XR230の純正ハンドルは、幅が狭く絞りがキツめのハンドルが付いているのですが、自分はそれを広めのハンドルに替えています。問題はワイヤー類の取り回しが結構キツくなった事です。そして、クラッチケーブルがアッパーブラケットに当たって、アウターが削れ始めてしまったので、長めのクラッチワイヤーに交換する事にしました。


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下が純正ハンドル、上がZETAのCOMP ED Medium
ZETAのハンドルバーを左右5mmずつ切りました

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ハンドルを伸ばした事により、ワイヤーが足りなくなって
メーターの取り付け基部に擦れています




■どのワイヤーを使うか

   問題は、どのクラッチワイヤーを使うかでした。XR230はとかくパーツで苦労する訳ですが、出来る限り調達しやすいパーツを使いたいものです。社外品ではXR230に使える長いのもあったのですが、結構良いお値段する代物でした。そこで、XR230のエンジンが、SL230、FTR223、CB223Sといったバイクと同じ形状である事に着目しました。つまり、それらのバイクでハンドル幅が広そうなのやつのだったら、XR230にも付くだろう、という訳です。そこで、FTR223の初期型のワイヤーを取り寄せてもらう事にしました。後期型はハンドル幅が狭いそうです。
   さて、届いたFTRのクラッチワイヤーをXRのと比べてみると、ざっくり10cmくらいFTRの方が長く作ってあります。仮付けしてみると、レバー側が5cmほど純正より長く、余裕たっぷりです。良さげな感じです。ところが、イザ取り付けようとしたら、エンジン側のアームにワイヤーのタイコを付けようと引っ張ると、レバー側が全部引っ込んで、しかもアームに付けられない事が判りました。簡単にポン付け出来ると思っていたので、これは少々ショックでした。
   そこで、パーツリストをにらめっこしてみると、驚愕の事実が判りました。というのは、クラッチワイヤーのエンジン側のアジャスターナットを止める金具が、XRとFTRとでは取り付け位置が違う、という事が判りました。XRではクランクケースの一番前のボルトの部分に付いているのが(少しエンジン側に引っ込んでいる)、FTRでは真ん中の2本のボルトの位置に付いていました(外側に少し出てる)。それに合わせて、アジャスターのスクリューの長さもXRは短くFTRは長く、スクリューから出てるワイヤーもXRは長く(その部分にブーツを履いている)、FTRは短い(ブーツなし?)訳です。
   同じエンジン使っているのに、どうしてこんな違いがあるのか考えたところ、FTR223はダウンマフラーでエキパイもエンジンの下側を通っている事から、クラッチワイヤーの取り回しには自由があったのに大して、XR230はアップマフラーでエキパイもエンジンの横を通る事から、苦肉の策で内側にワイヤーを引っ込めれる様な仕様にしたのだろう、という事が判りました。

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上がFTR223、下がXR230のクラッチワイヤー
FTRの方がかなり長めですが
アジャスターナットの部分の形状がかなり異なります

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この赤丸で囲んだパーツがない事には
FTRのクラッチワイヤーは取り付けで来ません



■FTR223のクラッチワイヤー取り付け

   そこで、改めてFTRのアジャスターナットを止めるブラケットを取り寄せてもらう事にしました。それさえあれば、エンジン側のアームもレバーもXRと同じですから、良い感じに付くはずです。
   ここで特筆すべきは、“パンツァーファウスト号”は、マフラーがCRF150Rの純正マフラーに替えてある、という事です。このマフラーのエキパイは、XR230のエキパイよりも上に位置していて、純正時にはアジャスターナットを弄るのに苦労するほど狭かったのですが、今は黙視して指で触れるほどに、隙間が空いています。故に、FTRの取り付け金具を付けて、そこからワイヤーを伸ばすのも、比較的楽な取り回しが出来る、という事です。
   さて、早速FTRのブラケットを取り付けてみましたが、FTRもXRも外身は同じですのでポン付け出来ます。XRのブラケットは不要ですので取り外します。アジャスターナットは、もともとはダブルナット形式で付いていましたが、今回はブラケットを挟み込む様に付ける事にしました。ホンダはなぜかダブルナットが好きらしいですが、挟み込み式の方が多いそうです。まぁ、その方が判り易いですしね。
   ナットを締め付ける際、ブラケットとクラッチカバーの間が狭く、レンチを斜めに入れる格好となりましたが、これはその上にマフラーのエキパイがあった為です。FTRはダウンマフラーですので、上からレンチを入れれるのですが、こればっかりは現物合わせでやるしかありませんでした。まぁ、ガチガチに締めるナットではないので、これで良しとしました。

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こちらがXR230ノーマル状態

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こちらがFTRのブラケットを付けた状態
アジャスト位置が40mmほど下がりました

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逆光で判りにくいですが
こちらがXR230ノーマル状態

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こちらがFTRのブラケットを付けた状態
アジャスト位置が外側に15mmほど移動しました

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アジャスターナットをブラケットを挟み込む様に取り付けました


■取り回し

   クラッチワイヤー自体は、その後は普通に元の通りに通してクラッチレバーに付けて終わり。あっさり作業が終わってしまいました。ワイヤーの長さは、長過ぎず、当然短くもなく、丁度いい感じです。ハンドルを左右に切ってみましたが、引っかかる感じは全くありません。今までワイヤーが擦れていたメーターの基部も余裕もって隙間が出来ています。ついでにいうと、ワイヤーが新品になったので、クラッチレバーがとても軽くなりました。
   ワイヤーブラケットの位置は、後ろに4cm、外側に15mmほど移動する格好になりました。外側に出た事で、転けた時とかに石とかにヒットする確率も上がった訳ですが、その外側にはマフラーのエキパイもありますし、よほどの事が無い限り、走行不能になる様な事はないでしょう。むしろ、ブラケットとエンジンの間が空いた事で、土や泥が詰まっても洗車し易そうです。
   このFTRのクラッチワイヤーブラケットは、純正のマフラーでも付けれるんじゃないか、と思っています(遊び調整はキツいにしても)。となれば、ハンドルを長いものに交換した時など、FTRのワイヤーに交換してやれば、余裕を持ってワイヤー類の取り回しも出来ますし、ハンドルの角度も変えれると思います。
   パーツ代もそれほど高くありませんし、やろうと思えば自分でも出来る加工ですから、XR230でクラッチワイヤーが短い人には、是非やって貰いたいものです。

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ワイヤー交換後の状態
とても余裕のある取り回しになりました