昨年、念願だったシェラストーブを手に入れ、薪で炊いた飯盒メシがことの外、美味い事に気が付きました。ただ。シェラストーブは電池に依存する事、常用するにはやや使いにくかった事、などにより、備蓄していた薪が無くなった時点で使用を取りやめました。
ところが、職場からまとまった廃材が出て、これを粗大ゴミとして捨てるには些か勿体ないと考え、新規にウッドストーブを入手する事にしました。
■一次燃焼式か二次燃焼式か
シェラストーブは、五徳と鍋底の間が狭く、隙間を開けるために、吊り下げるか上げ底にするかで、どっちにしてもそこそこ大掛かりな装置が必要でしたが、焚き火箱やウッドストーブは直接置ける構造になっており、結果として省スペース化が可能というメリットを感じました。 さて、電池を使わないウッドストーブだとすると、最近の流行は、ワイルドストーブやソロストーブといった、缶が二重構造になっているタイプの様です。これは二重になっている缶の中を燃焼ガスが通って、ストーブの上部で燃やすというタイプで、煙が少なく火力が強いのが売りになっています。煙が少ないのは、ベランダクラフト的にはかなり有利です。ただ、構造的に、薪を入れにくい事、缶を組み合わせる事でコンパクトに出来るものの、それでもシェラストーブ並のサイズである事など、イマイチ食指が動きませんでした。
次に考えたのが、折り畳み式の焚き火箱。最近は様々なメーカーから各種発売されているのですが、これは原理的には、穴をいっぱい開けた一斗缶と同じ様なもので、ただ単純に薪を燃やすだけです。その代わり、折り畳んでコンパクトにする事が出来ます。また、物によっては、薪を放り込むスペースが大きめの物もあり、給薪の楽なものもあります。
次に考えたのが、折り畳み式の焚き火箱。最近は様々なメーカーから各種発売されているのですが、これは原理的には、穴をいっぱい開けた一斗缶と同じ様なもので、ただ単純に薪を燃やすだけです。その代わり、折り畳んでコンパクトにする事が出来ます。また、物によっては、薪を放り込むスペースが大きめの物もあり、給薪の楽なものもあります。
いろいろある中で、最終的に選んだのが、今回紹介する、Firebox Stoveです。
使い方は、五徳の棒を底板を外し、広げて箱型にし、底に底板をセットするだけです。広げてみて気が付いたのですが、上から見た時、正方形ではなくて、いびつな台形をしています。これは厚みのある鋼鈑を蝶番で連結し、内側に折り畳む様にするため、この様な形になっている訳です。
パッケージの写真には、この五徳の棒と底板の位置を変える事で、アルコールストーブを使ったり、エスビットタブを使ったりも出来る様です。また、五徳の棒は小さいカップを載せる時に使います。、また、オプションでステーキ焼いたりするプレートもある様です。ちょっと驚いたのは、ケースは別売で、これも買うと値段が1.3万円くらいになるので、ちょっとお高い買い物です。
収納時に固定に使っていた棒は
小さいポットなどを載せる時に使う五徳です
五徳の位置は自在に変えれるように
そこかしこに切り込みや穴が開けてあります
焚き火以外にも、缶入り固形燃料やエスビットタブも使用可能です
その場合は、五徳や底板の位置を変える事で対応します
ただ、ファイヤーボックスはそこそこ深い火箱ですので、ティッシュとマッチを使って火を点けるのならともかく、ファイヤースチールなどを使ってやる時は、底の方に火口を置いてしまうと、とても点火しにくいです。その場合は、ファイヤーボックスの中に薪を組んで、その上に火口を置き、それに点火してから、フェザースティックをくべると火を点け易かったです。
ファイヤーボックスをただの焚き火用に使うのでしたら、乾燥してる木ならどんな木材でも構わないのですが、ファイヤーボックスを炊事用に使うとなると、あまり長い枝や太い木は、鍋釜を置いたまま入れるのが難しいので、材木は予め15cm程度に切断し、かつ小指ないし人差し指大に割っておくと、炊事に使う薪としては便利です。
ファイヤーボックスは、実質的にはただの焚き火ですので、燃える物なら何を燃やしても良さそうなものですが、灰が飛び散る紙や、燃えカスが下に垂れる樹脂などは燃やさない方が、掃除やファイヤーボックスを長持ちさせる上で得策だと思います。
消火は、基本的には薪を燃やし尽くして消火するのですが、ファイヤーボックスは給気効率が良いのか、案外早く燃え尽きます。ただ、シェラストーブの様に強制的に空気を送り込んでいる訳ではないので、シェラストーブよりは灰が残ります。
使用中のファイヤーボックス
一旦火が点けば、思いのほか、火力は強力です
長さ15cm、1cm四方に割っておくと、料理には便利です
最初の点火には、ナイフなどで削ったフェザースティックが便利です
(これは鉈でやったので、あまり上手に削れてません)
薪は以外と早く燃え尽きます
大抵はこのまま朝まで放置して、朝に灰を捨てます
灰を捨てた状態
ステンレスですが、使い続けているとうっすら錆びが浮きます
長期使わない場合は、後述する手入れをした方が良いです
ヤカンでお湯を沸かす場合、特別ゆっくり沸かす必要はないので、薪をドンドン入れて、ガンガン燃やす使い方になります。4リットルくらいのヤカンであれば、ファイヤーボックスを覆い隠すほどの大きさはないので、ヤカンを置いたまま、薪をくべる事が出来ます。火力がそこそこある分、薪の消費も多く、せっせと給薪する感じです。火は大きく、ヤカンの胴体を覆うほどで、あとの煤落としが結構大変です。
中華鍋での料理にも使ってみましたが、先に述べた様に、鍋の座りが良いので料理し易かったです。ただし、中華鍋はファイヤーボックスを覆う格好になるので、薪をくべる時は鍋を持ち上げねばなりませんでした。また、料理に気を取られていると、薪が燃え尽きて来て火力が落ちるので、料理しながら薪を入れるという、結構忙しい作業でした。
飯盒は、ヤカンに比べるとサイズも小さく、薪を入れる部分も大きいという事もあって、ヤカンの時の様にガンガン燃やすと、かなり大きな火力となってしまいます。そして、火力が強過ぎて、沸騰時間が無駄に短くなり、ゴワついた飯になったり、下手をすると焦げ付いたりします。
そこで気が付いたのは、いくら強火といっても、適度な強火である必要がある、つまりファイヤーボックスの場合、中火くらいのイメージで丁度という事でした。ヤカンでガンガンお湯沸かす時の半分くらいの火を心がければ、大体5分くらいで沸騰する感じです。そして、そうなる直前から薪を入れる量を減らして、弱火でキープする様にします。すると、ガスや化石燃料で炊いたのとはまた違う、これぞ飯盒炊爨という出来栄えの美味しいご飯が炊けます。
この様に、焚き火といえども、ガンガン燃やすのでなく、必要に応じて火の大小を選択する事で、炊飯に十分に用いる事が出来ます。このファイヤーボックスは、煮炊きするのも前提として作られているので、飯盒を吊るしたりする手間が要らず、とても便利に感じました。
初めてご飯を炊いた時は、ガンガン燃してしまって
ゴワゴワしたご飯なりました
それから、強火をあまり強く過ぎない様にして、加減しました
弱火になると、炎はファイヤーボックスからほとんど出ない感じです
火加減が分ると
掛子にシュウマイ入れて、炊飯と同時で蒸せる様にもなりました
ファイアーボックスの手入れの仕方ですが、意外にも、ボンスターなどのスチールウールと洗剤で洗います。汚れだの煤だの錆だのを洗い、水で洗い流し、最後はガスコンロで火にかけて水気を蒸発させます。そして内側にCRCなどの防錆油を塗って、手入れ完了です。
暫く使わないなら使う毎に、使い続ける場合でも、1週間〜10日枚に洗うのが良さそうです。また、脂汚れがついた場合は、その都度洗うのが良いでしょう。
10日ほど使い続けた状態です
うっすら錆が出ていますが、酷くありません
ざっと水で汚れを洗い流し、ボンスターでごしごし洗います
水で濯いだあと、コンロで火にかけ、水気を飛ばします
冷めてから、CRCを吹いて保管します
当初、焚き火の後が錆びたり焦げたりして、長持ちしない懸念があったのですが、結論としては、ちゃんと手入れさえしていれば、かなり持つ道具の様です。やはり万単位のお金を出すだけの価値がある様です。ソロキャンプ用としては結構重いのですが、ファイヤーボックスを使う人は、むしろファイヤーボックスを使う為にキャンプしたりブッシュクラフトしたりする様なので、チャチなチタン製より、これの方が使い勝手は良いと思います。
■まず見た目
ファイヤーボックスは、ステンレス製という事で、重さが900gくらいあります。昨今の軽量化の流れからすると、重たい部類です。組み立て時の大きさは、高さ190cm、横幅130cmとそこそこの大きさです。最近流行のチタン製の物は、重さが300gくらいで大きさももっと小さいものがありますが、自分は堅牢さと使い易さを優先しました。焚き火で使う訳ですから、あまり小さ過ぎるとやり難い訳です。この大きさであれば、兵式飯盒は余裕で載せる事が出来ます。使い方は、五徳の棒を底板を外し、広げて箱型にし、底に底板をセットするだけです。広げてみて気が付いたのですが、上から見た時、正方形ではなくて、いびつな台形をしています。これは厚みのある鋼鈑を蝶番で連結し、内側に折り畳む様にするため、この様な形になっている訳です。
パッケージの写真には、この五徳の棒と底板の位置を変える事で、アルコールストーブを使ったり、エスビットタブを使ったりも出来る様です。また、五徳の棒は小さいカップを載せる時に使います。、また、オプションでステーキ焼いたりするプレートもある様です。ちょっと驚いたのは、ケースは別売で、これも買うと値段が1.3万円くらいになるので、ちょっとお高い買い物です。
収納時に固定に使っていた棒は
小さいポットなどを載せる時に使う五徳です
五徳の位置は自在に変えれるように
そこかしこに切り込みや穴が開けてあります
焚き火以外にも、缶入り固形燃料やエスビットタブも使用可能です
その場合は、五徳や底板の位置を変える事で対応します
■基本的な使い方
ファイアーボックスは、先にも述べた様に、基本的には穴をいっぱい開けた一斗缶と同じ様なもので、その中に薪を入れて火を点けて使うだけです。火を強くしたり弱くなったりしたら、薪を投じて火勢を強くしたり維持したりするだけです。消火は薪を入れるのを止めて、勝手に薪が燃え尽きるのを待てば完了です。ただ、ファイヤーボックスはそこそこ深い火箱ですので、ティッシュとマッチを使って火を点けるのならともかく、ファイヤースチールなどを使ってやる時は、底の方に火口を置いてしまうと、とても点火しにくいです。その場合は、ファイヤーボックスの中に薪を組んで、その上に火口を置き、それに点火してから、フェザースティックをくべると火を点け易かったです。
ファイヤーボックスをただの焚き火用に使うのでしたら、乾燥してる木ならどんな木材でも構わないのですが、ファイヤーボックスを炊事用に使うとなると、あまり長い枝や太い木は、鍋釜を置いたまま入れるのが難しいので、材木は予め15cm程度に切断し、かつ小指ないし人差し指大に割っておくと、炊事に使う薪としては便利です。
ファイヤーボックスは、実質的にはただの焚き火ですので、燃える物なら何を燃やしても良さそうなものですが、灰が飛び散る紙や、燃えカスが下に垂れる樹脂などは燃やさない方が、掃除やファイヤーボックスを長持ちさせる上で得策だと思います。
消火は、基本的には薪を燃やし尽くして消火するのですが、ファイヤーボックスは給気効率が良いのか、案外早く燃え尽きます。ただ、シェラストーブの様に強制的に空気を送り込んでいる訳ではないので、シェラストーブよりは灰が残ります。
使用中のファイヤーボックス
一旦火が点けば、思いのほか、火力は強力です
長さ15cm、1cm四方に割っておくと、料理には便利です
最初の点火には、ナイフなどで削ったフェザースティックが便利です
(これは鉈でやったので、あまり上手に削れてません)
薪は以外と早く燃え尽きます
大抵はこのまま朝まで放置して、朝に灰を捨てます
灰を捨てた状態
ステンレスですが、使い続けているとうっすら錆びが浮きます
長期使わない場合は、後述する手入れをした方が良いです
■大型の鍋釜を使う
先にも述べた様に、ファイヤーボックスは思いのほか堅牢で、相当な重量物も載せる事が出来ます。試しに、4リットル満タンにしたヤカンを置いてみましたが、地面さえしっかりしてれば、びくともしませんでした。また丸底の中華鍋を置いてみると、良い感じにピッタリ収まって、とても料理し易い感じでした。ヤカンでお湯を沸かす場合、特別ゆっくり沸かす必要はないので、薪をドンドン入れて、ガンガン燃やす使い方になります。4リットルくらいのヤカンであれば、ファイヤーボックスを覆い隠すほどの大きさはないので、ヤカンを置いたまま、薪をくべる事が出来ます。火力がそこそこある分、薪の消費も多く、せっせと給薪する感じです。火は大きく、ヤカンの胴体を覆うほどで、あとの煤落としが結構大変です。
中華鍋での料理にも使ってみましたが、先に述べた様に、鍋の座りが良いので料理し易かったです。ただし、中華鍋はファイヤーボックスを覆う格好になるので、薪をくべる時は鍋を持ち上げねばなりませんでした。また、料理に気を取られていると、薪が燃え尽きて来て火力が落ちるので、料理しながら薪を入れるという、結構忙しい作業でした。
■飯盒炊爨上の注意
そのそもこのファイヤーボックスを買ったのは、焚き火で美味しいご飯を炊くためで、安定して飯盒を載せれ、かつ単体で使える物、として選んだ経緯があります。そして、ファイヤーボックスはその期待に多いに応えてくれました。ただ、注意事項として、火力があります。飯盒は、ヤカンに比べるとサイズも小さく、薪を入れる部分も大きいという事もあって、ヤカンの時の様にガンガン燃やすと、かなり大きな火力となってしまいます。そして、火力が強過ぎて、沸騰時間が無駄に短くなり、ゴワついた飯になったり、下手をすると焦げ付いたりします。
そこで気が付いたのは、いくら強火といっても、適度な強火である必要がある、つまりファイヤーボックスの場合、中火くらいのイメージで丁度という事でした。ヤカンでガンガンお湯沸かす時の半分くらいの火を心がければ、大体5分くらいで沸騰する感じです。そして、そうなる直前から薪を入れる量を減らして、弱火でキープする様にします。すると、ガスや化石燃料で炊いたのとはまた違う、これぞ飯盒炊爨という出来栄えの美味しいご飯が炊けます。
この様に、焚き火といえども、ガンガン燃やすのでなく、必要に応じて火の大小を選択する事で、炊飯に十分に用いる事が出来ます。このファイヤーボックスは、煮炊きするのも前提として作られているので、飯盒を吊るしたりする手間が要らず、とても便利に感じました。
初めてご飯を炊いた時は、ガンガン燃してしまって
ゴワゴワしたご飯なりました
それから、強火をあまり強く過ぎない様にして、加減しました
弱火になると、炎はファイヤーボックスからほとんど出ない感じです
火加減が分ると
掛子にシュウマイ入れて、炊飯と同時で蒸せる様にもなりました
■手入れ
ファイヤーボックスは、新品の時はピカピカとキレイですが、一度でも使えば熱で変色し、内部は直火で焦げます。といっても、一応はステンレスですので、一斗缶みたいにガビガビに錆びるという事はありません。うっすら錆が浮く程度です。また、焼き鳥みたいに脂が落ちる料理をしなければ、脂汚れもしません。しかし、使い終わったらキレイにしておく事が、そこそこ値段のするファイヤーボックスを長持ちさせる秘訣です。ファイアーボックスの手入れの仕方ですが、意外にも、ボンスターなどのスチールウールと洗剤で洗います。汚れだの煤だの錆だのを洗い、水で洗い流し、最後はガスコンロで火にかけて水気を蒸発させます。そして内側にCRCなどの防錆油を塗って、手入れ完了です。
暫く使わないなら使う毎に、使い続ける場合でも、1週間〜10日枚に洗うのが良さそうです。また、脂汚れがついた場合は、その都度洗うのが良いでしょう。
10日ほど使い続けた状態です
うっすら錆が出ていますが、酷くありません
ざっと水で汚れを洗い流し、ボンスターでごしごし洗います
水で濯いだあと、コンロで火にかけ、水気を飛ばします
冷めてから、CRCを吹いて保管します
■まとめ
ファイヤーボックスを約3週間、ベランダで使用しましたが、そのまま鍋釜を置ける事から、シェラストーブほど場所を取らず、かつ飯盒クラスの鍋であれば給薪も楽で、火力も強く、非常に使い易い印象を持ちました。その一方で、一次燃焼式である事から、煙はそこそこ出る様で、それが近所迷惑になる事もあり、使用には慎重を要する反面もありました。当初、焚き火の後が錆びたり焦げたりして、長持ちしない懸念があったのですが、結論としては、ちゃんと手入れさえしていれば、かなり持つ道具の様です。やはり万単位のお金を出すだけの価値がある様です。ソロキャンプ用としては結構重いのですが、ファイヤーボックスを使う人は、むしろファイヤーボックスを使う為にキャンプしたりブッシュクラフトしたりする様なので、チャチなチタン製より、これの方が使い勝手は良いと思います。
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