飯に合います
■梅酢の活用
梅干しは、元々は梅酢を作るのがメインで、梅干し自体は副産物だったらしいです。干した梅を梅酢に戻して保存する人も多いと思うのですが、自分は塩吹いた梅干しが好きなので、梅酢には漬けません。紫蘇に漬けた梅酢は他に使い道がなく、これまで捨てていました。ところが、紫蘇を使ってない白梅干しの方の梅酢は、紫蘇の余計な風味がないので、蕎麦つゆに入れたり、ご飯に少しかけて食べたりすると、とても美味しい事に気がつきました。梅干し自体も個人的には白梅干しの方が好みですが、梅酢も使えるとなると、一石二鳥で良いとこずくめです。次回もオーダーが無い限りは白梅干しを作ろうと思います。
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