前々回からサスのセッティングを始めたCRF250R(X)“モルゲンシュテルン号”ですが、ずっと好天でのセッティングでした。まぁ、標準値を出すという意味で、好天時である必要もあったのですが、今回は土曜日に目一杯雨が降ってくれたお陰で、ニュルニュルの成田モトクロスパーク(のエンデューロコース)での練習となりました。
■取りあえず走ってみる
今日は道路挟んだ初級コースの方は、何かのイベントで大勢が集まってましたが、奥のパドックにはあまり人が居らず、転けようがひっくり返ろうが、あまり迷惑にならない感じでした(その代わり、誰も助けに来ないw)。とはいえ、見るからに滑りそうな路面ですし、午後から晴れるという予報でもあったので、なんとなく全員ダラダラしてしまってなかなか走り出さない。自分も前回の榛名で真っ黒になったエアフィルターを交換して、チェーンに油やって、タイヤの空気圧を前後0.3に落としたあと、アホ話しばっかりしてる。自分らより上手い人らがガシガシ走って、地面耕してくれるのを待ってる感じですw しかし、全然天気は良くならないし、それどころかずっと小雨降ってるし、このままでは埒があかないので、取りあえず試走に行きました。
コースの中は、案の定というか、坂になっている所は滑り易く、入って直ぐの下り坂も、コーナーリングの姿勢取ってるのにあらぬ方向に車体が向いたりします。右の大坂は明らかに滑ってエライ目に遭いそうなので、左の坂に進入。こちらは途中で180度右ターンの登りになるのですが、イン側のワダチにリアを落とすラインが一番走り易かったです。その後は、まぁ、滑り易そうなのですが、滑らない様に気をつけて走りました。今回一番難しかったのは、外周に向かう最後の坂の、丸太を並べた筏セクションで、うっかりすると滑って転けてエライ目に遭う(リカバリーが大変)のですが、ここは良い感じにワダチに入って、エイヤと乗り越える様にしました。
ともあれ、リアが0.3でもややグリップ感が足りない感じがするので、0.25まで下げました。これ以上下げると、ビードが落ちてしまう可能性があるのですが、こういう時はやっぱり気兼ねなく空気圧を下げれるチューブリスの必要性を感じますねぇ。
■滑る時の走り方
滑る路面が怖いのは、思いもかけず滑って転けてしまうからですが、これには一定の理由があります。そのもっともたる理由が、地面に対して車体が斜めになる事です。無論、実走行ではそれだけでなく、やれトラクションがどうのとか、姿勢がどうのとかあるのですが、基本として地面に対して垂直、セクションに対して正対、を心がけて走る様にしています。例えば、丸太を敷き詰めた筏の様になっているセクションでは、斜めに横切るともれなく滑ります。また、セクションの途中でアクセル開けると滑ります。出来るだけ正対して進入する様にして、かつセクションに入るまでにエンジンの回転上げておいて、通過中はアクセルはパーシャルでトトトーっと通過する。ビビってアクセル閉じると、転けないまでも突っかかって止まってしまい、リカバーが大変です。
バンクとかワダチがある時は、積極的に活用してみます。コーナーは基本的には車体を傾けて曲がって行くのですが、そうすると平らな地面では滑る訳です。しかし、バンク(というか、コースの端っこの角)は地面が斜めになっているから、車体を傾けてもあまり滑らない訳です。また、ワダチはそこに入ってしまえば、他に滑っていかないので、意外と安全という面もあります。
今回、実は一番難しいと感じてたのは、コース入って直ぐの右カーブの急な下り坂で、コーナーリングの姿勢を取っても、リアが下に滑ってアウト側に倒れ込みそうになる事がしばしばありました。途中で気が付いたのですが、バンクに対してバイクが斜めに立っている様な感じになっていて、それで滑っていた訳です。なので向きが変わったら、直ぐに真っすぐ前向いて降りる様に心がけました。
■セッティングしたバイクの乗り心地
さて、前々回と前回で、フロントフォークとリアショックの圧側のセッティングをしたのですが、今回はその状態のまま乗ってみました。もし、イマイチであれば、セッティングをいじってみるつもりでした。ドライコンディションとマディでは条件が違う訳ですから、むしろ乗り味も違うと思います。しかし、今回はあまり開けて乗らなかったせいか(開けられない…汗)、前回のセッティングで丁度いい感じに乗れました。路面への追従性が高く、ワダチの中のギャップで引っかかる事もなく、氷の上を滑る様な不安感もなく、安心して乗る事が出来ました。
今回、一緒に練習した人で、2016年モデルのCRF250Rに乗ってる人がいたのですが、FIの設定をエンジンモードがアグレッシブのままになっていて、難儀してました。後で気が付いてスムーズに変更したら乗り易くなったと言ってました。実際にアクセルを開けた時の排気音を聞いていると、アグレッシブモードだと結構パワフルで、スムーズモードだと大人しく、違いが顕著でした。うっかりアクセル開いたら滑ってしまう様な時には、スムーズモードの方が良い訳です。
自分の2012年モデルは、FIのマッピングキットを使って変更しなければならず、随分まえからマディ設定にしてあるのですが、手元スイッチで基本的なモードが切り替え出来るのは便利だな、と思いました。
■感想
本日の走行時間(というか、エンジン稼働時間)は44分。ぶっちゃけ、喋ってる方が長かった様な感じですが、一度も転ける事なく、ケガもなしで練習できました。2月の練習の時も大概ニュルニュルで難儀したのですが、その時よりも今回の方が乗り易く感じたのは、はやりサスのセッティングとかをコマメにやる様になったからだと思います。
実のところ、これまでは買って来たままの、あてがわれたバイクをどう乗りこなせる様になるか、単に練習量とか気合いとかライテクで解決できると考えて来た節があるのですが、ここにきてセッティングってのは大事だな、というのを体感する様になってきました。機械というのは正直で、自分に合った調整が出来ていれば、結構乗り易くなるもんです。
もっとも、以前は何が乗り易くて、何が乗りにくいのか、その違いが分らなかったのですから、その頃にセッティングがどうのという話しをしても、仕方なかったのかもしれません(前にもセッティングシートを記録しようとして、訳分らなくて止めてた)。XR230に大枚突っ込んで過度な改装をしてきたのも、こうした「違いの分る」様になるには必要な事だったのでしょう。
その意味で、ようやくモータースポーツとして面白い所に差し掛かったのかもしれません。
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