ついに完成したCRF450RX“ゲイレルル号”。早速慣らしをしなければならんのですが、よく考えたら、前回最後にバイク乗ったが、6月のクロスカップ。なんと、丸々3ヶ月もバイク乗ってないのです。まぁ、人生的に忙しくてバイクどころでなかったのですが(実は、これを書いてる今時点でも、まだまだ忙しい)、そんな事言うてたら、本当にバイクの乗り方忘れてしまうので、頑張ってバイク乗る事にしました。


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やっと完成したCRF450RX“ゲイレルル号”
自分もやっとバイク乗る時間作れました




■エンジンの掛け方

   しかしまぁ、何と言っても新車です。そして新車は何かしら分からん部分も多いものです。なのに、お店にサービスマニュアルを忘れてきてしまって、何をどうしていいかも分からん状態。まぁ、読んでも分からん事が多いので、とりあえず乗ってみる事にしました。
   一等最初に分からんかったのが、エンジンの掛け方。セルスイッチ押したらエンジン掛かると思ったら、全然掛かる気配がしないので「いきなりバッテリー上がったんかー!」と焦ったのですが、そーいや、クラッチレバー握らないと掛からないのでは?と思い、その通りにしてみたら、ちゃんと掛かりました。ただし、四本指でしっかりレバーを握らないと掛からないみたいです。
   暖気が済んで、着替えも済んで、さて乗ろうかとエンジン始動してみると、キックの時みたいにアクセルあおるとエンジンが回らない事も分かりました。とにかく、クラッチレバーを握る、セルスイッチ押す、それ以外の事はしてはならん様です。
   今回のモデルは、セルオンリーでキックは無し(オプションではあるみたい)という事で、押しとか入ったらバッテリー持つのか不安がありますが、とりあえず普通に使ってる分には問題なさそうです。個人的には、乗ってない時は回路をオフに出来るスイッチなりイグニッションキーみたいなのがあると安心ですが、一応リチウムイオン電池なので、その辺りは大丈夫って事になってる様です。

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シャークティース3兄弟www
ちょっとずつ顔が違うのに注目w


■サスが硬い

   まずは初心者コースへゴー!というか、今日は初心者コースを中心に、ゆっくりバイクと自分を慣らしていくつもりです。一応、お店でサグ出し(102mm)はしてあるので、その状態で乗ってみる事にしました。
   ……速攻で分かったのは、サスが全然動いてる感じがしない、という事でした。足付きも悪いので、とても不安げな感じです。これでは練習にも慣らしにもならないので、直ちにパドックに引き返し、前後サスのダンパーの圧側を最弱(S方向に9クリック)にしてみました。普通、最弱だと沈み込み過ぎて踏ん張りがなくなるのですが、乗ってみるとこれでやっと「辛うじて」サスが動く感じがしました。CRF450RXに入っているスプリングは、Rのソフトスプリングなのだそうですが、ソフトというには硬い。しかし、今日はこれ以上やりようがないので、これで頑張る事にしました。

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まったくインスタ映えしない金子さんとたにしさんw


■エンジン

   これまでに何度か450に乗った事がありますが、その印象は、パワーが凄いという事よりも、「ブロック塀で人参こすって紅葉おろし作る」みたいな重々しいトルク感があって、アクセルちょっと開けただけで前にドーンとくる様なGが掛かってしんどい、というものでした。250だってトレール車に比べたら、その様な傾向がある訳ですが、それ以上であるので、あえて450に手を出そうとも思わなかった訳です。
   さて、今回のモデルは、メーカー側でロッカーアームなどにDLCを施すなどした(なんとギアにはWPCも掛かっていた)低フリクション加工のエンジンを搭載していて、試乗会の時点でもその効果を感じる事が出来ました。つまり、従来の450にはない「軽さ」があった訳です。そして、自分はさらにその他の部分にも低フリクション加工を施した特製のエンジンを積んでいます。
   その乗り味を端的に表現すると、「ゆっくり粘り強く走る事も、そこから一気に加速する事も、また減速に移る事も、軽やかかつスムーズに出来る感じ」というものでした。とにかく、エンジンが軽いイメージで、それでいて低速でのトルクもしっかりあり、450にありがちなマイナス要素になる無駄なトルク感やパワー感がない、非常に乗り易い仕上がりになっていました。「これならやれる!」というのが、率直な感想でした。


慣らし運転でズビズバアクセル開けちゃダメなんですよ
そうなんですよwww



■クラッチレバー&ラジエターファン

   ところで、このCRF450RX(Rの方もかもしれませんが)は、低速でエンストするって人がいます。かくいう自分もその一人で、試乗会ではコーナーの途中でエンストして、後方のバイクに踏まれそうになりました。
   そして、今回はエンストはしないまでも、コーナーでまだクラッチ切ってるのに、ちょっとアクセルがうっかり開いた時に、グワっと前に出て怖い思いしました。どうやら、クラッチの切れる位置がかなり手前なようで、指二本では切りきれてない様な感じです。そこでパドックに帰って、レバーやワイヤーの引きの調整をしてみました。おそらく、新車時では、切れる位置が近めに設定してあるんだと思います。だから試乗会の時も、なんとなく切りきれてない感じがしてたんだと思います。
   低速で走りながら調整していたのですが、面白かったのは、ものの5分もしないウチにラジエターファンが回り出した事。水温計を見てみると、95度になっていました。450は熱を持ち易いと聞いていましたが、本当にそのようです。予めラジエターファンを付けたのは、正解だった様です。

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これまでのCRFと異なり
レバー位置を決めるボルトの所に
クラッチレバー握ったらセルが回せる配線が付いてます


テスト時の動画
ちゃんと設定水温でファンが回る様になっています


■サスの柔らかさ、足付き性

   CRF450RXの最大のネックは、車高が高い事、サスペンションが硬い事、足付き性が悪い事、すなわち足回りに集約されています。上での述べた様に、ダンパーの圧側を最弱にしても少し良くなる程度で、乗っているウチにアタリが出てきて少しは動く様になったものの、足付きは足を目一杯のばして、やっと足指の付け根に届く程度でした。
   初心者コースに飽きてきたので、エンデューロコースも走ってみたのですが、大坂でアクセルの開け具合が分からなくて、3/4の辺りでエンスト、つま先ツンツンのままバックでずり下がって転倒。どうにかバイク下向きにして、引きずりおろして、Uターンしようとしたら立ちゴケ。その後、どうにか走ってたものの、滑る坂で難儀してた人を助けにいったあと、バイク乗ろうとしたら反対側に転けてバイクの下敷きに。
   走ってる間はともかく、コーナー中の一番低速になる時とか、停車時とか、足が地面に着くかどうかが結構ポイントになる時が心もとない。足付きが良くなったCRF250R“モルゲンシュテルン号”は自信もって乗る事が出来ましたが、CRF450RX“ゲイレルル号”はまだその域には達してないな、と感じました。もっとも、このバイクに関しては、足回りはまだ何もしていません。まずはフロントフォークの油面や突き出し、サグ量などを変えてみて、どういう風になるか試してみたいものです。

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一応、足が着かない訳じゃないんですが
完全に足が伸びきっていて、まったく踏ん張れません


■まとめ

   今回は慣らしという事だったのですが、実質慣らせたのは1速と2速だけで、それ以上は無理でした。まぁ、4速5速なんかは情けない事に滅多に使わないので、そっちは上手な人に試乗かねがねやって貰う事にします。
   しかし、この450はこれまでに乗った450に比べると、格段に乗り易くなっています。決定的な違いはエンジンで、開けられないなら開けられないなりに乗れてしまうスムーズさ、軽さが素晴らしい。開けられないからといってガタガタ言う訳でもなく、うっかり開いてもいきなりドカンとくる訳でもない。低フリクション加工とスロットルカムのお陰で、450は特別上手な人に限られた乗り物でなくなった様です。さらに言えば、今回は使うのを忘れてたのですが、エンジンモードセレクトスイッチでスムーズモードを使えば、さらに楽に乗れたのではないか、と思います。
   車格は、確かに背が高く足が着き難いのですが、前後左右の大きさは、自分に関して言えば250の時とさほど違いを感じませんでした。無論、250と比べると、ハンドル回りの軽さ、バイクを起こす時の力の要り方に差があるのですが、少なくとも走っている限りにおいては大きな差がなく、“乗れない感”は全然感じませんでした。足付き、ハンドル位置などを調整すれば、非常に乗り易くなると思います。
   上記の事から、450でありながら、バイクの大きさやパワーに無駄感を感じず、それでいて必要な時には250を遥かに凌駕するパワーを得る事ができ、かつ従来のキック始動に比べてセル始動の有利さがある、などなどから、このCRF450RX“ゲイレルル号”は、XR230“パンツァーファウスト号”、CRF250R“モルゲンシュテルン号”の後継機として、期待を大きく持てると感じる事が出来ました。

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ともあれ、久々にバイク乗った訳ですが
初めての450だったにも関わらず、楽しめました

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大して頑張って乗ってないのに汗だく
サイダーがまだまだ美味しい残暑でした